ギリアドとKite、オンコロジー領域における抗体薬物複合体と細胞療法の新データを2026年のASCOとEHAで発表

2026年6月5日

ギリアド・サイエンシズ株式会社

ギリアドとKite、オンコロジー領域における抗体薬物複合体および細胞療法の新たなデータを2026年のASCOEHAで発表

転移性トリプルネガティブ乳がんの一次治療におけるトロデルビ(R)と製品上市を目指す再発/難治性の多発性骨髄腫に対するanito-celについてASCOで発表- -Kiteの強化されたDuoCore™ CAR T細胞療法であるKITE-753について、持続性を含む新たなデータをEHAで発表-

 

ギリアド・サイエンシズ(本社:米カリフォルニア州フォスターシティ、ナスダック:GILD、以下「ギリアド」)とギリアド・カンパニーのKite(本社:米カリフォルニア州サンタモニカ)は、2026年米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次総会(5月29日~6月2日)および2026年欧州血液学会(EHA)年次総会(6月11日~14日)で、6つの口演を含む25以上の抄録を発表します。今回の発表は、固形がんおよび血液がんの双方において科学的エビデンスが蓄積されていることを反映し、ギリアドのオンコロジー領域のポートフォリオおよびパイプラインの多様性が広がっていることを明確に示しています。これらのデータはともに、抗体薬物複合体(ADC)およびCAR T細胞療法におけるギリアドとKiteのリーダーシップを裏付けるものです。

 

主な発表には、転移性トリプルネガティブ乳がん(mTNBC)の一次治療薬におけるトロデルビ(R)(サシツズマブ ゴビテカン)および再発/難治性の多発性骨髄腫(RRMM)に対する治療薬として開発中のanitocabtagene autoleucel(anito-cel)に関する新たなデータ解析が含まれ、近い将来における上市の可能性を前に、その推進力の維持を支えるものです。初期段階のイノベーション、製造成績、リアルワールドでのエビデンスに関する抄録とあわせて、これらのデータは、大規模で持続的なインパクトをもたらすことが期待されるポートフォリオが構築されつつあることを示しています。

ギリアド・サイエンシズのチーフ・メディカル・オフィサーであるディートマー・ベルガー(Dietmar Berger, MD, PhD)は次のように述べています。「ギリアドのオンコロジー領域のポートフォリオは、急速に成熟するパイプラインと並行して進む後期臨床試験とともに、その進化において重要な転換点を迎えています。ASCOとEHAで発表するデータは、当社における抗体薬物複合体および細胞療法の軌道を強調するとともに、オンコロジー領域で長期的なリーダーシップを発揮し、がんとともに生きる患者さんに意義のある進歩をもたらすための臨床、製造およびオペレーションの基盤を強化していることを裏付けています」

 

ASCOでの主要な発表は次の通りです。

・ASCENT-04試験およびASCENT-03試験の解析:ギリアドは、転移性トリプルネガティブ乳がんの一次治療におけるキイトルーダ®(ペムブロリズマブ)とトロデルビの併用または非併用の臨床プロファイルをさらに定義する、第III相ASCENT-04試験およびASCENT-03試験の新たな解析結果を口演発表する予定です。これには各試験における二次治療までの無増悪生存期間(PFS2)の評価も含まれます(抄録番号#LBA1000および#1001)。PFS2は、初期の病勢進行以降の持続的かつ長期的な臨床効果に関する重要な背景を示す指標です。トロデルビとキイトルーダのASCENT-04試験における PFS2に関するデータは、ASCOのメディア向けプログラムの一環として共有される予定です。

・Anito-cel の臨床試験における製造成績:Kiteは、GEM/PETHEMA Foundationと共同で実施した第III相iMMagine-3試験および第II相GEM-AnitoFIRST試験から、1つ以上の前治療歴がある再発/難治性(RR)または初発(ND)の多発性骨髄腫(MM)患者さんを対象としたanito-celの臨床試験における製造成績に関するデータを初めて発表する予定です。これらの結果は、より広範な臨床開発を支える製造の一貫性とおよびオペレーションの確実性を示すものです。(抄録番号#2550)

