SOMPOケア「ACP(アドバンスケアプランニング)-人生会議-」に関する調査結果

SOMPOケア

SOMPOケア株式会社

SOMPOケア株式会社(本社:東京都品川区/代表取締役社長 遠藤 健、以下、「当社」)は、当社オリジナルのエンディングノート『夢結いのーと』および啓発冊子『人生会議なるほどブック』の制作に合わせて、「ACP(アドバンス・ケア・プランニング)-人生会議-」(以下、「人生会議」)に関する調査を、40歳以上の男女973名を対象に実施しました。その調査結果を報告します。

 

■調査結果のポイント

(1)両親が持っている老後の希望等について、子世代が聞いておきたいと思っていることが、実際には

聞けていない。

受けたい・受けたくない医療について、約30%の人が聞いておきたいと回答したが、実際に聞いて

いる人は半分の約15%だった。葬儀やお墓のこと、受けたい・受けたくない医療や介護のことなど、

死や悲しみを連想されるような内容は、聞いておきたいけれど聞くことができていないという実態が

あることがわかった。(Q9)

 

(2)自身が人生の最終段階を迎えた時の過ごし方等の希望を、誰にも伝えていない理由として、70以上の約20%が「家族など身近な人に判断をゆだねたい」、約13%が「自身の考えは家族に伝わっていると思う」と回答した。

また、約26%「年齢的に、まだ早いと思うから」、約37%が「考えがまとまっていないから」と回答。普段、❝もしもの時❞を意識することがほとんどないということが伺える。(Q8) 

 

(3)「”人生会議”を知っているか」という質問に対して、「言葉を聞いたことはあるが、内容はよくわからない」「聞いたことがない」を合わせて、約85%の人が「知らない」と回答。(Q12)

また、「どのようなきっかけがあれば人生会議についてもっと話しやすくなると思うか」という質問には、約30%が「本人から話を切り出すのが良い」、約25%が「エンディングノート(終活ノート)などの専用のノートがもっと身近になると良い」と回答した。(Q13)専用のノートがもっと身近になれば、より一層本人から話を切り出しやすくなると考えられる。

 

1.調査の背景

もしものときのために、本人が望む生活や医療・ケアについて前もって考え、家族など信頼できる人たちや医療・ケアチームと繰り返し話し合い、共有する取組みのことを「ACP(アドバンス・ケア・プランニング) 」と言います。この取組みの普及・啓発を進める厚生労働省によって、2018年にその愛称を「人生会議」とすることが発表されました。

当社では、経営の基本である“人間尊重”を土台として、ご利用者さまが最期までご本人らしく、尊厳ある人生を送ることができるよう、人生会議に力を注いでいます。人生の最終段階のことだけでなく、お一人ひとりが持つ価値観や人生の目標などを、家族や医療・介護に携わる人々と共有し、理解を深め、自己決定をサポートすることで、ご利用者さまのこれからの人生が彩り豊かな時間になるよう、支援していきたいと考えています。

核家族化や少子高齢化が進み、親子という身近な間柄であっても、自身の希望を伝える、または尋ねることが難しい現代ですが、自身の将来、両親の将来をより豊かに、充実したものにしたいという想いは今も変わらないのではないでしょうか。

今般、人生会議の必要性やその内容について、人々がどう考え、どう行動しているのかに焦点を当てた調査を行いました。

 

2.調査概要

■調査期間 :2020年11月9日(月)から11月16日(月)

■調査方法 :インターネット(パソコン、携帯電話モバイルサイト)

■調査対象者:全国の40代以上の男女

■有効回答数:973人

 


3. 調査結果詳細

Q1.あなたは、ご自身が高齢になった時(概ね70歳くらい)の過ごし方等について、どのような希望をお持ちですか?(複数回答)(n=973)

 


・40代から70歳以上まで全ての年代で、40%以上の方が「趣味や仕事の継続について」希望を持っていることが分かりました。

・「自身の財産の処分方法について」は、年代が上がるにつれて希望を持っている人の割合が増えていくことが分かります。年代が上がるにつれ相続を意識する人が増えていくことが、その理由として考えられるのではないでしょうか。

