明治保有の乳酸菌「Lactobacillus gasseri PA-3株」に血中だけでなく尿中の尿酸値低減効果があることを確認

~高尿酸に起因する種々の疾病リスク軽減の可能性~

meiji

 株式会社 明治(代表取締役社長:松田 克也)および鳥取大学医学部の久留一郎特任教授らの研究グループは、血清尿酸値が6.0mg/dL以上から8.0mg/dL未満の高めである成人において、当社が保有する独自の乳酸菌「Lactobacillus gasseri PA-3株」の継続摂取による血中および尿中の尿酸値低減効果を確認しました。本研究において「Lactobacillus gasseri PA-3株」の摂取により、血清尿酸値だけでなく、尿中尿酸値が低下することが初めて示され、高尿酸に起因する種々の疾病リスクを軽減させる可能性が示唆されました。

 

【研究経緯】

 一般的に持続的な血中の高尿酸状態は痛風発作のリスクを高めるばかりでなく、メタボリックシンドロームや生活習慣病などとの関連が指摘されています。 最近の当社の研究では、尿酸塩が血管の内皮細胞に直接的な障害を与える可能性を示しています。さらに、尿中の高尿酸状態については尿路結石のリスクを増加させることが指摘されています。

 腎臓でつくられた尿は尿路(尿管・膀胱・尿道にいたる尿の通路のこと)を経て体外に排泄されます。尿路結石とは腎臓から尿路に結石が生じる疾患であり、結石が尿路に詰まることで激しい痛みを引き起こします。尿路結石のリスク要因としては、尿量低下や水分摂取量の不足、酸性尿の他に、尿中の尿酸排泄量の増加や食事由来のプリン体の過剰摂取などが挙げられます。

 「Lactobacillus gasseri PA-3株」は、尿酸値が上昇する要因の中で、食事由来のプリン体の過剰摂取に着目し、腸管から吸収されるプリン体量を低減する作用を持つ乳酸菌として選抜されました。これまでに「Lactobacillus gasseri PA-3株」の摂取によって、食事を模したプリン体摂取後の血清尿酸値の上昇抑制効果※1や継続的な摂取による血清尿酸値の低減効果※2について報告しています。

 本研究では尿中尿酸値への影響に着目し、「Lactobacillus gasseri PA-3株」の継続摂取による尿中尿酸値の改善効果を検証しました。

 

【結果概要】

 「Lactobacillus gasseri PA-3株」の継続摂取後は、摂取前と比較して血清尿酸値の有意な低減だけでなく、尿中尿酸値についても有意に低減することが確認されました。尿中尿酸値の低減効果「Lactobacillus gasseri PA-3株」の摂取の中断により消失することから、「Lactobacillus gasseri PA-3株」の摂取による影響である可能性が考えられます。

 以上の結果から、「Lactobacillus gasseri PA-3株」の継続摂取によって血清尿酸値および尿中尿酸値が低減し、高尿酸に起因する種々の疾病リスクを軽減させる可能性が示唆されました。

 当研究成果は、2022年 6 月 24 日に国際学術誌の「Nucleosides, Nucleotides and Nucleic Acids」に掲載されています。(https://doi.org/10.1080/15257770.2022.2039702

【Hamada T., Hisatome I., Wakimizu T., Kato M., Gotou T., Koga A., Endo Y., Taniguchi S., Yamamoto K., Ninomiya H., Tsuboi H., Yamaguchi M., Yamada N., Kano H., Asami Y. Lactobacillus gasseri PA-3 reduces serum uric acid levels in patients with marginal hyperuricemia. Nucleosides, Nucleotides and Nucleic Acids, 41(4), 361-369, 2022.】

 

※1:Kurajoh M et al. Gout and Nucleic Acid Metabolism, 42(1), 31-40, 2018.に掲載

※2:Yamada N et al. Milk Science, 65(1), 25-31, 2016.に掲載

 

<発表内容>

【試験概要】

■論文タイトルLactobacillus gasseri PA-3高尿酸血症境界域者の血清尿酸値を減少させる(Lactobacillus gasseri PA-3 reduces serum uric acid levels in patients with marginal hyperuricemia)

■被験者:20歳以上で血清尿酸値が6.0mg/dL以上から8.0mg/dL未満の日本人16名

■試験のプロセス:

①Lactobacillus gasseri PA-3を含むヨーグルト(被験食品)を1日2個(85g/個)、8週間摂取

②被験食品摂取前(0週)、摂取開始8週後(8週)、後観察終了後(12週)の3回、血清尿酸値および尿中尿酸値を測定

■結果

①血清尿酸値は8週間の被験食品摂取によって摂取開始前の0週よりも有意に低減し、さらにその効果は後観察終了後の12週においても持続しました(図 1)。

②尿中尿酸値は8週間の被験食品摂取によって摂取開始前の0週よりも有意に低減しましたが、後観察期間終了後の12週においては0週と同等レベルに戻りました(図 2)。

 

図1:血清尿酸値の推移図2:尿中尿酸値の推移

出典: Hamada T et al. Nucleosides, Nucleotides and Nucleic Acids , 41( 4 ), 361-369, 2022. の Fig. 2

   を改変

 

<参考資料>

「尿酸値が高いと動脈硬化の危険因子を増加させる可能性を発見」2022年2月24日プレスリリース  

https://www.meiji.co.jp/corporate/pressrelease/2022/0221_01/index.html

本プレスリリースは発表元が入力した原稿をそのまま掲載しております。また、プレスリリースへのお問い合わせは発表元に直接お願いいたします。

プレスリリース添付画像

図1:血清尿酸値の推移

図2:尿中尿酸値の推移

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