長年続く投資博覧会は中国東部浙江省の開放への熱意を反映
浙江省への投資に関するフォーラム中に、主要な海外投資プロジェクトの契約締結と浙江省への投資に焦点を当てたファンドの立ち上げが行われました
AsiaNet 100091 (0440)
【杭州(中国)2023年5月19日新華社=共同通信JBN】中国東部沿岸の浙江省の港湾は、貿易が急速に発展するのを目の当たりにしています。その一方で投資の鼓動を毎年恒例のシンポジウムから感じ取ることができるでしょう。
第24回China Zhejiang Investment & Trade Symposium(ZJITS、中国浙江省投資・貿易シンポジウム)が5月16日、浙江省の沿岸都市寧波で5日間の日程で開幕しました。浙江省商務局によると、さらに、第3回China-CEEC Expo & International Consumer Goods Fair(中国・中東欧諸国(CEEC)博覧会・国際消費財博覧会)も同時期に開催されました。
このイベントへの活発な登録状況や豊富な催事、充実した交流内容は、中国の開かれたハイランドである浙江省に対する世界の投資家による熱意と期待を証明しています。
▽投資・貿易イベントから高水準の開放プラットフォームへ
ZJITSは、浙江省の開放経済発展の大きな流れを目の当たりにしてきました。また世界が浙江省の投資と貿易の動向を観察するための重要な窓口となっています。
ZJITSは1999年に始まり、第1回International Consumer Goods Fairは2002年に開かれ、また中東欧諸国に向き合う唯一の国家レベルの制度化された展示会であるChina-CEEC Expoの第1回目は2019年に開催されました。この3つのイベントは徐々に壮大な開放交流プラットフォームを形成し、浙江省が対外貿易とあらゆる面での経済協力を深化させるうえでの最も重要な手段を生み出しました。
ZJITSは浙江省の対外経済・貿易交流にとっての重要なプラットフォームとして、これまで24回にわたって開催されました。China-CEEC Expoが国家レベルの制度化された展示会へと引き上げられて以来、ZJITSは一段と影響力を増しています。
COVID-19(新型コロナウイルス感染症)パンデミックでさえも、内外における浙江省との投資・貿易に対する熱意を衰えさせることはありませんでした。2020年の第22回ZJITSは初めてオンライン形式で開催され、計137億米ドルに上る投資が署名されました。2021年の第23回ZJITSでは、計151億米ドルの投資を伴った80件のプロジェクトが署名されました。
第24回ZJITSは、浙江省への投資に焦点を当てた主要なフォーラムや6つのマッチング交流会と支援活動、それに同省のあらゆるレベルの政府が共催する100を超す投資促進活動を提供するだけでなく、ファンド投資、サービス産業の試験的開放といった開放・振興の新たな措置を紹介し、浙江省に投資する外国企業の成功体験を紹介し、さらに政府、企業、機関の間での複数の関係者にまたがった対話を実施して投資と協力への新たな機会を共有しています。
主要なフォーラムだけで内外の30を超す国・地域から150以上のゲストが参加し、これにはFortune 500企業、多国籍産業リーダー、国際投資促進機関、中間コンサルティング会社、著名なビジネス団体、一部の他の省や都市の代表などが含まれています。
フォーラムに出席するサノフィ(Sanofi)の杭州工場ゼネラルマネージャー、Julia Mateos Caro氏は「浙江省のビジネス環境は非常に優れています。プロジェクトの遂行と実際の運営の両面における浙江省のサービス効率に強く印象付けられ、これにより当社は地元でのプレゼンスを引き続き強化していくことを選択しました」と語っています。
▽外国からの投資導入から地元企業による世界進出へ
ZJITSの活動のますますの充実と、プラットフォームの一段の拡大は、浙江省が対外貿易のハブから開放の一大拠点へと変容していることを反映しています。
開放はこれまで常に、浙江省の発展の主要優先事項となってきました。2003年7月に浙江省は、省の各部局に同省の8つの主要優位性をフルに活用することを求める発展戦略の遂行を推し進めました。この戦略はそれ以降、同省全域の全体的な発展を導き、開放の水準を継続的に引き上げることを打ち出しました。
過去10年間に浙江省で実際に使用された外国資本は、83億3000万米ドルから193億米ドルに増加し、年間平均成長率は8.8%、実際に使用された外国資本の累積額は1419億7000万米ドルとなりました。
