電通、新型コロナウイルス日米定点生活者意識調査第6回目を実施

日米共に心理ステージが後退。日本では夏休みの予定「特に予定していない」層が7割と「自粛の夏」の予想

電通

2020年7月29日

株式会社 電 通

 株式会社電通(本社:東京都港区、社長:五十嵐 博)は、2020年7月上旬、全国20〜69歳の男女1,000名を対象に「COVID-19生活者意識ナビゲーター(第6回日米比較編)」を実施しました。

 本調査は、(株)電通グループの海外連結子会社で米国事業を統括するDentsu Aegis Network US Holdings, Inc.が米国において、新型コロナウイルスによる生活者意識の変化を今年3月下旬から6月にかけて9回にわたり調査したものと同じ内容を日本国内でも調査したものです。前回の6 月下旬に引き続き、日本での第6回目の調査を7月上旬(東京都を中心に感染者数が大幅に増加し、都外への外出自粛が要請された時期)に行いました。今回比較対象となった米国の第9回目は6月中旬(複数の州で新規感染者数の最多記録が更新され、第二波への懸念が高まった時期)に行いました。

 

 第6回調査の主なファインディングスは以下の通りです。なお、一部の調査項目は情勢を鑑みながら追加・変更を行っているため、設問によっては比較可能な項目がある週との比較を行っております。また、日本では今後10月まで月に一度、定期的に調査を実施し、その結果を随時お知らせしてまいります。(米国では調査終了。次回調査は8月に実施予定)

 

<主なファインディングス>

1.生活者の心理について、日本ではステージ3以降が減少し、5月上旬(緊急事態宣言解除直後)頃に近い心理変容となった。米国でもステージ3「順応・適応」以降の割合が4月以降増加傾向だったところ、今回は減少。

2.日本において、前回まで緩やかにポジティブな感情に推移していた生活者心理は大きくネガティブへ推移し、全ての項目において前回比でマイナスへ。

3.生活者の懸念事項は、前回に引き続き日米ともに「感染の第二波」が首位。ただし、日本では自分や周囲の人の感染への懸念が上昇したのに対し、米国では減少。

4.外出時に感じる危険性は、日米共に「感染の第二波」への懸念の高まりを受け、日本は前回よりも4ポイント増加の83%、米国でも前回より3ポイント増加の47%が危険を感じると回答。

5.日本では、67%の回答者が7-8月の帰省や旅行は「特に予定していない」と回答。

 

 

<詳細結果>

1.生活者の心理について、日本ではステージ3以降が減少し、5月上旬(緊急事態宣言解除直後)頃に近い心理変容となった。米国でもステージ3「順応・適応」以降の割合が4月以降増加傾向だったところ、今回は減少。

 

・新型コロナウイルスの影響下における生活者の心理変容を5つのステージで捉えて傾向を把握。

・日本はステージ1「混乱・動揺」の割合が前回から3ポイント増加し、ステージ3「順応・適応」以降の合計も6ポイント低下。ステージ4「収束の兆し」は7ポイント減少。ステージ2「変化への対応」の心理状態が最も高く4割を占める。

・米国でも前回調査時と比べてステージ1「混乱・動揺」が4ポイント増加。ステージ3以降の割合も4ポイント下がったものの、日本を上回る水準。

 

(図表1)生活者の心理ステージ 

 

 

質問:新型コロナウイルスの感染拡大のような公衆衛生上の危機に面した時、人々の気持ちの変化にはいくつかの 「ステージ」があると言われています。今回の新型コロナウイルスの感染拡大があなたの日常生活にどのような影響を与えたかを考えていただき、現在のあなたの状況に最も当てはまるものを1つお選びください。

出典:社会心理学の「キューブラ=ロスモデル」から着想を得て、COVID-19での心理変容に置き換えて定義。ステージ文言などは電通オリジナルで作成。

 

 

 

