株式会社NTTドコモ・ベンチャーズ（本社：東京都港区、代表取締役社長：稲川 尚之、以下、NDV）は、同社が運用するファンドを通じて、ボリュメトリックビデオの編集ツールとストリーミング再生技術を提供するArcturus Studios Holdings, Inc.（本社：アメリカ合衆国カリフォルニア州、CEO：Kamal Mistry、以下、Arcturus社）に出資を行いました。

ボリュメトリックビデオは、数十台のカメラを用いてあらゆる角度から人や物を撮影し、撮影された被写体の立体的なモデルを3D空間上に再現すると共に、被写体の動きも含め高精度にデジタル化できる技術です。近年ではスポーツやエンタテインメントの分野で用いられており、映画、コンサート、テレビコマーシャルなどにおいて、この新しい技術を活用した、これまでにない映像体験が広がっています。

ボリュメトリックビデオは世界中で普及が加速しつつあり、専用撮影スタジオが各地で開設されています。株式会社 NTT ドコモ（以下、ドコモ）においても、2021 年 1 月に、お台場のテレコムセンタービル（東京都江東区青海 2-5-10）内に開設したXR専用の撮影スタジオ「docomo XR Studio」にて、ボリュメトリックビデオの撮影装置を設置しています。一方、普及に伴い様々なメーカー製のカメラや専用装置が用いられ、記録形式や撮影仕様、再生方式等における差分が生じており、また作成した映像の活用方法や視聴デバイス・配信先も多岐にわたることから作成～配信の各プロセスにおいて、様々な機器や仕様に応じたきめ細かい調整が必要となっています。

Arcturus社はボリュメトリックビデオを編集・配信するための統合プラットフォーム「HoloSuite」を提供しており、こうした各プロセスの効率化を実現します。「HoloSuite」は、映像の編集と圧縮のために最適化されたツール「HoloEdit」、編集・加工されたボリュメトリックビデオを視聴者のデバイスや通信環境に合わせて自動調整し配信するツール「HoloStream」から構成されています。本プラットフォームの利用により、特定の機材や撮影方式に依存せず、様々な場所や機材で撮影された3Dデータを自在に取り込み、編集・加工や新しい動きを加えることができます。またArcturus社の独自技術により、映像の品質を一定の水準以上に保ちながら配信時のビットレートを最適化することができ、高品質なボリュメトリックビデオ映像のストリーミング配信を実現します。

（HoloEdit 画面イメージ）

Arcturus社は今後ボリュメトリックビデオが、スポーツやエンタテインメント分野だけではなくEコマース、インタラクティブメディア、ゲーム等でも広く用いられることを期待しており、またAR・VRデバイスやLiDAR※搭載スマートフォンの普及により、その勢いが加速していくと予想しています。こうした中で、Arcturus社の提供するサービスおよびテクノロジーは、NTTグループの手掛ける様々なサービスやデバイス、5G通信などとの親和性が高いことから、今回の出資に至りました。

今後、NDVは、Arcturus社とNTTグループの連携を支援することで、新たな価値創造に向けた取り組みを推進してまいります。

【参考】関連リリース

・幅広いユーザー向けにVolumetric Video映像のストリーミング配信を可能にする技術を開発

https://www.nttdocomo.co.jp/info/news_release/2021/01/21_01.html

・お台場に XR 専用の撮影スタジオ「docomo XR Studio」を開設

https://www.nttdocomo.co.jp/binary/pdf/info/news_release/topics_210114_00.pdf

※LiDAR（Light Detection and Ranging）：レーザーを使って離れた物体の位置や形状・性質などを高精度に計測する光センサー技術

■Arcturus Studios Holdings, Inc.について

会社名 　　Arcturus Studios Holdings, Inc.

所在地 　　9290 Civic Center Drive Beverly Hills, CA 90210 United States

代表者 　　Kamal Mistry

事業内容　ボリュメトリックビデオの編集・配信のための統合プラットフォーム「HoloSuite」の提供

URL 　　　https://arcturus.studio/

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