”汚れ、踏まれ、引っこ抜かれる” ~『プラグ・コード・コンセントの事故』で気をつけるポイント~
家電製品の『電源プラグ』や『コード』が傷んでいても“まだ使えるから”という理由で使い続けていませんか。また、棚等の家具の後ろにある『コンセント』も定期的に確認していますか。プラグにほこりが溜まったまま放置したり、繰り返しの引っ張り等によってプラグやコードが傷んだりしていると火災につながるおそれがあります。
独立行政法人製品評価技術基盤機構[NITE(ナイト)、理事長:長谷川 史彦、本所:東京都渋谷区西原]は、プラグ・コード・コンセントまわりの事故にあわないために、気をつけるポイントを紹介します。
NITEに通知があった製品事故情報(※1)のうち、2019年から2024年までの6年間に発生した家電製品の「プラグ・コード・コンセントの事故」(※2)は219件ありました。事故の8割以上が火災につながった事故で、引っ張り等の負荷が加わったことによる電源プラグや電源コードの破損が原因となった事故が多く発生しています。
お盆休みでの帰省先も含めて、使用している家電製品のプラグやコード、コンセントを今一度確認して、事故を未然に防ぎましょう。
【プラグ・コード・コンセントの事故を防ぐチェックポイント】
✅『電源プラグ』が破損・変形・変色等の異常がないか確認する。
✅『電源プラグ』にほこりが溜まっていないか確認する。
✅『電源コード』に破損・硬化・変色等の異常がないか確認する。
✅『コンセントやタップ』に電源プラグを差し込んだときに緩みがないか確認する。
✅『コンセントやタップ』に接続可能な最大消費電力を超えていないか確認する。
(※) 本資料中の全ての画像は再現イメージであり、実際の事故とは関係ありません。
(※1)消費生活用製品安全法に基づき報告された重大製品事故に加え、事故情報収集制度により収集された非重大製品事故を含みます。
(※2)調査の結果、家電製品本体側の電源コード根元からコンセントまでの箇所(延長コード、テーブルタップ、マルチタップを含む)が原因で発生した事故。製品に起因する事故は除きます。
事故の発生状況
NITEが受付した製品事故情報のうち、2019年から2024年までの6年間に発生し、調査の結果、電源コードの本体側の根元からコンセントまでの箇所(製品に起因する事故は除く)が原因となった事故219件について、事故発生状況を以下に示します。
年別の事故発生件数
調査中を除く電源コードからコンセントまでの事故219件について、年別の事故発生件数を図1に示します。219件中182件が火災事故となっており、事故の8割以上を占めています。
なお、2024年の事故は調査中が多いため件数が少なくなっています。
事故の被害状況
調査中を除く電源コードからコンセントまでの事故219件における被害状況別の事故件数を表1に示します。延焼等の拡大被害が多く、死亡事故などの人的な被害も発生しています。
(※3)()は被害者数。物的被害(製品破損または拡大被害)があった場合でも人的被害のあったものは、人的被害に区分している。また、人的被害(死亡・重傷・軽傷)が複数同時に発生している場合は、最も重篤な分類で事故件数をカウントし、重複カウントはしていない。
(※4)製品本体のみの被害(製品破損)にとどまらず、周囲の製品や建物などにも被害を及ぼすこと。
事故事象別の被害状況
調査中を除く電源コードからコンセントまでの事故219件について、発生箇所別の事故事象及び事故事例についてご紹介します。電源プラグ及び電源コードの事故が多い製品について別紙1にて補足しています。
○電源プラグの事故
○電源コードの事故
○コンセント・電源タップ(延長コード等)の事故
(※5)付着したほこりや水分によりトラック(電気の通り道)が生成され、異常発熱する現象。
詳細はプレスリリース資料別紙2を参照。
プラグ・コード・コンセントの事故を防ぐチェックポイント
『電源プラグ』 が破損・変形・変色等の異常がないか確認する。
電源プラグが変形した状態で使用すると、コンセントの刃受金具と正常に接触せず、異常発熱や発火に至るおそれがあります。プラグを踏みつけてしまったり、コンセントからコードを持って抜いたり、力任せに斜め方向に引き抜いてしまったりすると電源プラグの栓刃が変形したり、プラグ内部が破損する場合がありますので設置場所や抜き差しに注意してください。
電源プラグに変形、焦げが認められる場合やプラグが異常に熱くなっている場合は使用を中止し、メーカーや販売店にご相談ください。
『電源プラグ』 にほこりが溜まっていないか確認する。
