「ETERNAL 〜千秒の清寂」を 2月1日(土)より羽田空港で展示開始
令和2年1月24日
メディア芸術×文化資源 分散型ミュージアム 事務局
日本の重要文化からのインスピレーションと
“時の概念”をテーマにしたデジタルアート展
「ETERNAL 〜千秒の清寂」を 2月1日(土)より羽田空港で展示開始
文化庁による訪日観光客向けの新事業「空港等におけるメディア芸術日本文化発信事業」を開催しています。
【羽田空港 開催概要】
日 時: 令和2年2月1日(土)~2月7日(金) 11:00~20:00
※最終入場は19:30まで
場 所: 羽田空港(東京都大田区) 国際線ターミナル4F TIAT SKY HALL
内 容: 「千秒の清寂という時空」を永遠に続く物語として封じ込めた世界をデジタルアートで体験できる1週間限定開催のコンセプトエキシビジョンを展開
公式ウェブサイト: https://jmadm.jp/
羽田空港では,『Japan Media Arts Distributed Museum ETERNAL ~千秒の清寂*』と題し,日本の重要文化からのインスピレーションと,作品づくりにおいて,「手法」の継承や現代性だけではなく,文化形成の最重要要素である「時の概念」をつなぎこみ,希望へのまなざしがこころに生まれる「千秒の清寂という時空」を永遠に続く物語として封じ込めた世界をデジタルアートで体験できる1週間限定開催のコンセプトエキシビジョンを,国際線ターミナル4F TIAT SKY HALLにて実施します。
絶え間なく人や文化が往来する空港で流れる「時の概念」は,自分自身のインナービジョンを感じるインスピレーションそのものといえます。本展示では,4つのデジタルアート作品を通して,「千秒の清寂という時空」の世界へいざないます。
*参考:和敬清寂…和〜お互い仲良くする / 敬〜お互い敬う / 清〜心を清らかにする /寂〜何時も動じない
文化庁では新事業「空港等におけるメディア芸術日本文化発信事業」のプロジェクトの一環として『メディア芸術×文化資源 分散型ミュージアム』を国内の国際空港10箇所程度で順次展開中です。
本プロジェクトでは,日本各地域の土壌が育んだ豊かな文化資源をアーティスト・クリエイターたちがその魅力を新たな視点で表現し,各地域の玄関口である空港等で展示致します。展示されたメディア芸術作品をきっかけに,訪日観光客を日本文化の新しい魅力に出会う旅へと促します。
【羽田空港における実施概要】
■作品1:《intangible film》解説
■テーマ:神域
■モチーフ:伏見稲荷大社・千本鳥居(京都府京都市)
国の重要文化財である伏見稲荷大社(京都府京都市)の境内にある千本鳥居。無数の鳥居が連なるように配置され,通路という機能を持った人工的な構造体であり空間でもある。 鳥居には,神域に入る印やゲートとしての役割がある。
なぜ人々は,ゲートを連ねたのか。千本鳥居を形成する各ゲートの間に焦点を当てたインスタレーション作品である。鑑賞者は,ヘッドフォンを装着して体験する。ゲートの内側と外側を定義づける実体の無い膜の内側には,無数のレーザー光によって形成された構造体が浮遊している。鑑賞者は,構造体の内側,外側の両方から,視覚的,聴覚的に構造体の振る舞いを捉えることができる。空間に浮遊する精霊のような実体の無い構造体は,泰然と鑑賞者と対峙し,包み込む。
■アーティスト:
藤元翔平
東京都を拠点に活動。岐阜県立国際情報科学芸術アカデミー(IAMAS)卒業後,多摩美術大学情報デザイン学科へ編入。テクノロジーを用いて,インスタレーションを展開。それらの構造や振る舞いを通して,生物と無生物の間について探求している。
國本怜
ニューヨーク出身。慶應義塾大学文学部美学美術史学科卒業。作曲家としての楽曲提供・演奏活動と並行し,国内外のインスタレーション作品において作曲・サウンドプログラミングを手がける。空間音響設計も含めた,あらたな音楽体験を創出する。
■作品2:《Fragments (Airport version) 》
■テーマ:日本中世文学 随筆
■モチーフ:方丈記・河合神社(京都府京都市)*
