電通、新型コロナウイルス日米定点生活者意識調査第8回目を実施

日米とも心理変容ステージが推移、生活者感情もポジティブ寄りに。一定の危機感を持ちながら活動再開が進む

電通

2020年10月16日

株式会社 電 通

 株式会社電通(本社:東京都港区、社長:五十嵐 博)は、2020年9月中旬、全国20〜69歳の男女1,000名を対象に「COVID-19生活者意識ナビゲーター(第8回日米比較編)」を実施しました。

 本調査は、電通グループの海外事業を統括する電通インターナショナル社(旧:電通イージス・ネットワーク社)の米国拠点Dentsu U.S.が米国において、新型コロナウイルスによる生活者意識の変化を今年3月下旬から9月にかけて12回にわたり調査したものと同じ内容を日本国内でも調査したものです。日本では前回の8月上旬に引き続き、第8回目の調査を9月中旬(感染者数が減少傾向にある中、9月14日の自民党総裁選で菅義偉衆院議員が党総裁に選ばれた直後のタイミングで実施)に行いました。比較対象である米国の第12回目は9月中旬に調査を行いました。

 

 第8回調査の主なファインディングスは以下の通りです。なお、一部の調査項目は情勢を鑑みながら追加・変更を行っているため、設問によっては比較可能な項目がある週との比較を行っております。また今後、日本では10月中に9回目の調査を実施し、その結果をお知らせする予定です。

 

 

<主なファインディングス>

1.生活者の心理は、新規感染者数減少を受けて日米ともにステージ1「混乱・動揺」、ステージ2「変化への対応」の割合が低下。一方日米ともにステージ3「順応・適応」以降の割合は増加し、日本は48%、米国は52%の結果となった。

2.「孤独」以外の項目で感情はポジティブ寄りに推移。一方、第7回調査で過去最も高いスコアになった「孤独」はさらに強まる結果に。

3.外出時に感じる危険性は、日本において81%が外出時に危険を感じていると回答したものの、日米ともに6月上旬から続いた上昇傾向が減少に転じた。

4.規制緩和の時期やペースについて6月上旬から「早すぎる」との回答が継続的に増加していたが、今回初めて減少。「ゆっくり過ぎることを懸念している」が12ポイント上昇。

5.余暇活動を再開した人の割合が増加。また、まだ再開していない人による想定再開時期も前倒し。活動再開へ意識・行動が進む。

 

<詳細結果>

1.生活者の心理は、新規感染者数減少を受け日米ともにステージ1「混乱・動揺」、ステージ2「変化への対応」の割合が低下。一方日米ともにステージ3「順応・適応」以降の割合は増加し、日本は48%、米国は52%の結果となった。

・新型コロナウイルスの影響下における生活者の心理変容を5つのステージで捉えて傾向を把握。

・日本は前回からステージ1「混乱・動揺」の割合が5ポイント低下、ステージ2「変化への対応」の割合が8ポイント低下し、ステージ3「順応・適応」以降の合計が48%と半数近くとなった。

・米国も前回からステージ1「混乱・動揺」が8ポイント低下し、ステージ3以降の割合も52%と半数を超えた。

 

(図表1)生活者の心理ステージ 

 

質問:新型コロナウイルスの感染拡大のような公衆衛生上の危機に面した時、人々の気持ちの変化にはいくつかの 「ステージ」があると言われています。今回の新型コロナウイルスの感染拡大があなたの日常生活にどのような影響を与えたかを考えていただき、現在のあなたの状況に最も当てはまるものを1つお選びください。

出典:社会心理学の「キューブラ=ロスモデル」から着想を得て、COVID-19での心理変容に置き換えて定義。ステージ文言などは電通オリジナルで作成。

 

 

2. 「孤独」以外の項目で感情はポジティブ寄りに。一方、第7回調査で過去最も高いスコアになった「孤独」はさらに強まる結果に。

・「孤独」が第7回に続いて過去最も高いスコアを更新したものの、他は全体的にポジティブ寄りに移行。「ストレスを感じる」が引き続き最も高いスコアとなったが、減少傾向となっている。

 

(図表2)生活者の感情

質問:新型コロナウイルスが拡がりを見せる中であなたが感じているものを、それぞれお選びください。

 

 

3. 外出時に感じる危険性は、日本において81%が危険を感じていると回答したものの、日米ともに6月上旬から続いた上昇傾向が減少に転じた。

・日米ともに6月上旬以降、外出時に感染の危険性を感じる人が増加傾向にあったが、今回は4ポイントの減少がみられた。米国でも同様に前回より2ポイント減り、55%が危険を感じると回答。

 

(図表3)外出時に感じる危険性

質問:現在、外出する際、新型コロナウイルスの感染についてどの程度危険を感じますか。

 

 

4.規制緩和の時期やペースについて6月上旬から「早すぎる」との回答が継続的に増加していたが、今回初めて減少。「ゆっくりすぎることを懸念している」が12ポイント上昇。

・6月上旬から増加していた「外出緩和の時期・ペースが早すぎるのではないか」との回答の割合が初めて減少。「ゆっくりすぎることを懸念している」が3割にまで上昇。

 

(図表4)自粛緩和ペースに対する懸念

質問:各地で感染者数が増える中、規制や自粛の緩和時期やペースについて、あなたの考えにあてはまるものをお選びください。

 

 

