世界遺産地図への掲載が5年に、中国の良渚古城遺跡は独特の文明の魅力で輝く

Hangzhou Liangzhu Archaeological Administrative District Management Committee

 

良渚古城遺跡公園の南城壁展示区

 

AsiaNet 0200254 (1128)

 

【杭州(中国)2024年7月8日新華社=共同通信JBN】7月6日、中国は二十四節気の小暑を迎え、猛烈な暑さが近付いていることを示しました。中国東部・浙江省の省都である杭州にとって、この日は5回目の「Hangzhou Liangzhu Day(杭州良渚の日)」とLiangzhu Archaeological Site(良渚古城遺跡)の世界遺産リスト登録5周年を記念する一連の活動の到来を告げる日でもあります。

 

Hangzhou Liangzhu Archaeological Administrative District Management Committee(杭州良渚遺跡管理区管理委員会)が主催するこれらの活動は、異文化間の対話や展示を含み、良渚文化を紹介し、良渚を世界に知らしめ、世界的に重要な文化遺産としての地位を確立することを目指しています。

 

「良渚」は「美しい水の洲」を意味します。良渚古城は、長江下流地域で新石器時代に都市文明を持っていた初期国家でした。

 

広大な遺跡内にある、河道、炭化米、翡翠の工芸品、墓地跡など多数の遺物は、複雑な水管理システム、成熟した稲作、統一された文化的信念、差別化された社会階級の証拠を提供しています。

 

これらの発見は、約5300年から4300年前にさかのぼる古代文明の物質文明と精神世界を明らかにし、中国の5000年を超える文明の独特な証拠の役割を果たします。

 

2019年7月6日、アゼルバイジャンの首都バクーで開催された第43回ユネスコ世界遺産委員会で、良渚古城遺跡の世界遺産リストへの登録が承認されました。遺跡は中国で55番目の世界遺産となり、世界遺産リストにおける東アジアの新石器時代の都市遺跡の空白を埋めました。

 

世界遺産として、ユネスコ(国際連合教育科学文化機関)に定期的に遺産評価報告書を提出することが義務付けられています。こうした報告書の重要な側面の1つは遺産の監視です。

 

杭州の先進的なデジタル技術の恩恵を受け、良渚古城遺跡はデジタル技術の活用を通じて、限られた人員で広大なエリア内の広範囲に及ぶ地点を監視するという課題に対処しました。

 

文化財の発掘、保護、研究および利用を担当する杭州良渚遺跡管理区管理委員会は、貴重な遺跡のインテリジェント管理システムを確立するために一連のデジタルアプリケーションを開発しました。

 

遺跡の監視・管理センターの監視ホールでは、係員がマウスをクリックするだけで遺跡内のさまざまな場所からリアルタイムの画像を即座に監視でき、文化遺物の効率的かつ適時の監視を実現します。

 

良渚古城遺跡の保存では、保護するだけでなく、遺跡に命を吹き込むことも重要です。

 

5G、VR(仮想現実)、AR(拡張現実)などのテクノロジーの助けによって、人々は良渚の先祖たちの光景を目撃するだけでなく、5000年前に「時間をさかのぼり」、古代の住民と共に、狩猟、釣りなどの活動や儀式に参加することもできます。

 

一方、良渚文化の代表的な要素は、多種多様な文化創造製品に組み込まれています。

 

良渚の先祖に着想を得たブラインドボックス人形から、出土した翡翠の工芸品にインスピレーションを受けて作られたジュエリーアクセサリーに至るまで、良渚をテーマとする製品が観光客の間で人気を博しています。現在、良渚をテーマにした700を超す製品が開発され、豊かな良渚文化派生商品群を形成しています。

 

この遺跡の管理委員会関係者によると、「良渚古城遺跡はLiangzhu Museum(良渚博物院)と3つの遺跡公園から成る完全な展示システムを構築しています」。2019 年以来、この遺跡は900万人以上の訪問者を迎えており、その重要性と観光客の間での人気を示しています。

 

文化観光の開発を通じて国内で良渚文化を促進することに加えて、杭州はさまざまな手段によって良渚文化を世界的に促進し、中国文明の国際的影響力を高めることにも努めています。

 

2023年秋、杭州は第19回アジア競技大会を開催しました。良渚の文化的要素は、トーチ、マスコット、メダルのデザインから、会場の建設、アジア大会聖火の集火とリレー、および開閉会式に至るまで、大会のあらゆる側面に深く組み込まれていました。これらのクリエーティブな組み合わせは、ユニークな東洋のロマンを世界に披露しました。

 

2023年末、第1回Liangzhu Forum(良渚フォーラム)が杭州で開催されました。300人を超える国内外のゲストが良渚古城遺跡に集まり、中国文明に対する理解を新たにしました。

 

2020年、杭州市の立法機関は7月6日を「Hangzhou Liangzhu Day(杭州良渚の日)」と制定する法案を可決しました。

 

この特別な日を記念して、良渚古城遺跡はロンドンのストーンヘンジやアテネのアクロポリスなど、他の世界遺産と対話を行っており、今年はスペインの古都トレドと交流する予定です。これらの交流を通じて、イノベーションと遺産保存の未来を探求します。

 

現在、杭州市は、約5000年の歴史を持つ良渚文化、2000年以上の運河文化、1000年以上の径山文化、および現代のデジタル文化をつなぐことを狙いとした「Liangzhu Cultural Corridor(良渚文化回廊)」の開発を進めています。

 

目標は、良渚古城遺跡公園を、豊かな含意、革新的な成果、独特の魅力を体現する文化的巡礼地および文化観光目的地に変えることです。

 

 

ソース:Hangzhou Liangzhu Archaeological Administrative District Management Committee

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