電通、新型コロナウイルス日米定点生活者意識調査第5回目を実施
日米共に第二波に対する懸念が高く、日本では外出緩和が早すぎると感じる層が7割以上。
2020年7月15日
株式会社 電 通
株式会社電通(本社:東京都港区、社長:五十嵐 博)は、全国20〜69歳の男女1,000名を対象に「COVID-19生活者意識ナビゲーター(第5回日米比較編)」を6月下旬に実施しました。
本調査は、(株)電通グループの海外連結子会社で米国事業を統括するDentsu Aegis Network US Holdings, Inc.が米国において、新型コロナウイルスによる生活者意識の変化を今年3月下旬から6月にかけて8回にわたり調査したものと同じ内容を日本国内でも調査したものです。前回の6 月上旬に引き続き、日本での第5回目の調査を6月下旬(夜の繁華街での感染者が増加したり、職場でのクラスター感染増加が報じられていた時期)に行い、今回比較対象となった米国での第8回目は、6月上旬(人種差別への抗議運動が広がり、感染拡大が懸念される中でも多数の人がデモに参加をしていた時期)に実施しました。
今後も日本では隔週で7月中旬まで定期的に調査を実施し、その結果を随時お知らせしてまいります。(次回調査は7月中旬に実施し、7月下旬の発表を予定)
第5回調査の主なファインディングスは以下の通りです。なお、一部の調査項目は情勢を鑑みながら追加・変更を行っているため、設問によっては比較可能な項目がある週との比較を行っております。
<主なファインディングス>
1.生活者の心理について、米国ではステージ3「順応・適応」以降の割合が増加しているのに対して、日本は大きな差が見られず、ステージ2「変化への対応」にとどまる割合が高い。
2.日本において、生活者心理に大きな変化は見られないものの、「充実している」「自分のペースを保てている」など緩やかながらポジティブな感情へのシフトもみられる。
3.生活者の懸念事項は、前回に引き続き日米ともに「感染の第二波」が首位。ただ、時系列では日本で、「第二波」への懸念が高まる一方、米国は低下。日本の方が米国よりも15%高い結果に。
4.外出時に感じる危険性は、日本では「感染の第二波」への懸念の高まりを受け、79%が危険性を感じると回答。米国では、感染の危険を感じない人が56%に増加。
5.日本では、74%の回答者が「外出緩和の時期・ペースが早すぎる」と回答。
<詳細結果>
1.生活者の心理について、米国ではステージ3「順応・適応」以降の割合が増加しているのに対して、日本は大きな差が見られず、ステージ2「変化への対応」にとどまる割合が高い。
・新型コロナウイルスの影響下における生活者の心理変容を5つのステージで捉えて傾向を把握。
・日本はステージ1「混乱・動揺」の割合が前回から3ポイント低下したものの、ステージ3「順応・適応」以降の合計が2ポイント低下。ステージ2「変化への対応」の心理状態が最も高く4割を占める。
・米国は前回調査時と比べて「混乱・動揺」ステージが減少。ステージ3以降の割合も合計6ポイント増えて55%となり、日本を再び上回る水準まで回復した。
(図表1)生者の心理ステージ
※グラフは添付PDFを参照ください
質問:新型コロナウイルスの感染拡大のような公衆衛生上の危機に面した時、人々の気持ちの変化にはいくつかの 「ステージ」があると言われています。今回の新型コロナウイルスの感染拡大があなたの日常生活にどのような影響を与えたかを考えていただき、現在のあなたの状況に最も当てはまるものを1つお選びください。
出典:社会心理学の「キューブラ=ロスモデル」から着想を得て、COVID-19での心理変容に置き換えて定義。ステージ文言などは電通オリジナルで作成。
2. 日本において、生活者心理に大きな変化は見られないものの、「充実している」「自分の
ペースを保てている」など緩やかながらポジティブな感情へのシフトもみられる。
・生活者の感情として「ストレスを感じる」が引き続き最も高い結果になった。
・多くの項目は前回とほぼ同水準である一方、「充実している」が前回から14ポイント増加し、「自分のペースを保てている」も向上した。
(図表2)生活者の感情
※グラフは添付PDFを参照ください
質問:新型コロナウイルスが広がりを見せる中であなたが感じているものを、それぞれお選びください。
※「状況に圧倒されている/自分のペースを保てている」は第2回、「周囲への怒り/感謝の気持ち」は第3回から聴取
※今回、本設問は日本でのみ調査。
3. 生活者の懸念事項は、前回に引き続き日米ともに「感染の第二波」が首位。日本では、「第二波」への懸念が高まる一方、米国は低下。日本の方が米国よりも15%高い結果に。
・日米ともに、首位は「感染の第二波」、第2位は「自国(日本/米国)の景気」が高い。
・時系列では、日本は「感染の第二波」に対する懸念が4ポイント増加し63%になったのに対して、米国では5ポイント低下。
・米国は前回と比べて全般的に低下している項目が多い。
(図表3)生活者の懸念事項
※グラフは添付PDFを参照ください
質問:現在、気になっていることは何ですか。該当するものをすべてお選びください。
4.外出時に感じる危険性は、日本では「感染の第二波」への懸念の高まりを受け、79%が危険性を感じると回答。米国では、感染の危険を感じない人が56%まで増加
・日本では、前回調査(第4回)の78%とほぼ変わりなく今回も感染の危険を感じる人との回答が8割近くあった。米国では外出時の感染の危険性を感じる人は前回調査の48%から44%に低下。
(図表4)外出時に感じる危険性
※グラフは添付PDFを参照ください
質問:現在、外出する際、新型コロナウイルスの感染についてどの程度危険を感じますか。
5. 日本では、74%の回答者が「外出緩和の時期・ペースが早すぎる」と回答。
・感染の第二波への懸念の高さも影響しているのか、感染者の多い東京に限らず全国的に「外出緩和の時期・ペースについて早すぎる」との意識が高い。
(図表5)外出自粛緩和ペース
※グラフは添付PDFを参照ください
質問:緊急事態宣言の解除を受けて、各都道府県では外出自粛要請の緩和が続いていますが、あなたの考えにあてはまるものをお選びください。
<日本での調査概要>
タイトル: COVID-19生活者意識ナビゲーター
調査手法: インターネット調査
調査時期: 第1回:2020年4月23~24日、第2回:2020年5月11~13日、
第3回:2020年5月28~31日、第4回:2020年6月9~11日
第5回:2020年6月24~26日
エリア : 全国
対象者 : 全国20~69歳の男女1,000名
調査内容: 新型コロナウイルス感染症に対する心理ステージ、生活行動、企業への期待など
調査実施: 株式会社電通
<米国での調査概要>
タイトル: COVID Crisis Navigator
調査手法: インターネット調査
調査時期: 第1回:2020年3月27~29日、第2回:2020年4月3~4日、
第3回:2020年4月9~12日、 第4回:2020年4月17~18日
第5回:2020年4月24日、 第6回:2020年5月8日
第7回:2020年5月22日、 第8回:2020年6月5日
エリア : 全米
対象者 : 全米18~64歳の男女1,000名
調査内容: 新型コロナウイルス感染症に対する心理ステージ、生活行動、企業への期待など
調査実施: Dentsu Aegis Network US Holdings, Inc.
