INOVIOのCOVID-19 DNAワクチンINO-4800が、SARS-CoV-2ウイルスに感染した非ヒト霊長類を記憶免疫反応で守る

INOVIO Pharmaceuticals, Inc.

AsiaNet 84972 (1234)

 

 

【プリマスミーティング(米ペンシルベニア州)2020年7月30日PR Newswire=共同通信JBN】

*INO-4800はアカゲザルで4カ月間持続性のある抗体とT細胞反応を示した

 

*INO-4800は、ワクチン接種から13週間後にSARS-CoV-2ウイルスに感染した非ヒト霊長類で長期間の予防効果を実証した唯一のワクチン

 

*記憶T細胞および記憶B細胞反応によりウイルス量が減少し、アカゲザルの肺および鼻腔のウイルス排除が速まった

 

*INO-4800ワクチン接種により、以前のウイルスと、より高い感染力を持って出現し、現在、新たに流行しているウイルスの80%以上を占める変異体(D614G)の両方を中和する抗体が生成された

 

*抗体依存性感染増強事象は報告されなかった

 

感染症やがんから人々を守り、治療するための精密設計DNA医薬品の迅速な市場投入に重点的に取り組むバイオテクノロジー企業、INOVIO(NASDAQ:INO)は30日、SARS-CoV-2を標的とするCOVID-19 DNAワクチンINO-4800が、最後のワクチン接種から13週間後に非ヒト霊長類(NHP、具体的にはアカゲザル)を生ウイルスの感染から守るのに有効だったと発表した。こうした予防効果は、INO-4800ワクチン接種による記憶T細胞および記憶B細胞反応によりもたらされた。

 

これらの結果は、査読済み専門誌に提出されるとともに、査読なしのオンライン・プレプリントサイトbioRxiv(https://c212.net/c/link/?t=0&l=en&o=2872107-1&h=3520401550&u=https%3A%2F%2Fwww.biorxiv.org%2Fcontent%2F10.1101%2F2020.07.28.225649v1&a=bioRxiv )にも30日に掲載され、4週間間隔で2回のINO-4800(1 mg)投与を受け、2回目の投与の13週間後(試験の17週目)に生ウイルスに感染させたアカゲザルの下肺と鼻腔の両方で、INO-4800がウイルス量を減少させたことが示された。SARS-CoV-2感染後、この時間枠でウイルス量が減少したのは、INO-4800がもたらす持続効果の大きさを示すものである。これまで報告されているサルワクチン・チャレンジ研究は、免疫反応がピークに近い時期(最後のワクチン接種から1-4週間)に行われていたが、非ヒト霊長類で記憶免疫反応によるワクチン予防効果が報告されたのはこれが初めてである。

 

INO-4800で治療された動物は、初回のワクチン接種後に抗体陽転を示し、防御中和抗体とT細胞が初回投与後4カ月以上、血液中に残った。抗体レベルは、SARS-CoV-2が引き起こす感染症COVID-19から回復した患者で見られるのと同等かそれ以上で、T細胞反応は回復期の患者のものより有意に高かった。

 

INOVIOの社長兼最高経営責任者(CEO)、J. Joseph Kim博士は「これまで報告されている他のNHPワクチン防御研究は全て、実際は免疫反応のピーク時に動物に感染させていた。われわれの研究で、INO-4800には、ワクチンが生成した記憶免疫反応が、最後のワクチン接種から3カ月(13週間)以上NHPを守り、より現実的な設定で予防効果があることが実証された。防御抗体とT細胞反応の重要性を考えれば、今回の研究により、われわれはより自信を持ってINO-4800の臨床研究を進められるようになった。われわれは、INO-4800には、この世界的な公衆衛生危機への対処に役立つ大きな潜在力があると信じている」と語った。

 

