~女性たちの「オリモノ問題」を調査~ 専門家が教える「膣内フローラ」対策とは?
生活者の意識・実態に関する調査をおこなうトレンド総研(東京都渋谷区)は、このたび、女性たちの「オリモノ問題」をテーマにレポートします。
2018年7月9日
トレンド総研
量・ニオイ・色が気になる…女性たちの「オリモノ問題」
約7割が経験アリ! 仕事やデートにも影響!?
オリモノの異常は「膣内フローラ」が乱れているサイン? ストレスや睡眠不足も影響…
専門家が教える「膣内フローラ」対策とは?
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調査結果:「オリモノ」に関する調査
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はじめに、20~50代の女性500名を対象に、「オリモノ」に関する調査を実施しました。
[調査概要]
調査名 :「オリモノ」に関する意識・実態調査
調査期間 :2018年4月4日(水)~4月5日(木)
調査対象 :20~50代女性 500名(年代均等割付)
調査方法 :インターネット調査
※小数点以下を四捨五入しているため、合計しても100%にならない場合があります
■約7割がオリモノに不安…仕事や恋愛への影響も!?
まず、オリモノの状態を不安に思った経験について聞いたところ、約7割(69%)が「不安になったこと・気になったことがある」と回答。どのような部分が気になったのか詳しく聞くと、「量」(54%)、「ニオイ」(54%)、「色」(52%)、「粘度」(48%)と、大きな差が出ない結果に。オリモノの悩みは多岐にわたるようです。
また、「仕事中に不安になったこと・気になったことがある」という人も45%おり、約半数(49%)がオリモノの状態は「集中力に影響がある」と考えていました。その他の心理的な影響として「積極性」についても56%、「気分」については約7割(68%)が「影響あり」と回答しました。
そこで、オリモノにまつわる経験談を具体的に聞いてみると、「仕事中、外出中に急にドバッと出て、下着はびしょ濡れで不快だし、服に染みないかも気になるし、なかなかトイレに行けなくて不安ばかりだった」(27歳)、「恋人といい雰囲気になっても、オリモノの匂いや量などが気になってしまい流れを止めてしまう」(34歳)など、仕事や恋愛において集中できなかったり、積極性を欠いてしまったりするという声が多くあがりました。
■話しにくいデリケートゾーンの悩み…病院に行くより自分で治したい!
ここまでの結果から、オリモノは女性たちの心理や行動に大きな影響を及ぼしていると考えられます。さらに、「オリモノなどのデリケートゾーンの悩みは人に話しにくい」と考えている人が約9割(89%)にものぼりました。それを裏付けるように、「オリモノが気になったときに病院を受診したことがある」という人は10%に留まり、何も対処をしなかったり、自己流で対処したりする人も多いようです。病院を受診しない理由を聞いてみると、「恥ずかしい」「オリモノ程度で行っていいのかわからない」という声が多く見られました。
これを受け、あらためて「オリモノなどのデリケートゾーンの悩みについて、病院に行くのは恥ずかしいと思いますか?」と聞いてみたところ、75%が「そう思う」と回答。「できれば自分で治したい」と答えた人も86%おり、女性たちの本音が浮き彫りになりました。
しかしその一方で、自分の知識には自信がないようで、「オリモノに関する自分の知識は正しいと思いますか?」という質問には約6割(58%)が「正しいと思わない」と回答しています。
実際、今回オリモノやデリケートゾーンのケアに関する知識を問う問題を出してみたところ、平均点は8点中4.4点という結果に。正しい知識を持っている女性は少なく、セルフケアのハードルになることが考えられます。
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専門家取材:オリモノの異常は“膣内フローラ”の乱れ!? 産婦人科医が語る対策とは
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調査結果を受け、産婦人科医の高橋しづこ先生に、「オリモノの異常」についてお話を伺いました。
高橋しづこ/産婦人科医
1995年、米国オレゴン州私立Reed Collegeを卒業。
1997年、東海大学医学部へ入学。同大卒業後、東京大学医学部大学院から医学博士。
その後は日赤医療センター、山王メディカルセンター、はらメディカルクリニックで非常勤医師。
女医+(じょいぷらす)所属。
A型・いて座。自身は39歳で第1子、41歳で第2子、43歳で第3子と高齢で出産。高齢不妊・妊娠・出産のつらさや痛みが分かるぶん、患者さんのお話にはできるだけ真摯に耳を傾けたいというのが信条。趣味はサイクリングで、通勤にもロードバイクを愛用するアクティブな一面も。
■異常なオリモノ・正常なオリモノの違い
まず、オリモノは多少出るのが正常です。色については白からクリーム色、ニオイは少し酸っぱい感じで、ゆるめのヨーグルトのような状態が正常です。排卵日には少し水っぽくなり、量が増えます。また、人によって正常な量が違うので、量が多いことであまり悩まなくても大丈夫。どうしても気になる場合は、婦人科を受診してみてください。