・再発膠芽腫に対するCAR T細胞療法:固形がんにおける細胞療法を前進させる継続した進歩を反映する、再発膠芽腫に対するCAR T細胞療法の第I相試験の最新データを、研究協力者のUniversity of Pennsylvania Perelman School of Medicineが口演発表します(抄録番号#2013)。

 

EHAでの主要な発表は次の通りです。

・第IKITE-753 試験:再発/難治性B細胞リンパ腫患者さんを対象とした、Kiteの強化されたDuoCore™ CAR T細胞療法であるKITE-753を評価する第I相試験において、開発の継続を支持する有望な安全性および有効性の持続性を示した最新結果を発表します(抄録番号#4208619)。

 

発表概要

2026年ASCO年次総会に採択された抄録はASCOウェブサイトに掲載されており、以下が含まれます。

 

抄録タイトル

抄録詳細

乳がん

前治療歴がないPD-L1陽性の転移性トリプルネガティブ乳がん(mTNBC)患者さんを対象に、サシツズマブ ゴビテカン(SG)+ペムブロリズマブ(pembro)と化学療法(chemo)+ペムブロリズマブを評価したASCENT-04試験における二次治療までの無増悪生存期間(PFS2)およびその後の治療(subs tx)

抄録番号 #LBA1000

2026年6月2日

9:45 – 9:57 AM(CDT)

(口演)

前治療歴がない転移性トリプルネガティブ乳がん(mTNBC)患者さんを対象に、サシツズマブ ゴビテカン(SG)と化学療法(chemo)を評価したASCENT-03試験における二次治療までの無増悪生存期間(PFS2)およびその後の治療

抄録番号 #1001

2026年6月2日

9:57 – 10:09 AM(CDT)

(口演)

ASCENT-04試験:前治療歴がないPD-L1陽性の転移性トリプルネガティブ乳がん(mTNBC)患者さんにおけるサシツズマブ ゴビテカン(SG)+ペムブロリズマ(pembro)と化学療法(chemo)+ペムブロリズマブの有効性を評価したバイオマーカーに基づくサブグループ解析

抄録番号 #1013

2026年5月31日

11:30 – 11:36 AM(CDT)

(短時間口演)

ASCENT-03試験:前治療歴がなくPD-1/PD-L1阻害剤が適応とならない進行トリプルネガティブ乳がん(TNBC)患者さんにおけるサシツズマブ ゴビテカン(SG)と化学療法(chemo)の有効性を評価したバイオマーカーに基づくサブグループ解析

抄録番号 #1014

2026年5月31日

11:36 – 11:42 AM(CDT)

(短時間口演)

フロントライン治療(一次治療)としてサイクリン依存性キナーゼ(CDK)4/6阻害剤(CDK4/6i)の投与を受けたホルモン受容体陽性かつ HER2 陰性(HR+/HER2-)の転移性乳がん(mBC)患者さんにおけるML(機械学習)を利用した急速進行の予測

抄録番号 #1025

2026年6月1日

1:30 – 4:30 PM(CDT)

(ポスター)

HR+/HER2-の転移性乳がん(mBC)に対するサシツズマブ ゴビテカン(SG)と化学療法を評価したASCENT-07試験におけるHER2 IHC0患者さんのサブグループ解析

抄録番号 #1065

2026年6月1日

1:30 – 4:30 PM(CDT)

(ポスター)

トリプルネガティブ乳がんの早期治療における診療ガイドラインに沿った治療からの逸脱:患者報告に基づく解析

抄録番号 #e13528

2026年5月21日

4:00 PM(CDT)

(オンライン公開のみ)

転移性乳がんにおける患者さん中心の症状マネジメントガイドのリアルワールドでの活用状況

抄録番号 #e23403

2026年5月21日

4:00 PM(CDT)

