電通、新型コロナウイルス日米定点生活者意識調査第15回目を実施

夏に向け米国は回復の兆し。一方日本は慎重姿勢。ワクチン接種意向が高まり「いち早く接種したい」が最多に

電通

2021年7月28日

株式会社 電 通

 株式会社電通(本社:東京都港区、社長:五十嵐 博)は、2021年6月下旬、全国20〜69歳の男女1,000名を対象に「COVID-19生活者意識ナビゲーター(第15回日米比較編)」を実施しました。

 本調査は、電通グループの海外事業を統括する電通インターナショナル社(旧:電通イージス・ネットワーク社)の米国拠点Dentsu U.S.が米国において、新型コロナウイルスによる生活者意識の変化を20年3月下旬から21年6月にかけて20回にわたり調査したものとほぼ同じ内容を日本国内でも調査したものです。前回の5月中旬に引き続き、日本での第15回目の調査を6月下旬(国内の1日当たり新規感染者数が2,000人前後となり、緊急事態宣言からまん延防止等重点措置へ移行した時期)に行いました。比較対象である米国の第20回目は6月上旬に調査を行いました。

 第15回調査の主なファインディングスは以下の通りです。なお、一部の調査項目は情勢を鑑みながら追加・変更を行っているため、設問によっては比較可能な項目がある回との比較を行っております。

 

<主なファインディングス>

1.生活者の心理ステージは、日本ではステージ3「順応・適応」、ステージ4「収束の兆し」のポイントが上昇。ステージ4、ステージ5「収束後の生活へ」の割合が12%に達した。一方、米国ではステージ4、5の割合が45%となり過去最高を更新。

2.生活者の感情は、日本は依然としてネガティブ感情が多いが、「悲観的だ」「ストレスを感じる」「不安を覚える」が約10ポイント改善。米国では今回2項目のみの調査となったが、「安心している」「やる気に溢れている」とポジティブに推移。

3.日本におけるワクチンの効果や安全性に対する信用度は「完全に信用する」「ある程度は信用する」の合計が62%となった。接種が始まっても信用度に変化は見られない。

4.ワクチン接種は、日本でも「既に接種をした」人が増えるなか「いち早く接種したい」が最多。「効果や安全性に問題がないか様子をみてから接種したい」人が前回調査から10ポイント以上減少。米国では「既に接種した」が約6割にのぼる。「接種したくない」層は、調査時に関係なく約2割存在。

5.ワクチン接種後の生活の変化について、日本では「即座に元の生活に戻る」との回答が最も少なく7%、「すぐには元に戻らず、慎重に様子を見る」が約6割となった。

6.夏の予定は、日本は「まだ不安が大きく、旅行しない」との回答が約6割。一方米国では「旅行を予定していて、特に不安はない」が4割以上となり日米で大きな差がみられた。

7.夏の旅行の移動手段は日米ともに感染への不安が少ない自家用車が最も高い。米国では飛行機の利用が自家用車に次いで多く、コロナ感染への不安は「まったく心配・不安は感じない」「あまり心配・不安は感じない」が合計54%であるのに対し、日本では23%にとどまった。

 

<詳細結果>

1.生活者の心理ステージは、日本ではステージ3「順応・適応」、ステージ4「収束の兆し」のポイントが上昇。ステージ4、ステージ5「収束後の生活へ」の割合が12%に達した。一方、米国ではステージ4、5の割合が45%となり過去最高を更新。

・新型コロナウイルスの影響下における生活者の心理変容を5つのステージで捉えて傾向を把握。

・日本ではステージ3以降が増加したが、ステージ4、5の割合が過去最高となった米国との差が広がった。

 

(図表1)生活者の心理ステージ 

 

質問:新型コロナウイルスの感染拡大のような公衆衛生上の危機に面した時、人々の気持ちの変化にはいくつかの 「ステージ」があると言われています。今回の新型コロナウイルスの感染拡大があなたの日常生活にどのような影響を与えたかを考えていただき、現在のあなたの状況に最も当てはまるものを1つお選びください。

出典:社会心理学の「キューブラ=ロスモデル」から着想を得て、COVID-19での心理変容に置き換えて定義。ステージ文言などは電通オリジナルで作成。

 

2.生活者の感情は、日本は依然としてネガティブ感情が多いが、「悲観的だ」「ストレスを感じる」「不安を覚える」が約10ポイント改善。米国では今回2項目のみの調査となったが、「安心している」「やる気に溢れている」とポジティブに推移。

・日本における生活者の感情は、依然としてネガティブ感情が多いが、全項目で徐々にポジティブ寄りに移行。

 「悲観的だ」「ストレスを感じる」は10ポイント改善。

(図表2)生活者の感情

質問:新型コロナウイルスが拡がりを見せる中で、あなたが感じているものとしてあてはまるものを、それぞれお選びください。

 

 

