リンヴォック(R)(ウパダシチニブ)、活動性関節症性乾癬に対する米国FDAの承認を取得
2022年1月14日
アッヴィ合同会社
リンヴォック(R)(ウパダシチニブ)、活動性関節症性乾癬に対する米国FDAの承認を取得
- 第III相試験2試験において、活動性関節症性乾癬の疾患活動性を示す複数の指標でリンヴォック(15 mg 1日1回)の有効性が示され、安全性プロファイルは関節リウマチ(RA)の患者さんでのプロファイルと同等
- リンヴォックは、活動性関節症性乾癬の患者さんにおける関節の痛み、腫脹およびこわばり、また疲労の軽減、そして関節損傷の悪化を予防
- 2019年の関節リウマチに続き、リンヴォックにとって重要な節目となる、FDAの2つ目の適応症承認
イリノイ州ノースシカゴ、2021年12月14日(米国時間)-アッヴィ(NYSE:ABBV)は本日、1剤以上の腫瘍壊死因子(TNF)阻害薬で効果不十分または不耐容であった活動性関節症性乾癬(活動性乾癬性関節炎、PsA)の成人患者さんの治療薬として、リンヴォック(R)(ウパダシチニブ、15 mg 1日1回)が米国食品医薬品局(FDA)の承認を得たことを発表しました1。
アッヴィのvice chairman 兼presidentのMichael Severino, M.D.,は、次のように述べています。「PsAの症状の多くを緩和するリンヴォックの有効性について、大規模長期試験2試験においてその特徴が明らかになりました。この新たな承認の取得は、より多くのリウマチ性疾患の患者さんが疾患コントロールを達成できる治療法のポートフォリオを提供するという、当社のミッションを明確に示すものです」
FDA承認の裏付けとなったデータは、PsAの患者さんを対象にリンヴォックの有効性、安全性および忍容性を評価した第III相臨床試験であるSELECT-PsA 1試験とSELECT-PsA 2試験から得られたものです2,3。いずれの試験でも、活動性PsAの患者さんにリンヴォック15 mgを投与したときの安全性プロファイルは、関節リウマチの患者さんで認められた安全性プロファイルと一致していました。
SELECT-PsA 1試験の治験責任医師でもある英国グラスゴー大学(University of Glasgow)の内科学教授およびVersus Arthritisリウマチ学教授のIain McInnesは、次のように述べています。「成人患者さんの多くは、疾患活動性の軽減につながる治療選択肢を見つけられず苦しんでいます。この度のリンヴォックのFDA承認により、より多くの患者さんがPsAの徴候や症状の緩和を実感できるようになり、治療目標を達成できる可能性が示されました」
第III相試験のSELECT-PsA 1試験およびSELECT-PsA 2試験のいずれにおいても、リンヴォックは主要評価項目である12週時のACR20改善を達成しました。リンヴォック15 mgの投与を受けた患者さんにおけるACR20改善の達成率(それぞれ71%および57%)は、プラセボ投与の患者さん(それぞれ36%および24%)と比較して有意に高い結果でした2,3。
関節に対する有効性1-3
●第III相試験のSELECT-PsA 1試験およびSELECT-PsA 2試験のいずれにおいても、リンヴォック15 mgの投与を受けた患者さんにおける12週時のACR50改善の達成率(それぞれ38%および32%)は、プラセボ投与の患者さん(それぞれ13%および5%)と比較して高い結果でした。
●SELECT-PsA 1試験およびSELECT-PsA 2試験のいずれにおいても、リンヴォック15 mgの投与を受けた患者さんにおける12週時のACR70改善の達成率(それぞれ16%および9%)は、プラセボ投与の患者さん(それぞれ2%および1%)と比較して高い結果でした。
●以前から指趾炎または付着部炎を呈していた患者さんでは、リンヴォック15 mgの投与により、指趾炎または付着部炎が改善しました。
●SELECT-PsA 1試験において、modified Total Sharp Score(mTSS)のベースラインから24週時までの変化量に基づき評価した構造的関節損傷の進行は、プラセボ投与(ベースラインからの変化量0.23)と比較した場合、リンヴォック15 mg投与(ベースラインからの変化量-0.02)で有意に抑制されました。
身体機能1-3
●SELECT-PsA 1試験およびSELECT-PsA 2試験のいずれにおいても、12週時に健康評価質問票による機能障害指数(HAQ-DI)により評価した身体機能は、プラセボ投与の患者さんと比較して、リンヴォック15 mgの投与を受けた患者さんでベースラインから有意に改善しました。
