『口臭白書2019』日本人の口臭ケアの現状と課題を明らかに。「女性の口臭が深刻な事態」 であることが判明
2019年5月29日
ブレス・ハザードプロジェクト
『口臭白書2019』 日本人の口臭ケアの現状と課題を明らかに。
「女性の口臭が深刻な事態」 であることが判明
女性は人生で3度“口臭リスク”が高まる
~歯科通院でしか治せない!?
「ブレス・ハザード」対策の意義が浮き彫りに~
『口臭白書2019』調査から見えてきた、日本人の口臭ケアの課題とは
■男性より女性の方が口臭レベルが深刻であることが判明
⇒「中高年のおじさんより、若いおねえさんの方が口が臭い」?
⇒ホルモンバランスの乱れ、妊娠・出産・子育てと口臭に関係性あり?
■歯磨き頻度と口臭レベルには相関性がないことが判明
⇒セルフケア意識が高まっているものの、熱心なセルフケアだけでは限界あり?
⇒歯科医・歯科衛生士によるプロケアが重要に?
■仕事から恋愛まで、口臭は「対人コミュニケーションにおけるビッグイシュー」
⇒日本人の7割が「周囲の口臭に悩まされながら」仕事をしている
⇒女性の半数が、デート中の相手の口臭に悩んだ経験あり。別れの原因にも?
「口臭がひどい」のは酒やタバコをたしなむおじさんの方が多い――そんな固定観念が行いも崩れ去る調査データが明らかとなりました。
ブレス・ハザードプロジェクト<若林健史(日本歯周病学会 理事 専門医・指導医)、歯科医療総合商社である株式会社モリタ(大阪府吹田市 代表取締役社長・森田晴夫)、生体ガス測定システムのパイオニア企業である株式会社タイヨウ(大阪市 代表取締役社長・利川寶)>は、来る6月4日~10日の「歯と口の健康週間」に先立ち、全国47都道府県・4700人を対象とした口臭ケアに関する意識調査と、首都圏214人を対象とした口臭測定調査を行い、その調査結果をもとに『口臭白書2019』を編さん。日本人の口臭ケアの現状と課題についてまとめました。
調査結果の詳細はこちら
「ブレス・ハザードプロジェクト」オフィシャルサイト(5/29オープン)
当プロジェクトでは、自身や周囲を悩ませる口臭、そしてその原因となる口腔内の疾患リスク等を「ブレス・ハザード(Breath Hazard)」と銘打ち、そのケアに関する正しい知識の啓発を通じて、“口臭大国・ニッポン”の汚名を返上し、国民一人一人の健康でさわやかな口腔環境に貢献することを目指します。
実は女性の方が危険! 口臭リスクをもたらすわけ
『口臭白書2019』調査によると、口臭測定スコアにおいて基準値(口臭測定スコア50)をオーバーした人の割合が、男性8.3%に対し、女性は17.9%と、女性の方が2倍以上の割合に上りました(図1)。
性年代別に見ると(図2)の通り、「中高齢層の男性」9.3%に対し、「若年層の女性」11.5%となり、「中高年の男性より若い女性の方が『口臭がニオう』」という意外な事実が明らかとなりました。
また、より口臭スコアが深刻なのは、40~60代の「中高齢層の女性」であり、基準値を超えた人の割合は24.1%と圧倒的に多く、約4人に1人が基準値オーバーという結果になりました。
※若年層:20~39歳/中高齢層:40~69歳
■女性は「人生で3度、口臭リスクが高まる」
「女性の口臭が深刻な事態」この原因について、歯科医師の若林健史氏は「口臭の原因である歯周病のリスクが、男性に比べ女性の方が高い」という点を指摘します。「口臭には一時的に臭いが発生する『生理的口臭』と、主に口腔内の疾患や汚れに端を発する『病的口臭』がありますが、この病的口臭の原因となる歯周病は、女性ホルモンの分泌量の変化が、口腔内の血液循環やプラーク中の細菌に影響を与える関係で、女性の方がより罹患(りかん)リスクが高いのです。特に①:思春期 ②:妊娠・出産期 ③:更年期の3つのタイミングで高まりやすいとされています。今回、女性の方が口臭基準値をオーバーした人が多かったのも、この“女性特有の”歯周病リスクと少なからず関係しているのではないでしょうか」
