急性骨髄性白血病(AML)患者を対象に、ベネトクラクス/低用量シタラビン併用療法の第III相試験、最新結果

アッヴィ

2020年3月10日

アッヴィ合同会社

アッヴィ、初発の急性骨髄性白血病(AML)患者さんを対象に、ベネトクラクス/低用量シタラビン併用療法を評価する第III相試験の最新結果を発表

●主要評価項目の全生存期間(OS)について、統計的に有意な延長は認められず[ハザード比(HR):0.75、95%信頼区間(CI):0.52〜1.07、p=0.11]

●主要解析時点のOS中央値はベネトクラクス群で7.2カ月、対照群で4.1カ月

●ベネトクラクス/低用量シタラビン併用療法による臨床効果を示唆する結果

●AMLは最も悪性度が高く、治療が困難な血液がんの1つで、生存率は極めて低く、僅かな治療選択肢¹ ²

●今回の結果は、査読学術誌および医学学会で発表予定

●ベネトクラクス/アザシチジン併用療法を評価する第III相VIALE-A試験が進行中、現時点でベネトクラクスの適応症に変更はなし

イリノイ州ノースシカゴ、2020年2月28日(米国時間)―グローバルな研究開発型のバイオ医薬品企業であるアッヴィ(NYSE: ABBV)は、強力な化学療法が適応とならない急性骨髄性白血病(AML)患者さんを対象に、ベネトクラクス/低用量シタラビン(LDAC)併用療法とLDAC/プラセボを比較したVIALE-C(M16-043)試験について、計画されていた解析時点での主要評価項目である全生存期間(OS)が統計的に有意な延長を達成しなかったことを発表しました3

ベネトクラクス/LDAC群では、LDAC/プラセボ群と比較して、死亡リスクが25%減少しました[ハザード比(HR):0.75、95%信頼区間(CI):0.52〜1.07、p=0.11]。またOS中央値は、ベネトクラクス/LDAC群の7.2カ月に対し、LDAC/プラセボ群では4.1カ月でした。6カ月間の追加追跡調査期間後に実施した事後解析によるOS中央値は、ベネトクラクス/LDAC群で8.4カ月、LDAC/プラセボ群で4.1カ月の延長が認められました(HR:0.70、95% CI:0.50〜0.99)3。 重要な副次評価項目の結果は、下表のとおりです。

ベネトクラクス/LDAC群の安全性プロファイルは、本併用療法に関する米国食品医薬品局(FDA)による承認の根拠となった第I/II相試験で報告された安全性の結果と一致していました。現時点でベネトクラクスの適応症に変更はありません。

アッヴィの最高医学責任者兼研究開発担当バイスプレジデントのネイル・ギャラガー医学博士(M.D.、Ph.D.)は次のように述べています。「我々はAML患者さん、そしてAMLおよびその他の血液がんの研究に貢献できるよう、引き続き尽力してまいります。今回の結果では統計的な有意差は認められませんでしたが、ベネトクラクス/低用量シタラビン併用療法の臨床効果は示されました」

VIALE-C試験は、強力な化学療法が適応とならない初発のAML患者さんを対象にベネトクラクス/LDAC併用療法とLDAC単独療法を比較評価した試験です。計画されていた主要解析終了時における両群の追跡調査期間中央値は12カ月でした。主要解析で評価した重要な副次評価項目は寛解率、輸血非依存および無イベント生存期間などでした。 AML患者さんを対象とした過去の試験と同様に、治験薬との因果関係にかかわらず最も多く報告された有害事象(AE)は下表の通り、血液学的事象でした。

AMLは最も治療が困難な血液がんのひとつで、骨髄内で発症し、血中および骨髄中に異常な白血球が増加する疾患です4。AMLは急速に悪化することが多く、強力な化学療法が適応とならない患者さんもいます。強力な治療法を使用できない主な要因は、年齢や併存疾患です5。5年以上生存する患者さんの割合は低く、約28%です6

2018年11月、アッヴィは米国において、第I/II相試験結果に基づき、75歳以上または強力な導入化学療法を選択できない併存疾患を有する初発のAML患者さんに対するアザシチジン、デシタビンまたはLDACとの併用療法として、ベネトクラクスの迅速承認を取得しました。本適応症の承認が継続されるかどうかは、現在進行中の治験における臨床的ベネフィットの検証と説明が条件となります。ベネトクラクスは、メキシコ、イスラエル、プエルトリコ、ペルー、ブラジル、ロシア、アルゼンチン、グアテマラ、ウルグアイ、レバノン、バーレーン、カザフスタン、パナマ、サウジアラビア、台湾、オーストラリアおよびアラブ首長国連邦でも承認されています。VIALE-C試験の結果はFDAおよびその他の規制当局に提出済みで、AbbVieは適切な管理のもとで使用される治療選択肢として、ベネトクラクスをAML患者さんに引き続き提供できるよう、各国の規制当局との協力を継続していきます。

