花王、ESG戦略「Kirei Lifestyle Plan」の進捗状況を公表

花王

花王株式会社(社長・澤田道隆)は、本日4月23日、ウェブサイトで「花王統合レポート 2020」「花王サステナビリティ データブック Kirei Lifestyle Plan Progress Report 2020」を公開し、その中で2019年4月に発表したESG戦略「Kirei Lifestyle Plan」(キレイライフスタイルプラン)の進捗状況を公表しました。英語版は、それぞれ6月中に公開予定です。

 

 

 

 

花王は130年にわたり、人々の暮らしに寄り添うことで、豊かな生活文化の実現をめざしてきました。2017年には、4カ年の中期経営計画「K20」をスタート。事業の持続的成長と持続的な社会の実現のために、ESG活動をこれまで以上に重視しながら、「利益ある成長」の実現に取り組んでいます。2018年には社会課題のひとつであるプラスチック包装容器に関する花王の姿勢をまとめた「プラスチック包装容器宣言」を公開し、2019年4月には消費者ニーズが高まっている持続可能な暮らしを「Kirei Lifestyle」 とし、それを実現するためのESG戦略「Kirei Lifestyle Plan」を策定しました。「Kirei Lifestyle Plan」は、ビジョン、2030年までの3つのコミットメント、重点取り組みテーマである19のアクションで構成されています。また、2019年9月には、ESG視点の「よきモノづくり」を推進する第1弾の注力アクションとして、プラスチック循環型社会に向けた「リデュースイノベーション」「リサイクルイノベーション」と、QOL*1の向上等に寄与する「ソーシャルイノベーション」に注力していくことを発表しています。

*1 Quality of Life(クオリティ・オブ・ライフ):一人ひとりの人生の内容の質や社会的に見た生活の質のこと

 

具体的な活動としては、重点取り組みテーマの「サステナブルなライフスタイルの推進」において、バイオIOSの開発、「パーパスドリブンなブランド」では、「MyKirei by KAO」の発売、「暮らしを変える製品イノベーション」では、ファインファイバーテクノロジー、RNAモニタリングの開発、「脱炭素」では、再生可能エネルギーの利用、「ごみゼロ」では、「スマートホルダー」の店頭販売本格開始、プラスチック製アイキャッチシール廃止の推進などを進めてきました。

 

こうした取り組みが評価され、国際NPOであるCDPが実施している「気候変動」対応に関する調査と、「水」対応に関する調査で最高評価である「Aリスト企業」に選定されました。また、世界の代表的な社会的責任投資(SRI)指標である「Dow Jones Sustainability World Index」(DJSI World)の構成銘柄にも6年連続で選定、役員報酬のKPIとしている米国のシンクタンクEthisphere Institute(エシスフィア・インスティテュート)の「World’s Most Ethical Companies® 2020」(世界で最も倫理的な企業)には14年連続で選定されています。

 

「Kirei Lifestyle Plan」の進捗公開にあたり、花王 執行役員 ESG部門統括のDave Muenz(デイブ・マンツ)は、「2019年は、ESG 視点の『よきモノづくり』を進めるうえで、最も効果的で花王らしい活動が何かを議論し、実践に移してきました。科学的根拠に基づくCO2排出量削減目標であるSBTイニシアチブの公式認定取得をはじめ、具体的な目標を掲げて取り組みを進めています。実行にあたっては、社員のエンゲージメント向上が重要で、社内での啓発・対話にも注力しています。また昨年設置したESG外部アドバイザリーボードには、2名の社外有識者を迎え入れました。ESG委員会の諮問に対する答申や提言をし、グローバルな社外の視点を経営に反映させていきます。引き続き、よりこころ豊かなライフスタイルに貢献できる事業をめざしていきます」としています。

 

花王グループは、経営にESGの視点を導入することで、事業の拡大と、消費者や社会へのよりよい製品・サービスの提供をめざしていきます。そして、花王らしいESG活動をグローバルに展開し、世界の人々の喜びと満足のある豊かな生活文化を実現するとともに、社会のサステナビリティへの貢献に取り組んでまいります。

