【三人之会特別企画】演劇×能×ハンドパンがノーベル文学賞受賞作家・高行健の『逃亡』を描く!
2024年8月15日(木) 『逃亡』再演のための試作上演 於・SCOOL(東京・三鷹)
◎演劇ユニット 三人之会の特別企画 『「逃亡」再演のための試作上演』が8月15日、東京・SCOOLにて実施される。
演出家・奥田知叡のもと、中国演劇と能を題材に領域横断型の舞台芸術作品を制作している演劇ユニット「三人之会」。活動開始から2年目となる2024年は、現在稽古中の作品ー高行健『逃亡』第一幕より、30分間の試作をお届けします!
【企画詳細】
日程:2024年8月15日(木)全3回 13:00~/15:00~/17:00~
会場:SCOOL(東京・三鷹)
お申し込みはこちらから(入場料無料・要予約)
【キャスト】
出演:新上貴美(演劇集団 円)
声の出演:清水寛二(銕仙会)
奏者:三谷亮太郎(あくびがうつる)
三人之会は2023年10月に東京・三鷹のSCOOLで高行健の『逃亡』を上演しました。「水の中で溶け落ちる文字」「古都・北京の閑静な住宅街」をテーマにした舞台美術を書家・今子青佳、映像作家・田詩陽が制作したほか、水や火といったマテリアルを駆使し上演中は実際に劇場入り口を封鎖するなど表現面でのさまざまな挑戦を行いました。心身が脅かされる限界的なシチュエーションの中で登場人物たちの主義・主張・アイディンティティが次から次へと翻弄され、生命の存在と尊厳を問いかける簡潔ながらも力強い戯曲と、それに果敢に挑戦していった演出・演技が多くのお客様の好評をいただきました。
(写真は三人之会の第二回公演『逃亡』ー書×映像×演劇ーより)
昨年の公演ではクラウドファンディングを実施し3ヶ月間で目標金額の20万円を達成したほか、全公演でアフタートークを実施し、演出家・書家・ドラマトゥルク・翻訳家・演劇批評家・演劇研究家をゲストに招き様々な視点から作品を理解するなど、一人でも多くのお客様に中国演劇に興味を持っていただけるよう精力的に取り組みを行ってきました。本企画では登場人物の一人にフォーカスし、音楽や能といった技法を用いた舞台演出に挑戦します。三人之会第二回公演『逃亡』 トークゲスト:瀬戸宏氏(中国演劇研究家)三人之会第二回公演『逃亡』 トークゲスト:高橋宏幸氏(演劇批評家)
本特別企画の演出を担当するのは長年「能と演劇」をテーマに作品制作と研究を行っている演出家・奥田知叡。美術は現代アートの技法を用いて「書」の領域拡張に取り組んでいる今子青佳(三人之会)が担当し、映像はロードムービーの様式で日本社会における「ノマド」のあり方を描く映像作家・田詩陽(三人之会)が担当します。娘役として演劇集団 円に所属する俳優・新上貴美氏が出演するほか、能楽師・清水寛二氏とハンドパン奏者・三谷亮太郎氏がこの企画に参加します。
奥田知叡(三人之会・演出)今子青佳(三人之会・美術)田詩陽(三人之会・映像)
30分間の試作をご覧になった後は、出演者やスタッフと自由に対話していただくことができます。どなたさまもお気軽にお越しくださいませ。
作品あらすじ
デモへの弾圧によって廃墟と化したとある都市。一組の若い男女が命からがら誰もいない倉庫へ逃げてくる。そこへやってくる、作家と思しき一人の中年の男。出口のない一室の中で、三人は「夜明け」を待ちながら、社会の未来について、己の過去について、人の愛について語る。作者・高行健は中国における小劇場演劇/実験演劇の開拓者。話劇が主流であった中国演劇界に大きな衝撃をもたらした。フランス滞在中の89年に発生したとある事件に衝撃を受け、本作を執筆した。
演出 奥田知叡コメント
幼少期から中国語を学び、中国の時代劇や歴史小説を好んで読んでいた私にとって、中国の近現代政治史というのはどこか人ごとのような感覚でした。社会的混乱を実際に経験していない人間が極限的状況を描くことが可能なのか、昨年10月に高行健『逃亡』を演出した際は戯曲が描く主題の強さに苦しみながらキャストやスタッフに支えられてこの課題に挑みました。
私が高行健『逃亡』を初めて読んだのはコロナ禍に見舞われた2020年春、狂騒的なあの3ヶ月間の混乱の後、養成所の成果発表として上演する作品を探していた時でした。『逃亡』が描く閉塞感と命の儚さに大変共感を覚たのですが、『逃亡』は他にも「命の危機が生じる社会的混乱に直面した際、人はどのように生きることができるのか」、「こうした現象を芸術はいかに描くべきか」、「命と社会をめぐって激しく対立する中年と青年ー二つの世代は理解し合えるのか」など様々な命題が散りばめられています。
本企画では30分間の試作をお届けしますが、過酷な戯曲に挑む三人之会とアーティストたちの姿をぜひ見にきていだければと思います。
