三井情報、核酸医薬の創薬を加速するAQXeNAの提供を開始
- 核酸解析プラットフォームによる解析作業の自動化で医薬評価を支援 -
2020年6月29日
三井情報株式会社
理化学研究所
東京都立大学
三井情報株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:小日山 功、以下 三井情報)は、核酸医薬品の創薬における探求・開発・品質管理作業を自動化する「核酸解析プラットフォーム AQXeNA(アクジーナ、以下 AQXeNA)」の提供を開始しました。AQXeNAは、理化学研究所(本部:埼玉県和光市、理事長:松本 紘)環境資源科学研究センター 中山 洋専任研究員らが開発した核酸同定アルゴリズム「Ariadne (アリアドネ)」と東京都立大学(所在地:東京都八王子市、学長:上野 淳)大学院理学研究科化学専攻の田岡 万悟准教授らの微量RNA解析等の特許、三井情報の脂質同定ソフトウェア「Lipid Search」の解析手法を組み合わせたソフトウェア群です。
近年、治療困難な疾患を対象とした次世代創薬の新たなモダリティとして、従来の医薬品とは異なる作用機序を持つ核酸医薬への期待が高まっています。しかし、核酸医薬の創薬研究や品質管理のために用いられるデータは膨大かつ複雑であり、その分析や各種評価は、研究者の多大な手間と労力を必要とするものでした。このような核酸医薬品の薬物動態評価や品質管理における核酸代謝物の同定・分析の膨大な解析作業を効率的かつ正確に行うために、三井情報はこれらの解析作業を自動化するAQXeNAを開発しました。
AQXeNAは、 LC-MS※1やLC-MS/MS※2から得たクロマトグラムおよびスペクトルデータを用いて核酸代謝物の同定・分析等の解析をするプラットフォームであり、以下の機能を提供します。
1)容易にカスタマイズ可能な天然・人工核酸構造ライブラリ:ヌクレオシド、リンカー、5′/3′末端修飾基、MS/MSでの脱離フラグメントを定義可能。
2)ユーザーフレンドリーな核酸配列編集機能:解析対象の核酸配列を核酸構造ライブラリを用いて自由に作成・登録。制限酵素処理や代謝による切断にも対応。
3)全自動化された一連の同定・分析:同位体クラスターパターンからクロマトグラムより波形分離してピークを自動抽出、同定・定量分析を自動実行。
4)「Ariadne」による正確なフラグメントイオン同定:理化学研究所らが開発した世界初の核酸フラグメント同定アルゴリズム「Ariadne」を搭載。
5)同定結果を対象にした、レポート作成に役立つ詳細な分析機能:多価イオンデコンボリューションやTreat/Control群間比較などの詳細分析を提供。
AQXeNAは、多様な天然/人工核酸からなる核酸配列の扱いが可能であり、薬物動態評価等を支援する未変化体・代謝物の同定や分析といった時間のかかる一連の解析を自動で実行します。AQXeNAによってマニュアルでの作業に奪われていた手間と時間は大幅に削減され、研究者が知的作業に集中できるだけでなく、人的な見落としの防止による解析結果の正確性と信頼性の向上にも期待できます。AQXeNAは創薬や医薬品の生産のみならず、現在の新型ウイルスの流行に伴い全世界より期待と注目を集めているウイルス感染予防のためのRNAワクチンやDNAワクチンの研究開発、あるいは調味料や化粧品、工業製品等における核酸様物質の分析などにも幅広く利用可能です。
今回、三井情報・理化学研究所・東京都立大学の三者は、約半世紀にわたりバイオインフォマティクス分野で貢献してきた三井情報のIT技術を駆使することで、理化学研究所及び東京都立大学の研究成果を、世界で広く利活用され得る形で社会実装するに至りました。今後も産学連携を推進し、バイオサイエンス、創薬、およびヘルスケア分野におけるIT利用促進を支援して、日本と世界における全人類の健康と発展に更なる寄与・貢献をして参ります。
※1 LC-MS:液体クロマトグラフィー質量分析法
※2 LC-MS/MS:液体クロマトグラフィータンデム型質量分析法
【関連ページ】
製品ページ: https://www.mki.co.jp/solution/bio.html?tab=3
【三井情報株式会社について】
三井情報株式会社(MKI)はキャッチコピー『ナレッジでつなぐ、未来をつくる』を掲げ、ICTを基軸とした事業戦略パートナーとしてお客様のIT戦略を共に創り、デジタルトランスフォーメーションを支援しています。半世紀にわたり培った技術や知見の結実である“KNOWLEDGE”を活かし、お客様と共に価値を創造する「価値創造企業」として絶え間ない挑戦を続けていきます。
ホームページ: https://www.mki.co.jp/
【理化学研究所について】
理化学研究所(りかがくけんきゅうしょ、英語名:RIKEN)は、日本で唯一の自然科学の総合研究所として、物理学、工学、化学、数理・情報科学、計算科学、生物学、医科学などに及ぶ広い分野で研究を進めています。
当研究所は、1917年(大正6年)に財団法人として創設されました。戦後、株式会社科学研究所、特殊法人時代を経て、2003年(平成15年)10月に文部科学省所轄の独立行政法人理化学研究所として再発足し、2015年(平成27年)4月には国立研究開発法人理化学研究所になりました。
研究成果を社会に普及させるため、大学や企業との連携による共同研究、受託研究等を実施しているほか、知的財産等の産業界への技術移転を積極的に進めています。
ホームページ: https://www.riken.jp/
【東京都立大学について】
東京都立大学は、7学部を擁する公立総合大学です。「大都市における人間社会の理想像を追求」を大学の使命とし、社会の変容に応じて活躍できる人材を輩出するとともに、多彩な基礎研究や応用研究、大都市課題研究を推進することで、東京都の発展に貢献し、ひいては世界の未来を拓いていきます。
ホームページ: https://www.tmu.ac.jp/
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三井情報株式会社
バイオサイエンス部 バイオサイエンス室
TEL : 03-6376-1291 E-mail : bio-psg-pro-dg@mki.co.jp
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このプレスリリースを配信した企業・団体
- 名称 三井情報株式会社
- 所在地 東京都
- 業種 ソフトウエア・SI
- URL https://www.mki.co.jp/
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