5余暇活動を再開した人の割合が増加。まだ再開していない余暇の想定再開時期も前倒し。活動再開へ意識・行動が進む。

・余暇活動の再開時期は、全項目で「今もしている」が増加。これまで、継続して余暇の再開時期は後ろ倒しされてきたが、傾向が逆転。

・「外食に出かける」「公共交通機関を利用する」は約半数が再開(今も行っている)と回答。

 

(図表5)余暇活動の再開時期

質問:今後、あなたが以下のことを行うのはどのくらい後になりそうですか。

 

 

 

<日本での調査概要>

タイトル: COVID-19生活者意識ナビゲーター

調査手法: インターネット調査

調査時期: 第1回:2020年4月23~24日、第2回:2020年5月11~13日

      第3回:2020年5月28~31日、第4回:2020年6月 9~11日

      第5回:2020年6月24~26日、第6回:2020年7月 8~10日

      第7回:2020年8月13~16日、第8回:2020年9月16~18日

エ リ ア : 全国

対 象 者 : 全国20~69歳の男女1,000名

調査内容: 新型コロナウイルス感染症に対する心理ステージ、生活行動、企業への期待など

調査実施: 株式会社電通

 

 

<米国での調査概要>

タイトル: COVID Crisis Navigator

調査手法: インターネット調査

調査時期: 第1回:2020年3月27~29日、第2回:2020年4月3~4日

      第3回:2020年4月9~12日、 第4回:2020年4月17~18日

      第5回:2020年4月 24日、  第6回:2020年5月8日

      第7回:2020年5月22日、  第8回:2020年6月5日

      第9回:2020年6月19日、 第10回:2020年7月10日

      第11回:2020年8月7日、  第12回:2020年9月11日

エ リ ア : 全米

対 象 者 : 全米18~64歳の男女1,000名

調査内容: 新型コロナウイルス感染症に対する心理ステージ、生活行動、企業への期待など

調査実施: Dentsu U.S.

 

 

<参考:米国と日本における新型コロナウイルス関連トピックと調査実施タイミング>

【米国】

第1回:アメリカにおける感染者数が世界最多を記録した直後に実施

第2回:失業保険申請数が増加するなど景気経済への影響が顕在化してきた中での実施

第3回:新規感染者数や死者数が継続して高く推移している中での実施

第4回:事態が長期化している中での実施

第5回:一部の州での経済活動の再開などが報じられ始めたタイミングで実施

第6回:多くの州で一部の経済活動を部分的に再開した中での調査

第7回:50の州全てで経済が再開。一方、失業率が高い水準のタイミングでの調査実施

第8回:人種差別への抗議運動が広がり、コロナでも多数がデモに集結していた中で実施

第9回:複数の州で新規感染者数の最多記録が更新され、第二波への懸念が高まる中での調査

第10回:累計感染者数が300万人を超え、依然として失業率が高止まりしている時期に調査

第11回:7月中旬~後半にかけて新規感染者数が7万人を超えピークを迎えた後、落ち着きを見せ始めた中での調査

 

【日本】

第1回:緊急事態宣言が対象地域を全国に拡大(4/16)して1週間が経過した中での実施

第2回:ゴールデンウィーク / ステイホーム週間が明け、感染者数が3月末以降初めて100人を下回った中での実施

第3回:全国で緊急事態宣言が解除された数日後の調査

第4回:全国で緊急事態宣言が解除されてから2週間後。東京アラートが解除されるまでのタイミングで実施

第5回:都内ホストクラブでのクラスタ発生を中心に、感染者が再び増加してきた中での実施

第6回:東京都を中心に感染者数が大幅に増加し、都外への外出自粛が要請された中での実施

第7回:国内の感染者数が1,000人を超え、各地で感染が拡がる中迎えたお盆・夏季休暇中での実施

 

 

<参考:その他の主なファインディングス>

(ア)新型コロナウイルスに対する心配レベル

・日米共に「非常に心配している」「心配している」人の割合が減少し、調査以来初めてその合計が7割を下回った。

 

(図表6)新型コロナウイルスに対する心配レベル

質問:現在、あなたは 新型コロナウイルスの感染拡大に関してどの程度心配していますか?

 

 

(イ)地域における経済活動の再開状況

・「経済活動が再開したとは言い難い」が東京で増え続ける一方、4月6日に緊急事態宣言が出された東京都以外の6府県では「経済活動が再開したとは言い難い」が9ポイント減少。

 

(図表7)地域における経済活動の再開状況

質問:お住まいの地域における経済活動の再開の状況について、以下の選択肢の中から、最もあてはまるものをお選びください。

 

 

(ウ)感染者がさらに拡大した際の対応の考え

・感染者数がさらに増加した場合、「再び自粛要請や規制を行うべき」との回答が7ポイント減少。経済を優先する傾向がみられた。

 

(図表8)感染者がさらに拡大した際の対応の考え

質問:今後、感染者数がさらに増加に転じた場合の対応として、あなたの考えにあてはまるものをお選びください。

 

 

(エ)「通常の生活に戻る」と思う時期

・米国では通常の生活に戻る時期「年末年始まで」が前回比15ポイントと大幅減。

・日本は依然として米国より長期化を想定。ただし、前回よりは早めの収束予想となった。

 

(図表9)「通常の生活に戻る」と思う時期

質問:新型コロナウイルスが落ち着き、通常の生活に戻るのはいつ頃だと思いますか。以下の選択肢からお選びください。 

 

 

以上

 

 

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