(オンライン公開のみ)

卵巣がん

NAPISTAR 1-01試験:プラチナ製剤抵抗性卵巣がん(PROC)患者さんを対象にTUB-040(NaPi2bを標的としたエキサテカンによる新たなADC)単剤療法における用量漸増を評価した第I相試験の結果

抄録番号 #5513

2026年5月30日

8:36 – 8:42 AM(CDT)

(短時間口演)

多発性骨髄腫

再発/難治性(RR)または初発(ND)の多発性骨髄腫(MM)患者さんを対象としたanitocabtagene autoleucel(anito-cel)の臨床試験における製造成績**

抄録番号 #2550

2026年5月30日

1:30 – 4:30 PM(CDT)

(ポスター)

膠芽腫

再発膠芽腫(GBM)に対する二重標的キメラ抗原受容体(CAR)T細胞療法の第I相試験における全生存期間、安全性および神経機能アウトカムの最新データ***

抄録番号 #2013

2026年5月31日

5:06 – 5:12 PM(CDT)

(短時間口演)

大細胞型B細胞リンパ腫

KITE-753試験:CAR治療歴のない再発/難治性(RR)大細胞型B細胞リンパ腫(LBCL)患者さんを対象とした抗CD19/CD20自家CAR T細胞療法の第II相試験

抄録番号 #TPS7098

2026年6月1日

9:00 AM – 12:00 PM(CDT)

(ポスター)

再発/難治性(RR)大細胞型B細胞リンパ腫(LBCL)に対するアキシカブタゲン シロルユーセル(axi-cel)の長期リアルワールドアウトカム

抄録番号 #7028

2026年6月1日

9:00 AM – 12:00 PM(CDT)

(ポスター)

CAR T細胞療法における医療資源利用状況

FACT基準を有していない新規の認定治療施設(ATCs)でキメラ抗原受容体(CAR)T細胞療法を受けた後の米国の患者さんにおけるリアルワールドでの医療資源利用状況(HCRU)

抄録番号 #e19515

2026年5月21日

4:00 PM(CDT)

(オンライン公開のみ)

*Viver Health協力

**GEM/PETHEMA Foundation協力

***University of Pennsylvania Perelman School of Medicineとの共同研究

 

発表概要

2026年EHA年次総会に採択された抄録は、CAR T細胞療法におけるKiteの専門性を示すものであり、以下が含まれます。

 

抄録タイトル

抄録詳細

大細胞型B細胞リンパ腫

再発/難治性(RR)B細胞リンパ腫患者さんを対象とした第I相KITE-753試験:安全性および有効性の最新結果

抄録番号 #4208619

2026年6月13日

6:45 – 7:45 PM CEST

(ポスター)

晩期再発の大細胞型B細胞リンパ腫患者さんにおける二次治療としてのアキシカブタゲン シロルユーセル(Axi-cel)治療:Spanish Lymphoma Group(GELTAMO)によるLATE-R臨床試験の中間解析*

抄録番号 #4207969

2026年6月12日

6:45 – 7:45 PM CEST

(ポスター)

米国における、大細胞型B細胞リンパ腫の一次治療患者さんにおけるリスクグループ別の臨床および経済的アウトカム:SEER-Medicareデータ解析

抄録番号 #4210325

2026年6月12日

(公開のみ)

初発の高リスク(HR)大細胞型B細胞リンパ腫(LBCL)患者さんにおけるリアルワールドでの治療パターンおよび生存アウトカム

抄録番号 #4206903

2026年6月12日

6:45 – 7:45 PM CEST

(ポスター)

大細胞型B細胞リンパ腫におけるリアルワールドでのCAR T細胞療法の適格性に関するインターナショナル・エキスパート・コンセンサス:E-Delphi研究

抄録番号 #4206912

2026年6月12日

6:45 – 7:45 PM CEST

(ポスター)

大細胞型B細胞リンパ腫に対するCAR T細胞療法のプラクティスパターンにおける世界での多様性:定量的研究結果

抄録番号 #4210262

2026年6月12日

6:45 – 7:45 PM CEST

(ポスター)

