ギリアド、2024年第2四半期業績を発表
2024年8月23日
ギリアド・サイエンシズ株式会社
ギリアド、2024年第2四半期業績を発表
-ベクルリーを除く製品売上高は、前年同期比6%増の67億ドル- -ビクタルビの売上高は、前年同期比8%増の32億ドル- -オンコロジー領域の売上高は、前年同期比15%増の8億4100万ドル-
ギリアド・サイエンシズ(本社:米カリフォルニア州フォスターシティ、ナスダック:GILD、以下ギリアド)は8月8日、2024年第2四半期の業績を発表しました。
ギリアドの会長兼最高経営責任者(CEO)ダニエル・オデイ(Daniel O’day)は「ギリアドのベースビジネスは前年比6%増となり、今期も引き続き好調でした。これは、ビクタルビの8%増を含む、HIV、オンコロジー、および肝臓疾患領域における売上によるものです。今期の重要なハイライトの一つに、レナカパビルがシスジェンダー女性のHIV予防において100%の有効性を示した、第III相PURPOSE 1試験の中間データがあります。今後数カ月間でさらなる臨床データ解析が行われること、また原発性胆汁性胆管炎(PBC)に対するseladelparの米国における上市を心待ちにしています」と述べています。
2024年第2四半期の業績
• 2024年第2四半期の収益は、2023年同期比5%増の70億ドルで、これは主に、HIV、肝臓疾患領域およびオンコロジーの製品売上増によるものです。
• 希薄化後1株当たり利益(EPS)は、2023年同期の0.83ドルに対し、2024年第2四半期は1.29ドルでした。この増加は主に、営業費用減(2023年には計上されていたが、2024年には計上のない、HIV反トラスト訴訟における一部の原告に対する5億2500万ドルの訴訟和解金を含む)、売上増、および法人税減によるものですが、有価証券の含み損増により一部相殺されました。
• 非GAAPベースの希薄化後EPSは、2023年同期の1.34ドルに対し、2024年第2四半期は2.01ドルでした。この増加は主に、営業費用減および売上増によるものです。
• 2024年6月30日現在、ギリアドの現金、現金同等物および有価証券は、2023年12月31日現在の84億ドルに対し、28億ドルでした。この減少は主に、CymaBay Therapeutics, Inc.の買収費用39億ドル、および優先債券の返済17億5000万ドルを反映しています。
• 2024年第2四半期の営業キャッシュフローは13億ドルで、2017年の減税・雇用法に関連する12億ドルの移行税支払いが控除されています。
• 2024年第2四半期中、ギリアドは9億7200万ドルの現金配当を支払い、1億ドルの普通株式を買い戻しました。
2024年第2四半期の製品売上
2024年第2四半期の製品総売上高は、2023年同期比5%増の69億ドルでした。2024年第2四半期のベクルリーを除く製品売上高は、2023年同期比6%増の67億ドルとなりました。これは主に、HIV、肝臓疾患領域、およびオンコロジーの製品売上増によるものです。
2024年第2四半期のHIV製品の売上高は、2023年同期比3%増の47億ドルとなりました。これは主に、治療および予防における需要増によるものですが、チャネルミックスによる平均実勢価格低下により一部相殺されました。
• ビクタルビ(R)(ビクテグラビル50 mg/エムトリシタビン200 mg(FTC)/テノホビルアラフェナミド25 mg錠(TAF))の2024年第2四半期の売上高は、2023年同期比8%増の32億ドルでしたが、これは主に、需要増によるものです。
• デシコビ(R)(FTC 200 mg/TAF 25 mg)の2024年第2四半期の売上高は、2023年同期比6%減の4億8500万ドルでしたが、これは主に、チャネルミックスによる平均実勢価格低下によるものですが、需要増により一部相殺されました。
2024年第2四半期の肝臓疾患領域のポートフォリオ売上高は、2023年同期比17%増の8億3200万ドルとなりました。これは主に、米国におけるチャネルミックスによる平均実勢価格上昇、ならびにC型慢性肝炎ウイルス(HCV)、B型慢性肝炎ウイルス(HBV)および欧州におけるD型慢性肝炎ウイルス(HDV)製品の需要増によるものです。
ベクルリーの2024年第2四半期の売上高は、2023年同期比16%減の2億1400万ドルとなりましたが、これは主に、COVID-19関連の入院率低下によるものです。
細胞治療薬の2024年第2四半期の売上高は、2023年同期比11%増の5億2100万ドルとなりました。
• イエスカルタ(R)(アキシカブタゲン シロルユーセル)の2024年第2四半期の売上高は、2023年同期比9%増の4億1400万ドルとなりました。これは主に、米国外の再発または難治性(R/R)の大細胞型B細胞リンパ腫(LBCL)に対する需要増によるものです。
