新しいMPPトラッカーによると、重工業の転換は始まっているが、2030年の気候変動目標達成には7倍の加速が必要
*トラッカーは、世界中の重要産業部門のネットゼロ準拠プロジェクトの発表、投資決定、稼働状況を明示。
*パイプラインは増えているが、2030年のネットゼロ目標を達成するには、今後数年間で約600の脱炭素プラントを着工しなければならず、急加速が必要。
*MPPは、投資障壁を取り除き、進展を早めるため、政府、企業、金融機関による共同行動を要請。
ロンドン, 2024年4月17日 /PRNewswire/ -- Mission Possible Partnership(MPP)は16日、世界の炭素排出量の30%を占める7つの重工業・運輸部門の移行状況に新たな光を当てた「Global Project Tracker(グローバル・プロジェクト・トラッカー)」を発表しました。それによると、「削減が困難な」部門全体で、ネットゼロ準拠プロジェクトのパイプラインが増えていることが明らかになりました。しかし、セ氏1.5度準拠軌道に向けた導入目標を達成するには、今後数年間で約600の脱炭素プラントを着工しなければならず、急加速が必要だと警鐘を鳴らしています。
Industrial decarbonisation has started but needs to accelerate to meet 2030 targets.
トラッカーによれば、現在68の商業規模のネットゼロ準拠プラントが稼働中で、42が最終投資決定(FID)段階にあります。パリ協定の目標に沿った主要部門の脱炭素化に向けたMPPの業界支援マイルストーンによれば、2030年までには700以上が稼働していなければなりません。こうした期限を守るには、3年以内にFIDに至り、この10年間で建設できるようにしなければなりません。現在のギャップを埋め、ニアゼロ・ソリューションの規模を十分に拡大するには、これまでにFIDに至ったプラントの数をほぼ7倍に増やす必要があります。
心強いニュースは、過去12カ月の間に各社が相次いでプロジェクトを発表し、業界の熱意の高まりや、一部の地域でより好ましい条件が整いつつあることが示されていることです。トラッカーでは、473の商業規模の脱炭素プラントの建設計画が特定されており、これがFIDに至れば、ギャップは80%縮小することになります。
しかしながら、MPPの分析によると、多くのプロジェクトが発表からFIDに至るまでに苦戦しており、これは現在の進捗ペースが遅すぎることを意味しています。プロジェクトを停滞させているさまざまな経済的・政策的障壁は特定できています。2030年の導入目標を達成するには、3年以内にアルミ、セメント、化学、鉄鋼、航空、海運の各部門で595のプラントをFIDに持ち込まなければなりません。トラックの計測対象は、道路を走行中のゼロエミッション・トラックの台数で、この10年間にさらに数百万台の稼働が必要です。
MPPのトラッカーは、ネットゼロ準拠プロジェクトに対する投資の進捗状況を、四半期ごとに更新される集計データを使いグラフ化しています。これは、7部門をひとまとめにしてパイプラインを視覚的に表現し、発表からFID、稼働までのプロジェクトの現状を示す、初の一般公開ツールです。
今日の主力プロジェクトは技術が成熟しつつあることを証明しており、発表済みのプロジェクトは、クリティカルマスを創出し、クリーンな工業製品の新市場が生み出されるチャンスがあることを示しています。しかし、発表済みのプロジェクトに広く融資適格性が認められるようにすると同時に、さらに多くのプロジェクトの開発を促すには、経済的・政策的障壁への迅速な対処が必要です。
パイプラインを加速できる介入策に関する証拠は、明らかになりつつあります。トラッカーの分析では、さらなる行動を促し得る重要な方策が示されています。
*政府の政策は需要を創出し、グリーンプレミアムを克服できる。
*クリーン技術導入支援で、投資リスクは軽減できる。
*プロジェクトとそれを可能にするインフラの共同設置は、相乗効果をもたらす。
Mission Possible PartnershipのDick Benschop暫定最高経営責任者(CEO)は「私たちは、重工業・運輸部門の脱炭素化の軌道について新たなレベルの知見を得ており、産業界の熱意が高まっているのは明らかです。しかし、地球の未来がかかっている今、眼の前の課題から逃れることはできません。私たちは、障壁を迅速に取り除き、プランをプラントに変えられるようにする必要があります。MPPは、必要とされる共同行動に取り組むことを約束し、全ての利害関係者の助力を要請します」と語っています。
Global OptimismのChristiana Figueres共同創設者は「パリ協定の実現は、いわゆる『削減困難な』部門が『削減しなければならない』ことを意味します。MPPのGlobal Project Trackerは、そうした部門が既に削減可能で、多くの場合『削減したがっている』ことを実証しています。重工業、海運、航空、トラック輸送の各部門で、飛躍的な変革が手の届くところにまで来ています。しかし、MPPプロジェクト・パイプラインは、前進への明確な道筋を示してくれてはいるものの、成功は必然ではありません。政策立案者と投資家は、この重要な岐路で勇気あるリーダーシップを発揮し、削減しなければならない部門が必要なペースと規模で前進できるよう、決断を下すべきです」と語っています。
tracker.missionpossiblepartnership.org
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(日本語リリース:クライアント提供)
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