 

Q2.Q1でお答えの希望について、誰かに伝えたり、相談したりしていますか?(複数回答)(n=770)

 


・Q1で何らかの希望を持っていると答えた方に、誰にその希望を伝えているか聞いたところ、「誰にも伝えていない」と答えた人が最も多いという結果になりました。特に、40~50代の世代では、約半数以上が希望を誰にも伝えていないことがわかりました。

・希望を伝えている相手として、最も多かったのは「自身の配偶者」でした。年代が上がるにつれて、配偶者に希望を伝えている人の割合が高まります。

 

Q3.Q2でお答えの希望は、どのようにして伝えていますか?(複数回答)(n=452)

 


・Q2で希望を誰かに伝えている、と答えた方に、その希望をどのようにして伝えているかを聞いたところ、圧倒的に「口頭で伝えている」人が多く、書面での意思表示はほとんど行われていないということが分かりました。

 

Q4.あなたは、ご自身の死が近づき、人生の最終段階を迎えた時の過ごし方等について、どのような希望をお持ちですか?(複数回答)(n=973)

 


・次にご自身の死が近づき、人生の最終段階を迎えた時の希望について聞いたところ、約4割の人が「現時点で、明確な希望があるわけではない」と回答しています。

・一方、何らかの希望を持っている人については、「受けたい/受けたくない医療について」の希望を持っている人が最も多く、全体では34.6%、70歳以上の方では40%以上に達することが分かりました。

 

【回答結果の比較】Q9.両親に対して聞いておきたいこと上位5項目

 


・本問で上位に上がった項目と、Q9「両親が持っている老後や人生の最終段階を迎えた時の過ごし方などの希望について、知っておきたいと思うこと」で上位に上がった項目を比較してみました。

・自分自身が持っている希望と、両親が持つ希望で知っておきたいと思うことの上位には、若干順位に違いはありますが、同じ項目が並びました。両親と向き合うなかで直面したことが自身の希望に反映されているのかもしれません。また、自身に関する希望と同じことを、両親に対しても実現してあげたいという気持ちも伺えます。

 

Q5.ご自身の死が近づき、人生の最終段階を迎えた時の過ごし方等について、その希望を誰かに伝えていますか?(複数回答)(n=590)

 


・人生の最終段階を迎えた時の過ごし方等について、その希望を誰に伝えているかを聞いたところ、「自身の配偶者」または「自身の子」に伝えていると回答した人が多い一方、全体では50%近くの人が「誰にも伝えていない」と回答しました。ただし、この傾向は年代が上がるにつれて減少し、70歳以上の方の割合は、40代の約半分となっています。やはり、年を重ねていくにつれて、自分の希望を周囲の人に伝えておきたいと考えるようになるのでしょう。

・女性が、男性に比べて「自身の配偶者」より「自身の子」に伝えている割合が高いのは、女性の方が、平均寿命が長いことが影響しているかもしれません。

 

Q6.ご自身が人生の最終段階を迎えた時の希望は、どのように伝えていますか?(複数回答)(n=330)

 


・Q3と同様に、年代に関わらず、多くの人が口頭で希望を伝えていると回答しました。

・注目したい点は、50代~60代と比較して、40代の人の方が何らかの記録を残している人が多くいるところです。“人生会議”や“エンディングノート”という言葉、行動が、50歳代未満の若い世代から浸透してきているのかもしれません。

・70歳以上になると、何らかの記録を残している人が多く、エンディングノートなど専用のノートを使用している人が多いことがわかりました。

 

Q7.なぜ、ご自身の人生における最終段階の希望を誰かに伝えようと思ったのですか?(複数回答)(n=330)

 


・約半数の人が「こどもなど、身近な人に負担を掛けたくない」という気持ちを持っており、年代があがるにつれ増えていくことがわかります。

・また、16.4%の方が、「親や祖父母から、伝えてもらえばよかった」という経験があることがわかりました。

・「友人・知人の経験や勧めから」「こどもなど、身近な人に伝えてほしいと言われたから」「ニュースや新聞、テレビ番組を見て」という回答を選択したのは、40代が最も多いという結果でした。前問同様、若い世代に“人生会議”の必要性や、言葉に触れる機会が増えていることが伺えます。