アッヴィはAMLに関する強固な臨床研究プログラムを推進しており、AMLに対するベネトクラクスおよびその他の治験薬の可能性を探究し続けています。進行中の複数の試験のひとつに、強力な化学療法が適応とならない初発のAML患者さんを対象にベネトクラクス/アザシチジン併用療法とアザシチジン/プラセボを比較する第III相試験(VIALE-A試験)があります。

ベネトクラクスは、アッヴィとロシュ社が開発を行っています。米国ではアッヴィとロシュグループの一員であるジェネンテック社が共同販売しており、米国以外ではアッヴィが販売しています。

VIALE-C(M16-043)第III相試験について

無作為化二重盲検プラセボ対照第III相VIALE-C試験には、計211名の治療歴のないAML患者さんが組み入れられ、そのうち210名に治験薬が投与されました。本試験では、ベネトクラクス/低用量シタラビン(LDAC)併用療法群(N=143)の有効性と安全性をプラセボ/LDAC群(N=68)と比較評価しました。主要評価項目として、ベネトクラクス/LDAC群とLDAC単独療法群との全生存期間(OS)を比較しました3

ベネトクラクスについて

ベネトクラクスはB細胞リンパ腫2(BCL-2)タンパク質に対し、選択的に結合および阻害するファーストインクラスの薬剤です。いくつかの血液がんでは、BCL-2がアポトーシスと呼ばれるがん細胞の自然死または自己破壊の過程を阻止します。ベネトクラクスは、BCL-2タンパク質を標的とし、がん細胞で失われたアポトーシスの過程を回復させる作用があります。

ベネトクラクスは、米国を含め50を超える国で承認されています。アッヴィとロシュ社は現在、治療を必要とする、さらに多くの適格な患者さんにベネトクラクスを提供するため世界中の規制当局と協力しています。

ベネトクラクスの使用および米国における重要な安全性情報7

使用

ベネトクラクスは、以下を適応として使用する処方薬です。

• 成人の慢性リンパ性白血病(CLL)患者さんまたは小リンパ球性リンパ腫(SLL)患者さん

• 以下に該当する初発の急性骨髄性白血病(AML)成人患者さんに対するアザシチジン、

デシタビンまたは低用量シタラビンとの併用療法

o 75歳以上、または

o AML以外に、標準的な化学療法を使用できないような医学的状態にあること

ベネトクラクスは奏効率に基づき承認されました。本適応症の承認が継続されるかどうかは、ベネトクラクスの長期投与時の有効性と安全性を検討する現在実施中の試験結果によって決まる可能性があります。

ベネトクラクスの小児に対する安全性および有効性は明らかになっていません。

重要な安全性情報

ベネトクラクスについて認識しておくべき最も重要な情報とはどのようなものでしょうか。

ベネトクラクスは重篤な副作用を引き起こす可能性があります。以下に例を示します。

腫瘍崩壊症候群(TLS):TLSはがん細胞が短時間に崩壊することにより起こります。TLSは腎不全を引き起こし、透析治療が必要となる可能性があるほか、死に至ることもあります。担当の医療従事者は、ベネトクラクスの投与開始前に検査を行い、TLSになるリスクがあるかを調べます。TLSになるリスクを低減させるため、ベネトクラクスの投与開始前と投与中に他の薬剤が投与されます。補液の静脈内(IV)投与が必要になることもあります。TLSの有無を調べるため、担当の医療従事者はベネトクラクスの投与開始時と投与中に血液検査を行います。

予約したとおりに血液検査を受けることが重要です。ベネトクラクス投与中に、発熱、悪寒、悪心、嘔吐、錯乱、息切れ、痙攣発作、不整脈、暗色尿、混濁尿、異常な疲労、筋肉痛、関節痛など、TLSの症状が現れた場合は、すぐに担当の医療従事者に伝えてください。

TLSになるリスクを低減させるため、ベネトクラクスの投与時は水分を多くとってください。ベネトクラクス初回投与の2日前から毎日コップ6~8杯(合計で約56オンス)の水を飲み始め、ベネトクラクス初回投与当日や用量が増量されたときも毎回飲んでください。

