【宮崎県】地方大学と企業の連携で地域採用のシステム化始まる

2019年9月11日(水)

宮崎大学みやざきCOC+地元定着推進室

高等教育機関が取組む県内就職率改善対策

『地方大学と企業の連携で地域採用のシステム化始まる』

人材採用難の地域採用の仕組み作り

 首都圏への人材流入が続く中、地方での人材確保が難しさを増しています。宮崎県では大学が連携して地域の産業や働き方を学ぶインターネット授業を整備し、規定の単位を取得した学生へ認定証を発行し、この認定証を利用した県内企業の採用システムの導入が始まりました。

HP画面

 地方の人口減少対策として宮崎県内の高等教育機関、産業界、自治体が取り組むみやざきCOC+(シーオーシープラス)事業では、平成27年度より県内企業での働き方を学び、キャリア形成に活かす授業や、今後県内で成長を期待する産業に特化した7分野を学ぶ授業を新たに18科目整備し、インターネットでの配信授業を開講してきました。昨年度までの受講学生は2000名(※1)を超えました。2019年度から所定の単位を取得した学生へ『みやざき産業人材認定証』(以下:認定証)を発行しています。

プログラム

 この認定証を取得した学生は、地方での働き方や、宮崎県の産業計画、県内産業を理解した、「地域に興味がある学生」です。この学生が県内企業に就職の際、優遇を受けられる採用インセンティブが開始されました。認定証を取得した学生には「一次試験免除」、「特別相談会への参加」、「エントリーシート優遇」など様々な採用優遇策が受けられます。採用システムを導入した企業情報は、学生がインターネット授業を受ける際に必要なID・パスワード入力のページから検索でき、学生が1、2年生の早い段階から県内企業を知る機会も創出しています。また、認定証を取得した学生が一旦県外に就職した場合でも(※2)、UIJターン時に採用インセンティブを活用できます。

採用インセンティブ掲載ページ

 現在は宮崎県商工会議所等に加盟する企業を中心に認定証の採用インセンティブ導入が始まっています。今後は医療・福祉関連、また、市町村等の地方自治体の採用などにも導入を広げる計画で、学生の宮崎県内定着の環境を拡大する予定です。

※1 平成28年度よりののべ人数。

※2 宮崎大学の場合、県外学生の割合は60%。

「みやざきCOC+事業」とは

 

地域の人口減少対策と、地域産業の活性化を目的に、文部科学省からの補助を受けて2015年10月より事業を開始いたしました。本事業では宮崎大学が主幹校となり、宮崎県立看護大学、宮崎公立大学、九州保健福祉大学、都城工業高等専門学校の4大学・1高専、産業界から宮崎県商工会議所連合会、宮崎商工会連合会、宮崎県工業会、宮崎県経営者協会、宮崎県中小企業団体中央会、宮崎県農業協同組合中央会、宮崎県経済農業協同組合連合会の7団体、自治体としては宮崎県が参加する事業として開始しました。2017年度には金融機関として宮崎銀行、宮崎太陽銀行が参画し、2018年度には南九州大学、南九州短期大学が新たな教育機関として加わりました。更に、今年度からは県内大学の宮崎国際大学、宮崎学園短期大学が参加し、県内8大学・1高専と拡大しています。

【産業人材育成】と【キャリア支援】の2つの柱で推進する本事業では、参画する大学・高専の地元定着(県内就職率)を33.1%から43.1%へ改善するとともに、県内大卒者の3年以内の高い離職率40.7%を35%へと改善する環境整備を目的として取り組んでいます。

【産業人材育成】

 2016年度に「みやざき授業配信システム(※1)」を構築し、「地域キャリアデザイン」及び「地域産業入門」の2科目の配信がスタートしました。2017年に16科目の配信授業を新たに作成し「みやざきCOC+産業人材育成プログラム(※2)」が完成しました。プログラムの所定の単位を取得した学生には「みやざきCOC+産業人材認定証(※3)」を授与することとしており、取得学生は県内企業の採用優遇等のインセンティブを受けることが可能です。本プログラムを通じて地域を学ぶ参加大学受講生の合計は、2016年度381名、2017年度754名、2018年度953名と順調に増加しており、2019年度前期は545名の登録がありました。

【キャリア支援】

 県内企業の認知や、今の学生の声を企業が知ることを目的として、県内市町村・産業界及びみやざきCOC+が連携し「Weekly Work Café」を開催しています。県内大学の全学部・全学年の学生が自由に参加でき、県内企業で働く先輩と普段着のままで気軽に会話ができる交流の場です。2018年度にはみやざきCOC+に加え市役所、商工会議所、ハローワークが主催し、宮崎大学をはじめ参加大学やシンポジウム会場等で23回開催しました。参加企業113社、学生422名が参加し、学生のキャリア形成での重要な情報収集の場になるっています。県内企業にとってはアピールの場として生産品や仕事の取り組み方も発信でき、インターンシップや採用活動につなげる重要なイベントとなっています。学生と企業がお互いを良く知ることで就職のミスマッチの解消の場としても期待されています。

※1 インターネット授業配信「みやざき授業配信システム」

 宮崎県は山間部から海岸部まで南北200キロ、東西に100キロと広く1箇所に集まって学生が授業を受けるには困難な地域です。そこでみやざきCOC+事業ではインターネットを活用した授業配信システムを構築しました。学生がいつでも、どこでも地域を学べるシステムです。このシステムは宮崎大学の基礎教育に科目を設置して、宮崎県内で活躍する人や産業に焦点を当て、授業が構成されています。

※2 「みやざき産業人材育成教育プログラム」科目の構成

 授業は県内を学生の興味により多角的に学べる構成となっています。基本的な受講の流れは1年次に宮崎県での働き方や活躍している方々のキャリア形成について学ぶ「地域キャリアデザイン」と、宮崎県のこれからの産業政策を学び7つの選択科目の概論を学ぶ「地域産業入門」を履修します。2年次に、今後宮崎県が発展を期待する7つの分野「食品」、「ICT」、「医療・福祉」、「エネルギー・ものづくり」、「国際・観光」、「公務員・教員」、「起業」の全17科目が受講できる構成となっており、県内の産業や活動を多面的に学べる構成となっています。

※3 「みやざきCOC+産業人材認定証」

 「みやざき産業人材育成教育プログラム」における配信科目を4科目8単位とそれぞれの大学・高専で単位認定をするインターンシップや研修を1単位以上履修することで「みやざき産業人材認定証」を発行します。この認定証を取得した学生は県内企業の採用試験について一次面接免除や筆記テスト優遇措置が受けられます。また、ダブルスクールで公務員講座など受講する学生には一部受講料免除が受けられます。

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