「フラクトオリゴ糖~砂糖のリプレイスメントとしての役割~」に関して日本農芸化学会シンポジウムにて発表

meiji

 株式会社 明治(代表取締役社長:松田 克也)と株式会社 明治フードマテリア(代表取締役社長:川野 裕太)の研究グループは、フラクトオリゴ糖※1の砂糖のリプレイスメントとしての役割に関して、3月15日(水)に開催された日本農芸化学会の「食品機能性成分としての糖質と糖質代謝の新パラダイム」というシンポジウムにて発表を行いました。

 

 海外では肥満や糖尿病の予防の観点から砂糖税導入が行われており、砂糖の摂取量を減らす取り組みとして、砂糖の砂糖以外の甘味料への置き換えが進んでいます。日本でも低糖質食品のニーズが高く、砂糖の代わりに甘みをもつ機能性を有する糖質などの使用量が伸長しています。

 当社は、今後も健康課題と向き合った研究を続け、人々が笑顔で健康な毎日を過ごせる未来の実現を目指してまいります。

 

※1フラクトオリゴ糖:タマネギやゴボウ・バナナなど野菜や果物に含まれており、2糖類であるショ糖に1-3個のフラクトースが結合し、3-5個糖が繋がった3種類の糖類の混合物のこと

 

発表内容

【タイトル】

フラクトオリゴ糖

~砂糖のリプレイスメントとしての役割~

 

【研究背景】

 砂糖の過剰摂取と肥満との相関や、肥満と糖尿病発症との関連性が報告されていることから、砂糖の摂取を控えることが2015年WHOのガイドラインで提言されています。当社は、砂糖の摂取量を減らすため、砂糖の代替となる食品として、機能性を有し、風味に優れる素材であるフラクトオリゴ糖を活用できれば健康課題の解決に貢献できると考え、研究に取り組んでいます。

 

【内容】

 機能性をもつ糖質の1つとして、明治ならびに明治フードマテリアが40年間研究を積み重ねてきた

フラクトオリゴ糖があります。

 フラクトオリゴ糖は摂取後、小腸で吸収されず大腸に到達し、腸内フローラを改善し、短鎖脂肪酸の産生に寄与します。その結果、便通の改善やカルシウムの吸収促進など、さまざまな機能を発現します。また、フラクトオリゴ糖は消化酵素では分解されない構造をしているため、摂取しても糖として吸収されず、血糖値上昇に影響しないことがわかっています。当社で実施した臨床試験においても、チョコレートに配合する砂糖の一部をフラクトオリゴ糖に代替することで、通常のチョコレートに比べて血糖値上昇が穏やかであることを確認しています※2

 また、味質は砂糖に近く、砂糖と同程度の耐熱性を有するなど、加工特性に優れていることから、砂糖のリプレイスメントとして活用できる素材です。

 

※2 栗原毅, et al: 薬理と治療 2019, 47:1075-1078.

 

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