電通、新型コロナウイルス日米定点生活者意識調査第13回目を実施
日本は感染者増と緊急事態宣言再発令から再び自粛へ。日米共に自宅中心の生活、買物や決済のデジタル化定着
2021年5月25日
株式会社電通(本社:東京都港区、社長:五十嵐 博)は、2021年4月下旬から5月上旬にかけて、全国20〜69歳の男女1,000名を対象に「COVID-19生活者意識ナビゲーター(第13回日米比較編)」を実施しました。
本調査は、電通グループの海外事業を統括する電通インターナショナル社(旧:電通イージス・ネットワーク社)の米国拠点Dentsu U.S.が米国において、新型コロナウイルスによる生活者意識の変化を20年3月下旬から21年4月にかけて18回にわたり調査したものとほぼ同じ内容を日本国内でも調査したものです。前回の3月下旬に引き続き、日本での第13回目の調査を4月下旬から5月上旬(4都府県で3回目の緊急事態宣言が発令された時期)に行いました。比較対象である米国の第18回目は4月中旬に調査を行いました。
第13回調査の主なファインディングスは以下の通りです。なお、一部の調査項目は情勢を鑑みながら追加・変更を行っているため、設問によっては比較可能な項目がある回との比較を行っております。
<主なファインディングス>
1.生活者の心理ステージは、日本では感染状況の拡大により心理ステージが変動。ステージ3「順応・適応」~ステージ5「収束後の生活へ」の割合が前回から13ポイント減少し、昨年の4月・8月についで低い水準へ。米国はステージ3以降が60%と過去最高となった。
2.生活者の感情は、日本ではネガティブな感情が再燃し、全項目でネガティブに移行。新規追加項目の「不安を覚える」「疲れを感じる」も高水準。米国は「周囲との絆を感じる」「周囲への感謝の気持ちを持っている」「安心している」「やる気に溢れている」など、前回に続きポジティブな感情に移行。
3.日本で3度発令された緊急事態宣言中に自粛していた・自粛しているものとして、「旅行」「懇親会や飲み会」「遠方の友人や家族と会う」が3回とも6割を超える。GW中も1月の緊急事態宣言同様の自粛状況となった。
4.外出自粛の理由として最も高かったのは「医療現場のひっ迫」。「とても当てはまる(外出自粛の主な理由である)」(41%)と「当てはまる」(43%)を合計すると84%となった。
5.コロナ禍での行動(生活様式)で収束後も継続するまたはその頻度が増加する行動は、日米ともに「買い物や決済のデジタル化」「自宅を中心に自分や身近な人とだけの生活の充実」「公共交通機関を避けた行動」が5割強となった。
<詳細結果>
1.生活者の心理ステージは、日本では感染状況の拡大により心理ステージが変動。ステージ3「順応・適応」~ステージ5「収束後の生活へ」の割合が前回から13ポイント減少し、昨年の4月・8月についで低い水準へ。米国はステージ3以降が60%と過去最高となった。
・新型コロナウイルスの影響下における生活者の心理変容を5つのステージで捉えて傾向を把握。
・日本ではステージ3以降が大きく減り、過去最高となった米国との格差が広がった。
(図表1)生活者の心理ステージ
質問:新型コロナウイルスの感染拡大のような公衆衛生上の危機に面した時、人々の気持ちの変化にはいくつかの 「ステージ」があると言われています。今回の新型コロナウイルスの感染拡大があなたの日常生活にどのような影響を与えたかを考えていただき、現在のあなたの状況に最も当てはまるものを1つお選びください。
出典:社会心理学の「キューブラ=ロスモデル」から着想を得て、COVID-19での心理変容に置き換えて定義。ステージ文言などは電通オリジナルで作成。
2.生活者の感情は、日本ではネガティブな感情が再燃し、全項目でネガティブに移行。新規追加項目の「不安を覚える」「疲れを感じる」も高水準。米国は「周囲との絆を感じる」「周囲への感謝の気持ちを持っている」「安心している」「やる気に溢れている」など、前回に続きポジティブな感情に移行。
・日本では「悲観的」「ストレスを感じる」「周囲への怒り」で前回から10ポイント以上ネガティブに移行。
・米国はポジティブな感情が継続。日米で感情の差が顕著に出た。
(図表2)生活者の感情
質問:新型コロナウイルスが拡がりを見せる中であなたが感じているものを、それぞれお選びください。
