3D NANDフラッシュメモリの電荷移動を抑制、エラー40%削減とデータ保持寿命の2.8倍増加に成功
2017年12月6日
中央大学
3D NANDフラッシュメモリの垂直方向の電荷移動を抑制することで、
メモリエラー40%削減とデータ保持寿命の2.8倍増加に成功
中央大学 理工学部 教授 竹内 健のグループは、大容量で低コストな3D(3次元)NANDフラッシュメモリにおける垂直方向の電荷の移動がメモリセルの信頼性を劣化させることを明らかにしました。そして電荷移動を抑制する手法“VTH Nearing”を開発することにより、データ保持中のメモリのエラーを40%削減し、メモリがデータを保持できる時間を2.8倍に増加させることに成功しました。本成果は、隣接するメモリセルのしきい値電圧(VTH)の間隔を近づけるようにSSDコントローラで変調を掛けることで、垂直方向の電界が低減し電荷移動が抑制されることにより可能となりました。
現在、フラッシュメモリは主にスマートフォンやタブレットなどに使われています。2次元のフラッシュメモリが微細化の限界を迎える中、垂直方向にメモリセルを積層する3次元化によって更なるメモリの大容量化が期待されています。本技術は3D NANDフラッシュメモリに固有の信頼性の問題を解決するもので、3D NANDフラッシュメモリの今後の更なる大容量化を可能にし、大容量のメモリを必要とするクラウドデータセンタの記憶媒体としての使用が期待できます。
本研究は、JSTの委託事業である戦略的創造研究推進事業 チーム型研究(CREST)の研究領域「素材・デバイス・システム融合による革新的ナノエレクトロニクスの創成」の研究題目「デジタルデータの長期保管を実現する高信頼メモリシステム」において実施されたものです。
本研究成果は、2017年12月2日から6日にサンフランシスコで開催された「IEEE International Electron Devices Meeting(IEDM)」で発表されました。
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