ギリアド・サイエンシズ、2021年第1四半期の業績を発表

2021年第1四半期の製品売上は、主にベクルリーが牽引して前年同期比16%増 

2021年5月17日

ギリアド・サイエンシズ株式会社

ギリアド・サイエンシズ、2021年第1四半期の業績を発表

2021年第1四半期の製品売上は、主にベクルリーが牽引して前年同期比16%増 2021年第1四半期、配当と自社株買いにより12億ドルの現金を株主に還元

 

ギリアド・サイエンシズ(本社:米カリフォルニア州フォスターシティ、ナスダック:GILD、以下「ギリアド」)は本日、2021年第1四半期の業績を発表しました。

 

「この第1四半期には、長時間作用型HIV治療薬に関するメルク社との新たな提携、米国におけるTrodelvyの転移性トリプルネガティブ乳がん、および転移性尿路上皮がんの適応症承認、当社のポートフォリオにHepcludexが加わったことなど、力強い進展がありました」、「2021年は、当社のウイルス学および腫瘍学のポートフォリオで重要なマイルストーンがあり、ギリアドにとって極めて重要な年となります。今後数カ月の間に有望な製品パイプラインの開発を促進していくことを楽しみにしています」とギリアド・サイエンシズの会長兼最高経営責任者(CEO)、ダニエル・オデイ(Daniel O’Day)は述べています。

 

2021年第1四半期の財務状況

●2021年第1四半期の総売上は64億ドルで、2020年の同期比で16%増加しました。これは主に、ベクルリー(R)(レムデシビル)の売上、イエスカルタ(R)(アキシカブタゲンシロルユーセル)およびTecartus(R)(ブレクスカブタジェンアウトルーセル)の米国での発売(2020年第3四半期)による細胞療法の成長、Trodelvy(R)(サシツズマブゴビテカン180mg)の第1四半期の全売上の計上、およびベムリディ(R)(テノホビルアラフェナミド25mg)によるB型肝炎ウイルス(HBV)領域の成長によるものです。

●2021年第1四半期の希薄化後1株当たり利益(以下「EPS」)は、2020年の同期比で12%増の1.37ドルとなりました。これは主に売上の増加によるものですが、ガラパゴスNV(以下「ガラパゴス」)へのギリアドの持分投資に関連する公正価値損失の調整や利益収入の減少により一部相殺されました。

●2021年第1四半期の非GAAPベースの希薄化後EPSは、2020年同期比で24%増の2.08ドルでした。これは主に、営業利益の増加および実効税率の低下によるものですが、利益収入の減少により相殺されました。

●2021年3月31日時点で、ギリアドの現金、現金同等物および市場性のある負債証券は、2020年12月31日時点の79億ドルに対し、62億ドルでした。

●2021年第1四半期において、ギリアドは26億ドルの営業キャッシュフローを生み出しました。

●2021年第1四半期に、ギリアドは13億ドルの負債(借入金の元本13億ドル)を返済し、13億ドル(取得した現金控除後)を買収(インプロセス研究開発(IPR&D)を含む)に使用、配当金9億1,700万ドルを支払い、3億900万ドルを自社株買い戻しに使用しました。

 

製品販売実績

2021年第1四半期の製品売上合計は、前年同期比16%増の63億ドルとなりました。ベクルリーを除く2021年第1四半期の製品売上合計は、2020年同期比11%減の49億ドルとなりました。これは予想通り、米国におけるツルバダ(R)(エムトリシタビン200mg(以下「FTC」)およびテノホビル・ジソプロキシルフマレート300mg(以下「TDF」))およびAtripla(R)(エファビレンツ600mg/FTC/TDF)の特許期限切れや、HIVおよびC型肝炎ウイルス(以下「HCV」)両方におけるCOVID-19パンデミック関連の影響により、TecartusやTrodelvyなどの新製品の発売による貢献が相殺されたためです。

 

2021年第1四半期のHIV製品の売上は、2020年同期比で12%減の37億ドルとなりました。これは、2020年第1四半期のCOVID-19パンデミック関連の在庫を含むチャネルの在庫動態に加え、米国におけるツルバタおよびAtriplaの特許期限切れを反映したものです。