仕事に家事、子育てと男性以上に日々の用事に追われ、心身の状態を気づかう余裕もなかなか持ちにくい女性。健康はもちろんのこと、対人関係にも大きな影響を及ぼす「口臭」についても、実は男性以上に、一層適切なケアが求められるといえるでしょう。
☆口臭リスクが高まる時期と原因
①:思春期・・・ホルモンバランスが変化しやすい時期。月経のたびに歯ぐきが腫れやすくなる
②:妊娠・出産期・・・女性ホルモンが細菌の一種、プレボテーラ・インテルメディアの発育を促進、出血を起こしやすい状態に
③:更年期・・・更年期症状の一分症としてホルモンのバランスが崩れ、歯周組織が変化し、歯周病症状が悪化する恐れ
口臭は、自分だけでは治せない。さわやかな息は、定期的な歯科通院から。
多くの人が悩んでいる口臭ですが、歯科医や歯科衛生士の診察・指導を受けている人は極めて少ないのが現状です。
今回の口臭ケア意識調査では、日常的に行っている口臭ケアに関して「歯科医の診察を受ける」と回答した人は、全体のわずか5.1%にとどまりました(図3)。多くの人々にとって「口臭=自分でケアするもの」であることがうかがえます。
■自分でケアするだけで口臭は解決しない!? 「歯磨き回数と口臭レベル」は関係なし
熱心にセルフケアをしている人は口臭の値も低いのか? その実態を探るべく、1日の歯磨き回数別に、口臭測定スコア基準値以上の比率を比較しました。すると1日の歯磨き回数が少ない「1日2回以下」は12.0%、回数が多い「1日3回以上」は14.2%となり、むしろ回数の多い人の方が基準値オーバー比率が高いという結果になりました(図4)。このことからも、口臭ケアにおけるセルフケアの限界がうかがいしれます。
■自分では治せない「病的口臭」 根本的な解決には歯科医・歯科衛生士の“プロケア”が不可欠!
口臭にはいくつかの種類がありますが、大きくは「生理的口臭」と「病的口臭」の2種類に分類することができます。
このうち、主に歯周病など口腔内トラブルが原因で発生する病的口臭は、自己流のセルフケアだけでは解消できず、歯科医に通院して治療を受けることが必要といわれています。
①生理的口臭…起床時や空腹時、食事の後など一時的に口臭が強くなるもので、時間の経過とともに減少
②病的口臭…呼吸器系や消化器系の病気などによるものもあるが、多くは歯周病など口腔内トラブルが原因
若林氏によると、歯周病の有無を問わず、できれば3ヶ月に1回程度のペースで歯医者さんに通うことが、理想的な口臭ケアであるといいます。「もちろん、いま現在歯周病にお困りの方は、その治療に取り組まないと口臭は絶対に治らないですし、いまは目立った口腔内トラブルがないという人も、定期的な通院によって歯をクリーニングしたり、歯科衛生士からケアに関する指導を受けていただきたいと思います」
病的口臭の発端となるのは、歯磨きの際の「磨き残し」が原因で生じる歯垢です。“磨き残しゼロ”を目指して、時間をかけて丁寧に磨きたいものですが、どれだけ上手に歯を磨いている人でも2割程度は磨き残しが生じるといわれています。
「歯を磨く際の癖や骨格・歯並びによって、十分に磨ききれない部分が生じます。いくら時間や回数を増やして熱心なセルフケアを行っても、一歩間違えた方法でケアしてしまうと口臭リスクは低減しません。そのため、歯科衛生士の指導のもと、ご自身の歯磨きの癖や課題を把握することが有効となるのです」(若林氏)
☆「病的口臭」に至るまでのメカニズム