電源プラグはコンセントや電源タップとの間に隙間が生じないようにしっかりと差し込み、定期的に掃除してほこりを取り除いてください。電源プラグをコンセントや電源タップとの間に隙間がある状態で差したままにすると、隙間にほこりが溜まって表面に水分が付着したり、水分が内部に浸入したりしてショートやトラッキング現象が生じるおそれがあります。
掃除の際は、必ずコンセントや電源タップから差込みプラグを抜いて、“から拭き”でほこり等のよごれを取り除いてください。コンセントや電源タップの差込口にアルコールスプレー等の洗浄液が直接かかるとショートやトラッキング現象が生じるおそれがあります。
『電源コード』 に破損・硬化・変色等の異常がないか確認する。
電源コードを折り曲げる、踏みつける、引っ張るといった、外部から電源コードに無理な力が加わる使い方をすると、電源コードの芯線が断線して、異常発熱や発火に至るおそれがあります。机や椅子の脚などでコードを踏みつけたり、足に引っ掛けたりしないよう、配線は設置状況に注意し、電源プラグを外す際はコードではなくプラグを持って抜き差ししてください。
電源コードは、本体側や電源プラグ側での断線が起こりやすいため、コードの被覆がひび割れたり、裂けたりしていないかも定期的に確認してください。また、長期間使用した電源コードは、被覆に含まれている可塑剤が抜けて硬化し、ひび割れなどが発生しやすくなりますので、コードが硬くなっていないかも確認しましょう。
『コンセントやタップ』 に電源プラグを差し込んだときに緩みがないか確認する。
電源プラグの繰り返しの抜き差しによる劣化や変形したプラグの使用等で、コンセントや延長コードのタップの刃受金具が変形し、電源プラグとの接触が悪くなって異常発熱するおそれがあります。
コンセントや延長コードに差し込んだプラグを前後に傾けた際にぐらつきがある場合や抜けやすくなっている場合は、接触が悪くなっている可能性がありますので、メーカーや販売店に相談しましょう。
『コンセントやタップ』 に接続可能な最大消費電力を超えていないか確認する。
テーブルタップなどには接続可能な最大消費電力または定格電流(何アンペアまで接続できるか)が定められています。接続可能な最大消費電力や定格電流を超えると発熱を生じ、テーブルタップの電源プラグが異常発熱したり、電源コードの絶縁被覆が破損・ショートしたりして発火するなどの事故につながります。
家電製品を接続する際は、接続可能な最大消費電力や定格電流を超えないように注意してください。接続可能な最大消費電力または定格電流は、テーブルタップ本体やパッケージに記載されています。
また、消費電力の大きな家電製品の中には、テーブルタップなどの使用を禁止しているものがありますので事前に接続する家電製品の取扱説明書や本体表示を確認し、記載されている指示に従ってください。
「NITE SAFE-Lite(ナイト セーフ・ライト)」のご紹介
NITEはホームページで製品事故に特化したウェブ検索ツール「NITE SAFE-Lite(ナイト セーフ・ライト)」のサービスを行っています。製品の利用者が慣れ親しんだ名称で製品名を入力すると、その名称(製品)に関連する「事故の情報」や「リコール情報」を検索することができます。
また、事故事例の【SAFE-Lite検索キーワード例】で例示されたキーワードで検索することで、類似した事故が表示されます。
https://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/safe-lite.html
今回の注意喚起動画はこちら
>>電源プラグ「5.コードを引っ張って電源プラグが破損・発火」
独立行政法人 製品評価技術基盤機構(NITE) 製品安全センターの概要
NITE 製品安全センターには、消費生活用製品安全法などの法律に基づき、一般消費者が購入する消費生活用製品(家庭用電気製品やガス・石油機器、身の回り品など)を対象に毎年1千件以上の事故情報が寄せられます。製品安全センターでは、こうして収集した事故情報を公平かつ中立な立場で調査・分析して原因究明やリスク評価を行っています。原因究明調査の結果を公表することで、製品事故の再発・未然防止に役立てています。
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このプレスリリースを配信した企業・団体

- 名称 独立行政法人製品評価技術基盤機構
- 所在地 東京都
- 業種 政府・官公庁
- URL https://www.nite.go.jp/
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