シェフラー 商用車向け水素モビリティを開発

IAA Transportation 2022

「IAA Transportation」でシェフラーはREFIRE社との協力で開発した燃料電池デモカーを始めとする世界初公開技術を披露

シェフラーは水素モビリティ向け主要コンポーネントを開発

合弁会社イノプレートでバイポーラプレート(双極板)を量産化

 

今年ドイツ・ハノーバーで開催されるモーターショー「IAA Transportation」で、シェフラーは電動バンをベースに開発したデモカーを披露します。駆動システムにはシェフラーの「3in1 e-アクスル」を採用し、パワートレインにはシェフラー製コンポーネントで構成される燃料電池システム使用しています。写真:シェフラー(Daniel Karmann)

 

シェフラーは商用車向け駆動システムの開発で、特に長距離を走行するアプリケーション向けに水素技術にも注力しております。当社は、燃料電池システム向けに革新的コンポーネントを開発しており、それらの量産化にも取り組んでいます。シェフラーAGオートモーティブ・テクノロジー事業部CEO(最高経営責任者)のマティアス・ツィンクは次のように述べています。「シェフラーは、燃料電池が商用車向け駆動技術で重要な役割を果たすと考えています」。シェフラーはドイツ・ハノーバーで開催予定のモーターショー「IAA Transportation」で、電動バンの車体をベースにしたデモカーを世界初披露する予定です。デモカーの製作にあたっては、商用車向け水素燃料電池技術で世界をけん引するREFIRE社からの協力を得ています。デモカーは燃料電池システムを搭載し、駆動システムには当社開発の「3in1 e-アクスル」を採用しています。電動アクスル、FCスタック、制御システム、エネルギーマネジメントシステムはいずれも、シェフラーのeモビリティ専門技術者が設計・組み立てを行っています。当デモカーで、電動システム、燃料電池、リチウムイオン電池技術を最適に組み合わせられることを実証することができました。「燃料電池による駆動は、今後しばらくは主に長距離走行トラック向けになると考えています。同じく長距離を走行する用途の多いバンへの搭載も考えられます」とツィンクは述べています。

 

燃料電池システム向けコンポーネントの効率的量産化

燃料電池はさまざまなコンポーネントで構成されていますが、その1つがバイポーラプレート(双極板)です。このプレートは1枚の厚さがわずか50から100ミクロンと極薄ですが、FCスタックの総重量の最大80%、体積にして最大65%を占める構成部品です。シェフラーは金属製バイポーラプレートを2017年から開発しており、現在はドイツ・ヘルツォーゲンアウラッハにあるパイロット工場で生産しています。バイポーラプレートの製造には、冷間成形やプレス加工、溶接、表面加工などに関するシェフラーの幅広い知識と経験が活かされています。「当社が保有する精密成形やプレス加工、そして最新鋭のコーティング技術などを駆使して、高効率で高性能なバイポーラプレートを製造しています」。こう話すのは電動モビリティ事業部のトップを務めるヨッヘン・シュレーダー博士です。バイポーラプレートのように極薄鋼板製部品の成型やコーティング処理は、モータやトランスミッションコンポーネントの製造で長年積み上げてきたシェフラーの技術力がまさに発揮される分野です。

また、当社がもつ軸受に関する豊富なノウハウは、燃料電池の空気供給システムで使用されるさまざまな空気軸受や、水素再循環用ノズル、さらには統合型クーラントマネージメントを支えるサーマルマネージメントモジュールやスマートバルブなどのコンポーネント開発に生かされています。システム制御についても、燃料電池に特化した機能を持つソフトウェアモジュールの開発に取り組むなど、技術力の向上に継続的に努めています。

 

デモカーが示すシェフラーのシステム技術力

燃料電池の開発と最適化のあらゆる側面において、シェフラーは一切の妥協を許さず、コンポーネントとサブシステムを統合したシステムとして効率的に機能する技術の確立に努めています。今回製作したデモカーには、当社が製造したモビリティ用燃料電池システムを搭載しています。当車両は今年の「IAA Transportation」にて世界初公開される予定で(屋外エリア、U47ブース)、最大出力85kW、容量13kWhのバッテリー、連続出力50kWの燃料電池を搭載し、最大出力は85kW、連続で50kWの出力を誇ります。駆動システムに採用する当社開発の3in1 e-アクスルはパワーエレクトロニクスを内蔵し、最大出力は140kWを達成しています。シェフラーは当デモカーを開発プラットフォームとして活用し、さまざまなシステムコンポーネントの相互作用を試験し、最適化を行っています。