3.日本におけるワクチンの効果や安全性に対する信用度は「完全に信用する」「ある程度は信用する」の合計が62%となった。接種が始まっても信用度に変化は見られない。

・日本各地でワクチン接種が開始されたが、ワクチンの効果や安全性についての信用度に変化はほぼ見られない。

 (図表3)コロナワクチンへの信用度合い


質問:新型コロナウイルスのワクチンについて、あなたはどの程度、効果や安全性を「信用」しますか?新型コロナウイルスワクチンについて知っていること・情報を踏まえ、ご回答ください。

 

4ワクチン接種は、日本でも「既に接種をした」人が増えるなか「いち早く接種したい」が最多。「効果や安全性に問題がないか様子をみてから接種したい」人が前回調査から10ポイント以上減少。米国では「既に接種した」が約6割にのぼる。「接種したくない」層は、調査時に関係なく約2割存在。

・日本では「既に接種した」が14%に増え、「効果や安全性に問題がないか様子をみてから接種したい」が前回調査(38%)から11ポイント下がり27%となった。「ワクチンは接種したくない」はほぼ変化なし。

・米国では「既に摂取した」が58%に達した一方、「ワクチンは接種したくない」は、調査時期に関係なく約2割存在。

 (図表4)コロナワクチンの接種時期

質問:新型コロナウイルスのワクチン接種が可能になった時、あなたはいつ頃接種したいですか?

 

5ワクチン接種後の生活の変化について、日本では「即座に元の生活に戻る」との回答が最も少なく7%、「すぐには元に戻らず、慎重に様子を見る」が約6割となった。

・海外のワクチン接種後の生活変容が報道されているが、日本ではワクチン接種後も「すぐには元の生活に戻らず慎重に様子を見る」との回答が57%と最多。

 (図表5)ワクチン接種後の生活

質問:今後あなたご自身がワクチンを接種完了した際に、あなたの生活の変化として当てはまりそうなものをお選びください。
※元の生活、とはコロナ禍以前の生活を指します。

 

 

6.夏の予定は、日本は「まだ不安が大きく、旅行しない」との回答が約6割。一方米国では「旅行を予定していて、特に不安はない」が4割以上となり日米で大きな差がみられた。

・日本では「夏に旅行を予定していて、特に不安はない」との回答は7%にとどまった。

(図表6)夏の旅行予定の有無

質問:今年の夏の旅行について、あてはまるものをお選びください。

 

7.夏の旅行の移動手段は日米ともに感染への不安が少ない自家用車が最も高い。米国では飛行機の利用が自家用車に次いで多く、コロナ感染への不安は「まったく心配・不安は感じない」「あまり心配・不安は感じない」が合計54%であるのに対し、日本では23%にとどまった

・日本では感染への不安が最も少なかった自家用車での移動がトップ。次いで船の次に感染への心配・不安を感じる「電車/バス」が移動手段として挙げられた。

・米国でもトップは自家用車での移動。自家用車に次いで感染への心配・不安は少ない「レンタカー」ではなく、飛行機が2番目の移動手段として挙げられた。

(図表7)夏の旅行予定の有無

 

質問:今年の夏の旅行で、移動手段として想定しているものを全てお選びください。

質問:現在、以下の移動手段を使う場合、どの程度(コロナに関連した)心配・不安を感じますか?

 

 

 

<日本での調査概要>

タイトル: COVID-19生活者意識ナビゲーター

調査手法: インターネット調査

調査時期: 第1回:2020年4月23~24日、 第2回:2020年5月11~13日

第3回:2020年5月28~31日、 第4回:2020年6月 9~11日

第5回:2020年6月24~26日、 第6回:2020年7月 8~10日

第7回:2020年8月13~16日、 第8回:2020年9月16~18日

第9回:2020年10月21~23日、 第10回:2020年11月19~22日

第11回:2021年1月28~30日、 第12回:2021年3月19~20日

第13回:2021年4月28日~5月2日、 第14回:2021年5月19日~5月21日

第15回:2021年6月25日~5月26日

エリア : 全国

対象者 : 全国20~69歳の男女1,000名

調査内容: 新型コロナウイルス感染症に対する心理ステージ、生活行動、企業への期待など

調査実施: 株式会社電通

 

<米国での調査概要>

タイトル: COVID Crisis Navigator

調査手法: インターネット調査

調査時期: 第1回:2020年3月27~29日、 第2回:2020年4月3~4日

第3回:2020年4月9~12日、 第4回:2020年4月17~18日

第5回:2020年4月 24日、   第6回:2020年5月8日

第7回:2020年5月22日、   第8回:2020年6月5日

第9回:2020年6月19日、 第10回:2020年7月10日

第11回:2020年8月7日、   第12回:2020年9月11日

第13回:2020年10月6日、  第14回:2020年11月11日

第15回:2021年1月14日、 第16回:2021年2月10日

第17回:2021年3月12日、  第18回:2021年4月16日

第19回:2021年5月19日   第20回:2021年6月10日

エリア : 全米

対象者 : 全米18~64歳の男女1,000名

調査内容:新型コロナウイルス感染症に対する心理ステージ、生活行動、企業への期待など

調査実施:Dentsu U.S.