ブラジルにおける、再発/難治性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫に対するアキシカブタゲン シロルユーセル治療:CAR T細胞療法の待機期間および治療プロセスの影響

抄録番号 #4210270

2026年6月12日

(公開のみ)

一次治療後の再発/難治性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫および高悪性度B細胞リンパ腫の台湾人患者さんに対するアキシカブタゲン シロルユーセル使用の費用対効果

抄録番号 #4209605

2026年6月13日

6:45 – 7:45 PM CEST

(ポスター)

2ライン以上の全身療法歴のある再発/難治性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫および原発性縦隔大細胞型B細胞リンパ腫の台湾人患者さんに対するアキシカブタゲン シロルユーセル使用の費用対効果

抄録番号 #4207302

2026年6月12日

6:45 – 7:45 PM CEST

(ポスター)

マントル細胞リンパ腫

マントル細胞リンパ腫におけるBrexucabtagene Autoleucel投与後の長期的奏効に関連する生物学的因子:製品由来細胞のフェノタイプ、薬物動態(PK)およびベースライン特性

抄録番号 #4208752

2026年6月13日

6:45 – 7:45 PM CEST

(ポスター)

急性リンパ芽球性白血病

シンガポールにおける、 再発/難治性B細胞急性リンパ芽球性白血病の成人患者さんにおけるBrexucabtagene Autoleucel使用の費用対効果分析

抄録番号 #4209064

2026年6月13日

6:45 – 7:45 PM CEST

(ポスター)

非ホジキンリンパ腫

CAR T細胞療法の臨床試験を受けた非ホジキンリンパ腫患者さんにおける追跡期間を調整した非再発死亡(NRM)

抄録番号 #4208663

2026年6月13日

6:45 – 7:45 PM CEST

(ポスター)

多発性骨髄腫

再発/難治性または新規診断の多発性骨髄腫患者さんにおけるanitocabtagene autoleucelの臨床試験向け製造成績**

抄録番号 #4209802

(公開のみ)

細胞療法における医療資源利用状況

日常診療におけるCAR T細胞療法:ドイツにおける、CAR Tの診療計画にわたるリアルワールドでの病院資源利用の定量化

抄録番号 #4207303

2026年6月12日

6:45 – 7:45 PM CEST

(ポスター)

*Spanish Lymphoma Group GELTAMOとの共同研究

**GEM/PETHEMA Foundation協力

 

PD-L1陽性の転移・再発TNBC患者さんの一次治療におけるトロデルビとキイトルーダの併用、PD-1/PD-L1阻害剤の治療が適応とならない転移・再発TNBC患者さんの一次治療における単剤療法としてのトロデルビの使用は研究段階のもので、その使用の安全性および有効性はまだ確立されていません。

 

キイトルーダ(R)は、Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAの子会社であるMerck Sharp & Dohme LLCの登録商標です。

 

トロデルビについて

トロデルビ(R)(サシツズマブ ゴビテカン)は、ファースト・イン・クラスのTROP-2を標的とした抗体薬物複合体です。TROP-2は、乳がんおよび肺がんの90%以上を含む複数のがん種で高発現する細胞表面抗原です。トロデルビは、トポイソメラーゼI阻害剤であるSN-38のペイロードを独自の加水分解性リンカーで抗体に結合できるよう意図的に設計されています。この独自の組み合わせにより、TROP-2発現細胞と腫瘍微小環境の両方にバイスタンダー効果を介して強力な活性をもたらします。

 

トロデルビは現在、二次治療以降の転移・再発TNBCに対する治療薬として60カ国以上で承認されており、治療歴のある転移・再発HR+/HER2-乳がんの特定の患者さんに対する治療薬としても50カ国以上で承認されています。欧州以外の地域では、ギリアドは米国食品医薬品局(FDA)に対し、ASCENT-03試験およびASCENT-04試験の結果に基づいたトロデルビの適応追加申請をしています。