 

合弁会社にてバイポーラプレートを量産化

燃料電池パワートレイン普及の鍵となるのが、コンポーネントやサブシステムの製造コストの大幅な低減です。シェフラーはこれら製品の量産化を経営戦略の中核に据えて取り組んでいます。当社は、フォルシアとミシュランの水素関連事業合弁会社であるシンビオと提携し、合弁会社「イノプレート」を設立、2024年初頭よりバイポーラプレートの量産を開始する計画です。生産するプレートはモビリティ用途の他、定置アプリケーション向けの出荷も予定しています。第一工場をフランス・アグノーに構え、初年度の生産量は年間400万枚を予定しており、これを2030年までに5,000万枚にまで引き上げる計画です。シュレーダー博士は次のように話しています。「シェフラーとシンビオが提携する意義は、生産数を確保し経済効果を高めることにあります。これがFCスタックの製造コストを低減させる重要な条件となります」。

 

バイポーラプレート量産化の実現可能性を見極めるため、シェフラーは2022年初めにパイロット工場を設立しています。当工場は最大1800x600mmの大型プレートの生産にも対応可能な設備を完備しています。工程設計はシェフラーの特殊機械部門との協力で行われ、全工程で自動化が図られています。当工場は、当社がドイツ・ヘルツォーゲンアウラッハに新たに設立した「水素技術センターオブエクセレンス(中核研究施設)」敷地内に建てられています。ここには水電解装置と燃料電池をコンポーネント、スタック、システムの各レベルで試験が行える大型設備も備えています。

 

ハノーバーで開催されるIAA Transportation 2022にシェフラーが参加

シェフラーは2022年、輸送・物流業界の世界的な主要展示会であるIAA Transportationに初参加し、さまざまな駆動ソリューションおよびシャシーソリューションを紹介する予定です。

 

シェフラーのブースは、ホール12のブースB37と屋外エリアのブースU47です。

 

記者会見は、2022年9月19日月曜日の午後3時45分から4時(中央ヨーロッパ夏時間)まで、ホール12のブースB37で行います。

 

IAA協議会(IAA Conference)は、2022年9月20日火曜日の午後4時30分から5時15分(中央ヨーロッパ夏時間)の予定で、シェフラーAGオートモーティブ・テクノロジー事業部CEOのマティアス・ツィンクがパネルディスカッションに登壇します。

 

マティアス・ツィンクのプレス用写真はこちらでご覧いただけます。

 https://www.schaeffler.com/en/group/executive-board/

 

 

バイポーラプレートはFCスタックを構成する重要コンポーネントです。シェフラーは2017年から金属製バイポーラプレートの開発に取り組んでおり、現在は当プロジェクトのパイロット工場であるドイツ・ヘルツォーゲンアウラッハで生産しています。写真:シェフラー(Jung von Matt)

 

シェフラーグループ – We pioneer motion シェフラーグループは自動車および産業機械分野における世界的なリーディングサプライヤーとして、75年以上にわたり、モーションとモビリティの分野において画期的な発明や開発を行ってきました。 電動モビリティ、CO₂効率に優れたドライブシステム、インダストリー4.0、デジタル化、そして再生可能エネルギーなどのための革新的なテクノロジーや製品及びサービスの提供において、当社はモーションとモビリティをより効率的でインテリジェントかつ持続可能なものにするための信頼されるパートナーです。また当社はパワートレインやシャシー用の高精度コンポーネントやシステム、多くの産業機械用の転がり軸受や滑り軸受のソリューションを開発・製造している技術会社です。シェフラーグループは2021年には約139億ユーロを売上げました。約83,000人の従業員を擁するシェフラーは世界最大級のファミリーカンパニーです。また、シェフラーは2021年には1,800件以上の特許出願を行っており、DPMA(ドイツ特許商標庁)によればドイツで3番目に革新的な企業です。

 

シェフラージャパンwebsite  シェフラー 商用車向け水素モビリティを開発 | プレスリリース | シェフラージャパン (schaeffler.co.jp) 

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