①:歯間や歯茎の食べかすに、口の中の細菌が付着し歯垢となる
②:ネバネバした歯垢に口の中のカルシウムが付着し、石のように固くこびりつき歯石となる
③:歯石にさらに細菌がつき、歯周ポケットに付着し歯周病を引き起こす
④:細菌の塊である歯垢や歯石は歯茎に炎症を起こすため、白血球が集まり細菌と戦う
⑤:その死骸がニオイを発する膿となり、口臭の原因となる
『口臭白書 2019』について
日本人の、口臭に対する「ケアの意識」、および「口臭レベルそのものの実態」について体系的に調査・整理することで、日本人の口臭ケアにおける現状や課題を明らかにすることを目指しました。
■調査概要
<全国47都道府県・4700人にアンケート 「口臭ケアの意識」調査>
全国の対象者に対して、口臭というものに抱く認識や、日々の口臭ケアをどのように実践しているのか等をアンケート調査。性別・年齢・地域等クラスタ毎の差異を割り出しながら実情を明らかに。
■集計方法:インターネットによるアンケート調査
■調査期間:2019年4月17日(水)~23日(火)
■調査対象:全国の男女20~69歳
各都道府県100名、計4700名
※男女/若年(20~30代)・中高齢(40~60代)各50名
<男女200人を測定「口臭レベルの実態」調査>
口臭測定器を用いて、対象者の口臭レベルを実態調査。“口臭そのもの”の実態と、日々のケア状況、生活習慣との相関性を明らかに。
■集計方法:会場調査
■調査期間:2019年5月10日(金)、12日(日)
■調査対象:首都圏在住の男女20~69歳 214名
■「ブレス・ハザードプロジェクト」について
当プロジェクトでは、自身や周囲を悩ませる口臭、そしてその原因となる口腔内の疾患リスク等を「ブレス・ハザード(Breath Hazard)」と銘打ち、そのケアに関する正しい知識の啓発を通じて、“口臭大国・ニッポン”の汚名を返上し、国民一人一人の健康でさわやかな口腔環境に貢献することを目指します。
「ブレス・ハザードプロジェクト」オフィシャルサイト(5/29オープン)
※プロジェクトメンバー
若林 健史
日本大学客員教授、日本歯周病学会理事・専門医・指導医、日本臨床歯周病学会・認定医・指導医。医療法人社団真健会(若林歯科医院、オーラルケアクリニック青山)理事長。
1982年、日本大学松戸歯学部卒業。89年、東京都渋谷区代官山にて開業。2014年、代官山から恵比寿南に移転。日本大学客員教授、日本歯周病学会理事を務める。
歯周病専門医・指導医として、歯科医師向けや一般市民向けの講演多数。テレビCMにも出演。
株式会社モリタ
1916年に歯科医療器材の輸入商社としてスタートし、2016年に創業100年を迎えた歯科医療総合商社。
歯科医療機器の販売から開業・経営コンサルティング、医療情報提供まで行う。歯科医療機器卸国内でトップシェア(56.2%※)を占めるリーディングカンパニー。
※『歯科機器・用品年鑑 2019年版(29版)』参照
株式会社タイヨウ
創業以来、一貫して生体ガス測定システムの分野で、医療に携わるすべての方々のためにお役に立てるよう
専門機器の開発に従事。医療機械及び健康開発機材開発・製造、販売および、
理化学機器の開発・製造、販売を行う、生体ガス測定システムのパイオニア企業。
※実態調査では、同社の口臭測定器「B/Bチェッカー Oral/Breath Gas Detector mBA-22」を使用。
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このプレスリリースを配信した企業・団体
- 名称 ブレス・ハザードプロジェクト
- 所在地 大阪府
- 業種 各種団体
- URL https://www.gogohaisha.com