疲労1-3
●両第III相試験において、12週時に慢性疾患治療の機能評価-疲労(FACIT-F)スコアで評価した疲労は、プラセボ投与の患者さんと比較して、リンヴォック15 mgの投与を受けた患者さんでベースラインから有意により大きく改善しました。
皮膚の改善1-3
●リンヴォック15 mgを投与したPsAの患者さんで皮膚症状が改善しました。ただし、リンヴォックは尋常性乾癬の治療薬としては評価されておらず、適応も有していません。
安全性1-3
●全体として、活動性PsAの患者さんにリンヴォック15 mgを投与したときの安全性プロファイルは、関節リウマチの患者さんで観察された安全性プロファイルと一致していました。24週間のプラセボ対照期間に、リンヴォック15 mg投与で頻繁に認められた有害事象は、上気道感染および血中クレアチンホスホキナーゼ増加でした。帯状疱疹および単純ヘルペスの発現率は、リンヴォック15 mg投与でそれぞれ1.1%および1.4%、プラセボ投与でそれぞれ0.8%および1.3%でした。ざ瘡および気管支炎の発現率も、リンヴォック15 mg投与(それぞれ1.3%および3.9%)の方がプラセボ投与(それぞれ0.3%および2.7%)よりも高くなっていました。
●リンヴォックは以下を含む重篤な副作用の原因となることがあります。
○重篤な感染症 リンヴォックは感染症と戦う能力を弱める可能性があります。リンヴォックを服用中の患者さんに、結核(TB)および細菌、真菌、ウイルスが原因の全身に広がり得る感染症などの重篤な感染症が発生しています。これらの感染症による死亡例もあります。
○1つ以上の心疾患(心血管)リスク因子を有する50歳以上の患者さんでは、死亡リスクが高くなります。
○がんおよび免疫系疾患 リンパ腫や皮膚がんおよび肺がんなどが発生することがあり、特定のがんの発症リスクが高くなる可能性があります。現在喫煙していたり、過去に喫煙歴がある場合には、リスクが高くなります。
○1つ以上の心疾患(心血管)リスク因子を有する50歳以上の患者さんでは、特に現在喫煙していたり、過去に喫煙歴がある場合には、心臓発作、脳卒中、死亡などの重大な心血管イベントが発現するリスクが高くなります。
○血栓 リンヴォックの投与では、脚または肺の静脈や動脈に血栓が生じる可能性があり、生命を脅かす、または死に至ることがあります。これら血栓の発症頻度は、1つ以上の心疾患(心血管)リスク因子を有する50歳以上の患者さんで高くなっています。
その他の重篤な副作用として、胃または腸の裂傷や一部の臨床検査結果の変化が生じることがあります。
使用および入手のし易さ(※日本国内では該当しません)
●リンヴォックの包装は、身体的な制限のあるリウマチ性疾患の患者さんでも取り扱うことのできる設計になっています。薬剤を取り出しやすくするため、ボトルのキャップは大きく、握りやすい材質でできており、キャップでアルミ箔の内蓋に穴を開けられるようになっています。この包装のデザインは、Arthritis FoundationのEase of Use賞を受賞しました4。
●アッヴィは主な関係者と密接に協力して、患者さんがリンヴォックを使用できるように支援に取り組んでいます。その一環として、患者支援プログラムや、対象の民間保険の加入者の場合、自己負担額を1ヵ月5ドルまで削減できるco-pay cardを提供しています。また、健康保険に制限があるまたは健康保険に加入していない患者さんを対象に、基準を満たす患者さんにリンヴォックを提供する患者援助プログラム、myAbbVie Assistを実施しています。詳細はAbbVie.com/myAbbVieAssistをご覧ください。
関節症性乾癬(乾癬性関節炎、PsA)について
PsAは、多様な病態をもつ全身性炎症性疾患で、関節や皮膚などの複数の領域に特徴的な症状が現れます5。PsAでは、免疫系が引き起こす炎症によって、乾癬に関連する皮膚病変をはじめ、痛み、疲労および関節のこわばりが生じることがあります5,6。乾癬患者さんの約30%にPsAが発現します7,8。
SELECT-PsA 1試験について1,2
SELECT-PsA 1試験は、1種類以上の非生物学的疾患修飾性抗リウマチ薬(non-bDMARD)で効果不十分または不耐容であった中等症から重症の活動性PsAの成人患者さんを対象に、プラセボおよびアダリムマブと比較し、リンヴォックの安全性および有効性を評価するためにデザインされた第III相、多施設共同、無作為化、二重盲検、実薬・プラセボ対照試験です。患者さんはリンヴォック15 mg群、リンヴォック30 mg群、アダリムマブ40 mg(隔週)群またはプラセボ群に無作為に割り付けられました。プラセボ群は、24週時にリンヴォック15 mg群またはリンヴォック30 mg群のいずれかに切り替えられました。