 

トロデルビは現在、TROP-2を高発現するさまざまながん種を対象に現在進行中の複数の第III相試験で評価がされています。これらのトロデルビに関する試験は、単剤療法およびペムブロリズマブとの併用療法の両方で行われていますが、TNBCおよびHR+/HER2-乳がんの早期治療(根治的治療を含む)のほか、過去にproof-of-concept試験で臨床的活性が認められた肺がんや婦人科がんを対象としています。

 

Anitocabtagene autoleucelanito-cel)について

Anitocabtagene autoleucel(anito-cel、旧名:ddBCMA)は、D-Domainとして知られるArcellxの新型コンパクト結合体を活用した、多発性骨髄腫(MM)向けに開発中のBCMAを標的とした初めてのCAR T細胞療法です。小型で安定したD-Domain結合体は、持続的なシグナル伝達なしにCARを高発現させ、BCMA標的から速やかに放出されるように設計されています。これにより、重度の免疫毒性を生じることなく、多発性骨髄腫細胞を効果的に除去できる可能性があります。anito-celは、米国食品医薬品局(FDA)によるファストトラック、希少疾病用再生医療等製品および再生医療先端治療の指定を受けています。

 

KITE-753について

KITE-753は、 腫瘍抗原の不均一性を克服し、再発を防ぐために設計された開発中のバイシストロニック自家CAR T細胞療法です。 KITE DuoCore™の構造は、抗CD19および抗CD20を標的とし、2つの共刺激ドメイン(CD28および4-1BB)を用いた独自の組み合わせです。 KITE-753は、T細胞フィットネス維持を目的とする新規の製造プロセスを採用しています。

 

米国におけるトロデルビの適応

トロデルビ(R)(サシツズマブ ゴビテカン)は、TROP-2を標的とする抗体とトポイソメラーゼ阻害剤の複合体で、以下の成人患者さんに対する治療が適応とされています。

・2つ以上の全身療法歴があり、そのうち1つ以上は転移・再発の疾患に対する治療歴を有する、切除不能な局所進行または転移・再発のトリプルネガティブ乳がん

・内分泌療法をベースとする治療および転移・再発の乳がんに対して2種類以上の全身療法を受けた、切除不能な局所進行または転移・再発のホルモン受容体(HR)陽性ヒト上皮成長因子受容体2(HER2)陰性(IHCスコア0、IHCスコア1+、またはIHCスコア2+/ISH検査陰性)の乳がん

 

米国における重要な安全性情報

枠組み警告:好中球減少症および下痢

・トロデルビは重度、生命を脅かす、または致命的な好中球減少症を引き起こす可能性があります。好中球絶対数が1500/mm3以下の場合や好中球減少性発熱の場合は、トロデルビの投与を中止してください。治療中は定期的に血球数を測定してください。発熱性好中球減少症のリスクが高い全ての患者には、G-CSFによる一次予防が推奨されます。発熱性好中球減少症の患者には、遅滞なく感染症治療を開始してください。

・トロデルビは重度の下痢を引き起こす可能性があります。下痢が生じた場合には、患者の様子を観察し、必要に応じて水分と電解質を投与してください。下痢の発現時には、感染性の原因を評価し、陰性の場合は速やかにロペラミドの投与を開始してください。重度の下痢が発生した場合は、グレード1以下になるまでトロデルビの投与を中断し、その後は投与量を減らしてください。

 

禁忌

・トロデルビに対する重度の過敏症反応

 