 

●ビクタルビ(R)(ビクテグラビル50mg/FTC/テノホビルアラフェナミド25mg(以下「TAF」))の2021年第1四半期の売上は、中核市場での堅調な市場シェアの獲得を反映して前年同期比8%増となりましたが、チャネルの在庫動態により一部相殺されました。

●デシコビ(R)(FTC/TAF)の2021年第1四半期の売上は、平均正味販売価格の低下と、2020年第1四半期のCOVID-19パンデミック関連の在庫に加え、曝露前予防(「PrEP」)市場において進行中のCOVID-19パンデミック関連の影響を含むチャネル在庫の変動により、前年同期比22%減となりました。

●2021年第1四半期のツルバタの売上は、2020年10月に米国での特許期限切れを受け、前年同期比67%減の1億3,500万ドル、Atriplaの売上は3,100万ドルとなりました。

 

C型肝炎ウイルス(HCV)製品の2021年第1四半期の売上は、2020年同期比30%減の5億1,000万ドルとなりました。販売量は、COVID-19パンデミックに伴う米国および欧州での新規患者数の減少による影響を受けました。

 

B型肝炎ウイルス(HBV)およびD型肝炎ウイルス(以下「HDV」)製品の2021年第1四半期の売上は、前年同期比18%増の2億2,000万ドルでした。ベムリディの2021年第1四半期の売上は、2020年の同時期比で33%増加しました。ギリアドによるMYR GmbH社(以下、MYR)の買収後、Hepcludex(R)(ブレビルチド)は600万ドルを売り上げ、四半期売上の一部を占めています。

 

2021年第1四半期の細胞治療製品の売上は、前年同期比36%増の1億9,100万ドルでした。

●イエスカルタの2021年第1四半期の売上は、採用施設の増加と欧州での販売地域の拡大により、1億6,000万ドルに増加しました。

●テカルタスの2021年第1四半期の売上は、米国での発売活動が引き続き活発化していることから、3,100万ドルとなりました。

 

Trodelvyの2021年第1四半期の売上は7,200万ドルで、これはギリアドにおける初の全四半期の売上です。ベクルリーの2021年第1四半期の売上は15億ドルで、ベクルリーの売上はCOVID-19に関連する感染症、入院、ワクチン接種の割合に影響されます。

 

2021年第1四半期におけるその他製品の売上は、2020年の同期比13%減の2億4100万ドルでした。

●2021年第1四半期のLetairis(R)(アンブリセンタン5mgおよび10mg)およびRanexa(R)(ラノラジン500mgおよび1000mg)の売上は予想通り減少しました。これは、2019年に特許が切れた後、ジェネリック医薬品がシェアを拡大し続けているためです。

 

2021年第1四半期 製品の売上総利益、営業費用、税金について

●製品の売上総利益率は、前年同期の82.3%に対し、当四半期は78.5%となりました。非GAAPベースの製品売上総利益率は、2020年同期の87.1%に対し、2021年第1四半期は86.5%でした。これは、製品構成が最適でなくなった結果および在庫費用を反映したものですが、ロイヤリティの調整により一部相殺されました。

●2021年第1四半期の研究開発費は、2020年同期の10億4,000万ドルに対し、10億5,500万ドルでした。非GAAPベースの2021年第1四半期の研究開発費は、2020年同期の10億400万ドルに対し、10億4,900万ドルでした。研究開発費の増加には、magrolimabとTrodelvyの臨床試験の立ち上げが含まれていますが、試験の完了と中止により一部相殺されました。

●2021年第1四半期の販売費及び一般管理費は、2020年同期の10億7,600万ドルに対し、10億5,500万ドルでした。2021年第1四半期の非GAAPベースの販売管理費は、2020年同期の10億7,600万ドルに対し、10億3,300万ドルでした。販売管理費の減少は、HIVおよびHCVにおけるプロモーション費用の減少と助成金のタイミングを反映していますが、ベクルリー、Trodelvy、細胞療法、および中国におけるHBVとHIVの商業化投資の増加により一部相殺されました。2021年度第1四半期のGAAPベースの実効税率(以下「ETR」)および非GAAPベースのETRは、それぞれ23.9%および18.4%でした。これに対し、2020年同期はそれぞれ23.2%、19.7%でした。