 

 

Kirei Lifestyle Plan 主な重点取り組みテーマと活動

サステナブルなライフスタイルの推進

エネルギーや水などの資源の節約など、よりサステナブルなライフスタイルを分かりやすく提案し、未来につながる暮らしを広げます。

 

サステナブルな洗浄基剤 バイオIOSを開発

 

 

バイオIOS は、アブラヤシの実から食用のパーム油を採取する際の搾りカスを原料としています。パーム油は、世界で流通する天然植物油脂原料(1.9億トン/年、2017年度)の中で最も多く使用されている汎用の油脂です。そのパーム油を採取する際の搾りカスである長い炭素鎖数の固体性状油脂は、その用途が限られていました。これまで、ほとんど使われなかった油脂原料を有効活用できるという意味からも、また、将来的には藻類から採れる油を活用できるという理由からも、次世代を担う極めてサステナブルな基剤といえます。バイオIOS は、サステナブルな洗浄基剤として、2019年に発売した衣料用濃縮液体洗剤「アタックZERO」から実用化しています。

 

・2019年01月23日 ニュースリリース

花王史上最高の洗浄基剤「バイオIOS」を開発

https://www.kao.com/jp/corporate/news/rd/2019/2019012

・2019年01月23日 ニュースリリース

『アタック ZERO(ゼロ)』 新発売

https://www.kao.com/jp/corporate/news/products/2019/20190123-002/

 

バイオIOSの開発は、花王の重点取り組みテーマ「責任ある原材料調達」にも貢献します。

 

 

パーパスドリブンなブランド

各ブランドが、コミュニティや社会課題の解決につながる存在意義(パーパス)を掲げ、事業活動を行ないます。

 

●花王が提案する「Kirei Lifestyle」を体現するブランド「MyKirei by KAO」を米国で新発売

 

2020年4月より、「Kirei Lifestyle」(キレイライフスタイル)を体現するブランド「MyKirei by KAO」(マイキレイバイカオウ)の販売を開始しました(写真左からシャンプー、コンディショナー、ハンドウォッシュ、各つめかえ用あり)。米国でビジネスをスタートし、花王の本質研究から生まれた技術により、環境負荷が少なく、誰にでも使いやすいユニークな商品を提案していきます。

容器には、花王が開発したフィルム容器「Air in Film Bottle」(エアインフィルムボトル)を初めて採用しています。フィルムは「ラクラクecoパック」*2などつめかえ用容器に使われるやわらかい素材ですが、容器の外側に空気を入れて膨らませることで、自立する容器として使用することができ、プラスチックの使用量をポンプ型ボトルに比べ約50%少なくすることができます。さらにつけかえ用をラインアップし、ポンプの繰り返し利用を促進します。また従来ボトルに比べて液残りが少なく最後まで使うことができる、環境にやさしい容器です。今後は、消費者の「Kirei Lifestyle」に貢献できる、さらに幅広い商品群の提案を計画しています。

*2 ラクラクecoパック: より液残りが少なく、よりつめかえやすい、花王が独自に提案し普及に努めてきたつめかえ用フィルム容器

 

・2020年04月07日 ニュースリリース

花王が提案する「Kirei Lifestyle」を体現するブランド「MyKirei by KAO」を米国で新発売

https://www.kao.com/jp/corporate/news/sustainability/2020/20200407-001/

 

この活動は、花王の重点取り組みテーマ「ごみゼロ」にも貢献します。

 

 

暮らしを変える製品イノベーション

本質研究の追求により、生活者と社会の課題を解決し、よりサステナブルな暮らしを実現する画期的な製品を生み出します。QOL*1の向上に寄与する「ソーシャルイノベーション」の一環として、以下の2つの研究開発を推進しました。

 

●ファインファイバーテクノロジー

 

 

