アッヴィ、治療歴のある非小細胞肺がん対象のテリソツズマブ ベドチン LUMINOSITY試験のトップライン発表

アッヴィ

2023年12月22日

アッヴィ合同会社

アッヴィ、治療歴のある非小細胞肺がん(NSCLC)患者さんを対象にテリソツズマブ ベドチンを評価した第IILUMINOSITY試験について、良好なトップライン結果を発表

 

ー LUMINOSITY試験の各主要評価項目を通じて臨床的有用性をもたらす可能性が示される

ー テリソツズマブ ベドチンは、c-Metタンパク質を標的とする抗体-薬物複合体(ADC)で、治療歴のあるc-Met過剰発現非小細胞肺がん(NSCLC)の患者さんを対象に試験中である、ファーストインクラスの治験薬

ー 本試験のデータは今後の医学学会で発表予定であり、本データが迅速承認を後押しする可能性について、世界各国の規制当局と協議予定

 

イリノイ州ノースシカゴ、2023年11月29日(米国時間)-アッヴィ(NYSE: ABBV)は本日、c-Met過剰発現、上皮増殖因子受容体(EGFR)野生型、進行または転移性の非扁平上皮非小細胞肺がん(NSCLC)患者さんを対象にテリソツズマブ ベドチンを評価した、単群第II相LUMINOSITY試験のトップライン結果を発表しました。本試験では、独立中央判定委員会(ICR)の判定による全奏効率で、c-Met高度過剰発現患者群で35%、中程度過剰発現患者群で23%と有力な結果が示されました。

 

さらに、他の評価項目においても臨床的に意義のある結果が得られ、ICRの評価による奏効期間の中央値はc-Met高度過剰発現患者群で9ヵ月、中程度過剰発現患者群で7.2ヵ月であり、全生存期間の中央値はc-Met高度過剰発現患者群で14.6ヵ月、中程度過剰発現患者群で14.2ヵ月でした。

 

テリソツズマブ ベドチンの安全性プロファイルはこれまで検討された結果と一致しており、新たな安全性上の懸念は確認されていません。テリソツズマブ ベドチン単剤投与に伴う有害事象は概ね管理可能で、良好な忍容性を示しました。LUMINOSITY試験の詳細なデータは今後の医学学会で発表予定であり、また本データが迅速承認を後押しする可能性について、世界各国の規制当局と協議予定です。

 

肺がんの約85%はNSCLCに分類されます1が、治療の進歩にも関わらず、依然として肺がんは全世界で男女ともにがん関連死の主要な原因です2。c-Metタンパク質の過剰発現は、進行性EGFR野生型NSCLCの約25%で認められ3、これらの患者さんにおける予後不良と関連しています4,5,6。治療選択肢が非常に限られており、現在承認済みの治療法がないこれらの患者さんを対象に、開発中のADCであるテリソツズマブ ベドチンの試験が進行中です。

 

本試験の治験責任医師である米国コロラド大学がんセンター(University of Colorado Cancer Center, United States, and Principal Investigator for the trial)のRoss Camidge, M.D., Ph.Dは次のように述べています。「c-Metを過剰発現している非小細胞肺がんの患者さんでは、より良い治療法および新たな治療選択肢への高いニーズがあります。第II相LUMINOSITY試験の結果はこのような患者さんに希望を与えるものです。また、今日の発表を受けて、私たちは自信を持って第III相TeliMET NSCLC-01試験への患者登録を進め、テリソツズマブ ベドチンが持つ可能性への理解を深めてまいります」

 

アッヴィのsenior vice president, development and regulatory affairs兼chief medical officer である Roopal Thakkar, M.D.は、次のように述べています。「アッヴィのミッションは、患者さんの高いニーズが存在する固形腫瘍において、当社のADCプログラムを通して、新たながん治療薬の開発を推進することです。第II相LUMINOSITY試験の結果は、アッヴィのミッションを前進させる重要な一歩となります」

 

テリソツズマブ ベドチンは、治療歴のあるc-Met過剰発現EGFR野生型非扁平上皮NSCLCの患者さんに対する単剤療法として、ランダム化第III相試験TeliMET NSCLC-01で評価中であり、現在登録を行っています。

 

またテリソツズマブ ベドチンは、世界各国から様々な指定を与えられています。米国食品医薬品局(FDA)および台湾保健当局より画期的治療薬指定(BTD)を取得し、日本では厚生労働省(MHLW)より先駆的医薬品指定制度の対象品目に指定され、さらに英国医薬品医療製品規制庁(MHRA)よりイノベーション・パスポートを授与されています。

 

