東京都立大学において、日本最大級の ローカル5G環境を活用した新たな最先端研究をスタート
東京都立大学では、東京都の「『未来の東京』戦略」の取組の一環として、日本最大級のローカル5G※環境を活用した研究を実施しています。この度、東京都立大学で新たな研究を開始しましたので、お知らせします。
※ローカル5G:地域や産業の個別のニーズに応じて、地域の企業や自治体等の様々な主体が自ら
の事業のために利用できる5Gシステムのこと。
1 東京都立大学のローカル5G環境について
東京都立大学は、南大沢キャンパス及び日野キャンパスの広範囲において、日本最大級規模のローカル5G環境を整備しています。
令和3年9月から、ローカル5G環境を活用した新たな最先端研究を開始しました。本学では、ローカル5G環境を活用した研究を重点的に推進することで、Society5.0実現の基幹インフラとなる5Gをはじめとする高速・大容量の移動通信に関する課題解決や、社会実装を通じて都民生活の向上に資する本学ならではの研究の活性化に取り組んでいます。
2 ローカル5G環境を活用した研究の開始について
令和3年9月から開始した研究テーマは以下のとおりです。
◆社会実装型研究(長期:最長5年間)
新たなライフスタイルの提案や社会的・公共的価値の創造を通じて都民生活の質の向上をもたらすなど、Society5.0の実現につながる応用的研究であって、社会実装が期待される研究
所属・代表教員名 | 研究内容 |
システムデザイン研究科 和田 一義 准教授 |
「”全ての人の手元まで”を実現するマイクロ物流プラットフォーム」: 5Gを活用して”全ての人の手元まで”の物流を実現し、売場管理の自動化を目指す。そのため、陳列棚と小型物流倉庫の機能を併せ持つ「マイクロ物流ノード」、顧客やマイクロ物流ノードに商品を搬送する「配送ロボット」、全体を管理制御する「エッジサーバー」などから構築するマイクロ物流プラットフォームを開発する。 マイクロ物流がスマート化することにより、誰にとっても欲しいものが手に届くバリアフリーな店舗の実現につながる。 |
◆社会実装型研究(短期:2~3年間)
ポスト・コロナの社会における新たな日常の確立や社会変革への道筋を提案するなど、ポスト・コロナ時代の都民生活の質の向上に資する応用的研究であって、早期に社会実装が期待される研究
所属・代表教員名 | 研究内容 |
システムデザイン研究科 楊 明 教授 |
「プレス加工DXのための5G環境IoTプラットフォームの構築」: 金属プレス加工のデジタルトランスフォーメーション(DX)を実現するための5Gプラットフォームを構築する。ローカル5Gを活用したプレス機械や金型内蔵センサなど複数センサからのセンシング情報の無線伝送の実証実験を行う。また、実プレス加工におけるプロセス可視化とプロセス制御に対する無線伝送特性の影響などを評価し、実用性評価を行う。 従来、職人の経験や勘に頼っていた異常検出や製造過程における不良品発生率の減少、プレス加工によって生じる金型の摩耗予測などの自動化が可能となる。また、このようなシステムを活用することで、若手人材の育成にも寄与する。 |
システムデザイン研究科 ヤェム ヴィボル 助教 |
「5G通信で遠隔マルチワークを可能とする代理身体システムの構築」: 遠隔空間で複数種のタスクを行うことを可能にするため、5G超高速通信を用いてローカルオペレータの知覚と運動制御を等価的に持った代理身体を複数空間に展開するシステムを実現する。①多種代理身体ロボットの開発、②多感覚提示とデフォルト身体の構築、③空間情報計測・モデリング、④遠隔マルチワーク実験と評価の4つの点に関する研究開発を行う。 これらロボットオペレーティング技術等の実用化により、地域医療や高齢者支援、災害支援の現場での活用が見込まれる。 |
◆挑戦型研究
企業が手を出しにくい将来の課題解決に資する基礎的研究であって、科学技術の発展や変革をもたらし得る研究
所属・代表教員名 | 研究内容 |
システムデザイン研究科 久保田 直行 教授 |
「超実時間モニタリングのためのロボット知能化基盤技術と5G社会」: 大容量・低遅延、同時多接続の5Gを最大限に活用してSociety 5.0を実現するため、ロボットの高度知能化基盤技術を確立する。①超実時間トラッキングイノベーション(計測)、②超実時間モニタリングイノベーション(認識・予測・推定)、③オンライン機械学習イノベーション(学習)、④オンラインロボット適応イノベーション(適応)の4つの点に関する研究開発を行う。 パーソナルモビリティや自動搬送車への展開、林業や建設業の現場における自動化、自律化の実現につながる。 |
システムデザイン研究科 横山 昌平 准教授 |
「6Gに向けたハイダイナミックレンジポジショニング技術の創出」: 光に着目し、ミクロな領域からマクロな領域までをカバーするハイダイナミックレンジ測位技術を実現する。そのため、基地局に接続された多数のデバイスに搭載されたカメラ等のセンサデータを分散協調処理し、数センチメートル級の測位精度を達成するフォトグラフィックGPSと、高精度光クロックの発信とその計測技術を用いて数ミリメートル級の測位精度を達成するフォトニックGPSに関する研究開発を行う。また、それらを既存のGPSと統合する事により、5G後の測位基盤技術を確立する。 高度ICT社会における交通や物流の観測・制御から、ロボットや医療分野におけるIoT機器のミリ単位でのポジショニングまでをワンストップで実現する基盤技術となる。 |
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このプレスリリースを配信した企業・団体
- 名称 東京都公立大学法人
- 所在地 東京都
- 業種 大学
- URL https://www.houjin-tmu.ac.jp/
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