デジタルネイティブ世代の「自己表現消費」傾向が強化

電通デジタル

2022年1月19日

株式会社電通デジタル

デジタルネイティブ世代の「自己表現消費」傾向が強化

-コロナ禍で変化したデジタルネイティブの消費・価値観調査 ’21-

 株式会社電通デジタル(本社:東京都港区 代表取締役社長執行役員:川上 宗一 以下、電通デジタル)は、デジタルネイティブ世代※1に特化した事業開発・マーケティングを専門とするチーム「YNGpot.™」※2(デジタルネイティブルーム※3が運営)において、“コロナ禍”生活によって生じた新たなデジタルネイティブ世代の消費行動・価値観を捉えるべく、「デジタルネイティブ世代の消費・価値観調査 ‘21」を実施しました。主な調査結果を発表します。

<調査の実施背景と目的>

 コロナ禍に伴う新しい生活様式によって、生活者の消費行動のデジタル化はより一層進み、同時に多くの企業がデジタル変革を迫られることとなりました。

 「YNGpot.™」では、新型コロナウイルス感染症が広まった2020年に引き続き、Z世代/ミレニアル世代※(1980年代~2000年代生まれ)に代表されるデジタルネイティブ世代が、コロナ禍を通じて起こした行動・消費動向の変化に着目し、Beyondコロナに向けた消費のニュースタンダードとなりえる兆しの発見や、今後の企業活動の糸口を探ることを目的に調査を実施しました。

(※より細かな兆しを捉えるべく、15-25歳をZ世代、26-35歳をミレニアル世代と区分し、調査しています。)

<「コロナ禍で変化したデジタルネイティブの消費・価値観調査 ’21」の主な調査結果>

1.理想の自分のために挑戦し続けるデジタルネイティブ世代-意欲はコロナ禍でも上昇-

 デジタルネイティブ世代は、「理想の自分のために、積極的にチャレンジしたい」(Z世代:56.0%・ミレニアル世代48.3%)、「より多様な人と出会い、刺激をもらいながら生きていきたい」(Z世代:56.5%・ミレニアル世代:47.3%)、と回答。また、コロナ禍以前と比べて両者の傾向が強くなったと約3割(現状維持も含めると約9割)が回答し、活動の制限など多くの苦難があった中でも、SNS上などで多様な人と出会いながら、理想の自分を描き、その未来に向けて挑戦し続ける世代であることが伺えます。

2.理想の自分に近づくために、消費にも自己表現を意識

 商品・サービスの消費価値観について聴取したところ、「好きな商品やサービスを通して、誰かと繋がることがある」(Z世代:45.7%・ミレニアル世代:39.5%)、「自分がどのような商品・サービスを利用しているかは、自分らしさを表現する上で重要だと思う」(Z世代:55.0%・ミレニアル世代:51.5%)と回答。2020年7月に実施した調査結果※4では、デジタルネイティブ世代に特徴的な「熱中消費」について6つのスタンスを取り上げ、消費活動が自己表現へとつながる傾向についても取り上げましたが、今回の調査結果からこの傾向はより強くなったことが伺えます。デジタルネイティブ世代にとって商品・サービスとは、単なる機能としての役割だけでなく、理想の自分に近づくための「自己表現・コミュニティ選び」といった役割も持つと考えられます。

3.デジタルネイティブ世代の「自己表現消費」における3つの購買フェーズ

 「YNGpot.™」では、消費行動にも自分らしさを求めるデジタルネイティブ世代の行動を「自己表現消費」と名付け、その消費行動を「①日常フェーズ→②商品検討フェーズ→③購入決定フェーズ」の3つのフェーズに分け、それぞれの特徴を明らかにしました。

 購入検討の前段階では、日頃の暇つぶしの中でSNSを利用し、様々な情報に出会い、その中で気になった情報をお気に入りボタンや保存ボタン、スクリーンショットなどを用いてストックする傾向が明らかになりました。

 商品検討時には、自身で日常的に保存・ストックしている情報や、ネット/SNS上でまとめられている情報など、事前に絞られた情報を参考に、商品購入の検討を行っていることがわかりました。そのため、自社の商品・サービスが選ばれるためには、デジタルネイティブ世代の情報収集行動を意識した体験設計・情報発信が重要であると考えます。

