「ピンピンコロリ」農業者は長寿で元気 国内初「農業者の後期高齢者医療費は非農業者の7割」を証明

早稲田大学

2017-07-11

早稲田大学

「ピンピンコロリ」農業者は長寿で元気 国内初「農業者の後期高齢者医療費は非農業者の7割」を証明

ピンピンコロリ! 農業者は長寿で元気! 国内初「農業者の後期高齢者医療費は非農業者の7割」を証明

医療費削減・健康寿命延伸化への貢献を期待

早稲田大学重点領域研究機構の持続型食・農・バイオ研究所の堀口健治(ほりぐち けんじ)本学名誉教授、弦間正彦(げんま まさひこ)社会科学総合学術院教授は、2016年4月に自営農業者の医療費は、それ以外の人に比べ3割程度少ないとの調査結果を発表しました。今回は、より正確に農業者と非農業者との差異を明らかにする目的で、アンケートによる調査を2017年2-3月に実施し、いくつかの重要な事実を確認しましたので公表します。

①自営農業者男女の際立つ寿命の長さであり、それ以外の人との差は男性が特に大きい。

男性:自営農業者の平均死亡年齢81.5歳、それ以外73.3歳

女性:自営農業者の平均死亡年齢84.1歳、それ以外82.5歳

②仕事の従事期間の長さでは男女ともに自営農業従事の長いことが特徴的であり、それが健康寿命の延伸化に貢献していると理解できる。

男性:自営農業者の引退までの就労期間50.8年、それ以外37.5年

女性:自営農業者の引退までの就労期間49.1年、それ以外28.0年

③自営農業者の引退年齢は男女ともに高齢時期を挙げ、それ以外の人の多くが定年退職の年齢を引退年齢として挙げているのとは異なる。自営農業者は70歳代前半まで健康に仕事に従事していたことが示唆されている。

男性:74.2歳、それ以外64.3歳

女性:72.8歳、それ以外60.8歳

④自営農業者の引退後の余命は農業者以外の人と比べ男女ともに短い。

男性:自営農業者の引退後死亡までの期間7.4年、それ以外9.6歳

女性:自営農業者の引退後死亡までの期間11.0年、それ以外19.3歳

本調査より、自営農業者の際立つ寿命の長さは、健康で長期に農業に従事していたことが貢献しているといえます。また、死亡年齢と健康寿命の差である余命は短く、いわゆる「ピンピンコロリ」の特徴が示されています。

今後は、健康な人の共通属性やライフスタイルの研究のために、後期高齢者医療保険制度の医療費データをさらに活用したいと考えています。また、農業者の実際の仕事や活動のどの部分が長寿に結び付き、生活スタイルがどのように健康維持につながるのかを明らかにするため、医療関係者やスポーツ科学の研究者とともに、農業者からの聞き取り調査や生活の観察等を実施し、研究を発展させていきます。

研究の詳細について

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