美術 今子青佳コメント
三人之会では、アナログな手法で美術を作ることを大事にしてきました。一例として、第二回公演で使われた「流れる文字」の映像は、デジタル加工やCG技術によって作成したものではなく、容器の中で溶け落ちていく文字をただカメラで撮影したものです。アナログな技法で作品を作ると、ディティールは綺麗なものとはなりません。統制されていないため、動きとしてはぎこちなさもあります。そして自然と恣意的な部分が入りますが、それらの重なりによって、あるいは意図せざる動きによって作者の意図を越えた幅の広い作品ができると考えています。
削ぎ落としていく行為には限界があります。どこまでなくせばそのもの足りうるのか。紙に墨で文字が書かれたものを果たして「書」と呼べるのか。この定義のためにこれまでの書道家は苦しめられてきました。現代に生きる私たちがすべきなのはその定義を考え直すことではなく、限定された意味付けからどこまで飛躍できるか作品によって挑戦することだと思います。
鮮やかでありながら細かな仕掛けと、そこに重なる俳優の身体から発せられる声、言葉、動き。それらによって完成される何層もの表現による総合芸術をお楽しみください。
映像 田詩陽コメント
“三人之会”以往的作品《胎内》和《逃亡》中也使用了影像技术,主要用在了舞台背景装饰和照明方面,在这些作品中我尝试了将影像部门的表现与剧本内容以现实主义的方式将其呈现出来。然而,在之前的创作经历中,我渐渐开始认为影像之于戏剧应有更广阔的使用可能性——说到底,影像和舞台是视角不同的表达方式,通常观看戏剧的时候,观众只能从自己的座位的固定视角,以固定的距离来观看演员的表演。可是如果在舞台上启用实时的影像展示,将为观众打破这一视角限制,类似却区别于影像的“蒙太奇”,通过同时观看“戏剧的”和“影像的”表演,观众可以从不同以往的多视角中捕捉到比原来的“单一视角”中更多更具体的信息,对表演进行更深的理解。本次的《逃亡》的试演中,导演将尝试把“能”重视的间,速度,声音等因素的技法引入到现代戏剧的表演中,而在影像的表达中,同样有重视间,速度,声音等因素,所以我期望能借用这两种艺术形式的共同之处,创作出更激动人心舞台·影像·音响的表现形式。
「三人之会」ではこれまでの二公演(『胎内』と『逃亡』)で映像を担当しました。映像として表現された内容と戯曲に書かれた内容とが現実とリンクできるような映像作品を制作してきましたが、これまでの経験から、演劇の中で使われる映像はもっと大きな表現の可能性を内蔵していると考えています。
映像の表現と舞台の表現とでは視野が全く違います。舞台の場合、観客は自分の座席から固定された視野と固定された距離で俳優の演技を見ることを強制されます。もし、舞台上でもう一つの視野から見た風景を観客のために現前させることができれば、観客は異なる視野からより多くの情報を得ることができ、劇に対する理解を一層深めることができるはずです。
今回の試演で、演出家は能の「間、速度、声」といった表現要素を演出に取り入れていますが、映像表現においても間、速度、声といった要素は非常に重要です。映像と演劇という異なるシステムを持った表現技法の共通性に着目し、うまく応用することで、より感動できる舞台・映像・音響表現を作り出せたらと思います。(翻訳:奥田知叡)
企画詳細
日程:2024年8月15日(木)全3回 13:00~/15:00~/17:00~
会場:SCOOL(東京・三鷹)
お申し込みはこちらから(入場料無料・要予約)
【スタッフ】
原作:高行健
翻訳:瀬戸宏
演出:奥田知叡(三人之会)
美術:今子青佳(三人之会)
映像:田詩陽(三人之会)
舞台:中川直也、白江咲子
ドラマトゥルク:インディー・チャン(文学座)
主催:三人之会
【関連URL】
●三人之会 HP:https://sites.google.com/view/sannninnkai/home
●三人之会 X:https://twitter.com/sannninnkai3
●三人之会 Instagram:https://www.instagram.com/sannninnkai3/
●三人之会 PODCAST:https://open.firstory.me/user/clt5vt42m0nik01wa31w71qjn
●三人之会 Note:https://note.com/sannninnkai3/
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このプレスリリースを配信した企業・団体
- 名称 三人之会
- 所在地 東京都
- 業種 芸術・エンタテイメント
- URL https://sites.google.com/view/sannninnkai/home