• Tecartus(R)(brexucabtagene autoleucel)の2024年第2四半期の売上高は、2023年同期比21%増の1億700万ドルとなりました。これは、R/Rマントル細胞リンパ腫(MCL)およびR/R成人急性リンパ性白血病(ALL)に対する需要増によるものです。
Trodelvy(R)(sacituzumab govitecan-hziy)の 2024年第2四半期の売上高は、2023年同期比23%増の3億2000万ドルでした。これは主に、転移性トリプルネガティブ乳がんおよび治療歴のあるHR+/HER2-転移性乳がんの二次治療における需要増によるものです。
2024年第2四半期の製品売上総利益率、営業費用、および実効税率
• 2024年第2四半期の製品売上総利益率は2023年同期の78.0%に対し、77.7%でした。2024年第2四半期の非GAAPベースの製品売上総利益率は、2023年同期の86.9%に対し、86.0%でした。
• 2024年第2四半期の研究開発(R&D)費は、2023年同期と同じく14億ドルでした。2024年第2四半期の非GAAPベースのR&D費は、2023年同期の14億ドルに対し、13億ドルでした。この変動は主に、臨床試験の縮小などのタイミングによるものです。
• 2024年第2四半期の買収によるIPR&D費は、3800万ドルでした。
• 2024年第2四半期の販売費および一般管理費(SG&A)および非GAAPベースのSG&A費は、2023年同期の18億ドルに対し、14億ドルでした。この減少は主に、前述の2023年には計上されていたが、2024年には計上のない訴訟和解金によるものです。
• 2024年第2四半期の実効税率(ETR)は、2023年同期の34.6%に対し、21.4%でした。この低下は主に、前年における一部繰延税金負債の再測定、および2024年第2四半期における税務当局との和解を反映しています。また、2024年第2四半期の非GAAPベースのETRは、2023年同期の21.0%に対し、17.8%でした。この低下は主に、税務当局との和解を反映しています。
ガイダンス、および今後の見通し
ギリアドの2024年通期業績見通しは以下の通りです。
(1 株当たりの金額を除き、 単位100万) |
2024年8月8日時点 ガイダンス | 2024年4月25日の ガイダンスとの比較 |
|
下限 | 上限 | ||
製品総売上高 |
$ 27,100 |
$ 27,500 |
変更なし |
ベクルリーを除く製品総売上高 |
$ 25,800 |
$ 26,200 |
変更なし |
ベクルリー総売上高 |
$ 1,300 |
$ 1,300 |
変更なし |
希薄化後1株当たり利益(EPS) |
$ 0.00 |
$ 0.30 |
前回は$ 0.10 - $ 0.50 |
非GAAPベースの希薄化後EPS |
$ 3.60 |
$ 3.90 |
前回は$ 3.45 - $ 3.85 |
2024年のガイダンスに関するGAAPベースおよび非GAAPベースの財務情報の追加情報と調整は、添付の表に記載されています。財務ガイダンスは、多くのリスクや不確実性を伴います。また、後述の「将来予測に関する記述」もご参照ください。
前回の四半期報告書以降の主な更新情報
ウイルス性疾患
• シスジェンダー女性を対象に、年2回投与のレナカパビル(注射剤)をHIV予防として評価する、第III相PUPOSE 1試験から得られたデータを、国際エイズ会議(AIDS 2024)で発表しました。中間解析において、レナカパビルは100%の有効性およびHIV感染ゼロを達成するとともに、バックグラウンドHIV発生率(bHIV)および1日1回経口投与のツルバダ(FTC 200mgおよびテノホビルジソプロキシルフマル酸塩(TDF) 300mg)に対する優越性が示されました。レナカパビルの忍容性は概して良好で、新たな安全性に対する懸念は認められませんでした。レナカパビルのPrEPとしての使用は研究段階にあります。
• ビクタルビに関して、ヒスパニック/ラテン系のHIV陽性者、ならびに併存疾患を有する高齢者においてウイルス学的抑制を示す5年間の長期データを、AIDS 2024で発表しました。さらに、1日1回経口投与のビクテグラビル+レナカパビルに関する第II/III相ARTISTRY試験の第II相部分から得られた48週間のデータ、週1回投与の経口剤GS-1720およびGS-4182、ならびにレナカパビルと2つの広域中和抗体(teropavimabおよびzinlirvimab)との併用に関するデータを含む、ギリアドの研究段階にある治療パイプラインに関する結果も発表しました。