B細胞はSARS-CoV-2を認識する抗体を産生する役割を担っており、T細胞はウイルス感染細胞を死滅させるとともにB細胞の反応を支援する役割を果たしている。発表されたデータは、INO-4800でできた免疫が活発なウイルス複製を制限し、鼻腔内のウイルス排出を減らすだけでなく、疾患の重症度を低下させる可能性があることを支持している。同研究で研究者らは、初期ウイルスおよび現在、大勢を占めるG614変異体に対する中和抗体反応を含む、急性免疫反応と記憶T細胞、記憶B細胞の免疫反応を誘発するINO-4800の能力を評価した。INOVIOの知る限り、G614変異体に対する免疫を促進するワクチン誘発反応の報告は、これが初めてである。強力な既往反応あるいは記憶T細胞および記憶B細胞反応は、生ウイルス感染後に発現した。

 

INOVIOの研究・開発担当副社長であるKate Broderick医学博士は「われわれは今夏には、第2/3相有効性試験を開始したいと考えているが、生ウイルスに対するワクチンの有効性試験に最も近いのが動物チャレンジ試験だ。われわれは、今回のNHP試験で示されたINO-4800の予防効果の持続性に意を強くしており、他の進行中の非ヒト霊長類および動物チャレンジ研究で12カ月後も反応が持続するほどの高い効果が再確認できることを期待している」と語った。

 

Broderick博士は「安全性と有効性に加え、SARS-CoV-2を標的とするワクチンが、持続性のある相応の反応を生むことが最も重要だ。予防効果が非常に短期間しか続かないワクチンは、今回のパンデミック問題の現実的解決策にはならない」と付言した。

 

ワクチン接種後12カ月時点でのINO-4800の持続性を評価する、別のNHP研究が現在進行中である。INO-4800は、米国の「ワープ・スピード作戦」のCOVID-19非ヒト霊長類チャレンジ研究にも採用されている。

 

査読付き専門誌Nature Communicationsは5月、INO-4800ワクチン接種がマウスとモルモットに強力な結合抗体と中和抗体およびT細胞反応を生じさせたことを示すINOVIOの研究(「COVID-19のDNAワクチン候補の免疫原性」)を掲載した。同研究は、感染症流行対策イノベーション連合(CEPI)の助成金を得て行われた。

 

▽INO-4800について

INO-4800は、COVID-19を引き起こす新型コロナウイルスSARS-CoV-2感染予防のために開発されたINOVIOのDNAワクチン候補である。INO-4800は現在、米国で第1相臨床試験が行われており、夏には第2/3相試験が予定されている。第1相試験の暫定結果では、良好な安全性プロファイルと、抗体とT細胞の反応を含む強力な免疫原性が示された。第1相試験は先ごろ、COVID-19が高齢者の健康に深刻な影響を与える傾向に鑑み、年齢に上限を設けず65歳以上の成人を含めるよう拡大された。INO-4800は、韓国と中国でもCOVID-19に対する第1/2相試験が行われている。

 

動物実験では、INO-4800は非ヒト霊長類チャレンジ研究において安定的かつ持続的なT細胞とB細胞の急性反応と記憶反応を示現、鼻腔と肺の双方で予防的免疫反応を発現させた。INO-4800は、米国の「ワープ・スピード作戦」のCOVID-19非ヒト霊長類チャレンジ研究にも採用されている。

 

IINO-4800は、SARS-CoV-2の遺伝子配列の発表後、INOVIO独自のDNA医薬品プラットフォームを使用し、迅速に設計された。INOVIOはコロナウイルス関連事業の経験が豊富で、中東呼吸器症候群(MERS)を引き起こす関連コロナウイルス用の第2相ワクチンを有する唯一の企業である。

 

INO-4800は室温でも1年以上変質しない唯一の核酸ベースのワクチンで、輸送や保管の際に冷凍する必要がない。これは、集団予防接種を行う際の重要な要素である。

 

▽INOVIOのDNA医薬品プラットフォームについて

INOVIOには現在、ヒトパピローマウイルス(HPV)関連疾患、がん、さらにMERS関連コロナウイルス、感染症流行対策イノベーション連合(CEPI)と米国防総省の助成金を得ているCOVID-19疾患を含む感染症に焦点を当てた15のDNA医薬品開発臨床プログラムがある。DNA医薬品は、コンピューターシーケンス技術によって合成または再編成され、体内で特定の免疫反応を発現させるよう設計された小さな環状の2本鎖構造である、最適化されたDNAプラスミドから成る。

