多剤耐性HIV-1感染症治療薬として開発中の長期作用型カプシド阻害剤レナカパビルの国内製造販売承認を申請

2023年6月2日

ギリアド・サイエンシズ株式会社

 

ギリアド、多剤耐性HIV-1感染症治療薬として開発中の 長期作用型カプシド阻害剤レナカパビルの注射剤および錠剤の 日本における製造販売承認を申請

本剤が承認された場合、HIV-1感染症に対する初めてのカプシド阻害剤で且つ 唯一の年 2 回投与の治療選択肢に― HIV流行の終結に向けて、多剤耐性HIV-1陽性者の アンメットメディカルニーズの軽減に貢献―

 

ギリアド・サイエンシズ株式会社(以下「ギリアド」、本社:東京都千代田区、代表取締役社長:ケネット・ブライスティング)は、本日、多剤耐性HIV-1感染症治療薬として開発中の長期作用型カプシド阻害剤であるレナカパビル注射剤および錠剤の日本における製造販売承認を申請しました。レナカパビルは、現在承認されている他の抗ウイルス薬剤クラスとは異なる複数の過程における作用機序を有し、in vitro試験では現在ある薬剤クラスとの交差耐性は認められていません。承認された場合、レナカパビルは、現在の治療法では十分にウイルス抑制ができない成人HIV陽性者にとって、年2回投与の新たな治療選択肢となります。

 

今回の承認申請は、多剤治療歴を有する多剤耐性HIV-1陽性者を対象とした、最適なバックグラウンドレジメンとの併用で、レナカパビルを6カ月毎に皮下投与した場合の安全性と有効性を評価した第II/III相、無作為化、プラセボ対照、多施設共同試験データに基づくものです。被験者は、中央値で9種類の抗ウイルス薬による治療歴を有します。

36名の被験者は、14日間の機能的単剤療法期に、治療不成功となったレジメンに、レナカパビルの錠剤またはプラセボを上乗せするいずれかの投与群に2:1の割合で無作為に割り付けられました。主要評価項目は、14日間の機能的単剤療法期終了時にHIV-1 RNA量がベースラインから0.5log10 copies/mL以上減少した被験者の割合としました。本試験では、レナカパビルを投与された被験者の87.5%(n=21/24)において、14日間の機能的単剤療法期終了までに、HIV-1ウイルス量が0.5 log10 copies/mL以上減少したのに対し、プラセボを投与された被験者では16.7%(n=2/12)でした。また、最も多くみられた有害事象は、注射部位疼痛、注射部位腫脹および注射部位紅斑でした。

 

多剤併用の抗レトロウイルス療法により、多くのHIV陽性者における効果的なウイルス抑制とエイズ発症防止が可能になりました。一方、薬剤耐性により、一部のHIV陽性者においては十分なウイルス抑制効果が得られず、HIV治療には依然としてアンメットメディカルニーズが存在します。HIV流行の終結に向けて、全てのHIV陽性者においてウイルス抑制が可能となる治療薬が求められており、レナカパビルの承認により、いまだに残るアンメットメディカルニーズが軽減されることが期待されます。

 

HIV/エイズについて

HIV は、ヒト免疫不全ウイルス(Human Immunodeficiency Virus)と呼ばれるウイルスの一 種で、HIV 感染症は HIV に感染したことをいいます。HIV は感染すると、細菌や感染症か ら身を守るために体内に存在する免疫系の司令塔である CD4陽性 T リンパ球(CD4細胞)を利用し、ウイルスのコピーを作成して増殖し、その結果、体内の CD4細胞数が破壊されて減少します。エイズ(後天性免疫不全症候群、AIDS:Acquired Immuno-Deficiency Syndrome)は、HIV に感染し、発症する病気の総称です。日本では指定されている23疾患 を発症するとエイズと診断されます。

 

ギリアド・サイエンシズについて

ギリアド・サイエンシズは、すべての人々にとって、より健康な世界の実現を目指し、30年以上にわたり医療の革新を追求し、飛躍的な進歩を遂げてきたバイオ医薬品企業です。当社はHIV、ウイルス性肝炎、がんなどの生命を脅かす疾患の予防と治療のため、革新的な医薬品の開発に取り組んでいます。

 

ギリアドは35年にわたり、HIV領域におけるリーディング・カンパニーとして、治療、予防、検査、治療連携、および治療研究の進歩を推進してきました。ギリアドの研究者たちは、HIV治療における最初の単一錠剤レジメンや、HIV感染リスクを減らすための初めての曝露前予防(PrEP)となる抗レトロウイルス薬、さらには初の年2回投与の長時間作用型注射剤となるHIV治療薬など、12種類のHIV治療薬を開発してきました。こうした医学研究の進歩により、HIVは何百万人もの人々にとって予防可能な慢性疾患となりました。

 

世界中のHIV感染者の日々変化するニーズに対応するソリューションを提供するため、ギリアドは引き続き科学的イノベーションに取り組んでいます。また、パートナーシップと連携を通じて、教育の改善、医療へのアクセス拡大および障壁を取り除き、世界中の全ての人々のHIV感染の根絶を目指します。ギリアドは、「AIDSに関わる資金提供基金」(Funders Concerned About AIDS, FCAA)が発表した報告書において、HIV関連プログラムの慈善資金提供団体として第1位に認定されました。

 

ギリアドは、カリフォルニア州フォスターシティに本社を置き、世界35カ国以上で事業を展開しています。

 

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