障がい者のスキル習得・雇用機会創出をめざした実証実験レポートを公開

~RPAツール「WinActor」のeラーニング講座で、障がい者がRPAスキルを習得~

NTTドコモ

2020年11月12日

株式会社NTTドコモ

 株式会社NTTドコモ(以下、ドコモ)は、パーソルプロセス&テクノロジー株式会社、パーソルチャレンジ株式会社、株式会社ベネッセビジネスメイト、株式会社NTTデータ、株式会社NTTデータだいち、株式会社ドコモgaccoの協力のもと、RPA※1ソフトウェア「WinActor®※2」の自宅学習プログラム(以下、eラーニング)※3を活用し、障がい者の雇用機会の創出ならびに障がい者のRPAのスキルアップを検証する共同実証実験※4 (以下、本実証)を実施しました。

 

 2019年8月1日(木)~2020年3月31日(火)の8か月間、障がい者54人※5へ、ドコモgaccoが提供するオンライン学習サービス「gacco®(ガッコ)※6」の「WinActor eラーニング講座」を無償で提供いたしました。本eラーニングは、自宅や会社などのパソコンで、実際にWinActorを操作しながら、RPAの基礎知識やWinActorの操作方法などを学ぶことができます。

 本実証では、eラーニングを受講する障がい者に、受講前・受講中・受講後にそれぞれアンケートとインタビュー調査を行いました。その結果、対面での講義形式でなくても、“適切なサポート”があれば、eラーニングでRPAのスキルを習得できることがわかりました。

 

<本実証の流れ>


 

 “適切なサポート”とは、RPAの学習中に発生したソフトウェアの操作方法や技術的な不明点のフォローと、日常業務と就職活動の両立への不安など、受講者のメンタル面のフォローです。

 本実証において、ドコモは受講者が疑問点や不明点をEメール・電話・デスクトップ共有にて相談することができる「遠隔サポート※7」を無償で提供しました。また、障がい者を支援するスタッフが、受講者同士でコミュニケーションをとることができるチャットルームの開設や、日常業務と就職活動の両立のアドバイスなど、受講者のメンタル面のフォローを行いました。これらのサポートを実施した結果、eラーニングの受講から受講後のアンケート調査までをすべての受講者に参加いただくことができました。

 

 現在、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、リモートワークを導入する企業が急増しています。障がい者は、障がい特性上の理由により、新型コロナウイルスが感染拡大する以前からリモートワークを実施している方が多く、活躍できる場所はこれから拡大していくことが想定されます。

 ドコモは、本実証の結果をもとに、eラーニングを活用した障がい者のRPA人材の育成や、RPA人材における障がい者雇用機会の創出に取り組んでまいります。

 また、eラ-ニング画面の配色の変更や、文字の大きさの拡大機能、音声の読み上げ機能の追加など、受講者がより使いやすいユニバーサルなUI・コンテンツの提供を検討し、RPAを通じた社会課題の解決に貢献してまいります。

 

※1 RPAとは、「Robotic Process Automation」の略で、ルールエンジン、機械学習、人工知能などの認知技術を活用した、オフィス業務の効率化や自動化に向けた取り組みです。

※2 WinActorとは、Windows端末で操作可能なあらゆるアプリケーション操作を記録させ、プログラミング知識不要でPC操作を自動化するソフトウェア型のロボットです。

※3 自宅学習プログラムは、株式会社NTTデータ、パーソルプロセス&テクノロジー株式会社、ドコモが共同開発したプログラムです。

※4 共同実証実験の詳細は、「RPAを活用した障がい者などの雇用機会創出に向けた共同実証実験 報告書」にてとりまとめましたので、以下ご参照ください。

    URL(https://www.nttdocomo.co.jp/biz/binary/pdf/service/winactor/rpa_demo_experiment.pdf)

※5 株式会社NTTデータだいち、パーソルチャレンジ株式会社、株式会社ベネッセビジネスメイトの3社で就業もしくは就労支援のサポートを受けている方が対象者です。

※6 「gacco」は、株式会社ドコモgaccoが運営するオンライン講座です(http://gacco.org/)。

※7 ドコモから「WinActor」のライセンスを購入した法人のお客さまを対象に、「WinActor」の操作方法や技術的な問い合わせなどを、メール、電話およびデスクトップ共有などの方法で行うサポートです。

 

 *「WinActor」は、日本国内および海外の一部の国・地域におけるNTTアドバンステクノロジ株式会社の登録商標です。

 *「gacco」は、株式会社ドコモgaccoの登録商標です。

 

 

 

 

 

別紙  

 

共同実証実験の概要

 

1.実験目的

 個人のキャリアアップとしてのRPA「WinActor®」のeラーニングの有効性、障がい者などの就労にかかる生産性向上ならびに就労条件の改善に資するかを検証しました。

 

2.実証実験期間

 2019年8月1日(木)~2020年3月31日(火)

 

3.検証・分析項目

 (1)eラーニング受講前に実施する最適な受講者の選定方法

 (2)eラーニング受講前に開催する説明会における理解度・スキル習得に対する意向度

 (3)eラーニング受講後の理解度・スキル習得に対する意向度・スキルレベル

 (4)eラーニング受講後の就労条件の変化、向上度合い

 

4.検証方法

 ・アンケート

 ・インタビュー

 

5.各社の役割

 



6.実験結果

1 習熟 スキル

 受講者が習熟したRPA操作スキルを受講30日後と60日後で比較したところ、全項目において、スキル習得者数が増加しました。

 

・スキルの難易度

 項番①~⑥…RPAの基本的な操作スキル

 項番⑦~⑪…RPAの運用・メンテナンスが可能なスキル

 

 

習熟したRPA操作スキル 30日後() 60日後() 増減

自動記録(IEモード)を使って入力できる

45 46 +1名 (+2%)

画像マッチングを使って入力できる

42 44 +2名 (+5%)

自動記録と画像マッチングを状況に応じて使い分けできる

28 36 +8名 (+29%)

Excelのデータを取得し、別のシステムに入力(転記)できる

32 36 +4名 (+13%)

Excelのデータを繰り返しシステムに転記できる

23 31 +8名 (+35%)

繰り返しを終了する条件を設定できる

21 33 +12名 (+57%)

Excelのファイル名に今日の日付を付けて保存できる

17 25 +8名 (+47%)

他のパソコンでも動作できるシナリオを作成できる

11 18 +7名 (+64%)

エラーが起きたときにも対処できる

9 13 +4名 (+44%)

ウィンドウ識別ルールについて理解できている

9 12 +3名 (+33%)

シナリオにパスワードを付与する等のセキュリティ対策ができる

11 16 +5名 (+45%)

 

 

2)意向度

 受講者にアンケートを実施。eラーニング受講中の中間アンケートに比べ、eラーニング受講後の アンケートでは「キャリアアップに活用できそう」という回答が10%増加しました。

 

中間アンケート

 

 

eラーニング受講後のアンケート 

 

 

 

 

7.実証レポート

 共同実証実験の詳細は、以下のレポートをご参照ください。

 https://www.nttdocomo.co.jp/biz/binary/pdf/service/winactor/rpa_demo_experiment.pdf

 

 

 *「WinActor」は、日本国内および海外の一部の国・地域におけるNTTアドバンステクノロジ株式会社の登録商標です。

 

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