組織のウェルビーイング(WB)を可視化する新たな指標を開発・公開

個人・職場(チーム)・組織施策の各階層での測定により、WB経営実践を支援

日本生産性本部

 組織のウェルビーイング(WB)を可視化する新たな指標を開発・公開 ~個人・職場(チーム)・組織施策の各階層での測定により、WB経営実践を支援~

 

調査研究や提言、実践活動により生産性向上をめざす(公財)日本生産性本部(東京都千代田区、理事長:前田和敬)が事務局を務める「健康いきいき職場づくりフォーラム」(代表:島津明人 慶應義塾大学教授)は、組織のウェルビーイング※1を測定する新たな指標「OWI(Organizational Workplace Individual)ウェルビーイング・サーベイ」(以下、本指標)を開発し、2026年1月28日に公開しました。

これは、組織におけるウェルビーイング経営の推進を目的に、個人・職場・組織施策の各階層におけるウェルビーイングの測定を可能としたものです。

 

昨今、人的資本情報開示の義務化や多様な働き方の拡大を背景に、従業員のウェルビーイングをどのように高めて組織の成果につなげるかが重要な経営課題となっています。一方、ウェルビーイングを組織や職場レベルで科学的に捉える標準的な指標は国内に存在しておらず、施策の効果検証が困難という課題がありました。

この課題解決に向け、池田浩 九州大学准教授を主査とする指標検討グループ分科会※2が中心となり、職場(チーム)レベルの活力や信頼などを中核に、個人の心理・社会面や組織施策も含めたウェルビーイングを定量的に測定する指標を開発しました。

 

当本部では、この指標を組織におけるウェルビーイング経営の実践と生産性向上を支援するインフラとして無料で提供するとともに、経年変化や属性別の分析に資するデータベース構築をめざします。

 

本指標の主な特徴は以下の通りです。

 

職場レベルのウェルビーイングを3つの観点から測定する指標を開発

・職場(チーム)におけるウェルビーイングを、「ポジティブ感情」「信頼」「目標・達成感の共有」の3つの観点から捉える尺度を開発。「職場での相互信頼」「チームの雰囲気」など、従来は把握しづらかった職場レベルの状態を定量的に比較・評価することを可能とした。

・職場ごとの差異を数値化して比較できることが統計的に確認され、人事・健康経営担当者が「どの職場を優先的に支援すべきか」を判断する根拠として活用することが可能となった。

 

ウェルビーイングを個人・職場・組織施策の多層構造で捉え、その相互作用を確認

・ウェルビーイングを「個人の状態」だけでなく、「職場(チーム)」や「組織の施策」も含め多層構造で捉えている。個人レベルでは、心理的・社会的・身体的な状態を含むウェルビーイングを把握し、職場レベルでは、前項で示した指標によりチームとしての状態を把握。組織レベルでは、従業員のウェルビーイングを高めるために整備・運用されている制度や施策の状況を把握。これらを統合的に捉えることで、各レベルの相互作用を分析できる枠組みを構築した。

・その分析の結果、個人と職場のウェルビーイングは相互に影響し合い、さらに組織の施策がその関係を下支えすることで、組織全体の活力や生産性の向上につながる可能性が示唆された。

 

組織の施策の違いにより従業員ウェルビーイングに差が生じることを確認

・従業員のウェルビーイングを高めるために組織として整備・運用している制度や施策を包括的に整理し、組織レベルのウェルビーイングの状況を把握できる項目を作成した。

・その上で、「従業員への投資」「エンゲージングな仕事の提供」「組織的サポート」などの施策状況で組織を3類型に分類し、従業員のウェルビーイングを比較。施策が不足している組織では、心理的・社会的・身体的ウェルビーイングがいずれも低い傾向にある。一方、健康や公正な環境整備に注力する組織では身体的・社会的側面が高まり、また、施策をバランスよく導入する組織では心理的ウェルビーイングまで高まる傾向が確認された。施策の充実度が従業員の状態に与える影響を把握し、重点的に強化すべき領域を検討するための基礎情報を提供している。

 

WB制度・施策組織ごとに見た効果

 

職場(チーム)レベル・ウェルビーイングが生産性・業績目標達成に影響することを確認

・職場のポジティブ感情や信頼といった職場(チーム)レベル・ウェルビーイングが、半年後の職場生産性や組織の業績目標の達成度と有意に関連していることが示された。

・特に、ウェルビーイング施策が充実している組織ほど、職場(チーム)レベル・ウェルビーイングと業績目標の達成との関連が強まる傾向が確認され、「ウェルビーイングは成果にどうつながるのか」という経営層の関心に対し、データにもとづく説明が可能となった。

 

指標を無料公開するとともに、希望組織が活用できるオンライン・アンケート環境を提供。経年・属性別データを蓄積するデータベースを構築

・組織が自由に利用できる形で指標を無料公開。

・組織ごとに従業員が匿名で回答できるアンケート環境を提供。利用組織には任意で匿名データの提供を依頼し、経年変化や属性別の分析に資するウェルビーイング・データベースの構築を進める。

 

なお、2026年2月18日(水)13時~15時、本指標の開発に携わった研究者等により、解説および企業の活用方法を紹介するセミナーを会場・オンラインのハイブリッド形式にて開催する予定です。

 

 

※1 本指標におけるウェルビーイングとは、個人および職場が前向きに機能し、組織の施策や環境が整った状態のもとで力を発揮できている状態を指します。

 

※2 健康いきいき職場づくりフォーラム指標検討グループ分科会メンバー

  主査 池田 浩  九州大学 大学院人間環境学研究院 准教授

     森永 雄太 早稲田大学 グローバル・エデュケーション・センター 教授

     島津 明人 慶應義塾大学 総合政策学部 教授

     加藤 容子 椙山女学園大学 人間関係学部 教授

     大竹 恵子 関西学院大学 文学部 総合心理科学科 教授

     小林 正弥 千葉大学 大学院社会科学研究院 教授

 

「健康いきいき職場づくりフォーラム」について:

 「労働者の健康」「労働者のいきいき」「職場の一体感」を中核とした「健康いきいき職場づくり」を具現化し、働く人の心身の健康と企業の生産性向上を支援することを目的に、2012年に東京大学大学院医学系研究科精神保健学分野(当時)と当本部が協同で設立しました。

「健康いきいき職場づくりフォーラム」ホームページ https://www.ikiiki-wp.jp/

 

 

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WB制度・施策組織ごとに見た効果

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