電通、新型コロナウイルス日米定点生活者意識調査第2回目を実施
ネガティブ意識は回復傾向も日常生活に戻るには「ワクチン開発」必要。日本「収束時期」、米国「景気」懸念
2020年5月26日
株式会社 電通
株式会社電通(本社:東京都港区、社長:五十嵐 博)は、2020年5月中旬、全国20〜69歳の男女1,000名を対象に「COVID-19生活者意識ナビゲーター(第2回日米比較編)」を実施しました。
本調査は、(株)電通グループの海外連結子会社で米国事業を統括するDentsu Aegis Network US Holdings, Inc.が米国において、新型コロナウイルスによる生活者意識の変化を今年3月下旬から4月下旬にかけて5回にわたり調査したものと同じ内容を日本国内でも調査したもので、前回の4月下旬に引き続き、日本での第2回目の調査を5月中旬に行いました。
今後も、日本では隔週で6月末まで定期的に調査を実施し、その結果を随時お知らせしてまいります。(次回調査は5月下旬に実施し、6月上旬の発表を予定)
<主なファインディングス>
1.生活者の心理について、日本は「順応・適応」以降の段階への移行が23ポイント増えて 42%に。米国の49%に比べて低いものの、前回よりも「順応・適応」に向かっている。
2.生活者のネガティブに振れた感情が正常に戻りつつあり、「周囲への感謝」「自分のペースが保てている」は米国よりも高い。一方でストレスは、前回に引き続き高い。
3.気になっていることは「収束時期」が引き続き首位。前回に比べ「医療崩壊」「家族や友人の新型ウイルス感染」などが減少し、相対的に「日本の景気」への懸念が2位に浮上。
4.不安や不自由なく日常生活に戻るのに必要なものは、日米ともに「ワクチンが開発され 利用可能になること」がトップ。日本では82%、米国では56%を占める。
<詳細結果>
生活者の心理を5つのステージで調査。日本でステージ3以降が23ポイント増え 42%に。米国の49%よりも低いものの、「順応・適応」に向かっている。
・新型コロナウイルスの影響下における生活者の心理変容を5つのステージで捉えて傾向を把握。今回も前回に続いて第2ステージ「変化への対応」が44%と最も高いものの、前回より11ポイント減少。ステージ3「順応・適応」が28%、ステージ4「収束の兆し」が11%とそれぞれ 10ポイント以上増加した。
・米国においてもステージ3「順応・適応」以降へ移行する人が前回より3ポイント増加。
(図表1)生活者の心理ステージ
質問:新型コロナウイルスの感染拡大のような公衆衛生上の危機に面した時、人々の気持ちの変化にはいくつかの 「ステージ」があると言われています。今回の新型コロナウイルスの感染拡大があなたの日常生活にどのような影響を与えたかを考えていただき、現在のあなたの状況に最も当てはまるものを1つお選びください。
出典:社会心理学の「キューブラ=ロスモデル」から着想を得て、COVID-19での心理変容に置き換えて定義。ステージ文言などは電通オリジナルで作成。
2.生活者の感情もネガティブに振れた感情が正常に戻りつつあり、「周囲への感謝」「自分のペースを保てている」は米国よりも高い。一方でストレスは、前回に引き続き高い。
・日本は「ストレスを感じる」が最多。前回日米差が大きかった「悲観的」や「無力感」は、今回大幅に改善し、米国に近い水準に。
・ネガティブな項目(図表内左側)のうち、今回の日本よりも米国で強いのは「孤独」「周囲への怒りを感じる」「状況に圧倒される」の3項目となった。
(図表2)生活者の感情
質問:新型コロナウイルスが拡がりを見せる中であなたが感じているものを、それぞれお選びください。
※「状況に圧倒されている/自分のペースを保てている」は第2回、「周囲への怒り/感謝の気持ち」は第3回から聴取
3.気になっていることは「収束時期」が引き続き首位だが、前回に比べ「医療崩壊」「家族や友人の新型ウイルス感染」などが 減少。相対的に 「日本の景気」への懸念が 2 位に浮上。
・日本では前回上位に挙がったほぼすべての項目でスコアが低下。特に減少幅が大きかったのは「医療崩壊」(-19ポイント)「家族や友人の新型ウイルス感染」「自分の心身の健康」「医療機関の対応」(各-13ポイント)。相対的に「日本の景気」が懸念事項の2位に浮上した。
・米国においては「米国の景気」が47%と最も高く、次いで「家族や友人の新型コロナウイルス感染」となっている。
(図表3)生活者の懸念事項
質問:現在、気になっていることは何ですか。該当するものをすべてお選びください。
4.日米共に上位3つは「ワクチンが開発され、利用可能になること」「感染者数が減ること」「新規の感染者が出なくなること」。
・特に日本は「ワクチンが開発され、利用可能になること」が26ポイント、「新規の感染者が出なくなること」が18ポイント、それぞれ米国よりも高くなった。