主要評価項目は、投与12週時にACR20改善を達成したリンヴォック15 mg群またはリンヴォック30 mg群の患者さんの割合とし、プラセボ群の患者さんと比較しました。主な副次評価項目は、HAQ-DIのベースラインから12週時までの変化量、乾癬の医師による静的全般的評価(sIGA)が16週時に0または1であり、ベースラインと比較して2ポイント以上の改善が認められた患者さんの割合、16週時に乾癬の面積と重症度の指数(PASI)75改善を達成した患者さんの割合、mTSSのベースラインから24週時までの変化量で評価したX線画像上の進行の抑制、24週時に最小疾患活動性(MDA)を達成した患者さんの割合、24週時に付着部炎が消失した患者さんの割合、FACIT-Fのベースラインから12週時までの変化量、および24週時に指趾炎が消失した患者さんの割合などでした。他の副次評価項目も設定されていました。本試験の長期継続投与期間は進行中です。本試験の詳細な情報は、www.clinicaltrials.gov(NCT03104400)で閲覧可能です。
SELECT-PsA 2試験について1,3
SELECT-PsA 2試験は、1種類以上の生物学的疾患修飾性抗リウマチ薬(bDMARD)で効果不十分または不耐容であった中等症から重症の活動性PsAの成人患者さんを対象に、リンヴォックの安全性および有効性を評価するためにデザインされた、第III相、多施設共同、無作為化、二重盲検、プラセボ対照試験です。患者さんは、リンヴォック15 mg群、リンヴォック30 mg群またはプラセボ群に無作為に割り付けられ、プラセボ群は、24週時にリンヴォック15 mg群またはリンヴォック30 mg群のいずれかに切り替えられました。
主要評価項目は、12週間の投与後にACR20改善を達成した患者さんの割合とし、プラセボ群の患者さんと比較しました。主な副次評価項目は、HAQ-DIのベースラインから12週時までの変化量、12週時にACR50改善およびACR70改善を達成した患者さんの割合、16週時にPASI75改善を達成した患者さんの割合、ならびに24週時にMDAを達成した患者さんの割合などでした。他の副次評価項目も設定されていました。本試験の長期継続投与期間は進行中です。本試験の詳細な情報は、www.clinicaltrials.gov(NCT03104374)で閲覧可能です。
リンヴォック(R)(ウパダシチニブ)について
アッヴィの科学者が発見し開発したリンヴォックは、選択的なヤヌスキナーゼ(JAK)阻害薬で、複数の免疫関連炎症性疾患を対象に研究が行われています。酵素および細胞アッセイにおいて、JAK-2、JAK-3およびTYK-2と比較してJAK-1に対しより強い阻害能力を示しました1。特定のJAK酵素の阻害が治療効果および安全性にどのような意義を持つのかについては現時点ではわかっていません。リンヴォック15 mgは、中等症から重症の関節リウマチを有し、1剤以上のTNF阻害薬で効果不十分または不耐容であった成人患者さん、および活動性PsAを有し、1剤以上のTNF阻害薬で効果不十分または不耐容であった成人患者さんの治療薬として米国食品医薬品局(FDA)の承認を受けています。また、リンヴォック15 mgは中等症から重症の活動性関節リウマチの成人患者さん、活動性PsAの成人患者さん、活動性強直性脊椎炎の成人患者さんの治療薬として、欧州委員会の承認も受けています。リンヴォック15 mgまたは30 mgは、中等症から重症のアトピー性皮膚炎の成人患者さん、リンヴォック15 mgは中等症から重症のアトピー性皮膚炎の青少年患者さんの治療薬として欧州委員会の承認を受けています。関節リウマチ、アトピー性皮膚炎、PsA、体軸性脊椎関節炎、クローン病、潰瘍性大腸炎、巨細胞性動脈炎、高安動脈炎を対象とするリンヴォックの第III相試験が進行中です9-16。
米国におけるリンヴォックの使用および重要な安全性情報1
リンヴォックは、以下の疾患を有する成人患者さんの治療に使用する処方薬です。
●中等症から重症の関節リウマチを有し、腫瘍壊死因子(TNF)阻害薬と呼ばれる薬剤を1剤以上使用しても効果不十分または不耐容であった患者さん
●活動性PsAを有し、TNF阻害薬と呼ばれる薬剤を1剤以上使用しても効果不十分または不耐容であった患者さん
18歳未満の小児に対するリンヴォックの安全性および有効性は確立されていません。
リンヴォックについて知っておくべき、最も重要な情報はどのようなものですか?