2. 日本において、前回まで緩やかにポジティブな感情に推移していた生活者心理は大きくネガティブへ推移し、全ての項目において前回比でマイナスへ。

 

・生活者の感情として「ストレスを感じる」が引き続き最も高い結果になった。

・「悲観的」「ストレスを感じる」「周囲への怒りを感じる」「無力感を覚える」は過去2番目にネガティブな数値がみられた。

 

(図表2)生活者の感情

質問:新型コロナウイルスが拡がりを見せる中であなたが感じているものを、それぞれお選びください。

※「状況に圧倒されている/自分のペースを保てている」は第2回、「周囲への怒り/感謝の気持ち」は第3回から聴取

※第5回目調査以降、本設問は日本でのみ調査。

 

 

 

3. 生活者の懸念事項は、前回に引き続き日米ともに「感染の第二波」が首位。ただし、日本では自分や周囲の人の感染への懸念が上昇したのに対し、米国では減少

 

・日本では自分自身の感染(43%→48%)周囲の人の感染(41%→48%)に対しての懸念が上昇したのに対し、米国では自分(40%→35%)や周囲の人の感染(43%→40%)への懸念は前回に引き続き減少。

・日本では社会全体への不安も上昇。

米国は「休業や廃業」「新たな職探し」「現在の仕事の継続」など、仕事関連の懸念は減少傾向。

 

(図表3)生活者の懸念事項

 

質問:現在、気になっていることは何ですか。該当するものをすべてお選びください。

 

 

 

4.外出時に感じる危険性は、日米共に「感染の第二波」への懸念の高まりを受け、日本は前回よりも4ポイント増加の83%、米国は、前回よりも3ポイント増加の47%が危険を感じると回答。

 

・日本では、前回調査(第4回)の78%とほぼ変わりなく今回も感染の危険を感じる人との回答が8割近くあった。米国では外出時の感染の危険性を感じる人は前回調査の48%から44%に低下。

 

(図表4)外出時に感じる危険性

<参考>以前の「外出時に感じる危険性」数値 ※単位は% ( )内は実査日

  日本 米国
第4回調査 78 (6/ 9-11) 48 (5/22)
第5回調査 79 (6/24-26) 44 (6/5)

質問:現在、外出する際、新型コロナウイルスの感染についてどの程度危険を感じますか。

 

 

 

5. 日本では、 67% の回答者が 7-8 月の帰省や旅行は「特に予定していない」と回答。

 

・この夏(7-8月)の帰省や旅行・外出の予定は、7割近くが「特に予定していない」と回答。

次いで「実家への帰省のみ(近隣・車移動の範囲)」が14%となった。

 

(図表57-8月の帰省や旅行・外出の予定


質問:この夏(7-8月)、旅行や外出の予定はありますか。以下の選択肢からあてはまるものを全てお選びください。

 

 

 

<日本での調査概要>

タイトル: COVID-19生活者意識ナビゲーター

調査手法: インターネット調査

調査時期: 第1回:2020年4月23~24日、第2回:2020年5月11~13日

第3回:2020年5月28~31日、第4回:2020年6月 9~11日

第5回:2020年6月24~26日、第6回:2020年7月 8~10日

エリア : 全国

対象者 : 全国20~69歳の男女1,000名

調査内容: 新型コロナウイルス感染症に対する心理ステージ、生活行動、企業への期待など

調査実施: 株式会社電通

 

<米国での調査概要>

タイトル: COVID Crisis Navigator

調査手法: インターネット調査

調査時期: 第1回:2020年3月27~29日、第2回:2020年4月3~4日、

第3回:2020年4月9~12日、 第4回:2020年4月17~18日

第5回:2020年4月 24日、  第6回:2020年5月8日

第7回:2020年5月22日、  第8回:2020年6月5日

第9回:2020年6月19日

エリア : 全米

対象者 : 全米18~64歳の男女1,000名

調査内容: 新型コロナウイルス感染症に対する心理ステージ、生活行動、企業への期待など

調査実施: Dentsu Aegis Network US Holdings, Inc.