警告および使用上の注意

好中球減少症:重度、生命を脅かす、または致命的な好中球減少症が早ければ初回の投与サイクルで発現する可能性があり、投与量の変更が必要になる場合があります。トロデルビで治療を受けた患者の64%に好中球減少症、49%の患者にグレード3~4の好中球減少症、6%の患者に発熱性好中球減少症、1.4%の患者に好中球減少性腸炎が認められました。高齢患者、好中球減少症の既往歴のある患者、全身状態の不良な患者、臓器障害のある患者、複数の併存疾患のある患者など、発熱性好中球減少症のリスクが高い全ての患者に対しては、初回の投与サイクルからG-CSFによる一次予防が推奨されます。治療中は好中球絶対数(ANC)を測定してください。いずれかのサイクルの第1日目にANCが1500/mm3以下の場合、またはいずれかのサイクルの第8日目にANCが1000/mm3以下の場合、トロデルビの投与を中止してください。好中球減少性発熱が発生した場合は、トロデルビの投与を中止してください。好中球減少症の治療としてG-CSFを投与し、その後のサイクルでは、臨床的に必要な場合またはUSPIの表2の記載に従って予防投与を行ってください。

 

下痢:トロデルビを投与された全患者の64%に下痢の症状がみられました。11%の患者において、グレード3~4の下痢が認められました。1名の患者に下痢の後の腸管穿孔がみられました。脱水およびその後の急性腎障害に至る下痢は、全患者の0.7%で認められました。グレード3~4の下痢が認められた場合、トロデルビの投与を中止し、グレード1以下に回復した時点で投与を再開してください。発現時には感染性の原因を評価し、陰性の場合は速やかに初回に4mg、その後は下痢のたびに2mg、最大で1日16mgまでロペラミドを投与してください。下痢が収まってから12時間後にロペラミドを中止してください。臨床的に必要であれば、追加の支持療法(例:水分と電解質の補給)を受けることができます。治療に対して過剰なコリン作動性反応を示す患者は、その後の治療のために適切な前投薬(例:アトロピン)を受けることができます。

 

過敏症および注入に伴う反応:トロデルビは、生命を脅かすアナフィラキシー反応を含む重篤な過敏症反応を引き起こす可能性があります。重篤な徴候・症状には、心停止、低血圧、喘鳴、血管性浮腫、腫脹、肺臓炎、皮膚反応などがあります。投与後24時間以内に、35%の患者において過敏症反応が発現しました。グレード3~4の過敏症は、患者の2%に発現しました。トロデルビ投与の永続的な中止に至った過敏症反応の発現率は0.2%でした。アナフィラキシー反応の発現率は0.2%でした。前投薬が推奨されます。このような反応を治療するための薬や緊急用の器具をすぐに使用できるようにしてください。投与中および投与終了後少なくとも30分間は、過敏症および注入に伴う反応について患者を注意深く観察してください。注入に伴うグレード4の反応がみられた場合は、トロデルビの投与を永続的に中止してください。

 

悪心および嘔吐:トロデルビは、催吐性があり、重度の悪心および嘔吐を引き起こす可能性があります。トロデルビの投与を受けた全患者の64%に悪心が発現し、このうち3%にグレード3~4の悪心がみられました。35%の患者に嘔吐が認められ、このうち2%の患者にグレード3~4の嘔吐がみられました。化学療法誘発性の悪心・嘔吐(CINV)の予防のために、2剤または3剤の併用療法(例:デキサメタゾンと5-HT3受容体拮抗薬またはNK1受容体拮抗薬のいずれか、および適応となる他の薬剤)で前投薬するようにしてください。グレード3の悪心またはグレード3~4の嘔吐に対してはトロデルビの投与を中止し、グレード1以下に回復した時点で追加の支持療法を用いて再開してください。臨床的に必要な場合には、制吐剤およびその他の支持療法を追加することができます。全ての患者に対し、悪心と嘔吐の予防および治療に関する明確な指示とともに、自宅で服用する薬剤を処方してください。

 