今年1月、浙江省は高水準の開放された省の構築加速を打ち出しました。同省は世界進出と投資の導入の有機的統一を忠実に守り、主要産業の産業チェーンとサプライチェーンシステムの向上、国内・対外貿易の優位性、重要な開かれたプラットフォームと企業の推進を目指しています。
同省はより弾力性があり、ダイナミックで、かつ競争力のある「サツマイモ経済」の構築を目指しています。これは都市、省、さらに国までも超えていく開かれた発展を特徴としています。
より多くの光、雨、栄養素を吸収するためにそのつるがあらゆる方向に広がり、その結果、根を支える茎がどんどんとより大きくなることができるサツマイモのように、浙江省はこれまで多くの地元経済が開かれた発展を経由して成長するのを目の当たりにしてきました。
同省には、ビジネス志向が強い温州市、華僑の故郷である青田市、雑貨の世界スーパーマーケットである義烏市、それに世界規模の繊維ハブである紹興市柯橋区が拠点を構えています。
2022年、浙江省では前年比16.5%増の計934の世界に進出する企業および機関が登録、承認されました。登録された外国からの直接投資は前年比45%増の130億米ドルに達しました。
浙江省紹興市越城区では、開放開発が地元企業の総意となっています。今年初め以来、越城区は企業560社以上を組織し、上海のintertextileやHong Kong Fashion Weekなど国内外16の展示会に参加し、総額2億5000万ドル超の受注予定額を獲得しました。
一方、産業チェーンを中心に質の高い世界的な投資を行う地元企業が増えています。越城区に本拠を置き、マットレスなどの高品質家具を製造するSleemonは、世界展開への取り組みを強化しつつあります。タイのSafin製造拠点への投資を継続するほか、海外にデザインセンターも開設しました。現在、同社の欧州デザインセンターはミラノで稼働中です。
▽商品と生産要素の流れから制度的開放に至るまで
浙江省は、グローバル化、および都市や企業が主導する投資の導入に加え、国の全体的な開放の青写真に統合することに熱心で、制度的改革とイノベーションによる高水準の開放を新たに導入しています。
浙江省の各地に貿易投資自由化・円滑化試験区が多数設立されています。
例えば、寧波市は中国と中東欧の経済貿易協力のための中国初の実証区です。杭州市は、サービス部門の開放拡大のための国家的総合試験区となっています。温州市オウ海区は輸入促進のための国家イノベーション実証区に指定されています。嘉興市など6都市は、RCEP(地域的な包括的経済連携)諸国とのハイレベルな開放・協力のための実証区に指定されています。
中国(浙江)自由貿易試験区は、同省の制度的開放を促進する主な推進力として、中国における試験区拡大を先導し、2017年の設立以来477件の制度的イノベーションの成果を上げました。うち149件は先駆的なものでした。成果は浙江省全域で実践され、37件の革新的事例が全国で推進され、浙江省内外の開放ビジネス環境の継続的な最適化が促進されました。
デジタル経済を通じた浙江省の開放を促進するため、Forum on China (Zhejiang) Pilot Free Trade Zone DEPA(中国(浙江)自由貿易試験区DEPA)とInternational Commodity Supply Chain (Beilun)(国際商品サプライチェーン(北侖=寧波市北侖区))に関するフォーラムが開催されました。
このイベントではまた、中国(浙江)自由貿易試験区の改善活動の開始、グリーン貿易イニシアチブの立ち上げ、DEPAベンチマーク活動の開始、および企業イノベーションアライアンスの設立も行われ、これらは共にデジタルエコノミーを活用し、自由貿易試験区が世界とつながる可能性を追求します。
ソース:The Department of Commerce of Zhejiang Province
画像添付リンク:
Link: https://iop.asianetnews.net/view-attachment?attach-id=440811
(画像説明: 浙江省への投資に関するフォーラム中に、主要な海外投資プロジェクトの契約締結と浙江省への投資に焦点を当てたファンドの立ち上げが行われました)
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