約6割の企業が物価上昇の影響を賃金に反映する意向
「人材を生かす賃金」に関するアンケート調査結果<速報版>
約6割の企業が物価上昇の影響を賃金に反映する意向 「人材を生かす賃金」に関するアンケート調査結果<速報版>
調査研究や提言、実践活動により生産性向上を目指す(公財)日本生産性本部(東京都千代田区、会長:茂木友三郎)のイノベーション会議(座長:大田弘子 副会長/政策研究大学院大学長)は、12月19日、「『人材を生かす賃金』に関するアンケート調査結果<速報版>」を公表しました。
企業経営において、DX に対応する人材の獲得、労働力人口の減少による働き手不足、働く人のスキルのミスマッチ等を背景に、生産性向上の観点から賃金制度をいかに変革するかが重要なテーマとなりつつあります。同時に、急速に進む物価上昇のなかで、企業の賃金動向に関心が集まっています。
そこで、イノベーション会議では、11月7日(月)~11月28日(月)、日本生産性本部の賛助会員企業の人事担当役員855名を対象に、各企業の「人材を生かす賃金制度」についてアンケート調査を実施し、155名(製造業63名、非製造業92名/従業員数300人未満61名、300人以上94名)の回答を得ました(回収率18.1%)。
今回の調査結果から、最近の消費者物価の上昇を正社員の給料に何らかの形で対応する企業が約6割を占めていること、また、多くの企業で「人への投資」を重視していることが明らかになりました。
なお、今回は、調査結果から賃金制度の変更の状況や課題に関する部分を抽出し、速報版として公表しました。アンケート調査の全体集計結果については、来年1月中を目途に公表する予定です。
速報版の主な特徴は以下の通りです。
【速報版の主な特徴】
1.賃金制度の変更について:賃金制度を変更した企業は36.8%と約3分の1
・この3年間(2020~2022年度)に正社員の賃金制度を「変えた」企業は36.8%、「今年度中に変える予定」の企業は3.9%。
・賃金制度を変えた、または変えるねらいは、「社員のモチベーション・エンゲージメント向上」が58.7%と6割近くを占める。「専門人材の確保」は4.8%と少ない。
2.物価上昇への対応について:約6割の企業が物価上昇の影響を賃金に反映する意向
・最近の消費者物価の上昇を正社員の給料に反映するかどうかについて、何らかのかたちで対応する企業(「主に月例賃金に反映(ベースアップ)」「主に一時的な現金支給(賞与や手当て等)」の合計)が58.1%と6割近くを占める。「主に月例賃金に反映(ベースアップ)」が39.4%、「主に一時的な現金支給(賞与や手当等)」が18.7%。
・ただし、従業員数300人未満の中小企業では「対応する予定がない」が55.7%。
3.賃金が上がりにくい理由について:「いったん上げると下げることが難しい」が約7割
・日本の正社員の賃金が上がりにくい理由(複数回答)について、「いったん賃金を上げると下げることが難しい」が69.0%と7割近くを占める。「労働生産性が高まっていない」との回答も65.8%あり、生産性を問題視している企業が多いことがうかがえる。
4.重要度が高いと考える投資分野について:約9割の企業が「人への投資」を重視
・重要度が高い投資分野について、複数回答で聞いたところ、「従業員への投資」が90.3%と9割を超え、「人への投資」を重視する企業は多い。
アンケート調査結果の速報版レポート本文は、日本生産性本部の調査研究・提言活動サイトをご参照ください。
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- 名称 公益財団法人日本生産性本部
- 所在地 東京都
- 業種 各種団体
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