 購入決定時には、上記5つのポイントから多角的な判断をしていることがわかりました。「自己表現消費」を行うデジタルネイティブ世代は「壮大なビジョン」や「社会に貢献」しているブランド・商品を選択することで、自身もそのビジョン・社会貢献に参画している一部であることを表現していると考えられます。

<調査結果の考察>

 今回の調査を通じ、デジタルネイティブ世代では消費活動を自己表現の手段としている傾向が強まっており、「自己表現消費」は以下の3つのプロセスと特徴を内包していることが分かりました。

① 日常フェーズ:日常的に気になった情報を保存・ストックし、

② 商品検討フェーズ:自身のストックリストや、まとめ情報の中で検討を行い、

③ 購入決定フェーズ:企業のビジョンや社会貢献性、若者理解度などの5つの視点で決定

 ブランドの視点では、これまで企業が主体となってブランド価値を築いてきましたが、SNSで情報発信・情報収集をすることが当たり前なデジタルネイティブ世代におけるブランド価値を築く要素は、インターネット・SNS上での評判や、その商品・サービスを通じて出会える人にまで拡張してきていると言えるでしょう。

 このように、デジタルネイティブ世代に向けたマーケティング活動では、購入フェーズを意識した情報発信や、ブランドについての発話者を増やすこと。さらには、ブランドを起点とした生活者同士のつながりやコミュニティを注視し、日常的な接点を設けることにより、検討の前段階から選択肢に入っておくことが非常に重要であると考えます。

 YNGpot.™では、こうしたデジタルネイティブ世代の価値観や消費意識、情報収集行動、また利用サービスの変化に伴う求められる情報の変化をはじめ、今後もデジタルネイティブ世代の動向や兆しを紐解きながら、企業のDX戦略構築から実行支援まで、ワンストップでソリューションを提供して参ります。

本調査記載データの詳細結果、他設問項目の分析については下記までお問い合わせください。

お問合せ先:yngpot@group.dentsu.co.jp

<調査概要>

調査時期:2021年10月4日~10月11日

調査対象者:15~59才男女/一都三県

算出サンプル数:1200ss

比較サンプル数:Z世代(15-24歳):600ss/ミレニアル世代(25-34歳):400ss/大人世代(35-59歳):200ss

調査手法:インターネット調査

調査機関:株式会社 電通デジタル/株式会社 電通マクロミルインサイト

<主な調査項目>

●Z世代/ミレニアル世代/大人世代の意識・価値観・行動

●Z世代/ミレニアル世代の消費意識・行動

●上記の意識・行動のコロナ禍による増減傾向

●デジタルネイティブ世代に刺さるブランド要素

●該当する具体的な企業名と理由

●就職活動・働きたい企業

●コロナ禍で、友人同士で流行したこと

●各種メディアの役割

●デジタルサービス利用実態

●デジタルサービス/オフラインサービスの利用意向比較

※1:デジタルネイティブ世代とは生まれた時からインターネットやパソコン・スマートフォンなどの環境がある、現在の10~20代/30代前半に該当する世代を指します。

※2:デジタルネイティブ世代専門チーム「YNGpot.™」とは、デジタルネイティブ世代のインサイトや購買行動等のデータを軸に、最新トレンドを踏まえた戦略立案から実装までワンストップで行うマーケティングの専門チームです。デジタルネイティブ世代のプランナー・データサイエンティスト・ITコンサルタント・UI/UXデザイナー・クリエイターのメンバーが所属しており、プロジェクトに合わせ柔軟かつ最適な体制を組むことが可能です。

「YNGpot.™」サービスページ https://www.dentsudigital.co.jp/service/lp/yngpot/

※3:『電通デジタル、「デジタルネイティブルーム」を新設』(2021年8月25日発表)

https://www.dentsudigital.co.jp/release/2021/0825-000982/

※4:『デジタルネイティブ世代は "好きを極める消費"へシフト』(2020年9月28日発表)

https://www.dentsudigital.co.jp/release/2020/0928-000626/

<電通デジタルについて>https://www.dentsudigital.co.jp/

国内最大級のデジタルマーケティング会社として、データとテクノロジーを駆使した次世代マーケティングの戦略策定・実行、その基盤となるITプラットフォームの設計・構築、クライアントの事業革新を支援するDXコンサルティングなどのサービスを提供。国内外のプラットフォーマー各社との緊密なパートナーシップのもと、高度な専門性と統合力により、クライアントの事業成長に貢献しています。

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