「ゆく河の流れは絶えずして,しかももとの水にあらず。よどみに浮ぶうたかたは,かつ消えかつ結びて,久しくとゞまりたるためしなし。世中(よのなか)にある人と栖(すみか)と,又かくのごとし・・・」書家の木下真理子が鴨長明の『方丈記』の一節を揮毫した書を現代美術の作品として変換し,映像作家の山本信一が時間軸を与え,さらに音楽家 Corey Fullerが゙『方丈記』の言葉を分解・再構築したサウンドによって構成された映像作品。また,鴨長明とゆかりの深い河合神社がインスピレーションスポットとなっている。木下真理子が書の活動でコンセプトにしている空や縁起の感覚,Corey Fullerが取り組んでいるアンビエントの織りなす豊かな静寂,山本信一が作品で目指している風景を眺めるときのメタ的な視点,それぞれのアーティストのもつ世界観を『方丈記』を交点にしてコラボレーション。常に“うつりかわるもの“を眺めながらも感じる”普遍的なもの“がテーマ。
*参考:河合神社…世界遺産である賀茂御祖神社(通称:下鴨神社)(京都府京都市)の摂社
■アーティスト:
山本信一
メディアアーティスト,映像作家,オムニバス・ジャパン エグゼクティブ・クリエイティブディレクター。
デジタル機材を使ったモーショングラフィック,タイトルバック,インスタレーションなど数多く手掛ける映像作家。企業のモーションロゴやブランディングビジュアルの演出を数多く手掛ける一方,アーティストとして科学データやフィロソフィの可視化,時間,空間などをテーマに既存の映像プラットフォームにこだわらない空間的な映像作品を発表している。構成主義デザインの延長で時間軸をデザインする一方,デスクトップから生まれる偶発的な結果を発展させる映像制作の手法も用い,ビデオアート,実験映像,メディアアート,クラブミュージック,エレクトロニカ,アンビエント,TVプログラム,コマーシャル,サイエンスビジュアライゼーション,イマーシブ,ジェネレイティブと横断している。日本科学未来館で行われたMUTEK.JPでプレミア公開したフルドーム作品《Noesis》は,カナダ,メキシコ,ベルギー,サウジアラビアなどでも公開された。
木下真理子
書家,兵庫県立大学 環境人間学部 非常勤講師。東アジアで古来受け継がれている伝統文化としての書を探求。専門は漢字(篆書,隷書,草書,行書,楷書を書き分ける)であるが,女性の感性を生かした漢字仮名交じりの書にも取り組んでいる。『第64回正倉院展』(2012年),映画『利休にたずねよ』(2013年),NHK『にっぽんプレミアム』(2015年)などに関わる題字を担当。メジャーリーグの開幕戦では5 万人の観衆の前で公開揮毫を行った。近年は書によるインスタレーション作品も手掛けている。また日本の伝統文化における様々なプロジェクトをコーディネイトし,エッセイも執筆。2020年前半は『日本書紀 完成1300年』記念式典での公開揮毫の実施や,有名洋酒メーカー関連の日本酒プロジェクト(主に海外展開)の題字が発表される。
Corey Fuller
アメリカ生まれ,日本育ち。現在,東京都在住。ミュージシャン,サウンドデザイナー,エンジニア,映像作家,写真家として幅広く活動中。2009年にファースト・ソロアルバム『Seas Between』(米Dragon's Eye)を発表して以来,ニューヨークの名門老舗レーベル12kよりソロ名義,ILLUHA名義,OHIO名義などでアルバムを数々リリース。ヨーロッパ,北米,日本を含め世界各国をツアーで周り,坂本龍一,Taylor Deupree, Stephan Mathieu などといった様々なアーティストとコラボレーションを積み重ね,作品を発表。 2019年2月に12kより新作ソロアルバム『Break』をリリース。Buckminster Fullerの親戚でもあるCorey Fullerは同様に幅広い分野でコラボレーションを展開し,アルバム作品以外にもパブリックアート作品,アンビエント作品(空間音楽)を数々発表している。「自然とテクノロジー」,「都会の中の静寂」などをテーマに,型にはめることなく活動の場を広げている。
■作品3:《Stillness》
■テーマ:禅 座禅 茶室
■モチーフ:京都建仁寺塔頭両足院(京都府京都市)
「禅」をテーマにした本作品は,京都 建仁寺塔頭 両足院 副住職伊藤東凌氏の協力の元,フォトグラメトリー技術により三次元化したデータを,最もミニマルな「点」のランドスケープと「うねり」のサウンドスケープにより「禅」の世界観の一端を描写。生成される映像は,展示空間の環境情報をリアルタイムに反映する,「環境と映像のインタラクション」により,風に揺れる庭園の葉のように,バーチャルなランドスケープと鑑賞環境との相互の関係性を体現。また,空間を構成するサウンドスケープは,左右に周波数の高低差から生まれる「うねり」や,倍音成分に着目することによって,音の隙間やそれぞれの重なりから聴こえてくる「新たな音」の存在に気付きを持たせる状況を構築。静寂のなかでしか見つけることができないもの,聞くことができないもの,伊藤東凌氏の禅の思想を通して,自己に没入するイマーシブな体験の一端をデジタルで表現。
