電動自動車の「接近通報装置」の測定に用いる音響測定器の校正事業者を国内初認定

~接近通報音試験の信頼性維持に貢献。接触事故低減に期待~

2021年12月3日

独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)

認定センター

電動自動車の「接近通報装置」の測定に用いる音響測定器の校正事業者を国内初認定

~接近通報音試験の信頼性維持に貢献。接触事故低減に期待~

 




 

概要

  NITE (ナイト)は、2021年12月3日、リオンサービスセンター株式会社を、サウンドレベルメータ及び音響校正器のメーカーの校正事業者として国内で初めて※1認定しました。

 サウンドレベルメータ及び音響校正器は、低速走行中の電気自動車やハイブリッドのような電動自動車に搭載された「車両接近通報装置」の接近通報音が適正な大きさかどうかを試験し、歩行者の安全を確保するための重要な計測器です。今回 NITE の認定を受けたリオンサービスセンター株式会社によって校正されたサウンドレベルメータ及び音響校正器を自動車メーカーが用いて接近通報音の試験を行うことで、試験結果の信頼性が向上します。

 

 

解説

1.低速走行中の電気自動車やハイブリッド自動車のような電動自動車では、走行音が静かすぎるため歩行者がそれらの接近に気付きにくく、事故の原因にもなり得るため、人工的な接近通報音を発する「車両接近通報装置」の搭載について普及が進んできました。今後、脱炭素化による電動自動車の本格的な普及や自動運転技術の進展により必要性や重要性は益々高まっていくことが期待されます。一方、「車両接近通報装置」の仕様について以前は統一した基準がありませんでしたが、国内では、2018年3月以降の新型車には、「車両接近通報装置」の搭載が義務化され、接近通報音に対する基準が保安基準の中に明確に規定されました。

 

2.この保安基準を満たし歩行者に対する安全性を確保するには、接近通報音が適正な大きさであるかどうかを確認する試験が重要であり、試験の際に用いられるサウンドレベルメータ及び音響校正器の正確さが重要な鍵となります。従来は、この試験で用いられるサウンドレベルメータ及び音響校正器の正確さは、自動車メーカー自身が保証していましたが、近年、品質要求の高まりにより、電動自動車の海外輸出時には、ISO/IEC 17025※2に基づく認定を受けた校正事業者により保証されることが求められるようになりました。

 

3.このような背景から、 NITE は2021年12月3日、接近通報音の試験で用いられるサウンドレベルメータ及び音響校正器のメーカーの校正事業者として、リオンサービスセンター株式会社エンジニアリングビジネスユニットを、ISO/IEC 17025に基づき国内で初めて認定しました。

 

4.今後、同社が発行するサウンドレベルメータ及び音響校正器の校正証明書は、これまでよりも高い信頼性が確保されていることの証明となり、そのサウンドレベルメータ及び音響校正器の校正結果に基づいて自動車メーカーが実施する接近通報音の試験において必要とされる信頼性の確保に寄与します。また、電動自動車を海外に輸出する際には、校正証明書によって、ISO/IEC 17025で認定を受けた校正事業者により校正された計測器を用いていることが容易に証明され、試験結果及び電動自動車の受入れが加速されることが期待されます。

 

※1:接近通報音の試験に用いるサウンドレベルメータの校正方法である、IEC 61672-3(電気音響-サウンドレベルメータ(サウンドレベルメータ)-第3部:定期試験)、及び、当該サウンドレベルメータを校正するための音響校正器の校正方法である、IEC 60942(電気音響-音響校正器)について、サウンドレベルメータ及び音響校正器のメーカーの校正事業者として国内で初めて認定。

※2:ISO/IEC 17025(試験所及び校正機関の能力に関する一般要求事項)

 

■プレスリリースの原文(NITE)

 

 

独立行政法人製品評価技術基盤機構 認定センター(IAJapan)について

 IAJapanは、 試験所・校正機関をISO/IEC 17025に基づき認定することにより、試験・校正データの信頼性や製品の品質を支える、国内唯一の公的認定機関です。

 

▼【動画】認定のしくみ

私たちが身の回りの製品を信頼して使えるのはなぜでしょうか? 実は、それらの信頼性は「認定」というしくみで守られています。 この動画では、「認定」がなぜ必要なのか、どのようなものなのか、詳しく説明します。

 

 

 

 

【動画】 認定の活用事例 ー自動車産業ー

高い品質と機能をもつ日本の自動車、その信頼性は「認定」というしくみで支えられています。 この動画では、「認定」と「自動車産業」の関わりを、事例を挙げて紹介します。

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