3.日本で3度発令された緊急事態宣言中に自粛していた・自粛しているものとして、「旅行」「懇親会や飲み会」「遠方の友人や家族と会う」が3回とも6割を超える。GW中も1月の緊急事態宣言同様の自粛状況となった。
・「旅行に行く」「懇親会や飲み会に行く」のを自粛するのが64%と最も高く、次いで「遠方の友人や家族と会う」が61%となった。
・1度目の緊急事態宣言と比較して3回目と差異が出たのは「街中に出かける」(1回目:57%、3回目:43%)となった。
(図表3)緊急事態宣言発令による自粛内容
質問:これまで3度にわたり緊急事態宣言が発令されていますが、それぞれの期間中に自粛していた・自粛しているものをお選びください。※対象地域ではない方も、それぞれの期間についてお答えください。
4.外出自粛の理由として最も高かったのは「医療現場のひっ迫」。「とても当てはまる(外出自粛の主な理由である)」(41%)と「当てはまる」(43%)を合計すると84%となった。
・「医療現場のひっ迫」「自分自身の健康への影響」「身の回りの人の健康への影響」が高い傾向にあり、「とても当てはまる」「当てはまる」の合計が8割超となった。
・全項目で7割近くが外出自粛理由として「当てはまる」という回答となった。「政府や自治体に従う・協力すべき」「社会的責任」も外出自粛の理由として高い結果となった。
(図表4)外出自粛の理由
質問:以下の項目について、あなたが外出を自粛しようと思う理由としてあてはまるかどうか、お答えください。
5.コロナ禍での行動(生活様式)で収束後も継続するまたはその頻度が増加する行動は、日米ともに「買い物や決済のデジタル化」「自宅を中心に自分や身近な人とだけの生活の充実」「公共交通機関を避けた行動」が5割強となった。
・日本では、7割以上がコロナ収束後も「オンラインショッピング」や「キャッシュレスサービス」などの行動は現在と同様もしくは頻度が増えると回答。次いで「自宅での料理」や「自宅で過ごす」など自宅を中心とした生活行動が継続もしくは増えると回答。減少するものとして「マスクの着用」は47%が(着用は)現在よりも減少すると回答している。
・米国も日本と同様に、自宅を中心とした行動が継続・増えるとの回答が多い。
(図表5)コロナ収束後の継続有無
質問:コロナ禍が収束した後、以下の項目を行う頻度はどうなると思いますか?現在(コロナ禍)と比べてお答えください。
<日本での調査概要>
タイトル: COVID-19生活者意識ナビゲーター
調査手法: インターネット調査
調査時期: 第1回:2020年4月23~24日、 第2回:2020年5月11~13日
第3回:2020年5月28~31日、 第4回:2020年6月 9~11日
第5回:2020年6月24~26日、 第6回:2020年7月 8~10日
第7回:2020年8月13~16日、 第8回:2020年9月16~18日
第9回:2020年10月21~23日、 第10回:2020年11月19~22日
第11回:2021年1月28~30日、 第12回:2021年3月19~20日
第13回:2021年4月28日~5月2日
エリア : 全国
対象者 : 全国20~69歳の男女1,000名
調査内容: 新型コロナウイルス感染症に対する心理ステージ、生活行動、企業への期待など
調査実施: 株式会社電通
<米国での調査概要>
タイトル: COVID Crisis Navigator
調査手法: インターネット調査
調査時期: 第1回:2020年3月27~29日、第2回:2020年4月3~4日
第3回:2020年4月9~12日、 第4回:2020年4月17~18日
第5回:2020年4月 24日、 第6回:2020年5月8日
第7回:2020年5月22日、 第8回:2020年6月5日
第9回:2020年6月19日、 第10回:2020年7月10日
第11回:2020年8月7日、 第12回:2020年9月11日
第13回:2020年10月6日、 第14回:2020年11月11日
第15回:2021年1月14日、 第16回:2021年2月10日
第17回:2021年3月12日、 第18回:2021年4月16日
エリア : 全米
対象者 : 全米18~64歳の男女1,000名
調査内容: 新型コロナウイルス感染症に対する心理ステージ、生活行動、企業への期待など
調査実施:Dentsu U.S.
