電通、FIFAワールドカップ2026 日本代表戦の生活者行動を統合分析

「一人静かな朝の熱狂」から「深夜のリカバリー観戦」まで、観戦・生活時間設計の実態

電通

2026年8月13日

株式会社 電 通

 株式会社電通(本社:東京都港区、代表取締役 社長執行役員:松本 千里)は、米国・カナダ・メキシコの3か国共催・48チームが参加し史上最大規模の大会となった「FIFAワールドカップ2026」の日本代表戦4試合を対象に、生活者の視聴実態(独自の約1万人規模のアスキング調査)、スマホの利用、購買、テレビ視聴に関するデータなどを統合的に分析しました。

 当社は、サッカーの熱狂と感動を日本全体で共有することを目指して、今大会においても国内放送権を取得し、開催地と日本との時差が大きい中でも、生活者が自身に合ったスタイルで試合を楽しめる視聴環境の実現に取り組んできました※1。分析の結果、深夜・早朝から休日の昼間、通勤時間帯まで多様なキックオフ時間となった日本代表戦では、生活者が日常生活との両立を図りながら、視聴方法や購買、移動などを状況に応じて選択し、それぞれの生活に観戦を組み込んでいた実態が見えてきました。


■調査結果のハイライト

1.テレビ、配信、自宅外――広がる日本代表戦の観戦機会

ビデオリサーチ社の推計によるリアルタイムのテレビ視聴者(到達人数)は4試合計6849.3万人となりました。また、DAZN社発表のDAZN視聴者は約1,100万人にのぼりました。さらに、追加で行った当社独自のアスキング調査によると、「バーなどの飲食店、パブリックビューイング、友人・知人宅、職場」など自宅外で試合を視聴していた約370.9万人※2の観戦者が存在すると推計されます。観戦場所は多岐にわたり、観戦スタイルの多様化がうかがえます。

2.キックオフの時間帯で変わる「4つの観戦スタイル」

生活者は単に時間を合わせるだけでなく、観戦に伴う食や移動、働き方を自らデザインしていました。

観戦パターン 該当試合 生活者の観戦スタイル 象徴的な行動・購買データ

①生活始動型

オランダ戦

6/15月曜 早朝5時

一日の始まりに

「一人静かな熱狂」を組み込む

・DAZN起動UU※3数 前週同時間帯比38.7倍

・朝の目覚ましや短時間の気分転換の購買

②劇場型

チュニジア戦

6/21日曜 昼13時

リビングをスタジアム化し、

家族・仲間と盛り上がる

・デリバリーアプリ利用 1.4倍

・自宅観戦を楽しむ購買

③生活両立型

スウェーデン戦

6/26金曜 朝8時

移動や仕事と両立し、

日常を止めずに追いかける

・8時台にDAZN時間帯別 起動UU数が4試合中最大

・関東主要路線利用10〜20%減

・インスタント系の購買

④リカバリー型

ブラジル戦

6/30火曜 深夜2時

葛藤の中で没入し、

翌日の回復まで計算する

・通信アプリ起動数 前週比176.7%

・リカバリー系の購買

■調査概要

項目 内容
対象

FIFAワールドカップ2026 日本代表戦4試合(対オランダ/チュニジア/スウェーデン/ブラジル)

テレビ視聴

ビデオリサーチ社

NHK総合/BS、日本テレビ系列、フジテレビ系列で放送された、日本戦全4試合の日本全国(32地区)におけるリアルタイムでの平均視聴人数・到達人数※4

テレビ実視聴データ「STADIA360」※5

「STADIA360」とは、国内で1560万台におよぶコネクテッドTV(インターネット回線に接続されたテレビ端末)において、ユーザーの同意許諾を得たテレビメーカー由来の視聴データに基づいた、デジタル広告の配信・効果検証が可能な統合マーケティングプラットフォーム。

視聴実態

独自のアスキング調査

対象エリア・対象者:全国の男女15~69歳

サンプル数:9,692※6

調査手法・期間:インターネット調査、2026年7月10日~7月13日

調査委託先:株式会社ビデオリサーチ/Resolving LAB株式会社

行動

NTTドコモ社のデータを基盤としたデータクリーンルーム「docomo data square」※7

位置情報・アプリ利用・キャッシュレス決済などの行動ログデータ

購買

外部機関の消費者購買パネルデータ

全国(7万人規模)のうち、京浜・関東・東海・京阪神エリア居住者で集計

データ期間:2026年4月20日~7月5日(積上)

集計単位:購入品目(一定以上の購買人数がいる品目に絞って分析)

集計指標:購入者数(各試合の前7週・同曜日における平均購買人数比を利用)

 

■パターン別分析詳細

①【月曜・早朝5時】生活始動型(オランダ戦)

「出社前に勝負を見届けたい。冷たいアイスで頭と目を覚ます朝観戦」

大会初戦となった月曜朝5時のオランダ戦では、出社・登校前の限られた時間で観戦するため、スマホでの手軽な視聴が急増。docomo data squareデータ※7によると、当日のDAZN起動UU数は前週比約38.7倍となりました。