 

INOVIOのDNA医薬品は、CELLECTRA(R)と呼ばれるINOVIO独自の携帯スマートデバイスを使用して、最適化されたプラスミドを筋肉注射または皮内注射で細胞に直接送達する。CELLECTRAデバイスは、短い電気パルスを使い、細胞内に小さな孔を可逆的に開けてプラスミドの侵入を可能にしており、他のDNAや、mRNAといった他の核酸法の大きな制約を克服した。細胞内に入ったDNAプラスミドは、細胞が目的とする抗原を生成できるようにする。抗原は細胞内で自然に処理され、望ましいT細胞と抗体を介した免疫反応を引き起こす。CELLECTRAデバイスを使用した投与により、DNA医薬品が体の細胞に直接送達され、そこで直ちに免疫反応を引き起こしにかかることが可能になる。INOVIOのDNA医薬品は、個人のDNAをいかなる方法でも妨害したり、改変したりすることはない。INOVIOのDNA医薬品プラットフォームの利点は、DNA医薬品の生成と生産の速さ、保管、輸送中の凍結を必要としない製品の安定性、臨床試験で実証されてきた持続性のある免疫反応、安全性プロファイル、忍容性である。

 

2000人以上の患者が様々な臨床試験において7000以上の適用でINOVIOの治験DNA医薬品を投与されており、INOVIOには世界中の差し迫った健康ニーズを満たす可能性を秘めたDNA医薬品候補を迅速に生み出してきた優れた実績がある。

 

▽INOVIOについて

INOVIOは、感染症、がん、HPV関連疾患を患う人の治療や予防用の精密設計DNA医薬品の迅速な市場投入に重点的に取り組むバイオテクノロジー企業である。INOVIOは、独自のスマートデバイスを介して体内の細胞にDNA医薬品を直接送達し、強力かつ忍容性の高い免疫反応を発現させられることを臨床的に実証した最初で唯一の企業である。具体的には、前がん性子宮頚部異形成に対する第3相試験が現在行われているINOVIOの主力候補薬VGX-3100は、第2b相臨床試験で高リスクのHPV16型、18型を死滅させ、除去した。高リスクHPVは、子宮頸がんの70%、肛門がんの91%、外陰がんの69%の原因となっている。HPV関連がん、希少HPV関連疾患である再発性呼吸器乳頭腫症(RRP)、非HPV関連がんである多形膠芽腫(GBM)や前立腺がんを対象とするプログラムも開発中で、外部資金によるジカ、ラッサ熱、エボラ、HIV、MERS関連コロナウイルスおよびCOVID-19疾患の感染症DNAワクチン開発プログラムもある。パートナーおよび共同研究者には、Advaccine、ApolloBio Corporation、アストラゼネカ、ビル&メリンダ・ゲイツ財団、感染症流行対策イノベーション連合(CEPI)、米国防高等研究計画局(DARPA)/化学・生物・放射性物質・核防衛統合計画事務局(JPEO-CBRND)/米国防総省(DOD)、GeneOne Life Science/VGXI、HIV Vaccines Trial Network、国際ワクチン研究所(IVI)、Medical CBRN Defense Consortium(MCDC)、国立がん研究所、国立衛生研究所、国立アレルギー・感染症研究所、Ology Bioservices、パーカーがん免疫療法研究所、Plumbline Life Sciences、Regeneron(リジェネロン)、Richter-Helm BioLogics、Roche/Genentech(ロシュ/ジェネンテック)、ペンシルベニア大学、ウォルター・リード陸軍研究所、ウィスター研究所が含まれている。INOVIOは、取締役会の20%以上が女性の企業を顕彰する「2020 Women on Boards」の 「W」称号も授与されている。詳細については、www.inovio.com を参照。

 

▽問い合わせ先

メディア向け

Jeff Richardson

267-440-4211

jrichardson@inovio.com

 

投資家向け

Ben Matone

484-362-0076

ben.matone@inovio.com

 

ソース:INOVIO Pharmaceuticals, Inc.

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