プリンターで作成できる液滴レーザーディスプレイの開発に成功

産総研

レーザー発光する液滴をインクジェットプリンターで吐出させ、高速かつ大量にレーザー光源を作成する手法を開発し、この液滴に電場を加えることにより、発光のON/OFFの切り替えが可能なことを見いだしました。また、この液滴を基板上に並べた小さなレーザーディスプレイの作成に成功しました。


テレビやパソコン、スマートフォンのディスプレイは絶えず進化しており、画質や鮮明さ、そしてエネルギー効率が日々向上しています。その次世代型として期待されているのがレーザーディスプレイで、特に輝度と色再現度の面で、有機ELや液晶ディスプレイといった従来の発光素子の原理的な限界を突破することができます。しかしながら、ディスプレイとして利用するためには、現在実現されている以上に素子を微細化し、高密度かつ大量に敷き詰めることが必要です。

 

本研究では、インクジェットプリンターで吐出した有機色素を添加したイオン液体の液滴が光励起によりレーザー光を発すること、およびその液滴に電場を印加することでレーザー光のON/OFF切り替えが可能なことを見いだしました。液滴の直径は30 µmと非常に小さく、また4cm2ほどの大きな領域に高密度かつ大量に敷き詰めることができます。この液滴を電極で挟んで電場を印加したところ、球体の液滴が楕円球体へと変形し、それに伴いレーザー光の放出が止まったことから、この液滴が電気的にスイッチ可能な「レーザーピクセル」として振る舞うことが明らかになりました。また、この液滴を2x3の配列に並べたデバイスにおいても、各ピクセルのレーザー発光をON/OFFできることが分かりました。

 

今後、電気的なデバイス構成やレーザー性能の向上により、実用的なレーザーディスプレイの実現に寄与すると期待されます。

 

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  • エリア
    東京都
  • キーワード
    研究開発、レーザーディスプレイ、レーザーピクセル、イオン液体、液滴、インクジェットプリンティング
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