2018年に、直径1μm以下の極細繊維を直接肌に吐出し、肌上に積層型の極薄膜をつくるファインファイバー技術を確立しました。この膜は、軽くてやわらかく、はがれにくいうえに肌の動きに追従し、肌に自然になじみながらも完全に閉塞することなく、適度な透湿性を保ちます。さらに、併用する製剤を膜全体に広げて保持する性能があります。2019年には、この極薄膜が自宅で簡単に作れる高性能小型機器と、機器にセットして極薄ヴェールをつくる化粧液、併せて使う美容液を開発し、2ステップにより肌をうるおいで満たすスキンケア製品として販売を開始しました。高性能小型機器は、美容家電の技術を持つパナソニック株式会社アプライアンス社と共同開発したものです。今後は、毛穴、色ムラ、シミなど気になる箇所をカバーするベースメイク製品の開発を推進するほか、将来的には、このファインファイバー技術を用い、レーザー治療後のケアや損傷を伴う皮膚疾患に対しての治療貢献など、医療領域において新しい価値を生み出す使い方の実現をめざします。

 

・2019年11月01日 ニュースリリース

積層型極薄膜形成技術「Fine Fiber Technology(ファインファイバーテクノロジー)」応用第一弾 化粧品(スキンケア)領域から事業化

https://www.kao.com/jp/corporate/news/business-finance/2019/20191101-001/

 

●RNAモニタリング

 

 

2019年に、人の皮脂から約一万種におよぶRNA発現情報を取得し、網羅的に解析する独自技術、RNAモニタリングを発表しました。DNAは生まれながらに持つ性質をとらえるのに有用ですが、RNAは環境要因などで日々変化する状態を知ることができる特徴があります。この技術では、皮脂から採取したRNAで、アトピー性皮膚炎患者に特徴的な変化を捉えられることも確認しています。肌トラブルはQOLの低下につながる社会課題です。さらに株式会社Preferred Networksとの協働を発表し、個人差を反映したRNAのビッグデータと、機械学習・深層学習などのAI技術を組み合わせることで、一人ひとりのお客さまの肌状態を理解する取り組みを開始しました。適切なケア方法の提案により健康な肌とQOL向上が期待できると考え、研究開発を進めています。

 

・2019年06月04日 ニュースリリース

皮脂中に人のRNAが存在することを発見 独自の解析技術「RNA Monitoring(RNAモニタリング)」を開発

https://www.kao.com/jp/corporate/news/rd/2019/20190604-001/

・2019年11月20日 ニュースリリース

花王とPreferred Networks、皮脂RNAモニタリング技術の実用化に向けて協働プロジェクト開始

https://www.kao.com/jp/corporate/news/business-finance/2019/20191120-001/

 

これら技術のさらなる応用、拡大は、花王の重点取り組みテーマ「QOLの向上」にも貢献します。

 

 

脱炭素

花王製品のライフサイクル全体を通じて、地球温暖化を2℃未満に(できればさらに低く)抑制するようにCO₂排出量を削減し、脱炭素社会へ貢献します。

 

●再生可能エネルギーの利用

 

 

花王は、地球温暖化の原因となる温室効果ガス排出量の削減を積極的に進めており、グローバル全拠点の温室効果ガス排出量を2030年までに22%削減(2017年比)することを目標*3にしています。目標達成のための取り組みとして、自家消費用太陽光発電設備の導入と、購入電力の再生可能エネルギー化を推進してきました。

2019年には、栃木工場と豊橋工場で新たに太陽光発電設備を導入。購入電力の再生可能エネルギー化に関しては、2019年12カ月間で見ると、ドイツ花王化学、花王マニュファクチャリングジャーマニー、花王コーポレーション(スペイン)の3拠点、花王チミグラフ、モルトンブラウン、花王USA、花王サニタリープロダクツ愛媛、花王川崎工場において、すべての購入電力を再生可能エネルギーに置き換えており、2025年までに日本、そして2030年までにはグローバル全体において、購入電力の100%再生エネルギー化を目標としています。

これらの再生可能エネルギー電力の利用により、95千トンのCO₂排出量を削減しました。

*3 Science Based Targetsイニシアチブの認証済み

 