 

 

<参考:米国と日本における新型コロナウイルス関連トピックと調査実施タイミング>

【米国】

第1回:アメリカにおける感染者数が世界最多を記録した直後に実施

第2回:失業保険申請数が増加するなど景気経済への影響が顕在化してきた中での実施

第3回:新規感染者数や死者数が継続して高く推移している中での実施

第4回:事態が長期化している中での実施

第5回:一部の州での経済活動の再開などが報じられ始めたタイミングで実施

第6回:多くの州で一部の経済活動を部分的に再開した中での調査結果

第7回:50の州全てで経済が再開。一方、失業率が高い水準のタイミングでの調査実施

第8回:人種差別への抗議運動が広がり、コロナでも多数がデモに集結していた中で実施

第 9回:複数の州で新規感染者数の最多記録が更新され、第二波への懸念が高まる中での調査

 

 

【日本】

第1回:緊急事態宣言が対象地域を全国に拡大(4/16)して1週間が経過した中での実施

第2回:ゴールデンウィーク / ステイホーム週間が明け、感染者数が3月末以降初めて100人を下回ったタイミングで実施

第3回:全国で緊急事態宣言が解除された数日後の調査

第4回:全国で緊急事態宣言が解除されてから2週間後。東京アラートが解除されるまでのタイミングで実施

第5回:都内ホストクラブでのクラスタ発生を中心に、感染者が再び増加してきたタイミングで実施

第6回:東京都を中心に感染者数が大幅に増加し、都外への外出自粛が要請されたタイミングで実施

 

 

 

<参考:その他の主なファインディングス>

 

(ア)新型コロナウイルスに対する心配レベル

・日本では「非常に心配している」人の割合が4ポイント増加し、5月上旬と同水準に。米国では「心配している」人の割合は、前回からほぼ変化がみられなかった。

 

(図表6)新型コロナウイルスに対する心配レベル

 

 

質問:現在、あなたは 新型コロナウイルスの感染拡大に関してどの程度心配していますか?

 

 

(イ)地域における経済活動の再開状況

・「完全に経済活動を再開している」が前回から3%増加し、23%に。一方、「経済活動が再開したとは言い難い」の割合はほぼ変化がみられなかった。

 

(図表7)地域における経済活動の再開状況

質問:コロナ禍をきっかけに、人付き合いや人間関係にどのような変化がありましたか?それぞれあてはまるものをお選びください。

 

 

(ウ)不安や不自由なく通常の生活に戻るために必要なもの

・通常生活に戻るために必要なものは、日米共に「ワクチンが開発され利用可能になること」が必要との回答が最多。次いで「感染者数が減ること」が必要との結果。

 

(図表8)不安や不自由なく通常の生活に戻るために必要なもの

 

質問:不安や不自由を感じることなく通常の生活に戻るためには、何が必要だと思いますか。あてはまるものを全てお選びください。

 

 

(エ)感染再拡大による外出への影響

・日本では感染者数が再び増加することの影響として、外出自粛を強化する人は2割に留まるも、「より注意を払う」が5割となった。

 

(図表9)感染再拡大による外出への影響 

質問:6月下旬から、感染者数が再び増加しています。それを受け、あなたの意識や行動はどのように変化しましたか。最もあてはまるものをお選びください。

 

 

(オ)7-8月の旅行・外出先

・7-8月の旅行・外出の予定がある人の旅行先・外出先は、「宿泊を伴う、温泉やホテルでのステイ」がトップとなり、「自然や景勝地の観光」が続いた。東京では「宿泊を伴わないアウトドア」も上位の結果に。

 

(図表107-8月の旅行・外出先

 

質問:旅行や外出の予定がある方にお聞きします。どのような予定をお考えですか?以下の中からあてはまるものを全てお選びください。

 

 

                                以 上

 

 

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