■アーティスト:
THINK AND SENSE
多様化していく社会において テクノロジーをベースとした複合的なアプローチで枠組みの構築からソリューションの開発まで行い,社会実装を試みるテクノロジカル・クリエイティブファーム。
TETSUJI OHNO / Intercity-Express
音楽家・大野哲二によるサウンド/ビジュアルプロジェクト。1990年代半ばより東京都内を中心にDJとしてのキャリアを経た後,本格的に楽曲制作をスタートさせる。広告音楽の世界と並行して,2014 年頃からビジュアルプログラミングによって生成されたA/V作品となる《Triggering》を発表。音楽的な文脈としてハウス・テクノ・ノイズ・エレクトロニカを通過してきたサウンドと,直感的なジェネラティブデザインやカラーパターンを軸としたビジュアルがシンクロし,これまでヨーロッパなどを中心にライブを行う。主な出演として,「MUTEK(カナダ,メキシコ,バルセロナ,東京)」「Scopitone(フランス)」「HPL(ロシア)」などのアートフェスティバルでのパフォーマンスや 「Sunscape Festval(マルタ)」などの野外フェス,「FILE(ブラジル)」でのインスタレーション展示なども行う。
■作品4:《Moment in Composition》
■テーマ:伝承・紋・円,自然の美
■モチーフ:日本橋(東京都中央区),麒麟紋章の円で描かれた調和のとれた美しさと自然が描く輪郭
メディアアーティスト瀬賀誠一が,紋章上繪師である波戸場承龍・耀次の江戸時代から続く正円を組み合わせてデザインする紋章上繪の技法をデジタルに応用し,東京日本橋の吉兆や繁栄を現す神獣「翼のある麒麟の像」を表現した作品*にインスピレーションを受け,さらに美しさの“構成の瞬間”にサウンドアーティストKyokaによるアンビエントサウンドをリンクさせ制作した映像作品。Kyokaのサウンドは,コンパスの正円が多様な角度を起点とした水面の波紋同様に,遠くへ遠くへと広がる様子を描いている。まるで,音が空間の中で,波紋や正円に沿って3D的に流れているかのような音像に仕上がっている。3D的な音像を作り上げるにあたって,Kyokaが長年のテーマとし研究してきた位相(Phase)を使ったアプローチが存分に発揮されている。大小様々な正円のシンプルで強力な組み合わせに自然の美と調和を見出だし,偶然性を象徴する波や地形などの風景に重ねたときに自然が描くパターンに数式が潜んでいる感覚を表現した作品。
*参考:麒麟の紋について
文化発祥の地といわれる日本橋で開催されている『NIHONBASHI MEGURU FES』で「重要文化財である日本橋にある麒麟の像」を紋に変換した『麒麟紋』が制作された。「翼がある麒麟」は,日本橋が日本の道路網の始点となる地点であり,そこから日本中に飛び立てるように,との意味が込められている。
■アーティスト:
瀬賀誠一<ビジュアル>
オムニバス・ジャパン クリエイティブテクノロジスト/メディアアーティスト。ジェネラティブ,物理シミュレーションを取り入れたハイエンドなCGを,フォトリアルとは違った抽象的なアプローチの表現として開発,採用した映像作品を多く手掛けている。近年はTVタイトルバック,企業ブランディングなどを演出。アーティストとして国内外でアート作品を発表,ライブパフォーマンスを行う。コンセプトとアルゴリズムを並列に行き来する制作手法で,全天球立体視,球体ディスプレイ,キューブディスプレイなど多様なデバイスでの映像演出も手掛ける。2017年に新宿クリエイターズ・フェスタにて概念的に変容していく地球を表現したパブリックアート《immense veins》を発表。また,同イベントで時間軸上に同時に存在する事象・現象をテーマにした空間インスタレーション《Extra Dimensions》を展開。「MUTEK.JP 2018」では抽象的・科学的概念の可視化をテーマにしたフルドーム立体視作品《Noesis》に参加。
Kyoka<オーディオ>