• HIV-1ウイルス量が抑制されている妊婦に対する治療に関する追加データを含むビクタルビの添付文章改訂を、米国食品医薬品局(FDA)が承認したことを発表しました。
• 開発中のbulevirtide(10 mg)とペグインターフェロン アルファ-2aとの併用療法について、慢性HDVを有する人々に対する有限療法としての可能性を示唆する第Iib相MYR201試験のデータを、欧州肝臓学学会(EASL)で発表しました。これらのデータは、New England Journal of Medicineで同時に発表されました。
• 慢性HDV成人患者さんに対する有効かつ概して忍容性の良好な長時間作用型の単剤療法の治療選択肢としてbulevirtideをさらに支持する、第III相MYR301試験の144週間のフォローアップデータをEASLで発表しました。bulevirtide(2 mg)は、欧州で承認されている唯一のHDV治療薬ですが、米国では承認されていません。bulevirtide(10 mg)は、開発中の製品で、世界のいかなる国でも承認されていません。
オンコロジー
• Trodelvyについて、局所進行または転移性尿路上皮がんに関する検証的第III相TROPiCS-04試験において、主要評価項目のintention-to-treat(ITT)集団における全生存期間(OS)の改善が未達であったことを発表しました。OSに関しては、Trodelvyについて数値的な改善が見られ、また、事前に規定されたサブグループ(有意水準の設定はなし)の解析においても、OS、ならびに副次評価項目の無増悪生存期間(PFS)および全奏効率(ORR)に改善傾向がみられました。ITT集団において、単剤化学療法と比較して、Trodelvyでは有害事象による死亡例が多く認められましたが、これは主に治療初期に観察され、感染症を含む好中球減少症合併症に関連していました。
• プラチナ製剤ベースの化学療法や抗PD-(L)1抗体薬による治療中または治療後に病勢進行した、転移/進行性の非小細胞肺がん(NSCLC)患者さんを対象にTrodelvyを評価する、第III相EVOKE-01試験の詳細結果が、米国臨床腫瘍学会(ASCO)で発表されました。これらのデータは、同時にJournal of Clinical Oncologyでも発表されました。2024年1月に発表された通り、EVOKE-01試験において、主要評価項目であるOSは未達でした。Trodelvyの肺がんに対する使用は、研究段階にあります。
• Trodelvyについて、PD-L1高発現の進行/転移性扁平上皮または非扁平上皮NSCLCの一次治療におけるpembrolizumabとの併用に関する第II相EVOKE-02試験のコホートAの長期アップデートを、ASCOで発表しました。
• R/Rの原発性または二次性中枢神経系リンパ腫とともに生きる人々を対象に、研究的使用としてイエスカルタの安全性を評価した、ダナ・ファーバーがん研究所との共同パイロット試験の新たなデータを発表しました。このデータはASCOで発表されました。
• R/RのB細胞急性リンパ芽球性白血病(B-cell ALL)成人患者さんを対象にTecartusを評価する、ピボタル第II相ZUMA-3試験の4年間のOS最新データを、ASCOで発表しました。
• 上部消化器がんの一次治療として、domvanalimab、zimberelimab(zim)およびFOLFOXを評価する、第II相EDGE-Gastric試験のA1群の最新解析を、ASCOでArcus Biosciences, Inc.(Arcus)と共同発表しました。さらに、転移性大腸がんの三次治療におけるetrumadenant + zim、FOLFOXおよびbevacizumabを評価する、第Ib/II相ARC-9試験のコホートBのデータも、Arcusと共同発表しました。これらの製品や使用は研究段階にあります。
• イエスカルタの外来での投与が実現可能であることを示唆する、第II相ZUMA-24試験の中間結果を、欧州血液学会(EHA)で発表しました。さらに、初回製造成功率(FP-MSR)を達成した二次治療としてイエスカルタの投与を受けたR/R LBCL患者さんの数が、三次治療以降にイエスカルタの投与を受けた患者さんの数よりも、統計学的に有意に多いことを示す、リアルワールドでの製造実績解析の結果も発表しました。
• 多発性骨髄腫(MM)の二次~四次治療に関する第III相iMMagine-3試験の設計、ならびにKiteへの技術移転完了を含む、anitocabtagene autoleucelのMMに対する開発プログラムなど、主要事業のアップデートについて、Arcellx, Inc.(Arcellx)と共同発表しました。
炎症領域