副作用が認められた場合、担当の医療従事者はベネトクラクスの投与を延期したり、用量を減らしたり、投与を中止したりすることがあります。

ベネトクラクスを服用すべきでないのは、どのような患者さんですか。

ベネトクラクスの服用を開始し、徐々に増量している間はTLSが増えるリスクがあるため、特定の薬剤を服用しないでください。

• 処方薬、市販薬、ビタミン剤、ハーブサプリメントなど、服用している薬剤をすべて担当の医療従事者に伝えてください。ベネトクラクスと他剤が互いに影響し合い、重篤な副作用を引き起こすおそれがあります。

• 担当の医療従事者に相談することなく、ベネトクラクス投与中に新たな薬剤の服用を開始しないでください。

ベネトクラクスを服用する前に、あなたの医学的情報をすべて担当の医療従事者に伝えてください。例えば、次のような場合です。

• 腎障害がある。

• 塩分または電解質(カリウム、リン、カルシウムなど)に問題がある。

• 血中の尿酸値が高かったことがある、または痛風の既往歴がある。

•  ワクチン接種を予定している。ベネトクラクスの投与前、投与中または投与後は担当の医療従事者が接種を認めるまで「生ワクチン」は接種しないでください。予防接種またはワクチンの種類について不確かな場合は、担当の医療従事者にお尋ねください。ベネトクラクス投与中は、このようなワクチンを安全に接種できない、または接種しても効果が得られないことがあります。

• 妊娠している、または妊娠を計画している。ベネトクラクスは胎児に害を及ぼすおそれがあります。妊娠可能な場合、担当の医療従事者はベネトクラクス投与開始前に妊娠検査を行います。ベネトクラクス投与期間中と最終投与後30日間、効果的な避妊を行ってください。妊娠した、または妊娠したと思われる場合は、すぐに担当の医療従事者に伝えてください。

• 授乳中または授乳を計画している。ベネトクラクスが母乳に移行するかどうかは不明です。ベネトクラクス投与期間中は授乳しないでください。

ベネトクラクス服用中は、どのようなことを避けるべきですか。

ベネトクラクスを服用している間は、グレープフルーツジュースを飲まないでください。また、グレープフルーツ、セビリヤオレンジ(マーマレードに使用されることが多い)またはスターフルーツを食べないでください。これらの製品や産物は血中のベネトクラクスの量を増加させる可能性があります。

ベネトクラクスの副作用は、どのようなものですか。

ベネトクラクスは重篤な副作用を引き起こすおそれがあります。例えば、次のような副作用です。

• 白血球数低値(好中球減少症):白血球数低値はベネトクラクスでよくみられますが、重度になることもあります。担当の医療従事者は、血球数を調べるためベネトクラクス投与期間中に血液検査を行います。

• 感染症:ベネトクラクス投与期間中に死亡に至った例や肺炎や血液感染(敗血症)などの重篤な感染症が報告されています。担当の医療従事者が綿密な観察を行い、ベネトクラクス投与期間中に発熱などの感染の徴候が認められた場合は直ちに治療を行います。

ベネトクラクスを服用している間に発熱や感染症の徴候がみられる場合は、すぐに担当の医療従事者に伝えてください。

CLL患者さんまたはSLL患者さんにベネトクラクスをオビヌツズマブまたはリツキシマブ(遺伝子組換え)と併用したとき、もしくは単剤で投与したときの主な副作用は、白血球数低値、血小板数低値、赤血球数低値、下痢、悪心、上気道感染、咳嗽、筋肉痛、関節痛、疲労、腕、脚、手および足の腫脹などです。

AML患者さんにベネトクラクスとアザシチジン、デシタビンまたは低用量シタラビンをそれぞれ併用したときの主な副作用は、白血球数低値、悪心、下痢、血小板数低値、便秘、白血球数低値を伴う発熱、赤血球数低値、血液の感染、発疹、浮動性めまい、低血圧、発熱、腕、脚、手および足の腫脹、嘔吐、疲労、息切れ、出血、肺の感染、胃(腹部)の痛み、筋肉または背部の痛み、咳嗽、ならびに咽喉痛などです。

ベネトクラクスにより、男性の受精能に問題が生じることがあります。子どもをもうける能力に影響を及ぼす可能性があります。受精能について心配な場合は、担当の医療従事者にご相談ください。

上記は、ベネトクラクスによって生じる可能性がある副作用をすべて示したものではありません。詳細については、担当の医療従事者か薬剤師にお尋ねください。

処方薬の副作用をFDAに報告することが推奨されています。ウェブサイトhttp://www.fda.gov/medwatchにアクセスするか、1-800-FDA-1088に電話してください。

薬剤の購入が経済的に難しい場合は、www.medicineassistancetool.orgに問い合わせて支援を受けてください。

米国でのベネトクラクスの処方情報(投薬ガイドを含む)の全文はこちらでご確認いただけます。

世界各国で処方情報はさまざまです。完全な情報は各国の添付文書を参照してください。

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