 

前回の四半期業績発表後の主なアップデート

ウイルス性疾患

●ギリアドは、Merck & Co.社.の子会社であるMerck Sharp & Dohme Corp(以下、Merck社)と、HIVにおけるギリアドのlenacapavirとMerck社のislatravirとの組み合わせによる長時間作用型薬剤の開発と商業化に関するコラボレーションを発表しました。この経口併用療法の最初の臨床試験は、2021年の後半に開始される予定です。

●レトロウイルス・日和見感染症会議(CROI: Conference on Retroviruses and Opportunistic Infections)において、ギリアドはlenacapavirの第2/3相試験であるCAPELLA試験のさらなる結果を発表しました。本試験の有効性に対する中間解析の結果、複数耐性のある多剤既治療HIV感染者において、現在治療中の薬剤に加えてlenacapavirを単回皮下投与してから26週目の時点で、被験者の73%がウイルス量の検出限界値未満を達成し、lenacapavirが26週目まで高いウイルス抑制効果を維持することが示されました。

●CROIにおいて、ギリアドはビクタルビの未治療患者さんを対象とした2つの第3相試験のオープンラベル継続投与試験のデータを発表しました。その結果、4年間の追跡調査で、98%以上の患者さんがウイルス量の検出限界値未満を達成・維持し、持続的な安全性と有効性が確認されました。

 

オンコロジー

●転移性トリプルネガティブ乳がん(mTNBC)を対象としたTrodelvyのランダム化比較試験である、第3相ASCENT試験の主要結果が「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(NEJM)」に掲載されました。この発表では、Trodelvyが標準的な単剤化学療法と比較して、無増悪生存期間(PFS)と全生存期間(OS)を有意に延長したことが示されました。

●米国食品医薬品局(FDA)は、プラチナ製剤を含む化学療法とPD-1またはPDL-1阻害薬の投与を受けたことのある成人の局所進行性または転移性尿路上皮がんを対象に、Trodelvyを早期承認しました。

●FDAは、切除不能な局所進行性または転移性トリプルネガティブ乳がんで、2種類以上の全身療法を受けたことがあり、そのうち少なくとも1種類は転移性疾患に対する治療歴がある成人患者さんの治療薬としてTrodelvyを正式に承認しました。

●欧州医薬品庁(EMA)は、転移性トリプルネガティブ乳がんを対象としたTrodelvyの販売承認申請を正式に受理し、優先審査に指定しました。

●FDAは、2次治療以上の全身療法後の再発または難治性の濾胞性リンパ腫に対するイエスカルタの適応を承認しました。イエスカルタは、低悪性度の濾胞性リンパ腫に対して承認された最初のCAR T療法です。

●ギリアドとカイト社(以下「カイト」)は、再発・難治性の大細胞型B細胞リンパ腫の成人患者さんを対象としたイエスカルタのZUMA-1試験の新たな解析結果を発表しました。その結果、イエスカルタ投与前のコルチコステロイドの使用が、ベネフィット・リスク評価報告に影響を与える可能性が示唆されました。

 

炎症性疾患

●ギリアドとNovo Nordisk A/S社(以下、ノボ ノルディスク)は、非アルコール性脂肪性肝炎(以下、NASH)における臨床開発のコラボレーションを拡大し、肝硬変を有するNASH患者さんを対象とした3剤併用療法の新たな後期第2相試験を開始する予定です。

●ギリアドとガラパゴス社(以下「ガラパゴス」)は、特発性肺線維症を対象としたISABELAの第3相試験を中止しました。

 

企業展開

●インドにおける新型コロナ感染症患者さんの急増に対し、ギリアドは製造パートナーに対し、現地生産能力拡大のための技術支援、新規製造設備の増設支援、原薬の寄付をすることを発表しました。また、ギリアドは、少なくとも45万本のベクルリーをインド政府に寄付する予定です。

●ギリアドは、ウィリアム・A・リー(William A. Lee, PhD)の退任に伴い、フラビウス・マーティン(Flavius Martin, MD)を研究部門のエグゼクティブ・バイス・プレジデントに迎えました。マーティンは、初期の創薬研究における数十年の経験を有しています。