実験・電子音楽レーベルの世界最高峰の一つ「raster-noton」における,初の女性ソロアーティスト。現在は,Raster-Media(ケムニッツとベルリンに拠点を置くマルチメディア組織団体)所属。ベルリン~東京を拠点に,独特な音楽表現で世界を魅了する。アート,科学,物理などの全ジャンル,全世代の人々に向け,思いもよらないような多次元感覚を,周波数を使って表現しようとしているアーティスト。2007年より即興ライブアクトや作曲家としてロサンゼルスを拠点に活動。2008年-2010年は,1年ごとにドイツのレーベル「Onpa)))))」よりEP《ufunfunfufu》シリーズをリリース。2012年以来,2年ごとに《iSH》,《Is (Issuperpowered)》,《SH》の3作品をリリース。ライブパフォーマンスは国内外問わず高い評価を受けており,2016年,世界一のクラブと称される「ベルクハイン」のパフォーマンスにおいても,観客を熱狂の渦に巻き込みベストアクトと賞賛される。2017-2018年は,スペイン地方政府とEUの招聘によりアートテクノロジーセンターに長期滞在,インスタレーション制作に没頭した。Apple(世界),ABCマート,ORBIS化粧品他,企業CM音楽の制作も手がけている。
波戸場承龍<家紋>
紋章上繪師 京源三代目。1956年生まれ。家紋を着物に手描きで描き入れる職人「紋章上繪師」としての技術を継承する中で「家紋」を新しい形で表現したいという想いが強くなり,50歳を迎えた時から家紋のアート作品制作を開始する。家紋をデジタルの世界で表現した《MON-MANDALA》を生み出したことがきっかけとなり,デザインからアートまで家紋表現の幅が広がる。正円と直線のみで家紋を描き出す江戸の技とデジタルワークの両方の技術を兼ね備えた数少ない職人兼デザイナーとして活動は多岐に渡る。
NHK テレ『デザインあ「もん」』出演/紋制作。
波戸場耀次<家紋>
紋章上繪師。1983年生まれ。幼少期より父 承龍の仕事場で家紋に囲まれて育つ。2010年 工房「誂処 京源」の立ち上げを機にデザインの面白さに目覚め,独学でADOBE Illustrator/Photoshopの勉強を始める。デザインの宝庫である家紋が常に身近にある環境で育ったことと,8歳から始めた書道の技術やそれを通して培われたバランス感覚が,現在のデザインワークの礎となっている。父の元で紋章上繪の修行を積みながら,家紋の魅力を国内外に発信している。
■クリエイティブ・プロデュース:MUTEK.JP
2000年にカナダ・モントリオールでスタートした『MUTEK(ミューテック)』は,デジタル・クリエイティビティ,電子音楽,オーディオ・ビジュアルアートの創造性の開発,文化芸術に関わる才能豊かな人材の発掘・育成をサポートし,文化芸術活動の普及を目的とした国際的に名高い芸術文化活動を行う組織。常に新しいアイデアやコンテンツの創出支援をコンセプトに掲げ,自由で実験的な表現の場を提供するクリエイティブプラットフォームを構築し世界へ向けて発信し続けている。現在では,モントリオール,メキシコシティー,バルセロナ,ブエノスアイレス,サンフランシスコ,ドバイ,そして東京と世界7か国で開催される国際的な大きなフェスティバルへと成長と発展を続けている。MUTEK.JPは,2016年に唯一アジアの国としてMUTEK Japan Association を立ち上げ,国内のみならず,世界各国のデジタル・クリエイティビティの創造性の開発を促進し,参加者とアーティストが交流し,共創する創造的なコミュニティの場を創出する事を目的に掲げている。また,文化芸術に関わる才能豊かな人材の発掘・育成をサポートし,文化交流機関と連携,MUTEKのグローバルネットワークを活用することで,国際的な文化芸術を東京から世界に向け発信している。
羽田空港開催概要[詳細]
日時 :令和2年2月1日(土)~2月7日(金) 11:00~20:00
※最終入場は19:30まで
場所 :羽田空港(東京都大田区) 国際線ターミナル4F TIAT SKY HALL
入場料 :無料
アーティスト:藤元翔平,國本怜,山本信一,木下真理子,Corey Fuller,THINK AND SENSE
TETSUJI OHNO / Intercity-Expres,瀬賀誠一,Kyoka,波戸場承龍,波戸場耀次,
クリエイティブ・プロデュース:MUTEK.JP
共催 :東京国際空港ターミナル(株)
主催 :文化庁「令和元年度空港等におけるメディア芸術日本文化発信事業」
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このプレスリリースを配信した企業・団体
- 名称 メディア芸術×文化資源 分散型ミュージアム 事務局
- 所在地 東京都
- 業種 政府・官公庁
- URL https://jmadm.jp/
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