「声の衛生教育」による声帯ポリープ・声帯結節の保存療法、61.3%が病変消失。手術回避の可能性

国立病院機構

2018/9/19 10:00

手術適応の声帯結節、声帯ポリープに対し、手術をしない治療法の有効性を世界初のランダム化比較試験で手術前に検証しました。一方的注意喚起群(26.3%病変消失)に比べ、声の衛生教育を行った群(61.3%同消失)で治療効果が向上しました。保存療法により、手術医療費が50万円から3万円へ医療費軽減が期待できます。

2018/9/19

独立行政法人国立病院機構

東京医療センター

「声の衛生教育」患者啓発による声帯ポリープの

保存的治療、その有効性の検証

1. 「声の衛生教育」とは

 「声の衛生教育」とは「声帯に負担をかけない」「しっかり加湿をする」などの健康な声を保つために行う適切な生活指導のことです。この手術をしない治療法(保存療法)について、世界で初めて科学的根拠の高いランダム化比較試験で効果を検証したところ、声帯ポリープ、声帯結節の治療に有効であることがわかりました。

 本研究は平成30年10月発行の米国誌Laryngoscope11月号に掲載予定です。

2.研究の背景と概要 

 これまでも、声帯ポリープ、声帯結節に対し、外科手術を用いない「声の衛生教育」による治療法は有効な手段の一つであるとされていました。しかし、それを証明するだけの十分な科学的根拠が乏しかったことなどもあり、わが国では「声の衛生教育」を行わず、外科手術を第一に選択されてきているのが一般的です。

今回、国立病院機構(NHO)の11病院で耳鼻咽喉科からなるNHO感覚器共同研究チーム(班長:東京医療センター感覚器センター部長角田晃一)は、声帯ポリープ、声帯結節に対する、チーム医療による保存療法(「NHO声の衛生教育」)を用いた有効性の検証を、世界で初めてエビデンスの高いランダム化比較試験(RCT)で行いました。

保険診療で手術の適応になる声帯ポリープ、声帯結節の患者さんに対し、

1)標準化された患者への啓発DVD等を用いて、医師、言語聴覚士(ST)、患者によるチーム医療で

  個々の患者の生活に則した「NHO声の衛生教育」を提供する患者群(98例)と

2)パンフレットのみを患者に渡し注意喚起する患者群(102例)

の二群に分け、それぞれの治療効果を手術前の待機期間である2か月間に比較しました。

チーム医療で「NHO声の衛生教育」を行った群(61.3%が消失)は、パンフレットのみを用いた一方的注意喚起群(26.3%が消失)に比べて、有意に治療効果が向上し、手術する患者さんを減少させることがわかりました。

3.研究の意義・今後の展開

全身麻酔よる手術の医療費は約50万円(本人負担3割で約15万円)かかりますが、「NHO声の衛生教育」で治療が終われば、約3万円(本人負担3割で約1万円)で済みます。

RCTで有効性が明らかになった本プログラム「NHO声の衛生教育」ですが、日本では一般的ではありません。今後、声帯ポリープ、声帯結節の手術を行う前の治療法として選択されるよう活動を続けます。

4.特記事項

 本研究は独立行政法人国立病院機構運営費交付金(臨床研究事業研究費)によって行われました。

5.「NHO声の衛生」URL

《NHO声の衛生日本語》

http://www.kankakuki.go.jp/video_eisei.html

《NHO声の衛生英語版》

http://www.kankakuki.go.jp/video_eisei_eng.html

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