購買面では、朝の目覚ましや短時間での気分転換を狙い、みぞれアイス(127.5%)やコーンチップスナック(119.0%)などの軽食が伸長。出勤前の「一人の静かな熱狂」を通常の生活リズムに組み込む姿が見られました。

②【日曜・昼13時】劇場型(チュニジア戦)

「休日のリビングがスタジアムに。家族や仲間と乾杯する週末イベント」

日曜昼のチュニジア戦では、家族や友人が自宅に集まり、にぎやかに観戦する“共視聴”のスタイルが定着。テーマパークや商業施設の人流が同時間帯の前週比で約14%減少した一方、自宅での消費が大きく伸長しました。

発泡酒(132.1%)やポップコーン(146.0%)などが伸長。デリバリーアプリ利用(前週比最大1.4倍)が大きく伸び、STADIA360データに拠ると120分以上視聴率も4試合中トップを記録。自宅をパブリックビューイング会場のように仕立てて楽しむ姿が多く見られました。

③【平日・朝8時】生活両立型(スウェーデン戦)

「仕事は休めない、でも見逃せない。時差出勤・スマホ視聴でのスマート観戦」

通勤ラッシュと重なる平日朝8時のスウェーデン戦では、生活者の自律的な調整力が発揮されました。関東主要路線の通勤通学時間帯の利用者が前週比10〜20%減少する一方、DAZNの8時台起動UU数は最大に。多くの人が在宅勤務や時差出勤、通勤しながらの手元観戦などを活用したことがうかがえます。

食生活も日常を壊さない配慮が働き、冷凍おにぎり(131.1%)やカップ麺類(129.5%)といった準備・後片付けのいらない「インスタント」な商品が選ばれました。

④【平日・深夜2時】リカバリー型(ブラジル戦)

「明日に響かせたくない、でも歴史的瞬間を見たい。自制と情熱のバランス」

平日・深夜2時という最もハードルが高かったブラジル戦。「最後まで応援したいが、翌日の仕事に影響が出ないようにしなければ」という葛藤の中で、生活者は知恵を絞りました。

試合前日に購入したノンアルコールチューハイ(119.7%)や高級ミニアイス(116.7%)で気分を高めつつアルコールを控え、SNSやコミュニケーションアプリで友人とやりとりしながら(通信・コミュニケーションアプリの起動数前週比176.7%)観戦。当日は身体をいたわるグラノーラ(155.1%)や栄養ドリンク(129.7%)などの栄養補給商品の購買が急増するなど、影響を最小限に抑える「リカバリー設計」を行った上で、深夜の熱狂に没入していました。

 

■まとめ:生活と観戦を両立させる「観戦・生活時間設計(Viewing Lifestyle Design)」

 今回の分析から見えてきたのは、生活者がサッカー日本代表戦を自らの生活リズムの中に積極的に組み込みながら観戦していた姿です。テレビとスマホを使い分け、出社時間を調整し、食の選び方まで工夫するなど、視聴方法だけでなく購買や移動も状況に応じて選択していました。こうした行動からは、「試合は見たい。でも、日常も大切にしたい」という両立への志向がうかがえます。生活者は、その時々の状況に応じて、観戦と日常生活のバランスを自ら選び取っていました。こうした一人一人の前向きな工夫の集積が、今回見えてきた「観戦・生活時間設計(Viewing Lifestyle Design)」の実態です。

 

■電通の提供価値・今後の展望

 電通は、多様なデータを活用し、視聴・行動・購買を横断して生活者のインサイトを読み解くケイパビリティを有しています。今後も放映権・スポンサーシップ・コンテンツマーケティングの各領域を支援し、スポーツコンテンツの価値最大化と、生活者起点のスポーツマーケティングの高度化に貢献してまいります。

 

※1 2025年12月4日ニュースリリース「電通、FIFAワールドカップ2026の国内における放送権を取得」

https://www.dentsu.co.jp/news/release/2025/1204-010980.html

※2 テレビ視聴ログ上の非視聴者に対し、自宅外での視聴実態をアスキング調査で捕捉し、4試合の重複を除いて算出した人数

※3 ユニークユーザー数(重複を除いたユーザー数)

※4 2026年6月30日 ビデオリサーチ社 ニュースリリース「FIFAワールドカップ2026北中米大会 日本戦全4試合 全国で推計6849.3万人が視聴」https://www.videor.co.jp/press/2026/260630.html

※5 2025年5月7日ニュースリリース「電通、テレビ実視聴データを用いた統合マーケティング基盤「STADIA」を「STADIA360」としてアップデート」https://www.dentsu.co.jp/news/release/2025/0507-010878.html

※6 人口構成に合わせてウェイトバック集計を実施し、算出に用いた数値はウェイトバック後のスコアを使用

※7 「docomo data square」https://ssw.web.docomo.ne.jp/marketing/products/data-square/

                                              以上

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