・米国は「WHOや国の研究機関等が、規制・自粛を緩和しても安全であると確認すること」が42%と日本の26%よりも16ポイント高い結果となり、公的機関の判断を頼る傾向が伺えた。
(図表4)不安や不自由なく日常生活に戻るのに必要なもの
質問:不安や不自由を感じることなく通常の生活に戻るためには、何が必要だと思いますか。あてはまるものを全てお選びください。
<日本での調査概要>
タイトル: COVID-19生活者意識ナビゲーター
調査手法: インターネット調査
調査時期: 第1回 2020年4月23~24日、第2回 2020年5月11~13日
エリア : 全国
対象者 : 全国20~69歳の男女1,000名
調査内容: 新型コロナウイルス感染症に対する心理ステージ、生活行動、企業への期待など
調査実施: 株式会社電通
<米国での調査概要>
タイトル: COVID Crisis Navigator
調査手法: インターネット調査
調査時期: 第1回:2020年3月27~29日、第2回:2020年4月3~4日、
第3回:2020年4月9~12日、 第4回:2020年4月17~18日
第5回:2020年4月24日
エリア : 全米
対象者 : 全米18~64歳の男女1,000名
調査内容: 新型コロナウイルス感染症に対する心理ステージ、生活行動、企業への期待など
調査実施: Dentsu Aegis Network US Holdings, Inc.
<参考:米国と日本における新型コロナウイルス関連トピックと調査実施タイミング>
【米国】
第1回:アメリカにおける感染者数が世界最多を記録した直後に実施
→まだ生活者意識はそこまで深刻化していない
第2回:失業保険申請数が増加するなど景気経済への影響が顕在化してきた中での実施
→特に生活者意識がネガティブに
第3回:新規感染者数や死者数が継続して高く推移している中での実施
第4回:事態が長期化している中での実施
→経済、支出に関する項目がマイナスに触れるが、徐々に意識は回復
第5回:一部の州での経済活動の再開などが報じられ始めたタイミングで実施
→経済活動再開に前向きな層と、懸念する層に二極化
【日本】
第1回:緊急事態宣言が対象地域を全国に拡大(4/16)して1週間が経過した中での実施
第2回:ゴールデンウィーク / ステイホーム週間が明け、感染者数が3月末以降初めて 100人を下回ったタイミングで実施
<参考:その他の主なファインディングス>
(ア)企業・団体等への取り組み評価
・「期待を大きく上回っている」は数%にとどまるものの、「期待に応えきれていない」は前回よりも多くの項目で減少。特に「国民・市民」では23ポイントの減少がみられる。そのほか、店舗・IT企業・メーカーなどに対する評価も改善。
(図表5)コロナ禍における企業・団体等の対応に対する生活者の評価
質問:新型コロナウイルスが問題になって以降、以下の企業や行政、自治体等はあなたの期待に応える働きをしていると 思いますか。それぞれあてはまるものをお選びください。
(イ)企業に期待すること
・日米ともに、「必要としている人々へ商品やサービスを寄付する」企業に対しては興味関心が高まると回答した人が最多で、日本は64%、米国は51%の結果に。
・一方で「通常と変わらぬ広告・活動をする」「(新型コロナに)特に何も言及せず営業活動を自粛する」企業に対して興味関心が減るという割合が他の項目よりも高い。
(図表6)企業や団体の対応に対する評価
質問:もし企業が以下のようなことを行ったとしたら、その企業への興味関心はどのように変化すると思いますか。
(ウ)カテゴリー支出予定
・全体的に購入意向は継続して低い。
・一方で、最も低い支出予定の「外食」で前回より21ポイント増、「外出先でのエンターテインメント」「旅行」も10ポイント以上の増加がみられた。
(図表7)今後2週間におけるカテゴリーごとの支出
質問:今後2週間、以下のカテゴリーに関するあなたの支出は、普段と比べてどうなると思いますか。
(エ)収束時期
・日本では前回と同様、46%が通常の生活に戻れるのは「年末年始~来年以降」と考えている。
・米国では前回よりも「年末年始~来年以降」の割合が増加しているものの、49%が「7月上旬頃」には通常の生活に戻れると考えている。
(図表8)通常の生活に戻れると思う時期
質問:新型コロナウイルスが落ち着き、通常の生活に戻るのはいつ頃だと思いますか。以下の選択肢からお選びください。
以上
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このプレスリリースを配信した企業・団体
- 名称 株式会社電通
- 所在地 東京都
- 業種 広告・広報
- URL http://www.dentsu.co.jp/
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