• Digestive Diseases WeekやEASLで、これまでにいずれかのseladelparの臨床試験に参加したことがあるPBCを有する人々を対象にseladelparを評価する、現在進行中の長期第III相ASSURE試験の2年間の中間結果を発表しました。データでは、seladelparについて、PBCに対する持続的かつ一貫性のある長期の有効性および安全性プロファイルが示されました。seladelparは開発中の製品で、現在、FDAによる審査中です。処方箋薬ユーザーフィー法(PDUFA)による審査終了目標日は2024年8月14日です。
• Janssen Pharmaceutica NVからseladelparのグローバルロイヤリティを3億2000万ドルで買収する修正ライセンス契約を締結しました。本取引については、ギリアドの第3四半期業績に反映される予定です。
企業展開
• ギリアドは、米国カリフォルニア州北部地区連邦地方裁判所における連邦TDF訴訟について、大筋で合意に達しました。本合意には、一定の条件があり、ギリアドが最大4000万ドルの一時金を支払うことが規定されています。これにより、連邦TDF訴訟における圧倒的多数の原告の請求が解決されることが期待されます。
• チーフ・メディカル・オフィサーのマーダッド・パーシー(Merdad Parsey, MD, PhD)が、2025年第1四半期に勇退予定です。後任については、現在人選中です。
• 当社取締役会は、2024年第3四半期の普通株1株当たりの四半期配当は0.77ドルとしたことを発表しました。配当金は、2024年9月13日の営業終了時に登録されている株主に対して、2024年9月27日に支払われます。将来の配当は取締役会の承認を得るものとします。
本プレスリリースでは、一部の金額および割合が四捨五入されているため、係数の総和が一致していない、再計算で数字が合わない場合があります。
電話会議
ギリアドは、太平洋時間8月8日午後1:30に業績説明のための電話会議を開催します。
ウェブでの生配信はhttp://investors.gilead.comでご覧いただけます。また、アーカイブはwww.gilead.comで1年間ご覧いただけます。
非GAAPベースの財務情報
本資料に記載されている情報は、非GAAPと明記されていない限り、米国では一般に公正妥当と認められる会計原則(GAAP)に基づいて作成されています。経営陣は、非GAAP情報をギリアドのGAAP財務情報と併せて検討することにより、投資家に有益な情報を提供できると考えています。これは、経営陣がこのような情報を経営、予算管理、および財務計画を目的に社内で使用しているためです。非GAAP情報は、包括的な会計規則に基づいて作成されたものではなく、GAAPに基づいて報告されたギリアドの業績の理解を補完するためにのみ使用されるべきものです。一般的に、非GAAP財務情報には、買収無形資産償却費、その他通常では想定できない項目やギリアドの事業の基本的な事業状況を反映していない項目を含む取得関連費用、保有株式等の公正価値評価、税法やガイドラインの変更に伴う個別の税金費用や便益などは含まれていません。ギリアドは非GAAP財務情報から買収した無形資産の償却費を一貫して除外していますが、経営陣は、このような無形資産が買収の一部として計上され、継続的な収益創出に貢献していることを投資家に理解してもらうことが重要であると考えています。非GAAP評価指標は、同業他社では異なる定義や計算方法を採用している場合があります。非 GAAP ベースの財務指標と最も直接的に比較できるGAAP基準の財務指標との比較表は、下記の表をご参照ください。
ギリアド・サイエンシズについて
ギリアド・サイエンシズは、すべての人々にとってのより健康な世界の実現を目指し、35年以上にわたり医療の革新を追求し、飛躍的な進歩を遂げてきたバイオ医薬品企業です。当社は、HIV、ウイルス性肝炎、COVID-19、がんなどの生命を脅かす疾患の予防と治療のため、革新的な医薬品の開発に取り組んでいます。カリフォルニア州フォスターシティに本社を置き、世界 35 カ国以上で事業を行っています。
本プレスリリースは発表元が入力した原稿をそのまま掲載しております。また、プレスリリースへのお問い合わせは発表元に直接お願いいたします。
このプレスリリースには、報道機関向けの情報があります。
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このプレスリリースを配信した企業・団体
- 名称 ギリアド・サイエンシズ株式会社
- 所在地 東京都
- 業種 医薬品
- URL https://www.gilead.co.jp/
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