 

<参考:米国と日本における新型コロナウイルス関連トピックと調査実施タイミング>

【米国】

第1回:アメリカにおける感染者数が世界最多を記録した直後に実施

第2回:失業保険申請数が増加するなど景気経済への影響が顕在化してきた中での実施

第3回:新規感染者数や死者数が継続して高く推移している中での実施

第4回:事態が長期化している中での実施

第5回:一部の州での経済活動の再開などが報じられ始めたタイミングで実施

第6回:多くの州で一部の経済活動を部分的に再開した中での調査

第7回:50の州全てで経済が再開。一方、失業率が高い水準のタイミングでの調査

第8回:人種差別への抗議運動が広がり、コロナでも多数がデモに集結していた中での調査

第9回:複数の州で新規感染者数の最多記録が更新され、第二波への懸念が高まる中での調査

第10回:累計感染者数が300万人を超え、依然として失業率が高止まりしている時期に調査

第11回: 7月中旬~後半にかけて新規感染者数が7万人を超えピークを迎えた後、落ち着きを見せ始めた中での調査

第12回: コロナ感染拡大から6カ月、感染拡大はまだ落ちつかないものの、大統領選挙の話題が増えてきている中での調査

第13回:大統領選挙まで1か月余り。中西部での感染が拡大。NYでは一部地域で再封鎖実施も報道される中での調査

第14回:大統領選挙が行われた。1日の感染者数が10万人を突破し、感染者数が急激に拡大している中での調査

第15回:ワクチン接種が開始されるも、新規感染者数が30万人突破。変異株の感染拡大も懸念される中での調査

第16回:バイデン政権によりワクチン接種が加速・本格化。1日あたり新規感染者数が10万人を下回る中での調査

第17回:ワクチン接種進むも、変異株などの影響から新規感染者数は減らない中での調査

第18回:ワクチン接種のペースが鈍化、変異株への感染も引き続き多い中での調査

第19回:国民の約3分の1がワクチン接種を完了し、1日当たり新規感染者数が3万人台まで減った中での調査

 第20回:アメリカ成人の約半数がワクチン接種を2回とも完了し、1日当たりの感染者数が1万人前後まで減った中での調査

 

 

 

【日本】

第1回:緊急事態宣言が対象地域を全国に拡大(4/16)して1週間が経過した中での実施

第2回:ゴールデンウィーク / ステイホーム週間が明け、感染者数が3月末以降初めて100人を下回った中での実施

第3回:全国で緊急事態宣言が解除された数日後の調査

第4回:全国で緊急事態宣言が解除されてから2週間後。東京アラートが解除されるまでのタイミングで実施

第5回:都内ホストクラブでのクラスタ発生を中心に、感染者が再び増加してきた中での実施

第6回:東京都を中心に感染者数が大幅に増加し、都外への外出自粛が要請された中での実施

第7回:国内の感染者数が1,000人を超え、各地で感染が拡がる中迎えたお盆・夏季休暇中での実施

第8回:感染者数は減少傾向にあり、9月14日に自民党総裁選が行われた直後のタイミングでの実施。

第9回:感染者数が安定して推移、「GoToトラベル」キャンペーンの東京発着分追加、「GoToEat」キャンペーン開始など経済活性化政策が強化される中で実施

第10回:国内の1日あたり新規感染者数2,000人を超え、過去最高を更新する中で実施

第11回:年明けに一気に感染者数が増え、2度目の緊急事態宣言が発令される。変異株の感染も報告される中での実施

第12回: 4都県では引き続き緊急事態宣言下(調査終了翌日3/21に解除)の中で実施。

第13回:まん延防止等重点処置や緊急事態宣言が適用・発令される中で実施

第14回:新規感染者数が高止まりし、GWから延長している緊急事態宣言の再延長が検討される中での調査

 第15回:国内の1日当たり新規感染者数が2,000人前後となり、緊急事態宣言からまん延防止等重点措置へ移行した中での調査

 

 

 

 

<参考:その他の主なファインディングス>

(ア)夏の旅行の目的

・夏の旅行の目的は、日米ともに「楽しむため」「リラックスのため」が上位に。

・日本は「自粛生活の気分転換・息抜き」が3位となった。

(図表8)夏の旅行の目的

質問:今年の夏の旅行の理由として、あてはまるものを全てお選びください。

 

 

(イ)マスクなしで買い物できる時期

・日本では72%が「マスクなしの買い物」のできる時期を1年以上先と予想。一方米国では半数弱が「3か月以内」と予想し、大きな差がみられた。

(図表9)マスクなしで買い物できる時間

質問:マスクを着用せずに、お店で買い物できるようになるのは、いつ頃になると思いますか?

 

 

 

以上

 

 

 

 

 

本プレスリリースは発表元が入力した原稿をそのまま掲載しております。また、プレスリリースへのお問い合わせは発表元に直接お願いいたします。

プレスリリース添付画像

このプレスリリースには、報道機関向けの情報があります。

プレス会員登録を行うと、広報担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など、報道機関だけに公開する情報が閲覧できるようになります。

プレスリリース受信に関するご案内

このプレスリリースを配信した企業・団体

  • ※購読している企業の確認や削除はWebプッシュ通知設定画面で行なってください
  • SNSでも最新のプレスリリース情報をいち早く配信中