 

Q8.人生の最終段階を迎えた時の過ごし方等の希望を、誰にも伝えていない方は、その理由をお聞かせください。(複数回答)(n=260)

 


・60代~70歳以上になると、「特に伝えなくても、自身の考えは家族(身近な人)に伝わっていると思うから」「そうなった時には、家族など身近な人に判断をゆだねたいから」という回答割合が増える傾向があります。また、「考えがまとまっていないから」という回答も、比較的多く見受けられます。

・「年齢的に、まだ早いと思うから」という回答は、年代があがるにつれ減っていきますが、70歳以上の方でも4人に1人以上はそのように考えているということが分かります。本来、年齢に関係なく誰にも“もしもの時”が来る可能性がありますが、普段はあまり意識されていないということが伺えます。

 

Q9.両親が持っている老後や人生の最終段階を迎えた時の過ごし方などの希望について、知っておきたいと思うこと、また、実際に聞いているのはどのような事項ですか? (複数回答)(n=973) 

 


・親が持っている希望について、聞いておきたいと思う事項と、実際に聞いている事項に違いがあるのかを調査しました。

・この結果からは、聞いておきたいことと実際に聞いていることには乖離があり、聞きたいけれど聞けていない実態があることが伺えます。

・葬儀やお墓のこと、受けたい/受けたくない医療や介護のこと、看取りのことなど、死や悲しみを連想させるような内容は、なかなか話すきっかけがないのかもしれません。

 

Q10.前問で、両親から希望を聞いている場合、その内容について何度か繰り返し話をしていますか?(n=449)

 


・両親の持つ希望にについて、一度きりではなく繰り返し話をしている人の割合は全体で53.0%という結果でした。

・老後や人生の最終段階を迎えた時の過ごし方などの希望は、環境の変化や病気をすること等によって、変化していく場合があります。繰り返し話をしている割合が半数を超えているのは、実際に希望する内容が変わっているということかもしれません。

 

Q11.両親から「特に希望は聞いていない」を選んだ方は、その理由をお聞かせください。(複数回答)(n=524)

 


 ・全ての年代で、「話すきっかけがないから」と答えた人が最も多いという結果でしたが、年代があがるにつれ、そう答える人の割合は減っていきます。

・一方、「話さなくても、なんとなく希望はわかっているから」という回答は、年齢を重ねるにつれ数が増える傾向でした。

 

Q12.「ACP(アドバンス・ケア・プランニング) -人生会議- 」を知っていましたか?(n=973) 

聞いたことがない

 


・「言葉を聞いたことはあるが、内容はよくわからない」「聞いたことがない」を合わせると、84%の人が『ACP -人生会議-』を知らないと回答。まだまだ、この取組みの認知度が低いことがわかりました。

 

Q13.どのようなきっかけがあれば、多くの人が人生会議についてもっと話しやすくなると思いますか?(複数回答)(n=973)

 


・「本人から話を切り出すのが良い」という回答に続いて、2番目に多かったのは、「エンディングノート(終活ノート)など、自身の希望を書き留める専用のノートがもっと身近になると良い」という回答です。専用のノートがもっと身近になれば、本人からも、より一層話を切り出しやすくなると考えられます。

 

【SOMPOケアにおける人生会議の取組み】

当社では、人生会議に取り組むきっかけとなるツールとして、オリジナルのエンディングノート『夢結いのーと』と啓発冊子『人生会議なるほどブック』を制作しました。

まずは、当社のご利用者さま・ご家族さまにご使用いただき、多くの方にとって人生会議をより身近な取組みにしていきたいと考えています。

※詳しくは、2月25日のニュースリリース「~人生会議で、“これから”をより豊かに~ オリジナルエンディングノート「夢結いのーと」と啓発冊子を制作」(https://www.sompocare.com/attachment/topic/1130/news_0225_1.pdf)をご参照ください。

 

本プレスリリースは発表元が入力した原稿をそのまま掲載しております。また、プレスリリースへのお問い合わせは発表元に直接お願いいたします。

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