異常を見分けるために気をつけて欲しいのが、「いつもと違う」ということ。普段から自分で下着を観察したり、時には嗅いだりして、正常な状態を覚えておきましょう。「少し色が濃いな」「ニオイが違うな」という場合は、後述のチェックリストを確認してみてくださいね。
■オリモノの異常は“膣内フローラ”の乱れが原因
オリモノの異常は、細菌性膣症や膣カンジダの症状であることが多いです。原因となる細菌やカンジダ菌は、元から膣内にいます。実は、腸と同じように、膣にも良い菌と悪い菌がいる「フローラ(グループごとに固まって生息する菌の集まりが花畑のように見えることから)」があるのです。腸・口・肌に次ぐ第4のフローラと言ってもいいかもしれません。膣内フローラのバランスが保てている間は問題ないのですが、ストレスや睡眠不足などでバランスが崩れると、体が菌に負けて細菌性膣症や膣カンジダの症状が出てしまいます。つまり、とても普遍的な、風邪のような病気なのです。対処法としても、菌を入れないようにすることではなく、菌に負けないように膣内フローラのバランスを整えることが大切です。
■最近は市販の薬やサプリなども! 正しいケア方法とは
まず、石鹸で洗ったり、頻繁にビデを使用したりするのはNG。基本的には手とぬるま湯で、外陰部を優しく洗うようにしてください。膣の中まで手を入れて洗ったり、シャワーで中を流したりする必要はありません。中まで洗ってしまうと、膣内フローラのバランスが崩れてしまい、かえって膣炎などを引き起こしやすくなります。生理中など、どうしても気になる場合は外陰部のみ石鹸を使用しても大丈夫です。また、ムレやしめつけも原因となることがあるので、通気性の良い下着や服を身につけることも大切です。そして、なるべくストレスを減らし、よく眠り、健康に良い生活を心がけること。膣内フローラのバランスには、心身全体の健康が関わっています。
欧米では膣についてもセルフケア意識が高く、市販の薬も多く研究・販売されています。膣内フローラを整えるために乳酸菌が効く、という通説が何年も前からあり、市販のサプリやケアアイテムなどの販売・使用も盛んです。ここ最近、日本でも膣内フローラを整えるための乳酸菌が入ったサプリ・アイテムや、膣カンジダの薬が市販されていますので、気になる症状を感じたら使ってみてもいいと思います。それで改善しない場合は、病院を受診してくださいね。
■オリモノの異常チェックリスト
□ 1.色が緑がかっている(色のついた鼻水のような色)
□ 2.腐った魚のようなニオイがする
□ 3.デリケートゾーンにかゆみがある
□ 4.水っぽい
□ 5.ドロドロ、もしくはカッテージチーズのようにぽろぽろしている
□ 6.泡立っている
・1、2、4に当てはまる…細菌性膣炎の可能性があります。膣内フローラを整える生活・アイテムを。
・3、5に当てはまる…膣カンジダの可能性があります。初めてなら病院、再発なら市販薬と膣内フローラを整える生活・アイテムを。
・1、2、6に当てはまる…膣トリコモナス症の可能性があります。病院へ!
※セルフケアで症状が改善しない場合は病院を受診してください
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専門家監修:あなたの知識は正しい? オリモノ・ケアの知識テスト
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セルフケアを正しく行うためには、まず正しい知識を持つことが大切です。今回のアンケート調査でも使用した、オリモノやデリケートゾーンのケアに関する知識を問う下記の問題で、知識のセルフチェックができます。
■オリモノ・ケアの知識 ○×テスト 解答
□1 オリモノはないほうが良い…×
オリモノはあるのが正常です。
□2 正常なオリモノは少し酸っぱいニオイがする…○
ヨーグルトのような、少し酸っぱいニオイがするのが正常です。
□3 公衆浴場でも膣炎はうつる…×
膣炎・膣症は免疫力が落ちて発症することがほとんど。浴場などで神経質になりすぎる必要はありません。
□4 デリケートゾーンを洗うときは石鹸を使わないほうが良い…○
ぬるま湯と手で優しく洗いましょう。
□5 デリケートゾーンはトイレのビデなどを使って頻繁に洗い流したほうが良い…×
デリケートゾーンの洗い過ぎは、膣内フローラのバランスを崩す原因に。かえって膣炎などを起こしやすくなります。
□6 オリモノの異常を引き起こす細菌性膣症の原因となる菌は、日常生活で触れる、いわゆる雑菌である…○
普通に生活していれば、どこにでも雑菌はいます。そして、その雑菌が膣にもおり、膣内フローラのバランスが崩れると増殖して膣炎の原因になるのです。
□7 膣内には、普段は菌はいないが、入ってしまうと細菌性膣症になる…×
普段から膣内には良い菌と悪い菌がいて、フローラを形成しています。このバランスが崩れると細菌性膣症などの症状が現れます。
□8 細菌性膣症は流産や早産の原因になる…○
妊娠中に膣内の炎症を放置していると、子宮の入り口や胎児を包んでいる膜にまで炎症が広がり、流産や早産の原因となります。
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- 名称 トレンド総研
- 所在地 東京都
- 業種 広告・広報
- URL http://www.trendsoken.com/
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