・2020年04月16日 ニュースリリース

花王、2019年末時点での国内購入電力の再生可能エネルギー比率50%を達成

https://www.kao.com/jp/corporate/news/sustainability/2020/20200416-002/

 

 

ごみゼロ

原料やプラスチック等を適正に使用し、それらの使用量を削減するとともに、使用済み容器等や使われなかった原料・製品を再利用し、資源循環型社会に参加します。プラスチック循環社会の実現に向けた「リデュースイノベーション」の一環として、これまで進めてきた容器の薄肉化、つめかえの促進、濃縮化、大容量化の継続的な推進とともに、以下の2つの取り組みを推進しました。

 

●「プラスチックボトルレス化」を推進 「スマートホルダー」の店頭販売を本格的に開始

 

 

2020年4月より、シャンプーとコンディショナーのつめかえ用フィルム容器をセットするだけで、つめかえずに繰り返し使える「スマートホルダー」の店頭での販売を拡大し、本格的に開始しました。花王は2016年に、シャンプー・コンディショナー・全身洗浄料など、粘度の高い製品向けのつめかえ用製品「ラクラクecoパック」を発売しました。「ラクラクecoパック」は、フィルムでできているため、本品容器に比べプラスチック使用量が約80%削減でき、これまでのつめかえ用製品と比較して製造から使用、廃棄までの過程で生じるCO₂排出量も約3%削減しています。「スマートホルダー」は、2017年の発売以来、主にオンラインショップで販売してきましたが、店頭で販売を本格化することで、より多くの消費者が手に取りやすくなり、その簡便さから、環境負荷の低いつめかえ用「ラクラクecoパック」の使用をさらに促進することができると考えています。

 

・2020年03月17日 ニュースリリース

花王、「プラスチックボトルレス化」を推進 この春より「スマートホルダー」の店頭販売を本格的に開始

https://www.kao.com/jp/corporate/news/sustainability/2020/20200317-003/

 

「プラスチック製アイキャッチシール廃止」を推進

 

 

2020年春に発売の「ビオレu」全身洗浄料(一部製品を除く)、ボディケア製品、入浴剤において、商品(パッケージ)に添付しているアテンションツール「プラスチック製アイキャッチシール」を順次廃止していきます。「プラスチック製アイキャッチシール」は、消費者の購入時に商品特徴や正しい使用方法などを的確に伝達できるメリットがある反面、その分のプラスチック使用量が増え、プラスチックごみや廃棄時のCO2排出量の増大につながるという課題がありました。今回は、従来アイキャッチシールで訴求していた内容をボトルに記載することで、廃止を実現しています。今後も、使用方法の伝達等が必須な場合はFSC認証紙などの認証紙への変更を行なう、その他のコミュニケーション方法に切り替えるなどし、2021年末までには「プラスチック製アイキャッチシールの全廃」を達成します。

 

・2020年03月17日 ニュースリリース

花王、「プラスチック製アイキャッチシール廃止」を推進

https://www.kao.com/jp/corporate/news/sustainability/2020/20200317-002/

 

これらの活動は、花王の重点取り組みテーマ「脱炭素」にも貢献します。

 

 

 関連情報

■花王統合レポート 2020

https://www.kao.com/jp/corporate/investor-relations/library/reports/

■花王サステナビリティ データブック Kirei Lifestyle Plan Progress Report 2020

https://www.kao.com/jp/corporate/sustainability/pdf/

■花王、ESG戦略「Kirei Lifestyle Plan」を発表

https://www.kao.com/jp/corporate/news/sustainability/2019/20190422-001/

■未来に向けた「花王グループの新たな挑戦」ESG経営に大きく舵を切る

https://www.kao.com/jp/corporate/news/business-finance/2019/20190926-001/

■私たちのプラスチック包装容器宣言

https://www.kao.com/jp/corporate/sustainability/environment/statement-policy/eco-friendly-products/plastic-packaging/

■花王>サステナビリティ

https://www.kao.com/jp/corporate/sustainability/

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