リンヴォックは以下を含む重篤な副作用の原因になることがあります。
●重篤な感染症 リンヴォックは感染症と戦う能力を弱める可能性があります。リンヴォックを服用中の患者さんに、結核(TB)および細菌、真菌、ウイルスが原因の全身に広がり得る感染症などの重篤な感染症が発生しています。これらの感染症による死亡例もあります。担当の医療従事者(HCP)は、リンヴォックの投与を開始する前に、あなたの結核感染の有無を検査し、リンヴォックの投与期間中は、結核の徴候および症状の有無を注意深く観察する必要があります。何らかの感染症にかかっている場合は、担当の医療従事者の許可がない限り、リンヴォックの服用を開始しないでください。帯状疱疹にかかるリスクが上昇する可能性があります。
●1つ以上の心疾患(心血管)リスク因子を有する50歳以上の患者さんでは、死亡リスクが高くなります。
●がんおよび免疫系疾患 リンヴォックの服用により、特定のがんの発症リスクが高くなることがあります。リンパ腫や皮膚がんを含むその他のがんが発生する可能性があります。現在喫煙していたり、過去に喫煙歴がある場合には、リンパ腫や肺がんなどのがんが発現するリスクが高くなります。
●1つ以上の心疾患(心血管)リスク因子を有する50歳以上の患者さんでは、特に現在喫煙していたり、過去に喫煙歴がある場合には、心臓発作、脳卒中、死亡などの重大な心血管(CV)イベントが発現するリスクが高くなります。
●血栓 リンヴォックの投与では、脚または肺の静脈や動脈に血栓が生じる可能性があり、生命を脅かす、または死に至ることがあります。脚または肺の静脈の血栓の発症頻度は、1つ以上の心疾患(心血管)リスク因子を有する50歳以上の患者さんで高くなっています。
●胃または腸の裂傷および一部の臨床検査結果の変化 担当の医療従事者は、リンヴォックの投与開始前および投与中に、血液検査を行う必要があります。血液検査の結果に変化が認められた場合は、必要に応じて一定期間、リンヴォックの投与を中断することがあります。
リンヴォックの服用を開始する前に、担当の医療従事者にどのようなことを伝えるべきですか?
次のような場合は、担当の医療従事者に伝えてください。
●感染症の治療を受けている、治らないまたは再発を繰り返す感染症がある、または次のような感染症の症状がある場合。
– 熱、発汗、悪寒 – 息切れ – 皮膚の熱感、発赤、 |
– 筋肉痛 – 疲労感 – 血液の混じった痰 – 下痢または胃痛 |
– 咳嗽 – 体重減少 – 排尿時の灼熱感または通常より頻繁な排尿 |
●結核にかかっている、または結核にかかっている人と濃厚接触したことがある場合。
●現在喫煙している、または喫煙歴がある場合。
●心臓発作、その他の心疾患、脳卒中の既往歴がある場合。
●何らかのがん、B型肝炎またはC型肝炎、帯状疱疹、下肢または肺の静脈血栓、憩室炎(大腸の一部の炎症)、胃潰瘍または腸の潰瘍の既往歴がある場合。
●肝機能障害、血球数の減少、糖尿病、慢性肺疾患、HIV、免疫系の弱体化など、他の病状がある場合。
●特定の種類の真菌感染にかかるリスクが上昇する地域、例えば、オハイオ川流域、ミシシッピ川流域、南西部に在住、住んでいた、または旅行したことがある場合。これらの地域に行ったことがあるか不確かな場合は、担当の医療従事者にご相談ください。
●最近ワクチン接種を受けた、またはワクチン接種を受ける予定がある場合。リンヴォックを服用する患者さんは生ワクチン接種を受けてはいけません。
●妊娠している、または妊娠を計画している場合。動物試験の結果を踏まえると、リンヴォックは胎児に悪影響を及ぼすおそれがあります。担当の医療従事者は、あなたがリンヴォックの服用を開始する前に、妊娠しているかどうかを検査します。効果的な避妊を行い、リンヴォックの服用期間中および最終服用後少なくとも4週間は妊娠を避けてください。
●授乳中である、または授乳を予定している場合。リンヴォックは、母乳に移行する可能性があります。リンヴォックの服用期間中および最終服用後少なくとも6日間は授乳しないでください。
処方薬、市販薬、ビタミン剤、ハーブサプリメントを含む服用中の薬剤をすべて、担当の医療従事者にお伝えください。リンヴォックと他の薬剤が互いに作用し合い、副作用を引き起こすおそれがあります。
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このプレスリリースを配信した企業・団体
- 名称 アッヴィ合同会社
- 所在地 東京都
- 業種 医薬品
- URL http://www.abbvie.co.jp/
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