<参考:米国と日本における新型コロナウイルス関連トピックと調査実施タイミング>
【米国】
第1回:アメリカにおける感染者数が世界最多を記録した直後に実施
→まだ生活者意識はそこまで深刻化していない
第2回:失業保険申請数が増加するなど景気経済への影響が顕在化してきた中での実施
→特に生活者意識がネガティブに
第3回:新規感染者数や死者数が継続して高く推移している中での実施
第4回:事態が長期化している中での実施
→経済、支出に関する項目がマイナスに触れるが、徐々に意識は回復
第5回:一部の州での経済活動の再開などが報じられ始めたタイミングで実施
→経済活動再開に前向きな層と、懸念する層に二極化
第6回:多くの州で一部の経済活動を部分的に再開した中での実施
第7回:50の州全てで経済が再開。一方、失業率が高い水準のタイミングでの調査実施
第8回:人種差別への抗議運動が広がり、コロナでも多数がデモに集結していた中で実施
【日本】
第1回:緊急事態宣言が対象地域を全国に拡大(4/16)して1週間が経過した中での実施
第2回:ゴールデンウィーク / ステイホーム週間が明け、感染者数が3月末以降初めて100人を下回ったタイミングで実施
第3回:全国で緊急事態宣言が解除された数日後の調査実施
第4回:全国で緊急事態宣言が解除されてから2週間後。東京アラートが解除されるまでのタイミングで実施
第5回:都内ホストクラブでのクラスタ発生を中心に、感染者が再び増加してきたタイミングで実施
<参考:その他の主なファインディングス>
新型コロナウイルスに対する心配レベル
日本の感染拡大に対する心配は前回までは減少傾向にあったものの、前回70%と変わらず。米国とともに感染の心配も下がりにくい状況になりつつある。
(図表6)新型コロナウイルスに対する心配レベル※グラフは添付PDFを参照ください
質問:現在、あなたは 新型コロナウイルスの感染拡大に関してどの程度心配していますか?
(イ)人付き合いや人間関係
人付き合いや人間関係は友人以外は変わらないが7割前後。友人については3割強、離れて暮らす家族については2割強が疎遠になったと感じている一方、同居している家族については2割強が親密になったと感じている。
(図表7)人付き合いや人間関係の変化※グラフは添付PDFを参照ください
質問:コロナ禍をきっかけに、人付き合いや人間関係にどのような変化がありましたか?それぞれあてはまるものをお選びください。
(ウ)混雑や人数制限による利用意向
交通機関や施設などの利用意向について、「人数制限や混雑に関わらず、今は利用したくない」が、テーマパーク、飛行機、野球場、ジムなどで5割を超える。
「人数や混雑に関わらず、利用したい」はスーパー・職場・商業施設・公共交通機関を除き1割以下にとどまる。
(図表8)混雑や人数制限の利用意向への影響※グラフは添付PDFを参照ください
質問:以下の施設がコロナ対策を施していたとして、どの程度の密度(人数や混雑状況)だと利用したいと思いますか。それぞれあてはまるものをお選びください。
(エ)収束時期
日本では収束時期を「年末年始~来年以降」が57%で、前回より7ポイント増加。
米国でも「年末年始~来年以降」の割合が前回より7ポイント増えている。
(図表9)通常の生活に戻れると思う時期※グラフは添付PDFを参照ください
質問:新型コロナウイルスが落ち着き、通常の生活に戻るのはいつ頃だと思いますか。以下の選択肢からお選びください。
(オ)出来なくて恋しいこと
できなくて恋しいものは、「旅行」が47%でトップで、前回の4月末時点よりも5ポイント増加した。2位「友人や家族と一緒に出掛けること」、3位「レストランやバー等での外食」は前回よりもスコアがそれぞれ6ポイント、9ポイント低下した。
(図表10)できなくて恋しいこと※グラフは添付PDFを参照ください
質問:新型コロナウイルスへの警戒態勢が続く中で、できなくて恋しいと感じることは何ですか。以下の選択肢から最大3つ、お選びください。
以 上
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このプレスリリースを配信した企業・団体
- 名称 株式会社電通
- 所在地 東京都
- 業種 広告・広報
- URL http://www.dentsu.co.jp/
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