UGT1A1活性の低下した患者における副作用リスクの上昇:ウリジン二リン酸-グルクロノシルトランスフェラーゼ1A1(UGT1A1)*28対立遺伝子がホモ接合体の患者において、好中球減少症、発熱性好中球減少症および貧血のリスク、トロデルビによるその他の副作用のリスクも高くなる可能性があります。グレード3~4の好中球減少症の発現率は、UGT1A1*28対立遺伝子がホモ接合体の患者で58%、UGT1A1*28対立遺伝子がヘテロ接合体の患者では49%、野生型対立遺伝子がホモ接合体の患者では43%でした。グレード3~4の貧血の発現率は、UGT1A1*28対立遺伝子がホモ接合体の患者で21%、UGT1A1*28対立遺伝子がヘテロ接合体の患者では10%、野生型対立遺伝子がホモ接合体の患者では9%でした。UGT1A1の活性の低下が認められた患者については、副作用を注意深く観察してください。UGT1A1の機能低下を示す可能性がある、急性の早期発症または異常に重度の副作用が認められた患者においては、観察された副作用の発現、持続時間および重症度の臨床的評価に基づいて、トロデルビの投与を中断、または永続的に中止してください。

 

胚・胎児への毒性:その作用機序から、妊婦に投与すると催奇形性および/または胚・胎児致死を引き起こす可能性があります。トロデルビには遺伝毒性成分であるSN-38が含まれており、急速に分裂する細胞を標的としています。妊婦や妊娠可能な女性には、胎児への潜在的なリスクについて説明してください。妊娠可能な女性には、トロデルビの投与中および最終投与後6カ月間は有効な避妊法を使用するよう指導してください。妊娠可能な女性パートナーを持つ男性患者には、トロデルビの投与中および最終投与後3カ月間は有効な避妊法を使用するよう指導してください。

 

副作用

安全性解析対象集団において、臨床検査値異常を含め最も多くみられた副作用(発現率25%以上)は、白血球数減少(84%)、好中球数減少(75%)、ヘモグロビン減少(69%)、下痢(64%)、悪心(64%)、リンパ球数減少(63%)、倦怠感(51%)、脱毛(45%)、便秘(37%)、ブドウ糖増加(37%)、アルブミン減少(35%)、嘔吐(35%)、食欲減退(30%)、クレアチニン・クリアランス減少(28%)、アルカリホスファターゼ増加(28%)、マグネシウム減少(27%)、カリウム減少(26%)およびナトリウム減少(26%)でした。

 

ASCENT試験(局所進行または転移・再発TNBC)において、最も多くみられた副作用(発現率25%以上)は、倦怠感、下痢、悪心、脱毛、便秘、嘔吐、腹痛および食欲減退でした。1%以上の頻度で認められた重篤な副作用(SAR)は、好中球減少症(7%)、下痢(4%)、肺炎(3%)でした。27%の患者においてSARが報告され、5%の患者が副作用により治療を中止しました。ASCENT試験で最も多く認められたグレード3~4の臨床検査値異常(発現率25%以上)は、好中球数、白血球数、リンパ球数の減少でした。

 

TROPiCS-02試験(局所進行または転移・再発HR+/HER2-乳がん)において、最も多くみられた副作用(発現率25%以上)は、下痢、倦怠感、悪心、脱毛および便秘でした。1%を超える頻度で認められた重篤な副作用(SAR)は、下痢(5%)、発熱性好中球減少症(4%)、好中球減少症(3%)、腹痛、大腸炎、好中球減少性腸炎、肺炎および嘔吐(それぞれ2%)でした。28%の患者においてSARが報告され、6%の患者が副作用により治療を中止しました。TROPiCS-02試験において、最も多く認められたグレード3~4の臨床検査値異常(発現率25%以上)は、好中球および白血球の減少でした。

 

薬物相互作用

UGT1A1阻害剤:UGT1A1阻害剤とトロデルビを併用すると、SN-38の全身曝露量が増加する可能性があるため、副作用の発現率が高まる可能性があります。UGT1A1阻害剤とトロデルビの併用は避けてください。

 

UGT1A1誘導剤:UGT1A1誘導剤を併用している患者において、SN-38への曝露量が減少する可能性があります。UGT1A1誘導剤とトロデルビの併用は避けてください。

 

枠組み警告を含む完全な処方情報を参照してください。

 

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