テリソツズマブ ベドチンについて

テリソツズマブ ベドチンは、c-Metタンパク質を標的とする抗体-薬物複合体(ADC)であり、ファーストインクラスの治験薬です。c-Metを過剰発現している腫瘍患者さんを対象としています。c-Metは、NSCLCを含む多くの固形腫瘍で過剰発現している受容体型チロシンキナーゼです。テリソツズマブ ベドチンは、治療歴のあるc-Met過剰発現EGFR野生型非扁平上皮NSCLCの患者さんに対する単剤療法として、ランダム化第III相試験TeliMET NSCLC-01で評価中であり、現在、患者さんの登録を行っています。さらに、進行中の第I相試験M14-237では、osimertinibとの併用療法として、第II相のLUMINOSITY試験では単剤療法として評価中です。テリソツズマブ ベドチンの臨床試験に関する詳細についてはhttps://clinicaltrials.gov/をご覧ください。現在、c-Met過剰発現NSCLC患者さんに特化した承認済みのがん治療法はありません。テリソツズマブ ベドチンは規制当局によって承認されておらず、その安全性と有効性はまだ確立されておりません。

 

LUMINOSITY試験について

LUMINOSITY試験(M14-239)は現在進行中の第II相試験です。二次治療または三次治療にテリソツズマブ ベドチンの単剤投与が最も適しているc-Met過剰発現NSCLCの対象集団を同定し、その後に対象を拡大して選択した集団における有効性をさらに評価するよう設計されています。評価項目は、独立中央判定委員会(ICR)の判定による全奏効率(ORR)、奏効期間(DoR)、病勢コントロール率(DCR)および無増悪生存期間(PFS)、ならびに全生存期間(OS)としています。

 

がん分野におけるアッヴィについて
アッヴィでは、複数の血液がんの標準治療の変革に取り組むとともに、多様ながん種に対する治験薬の開発を積極的に推進しています。献身的で経験豊富な当社のチームは、革新的なパートナーと協力し、画期的新薬となり得る製品の開発促進に努めています。当社は、世界で最も罹患者が多く、また最も消耗性が高いがん種に対し、20種類を超える治験薬を300件超の臨床試験で評価しています。当社の事業の目的は、人々の人生を豊かにすることです。そのため、患者さんが当社のがん治療薬にアクセスすることができるよう、ソリューションの探求にも取り組んでいます。詳細については、http://www.abbvie.com/oncologyをご覧ください。

 

アッヴィについて

アッヴィのミッションは現在の深刻な健康課題を解決する革新的な医薬品の創製とソリューションの提供、そして未来に向けて医療上の困難な課題に挑むことです。一人ひとりの人生を豊かなものにするため次の主要領域に取り組んでいます。免疫疾患、がん、精神・神経疾患、アイケア、さらに美容医療関連のアラガン・エステティックスポートフォリオの製品・サービスです。アッヴィの詳細については、www.abbvie.com をご覧ください。LinkedInFacebookInstagramX(旧TwitterYouTubeでも情報を公開しています。

 

References:

1.National Cancer Institute. Non-small cell lung cancer treatment - health professional version. https://www.cancer.gov/types/lung/hp/non-small-cell-lung-treatment-pdq#_37_toc. Accessed December 8, 2021.

2.Bray F, Ferlay J, Soerjomataram I, Siegel RL, Torre LA, Jemal A. Global cancer statistics 2018: GLOBOCAN estimates of incidence and mortality worldwide for 36 cancers in 185 countries. CA Cancer J Clin. 2018 Nov;68(6):394-424. doi: 10.3322/caac.21492. Epub 2018 Sep 12. Erratum in: CA Cancer J Clin. 2020 Jul;70(4):313. PMID: 30207593.

3.Ansell PJ, Baijal S, Liede A, et al. Prevalence and Characterization of c-MET-Overexpressing Non-small Cell Lung Cancer (NSCLC) Across Clinical Trial Samples and Real-world Patient Cohorts From the City of Hope National Medical Center. Cancer Research UK (CRUK) - Lung Cancer Conference; Manchester, UK2022.

4.Liang H, Wang M. MET Oncogene in Non-Small Cell Lung Cancer: Mechanism of MET Dysregulation and Agents Targeting the HGF/c-MetAxis. Onco Targets Ther. 2020;13:2491-510.

5.Park S, Choi YL, Sung CO, et al. High MET copy number and MET overexpression: poor outcome in non-small cell lung cancer patients. Histol Histopathol. 2012;27(2): 197-207.

6.Guo B, Cen H, Tan X, et al. Prognostic value of MET gene copy number and protein expression in patients with surgically resected non-small cell lung cancer: a meta-analysis of published literatures. PLoS One. 2014;9(6):e99399.

 

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