●ギリアドは、最大約13億ユーロ(または16億ドル)の対価でMYR社の買収を完了しました。本買収により、代償性肝疾患を有する成人の慢性D型肝炎(HDV)の治療薬としてEMAから条件付きで承認されているHepcludex(R)を獲得しました。

●カイトは、フランク・ニューマン(Frank Neumann MD、PhD)を臨床開発グローバル責任者に任命しました。ニューマンは、細胞治療およびがんの臨床開発において、確固たるリーダーシップを発揮してきました。

 

ガイダンスおよび今後の見通し

新型コロナ感染症のまん延は、HCV治療開始や抗HIV薬の新規治療開始や切り替えなど、ギリアドの事業やより広範な市場に引き続き影響を与え続けることが予想されます。現在、新型コロナ感染症の状況は2021年第2四半期以降から、より緩やかに回復することが予想されていますが、回復の速度や程度は地域によって異なる可能性があります。また、ベクルリーの売上は、今後も大きな変動と不確実性にさらされることが予想されます。そのため、GAAPベースの財務情報と併せて考えると、ギリアドはベクルリーを除いた2021年通期のガイダンスを提示することが投資家の皆様にとって有益であると考えます。希薄化後1株当たりのGAAPベースの利益を除き、2021年2月4日に共有したガイダンスに変更はありません。その内容は、ベクルリーを除く通年の製品売上が217億ドルから221億ドル、ベクルリーの通年の売上が20億ドルから30億ドル、2021年の製品売上合計が237億ドルから251億ドル、2021年の非GAAPベースの1株当たりの利益が6.75ドルから7.45ドルとなっています。2021年のGAAPベースの希薄化後1株当たり利益は、主に2021年第1四半期における株式投資の公正価値の実際の変動を反映して更新され、4.75ドルから5.45ドルとなる見込みです。2021年のガイダンスに関するGAAPベースの財務情報と非GAAPベースの財務情報の調整表は、下記の表に記載されています。

 

GAAPベースの財務情報

本資料に記載されている情報は、非GAAPと明記されていない限り、米国で一般に認められた会計原則(以下「GAAP」)に基づいて作成されています。経営陣は、非GAAP情報をギリアドのGAAP財務情報と併せて検討することにより、投資家の皆様に有益な情報を提供できると考えています。非GAAP情報は包括的な会計ルールに基づいて作成されたものではなく、GAAPに基づいて報告されているギリアドの業績を理解するための補足としてのみ使用されるべきものです。非GAAP基準の財務情報には、取得無形資産の償却費、売上原価の在庫ステップアップ費用、取得したIPR&D費用、その他のイレギュラーなものやギリアドの事業の基本的な傾向を代表するものではないと考えられる項目を含む取得関連費用、株式の公正価値の調整、個別の関連する税務関連の法律やガイドラインの変更に関連した税金費用や利益は含まれていません。取得したIPR&D費用は、IPR&Dの減損や、企業結合以外の取引で直接取得した外部開発のIPR&Dプロジェクトの初期費用を反映しており、将来の代替的な用途がないもので、様々な共同研究に関連する一時金やIPR&Dプロジェクトの権利の初期費用などが含まれます。ギリアドは一貫して取得した無形資産の償却を非GAAP財務情報から除外していますが、経営陣は、そのような無形資産が買収の一環として計上され、継続的な収益創出に貢献していることを投資家に理解してもらうことが重要であると考えています。非GAAP基準の測定値は、同業他社により定義や計算が異なる場合があります。非GAAP基準の財務指標と最も直接的に比較可能なGAAP財務指標との調整については、下記の表をご参照ください。

 

ギリアド・サイエンシズについて

ギリアド・サイエンシズは、すべての人々にとって、より健康な世界の実現を目指し、30年以上にわたり医療の革新を追求し、飛躍的な進歩を遂げてきたバイオ医薬品企業です。当社はHIV、ウイルス性肝炎、がんなどの生命を脅かす疾患の予防と治療のため、革新的な医薬品の開発に取り組んでいます。カリフォルニア州フォスターシティに本社を置き、世界35カ国以上で事業を行っています。

 

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