<参考:米国と日本における新型コロナウイルス関連トピックと調査実施タイミング>
【米国】
第1回:アメリカにおける感染者数が世界最多を記録した直後に実施
第2回:失業保険申請数が増加するなど景気経済への影響が顕在化してきた中での実施
第3回:新規感染者数や死者数が継続して高く推移している中での実施
第4回:事態が長期化している中での実施
第5回:一部の州での経済活動の再開などが報じられ始めたタイミングで実施
第6回:多くの州で一部の経済活動を部分的に再開した中での調査結果
第7回:50の州全てで経済が再開。一方、失業率が高い水準のタイミングでの調査実施
第8回:人種差別への抗議運動が広がり、コロナでも多数がデモに集結していた中で実施
第9回:複数の州で新規感染者数の最多記録が更新され、第二波への懸念が高まる中での調査
第10回:累計感染者数が300万人を超え、依然として失業率が高止まりしている時期に調査
第11回: 7月中旬~後半にかけて新規感染者数が7万人を超えピークを迎えた後、落ち着きを見せ始めた中での調査
第12回: コロナ感染拡大から6カ月、感染拡大はまだ落ちつかないものの、大統領選挙の話題が増えてきている中での調査
第13回:大統領選挙まで1か月余り。中西部での感染が拡大。NYでは一部地域で再封鎖実施も報道される中での調査
第14回:大統領選挙が行われた。1日の感染者数が10万人を突破し、感染者数が急激に拡大している中での調査
第15回:ワクチン接種が開始されるも、新規感染者数が30万人突破。変異株の感染拡大も懸念される中での調査
第16回:バイデン政権によりワクチン接種が加速・本格化。1日あたり新規感染者数が10万人を下回る中での調査
第17回:ワクチン接種進むも、変異株などの影響から新規感染者数は減らない中での調査
第18回:ワクチン接種のペースが鈍化、変異株への感染も引き続き多い中での調査。
【日本】
第1回:緊急事態宣言が対象地域を全国に拡大(4/16)して1週間が経過した中での実施
第2回:ゴールデンウィーク / ステイホーム週間が明け、感染者数が3月末以降初めて100人を下回った中での実施
第3回:全国で緊急事態宣言が解除された数日後の調査
第4回:全国で緊急事態宣言が解除されてから2週間後。東京アラートが解除されるまでのタイミングで実施
第5回:都内ホストクラブでのクラスタ発生を中心に、感染者が再び増加してきた中での実施
第6回:東京都を中心に感染者数が大幅に増加し、都外への外出自粛が要請された中での実施
第7回:国内の感染者数が1,000人を超え、各地で感染が拡がる中迎えたお盆・夏季休暇中での実施
第8回:感染者数は減少傾向にあり、9月14日に自民党総裁選が行われた直後のタイミングでの実施。
第9回:感染者数が安定して推移、「GoToトラベル」キャンペーンの東京発着分追加、「GoToEat」キャンペーン開始など経済活性化政策が強化される中で実施
第10回:国内の1日あたり新規感染者数2,000人を超え、過去最高を更新する中で実施
第11回:年明けに一気に感染者数が増え、2度目の緊急事態宣言が発令される。変異株の感染も報告される中での実施
第12回: 4都県では引き続き緊急事態宣言下(調査終了翌日3/21に解除)の中で実施。
第 13回:まん延防止等重点処置や4都府県で3回目の緊急事態宣言が発令された時期
<参考:その他の主なファインディングス>
(ア)コロナワクチンへの信用度合い
・ワクチンへの信用度は、前回と同水準。信頼計は、日本で66%、米国で72%。
(図表6)コロナワクチンへの信用度合い
質問: 新型コロナウイルスのワクチンについて、あなたはどの程度、効果や安全性を「信用」しますか?新型コロナウイルスワクチンについて知っていること・情報を踏まえ、ご回答ください。
(イ)コロナワクチンの接種時期
・日本では「いち早く摂取したい」が7ポイント増加して28%に。米国ではすでに摂取したが42%いる一方で「ワクチン接種はしたくない」も16%存在し、ワクチン接種の鈍化につながっている。
( 図表7)コロナワクチンの接種時期
質問:新型コロナウイルスのワクチン接種が可能になった時、あなたはいつ頃接種したいですか?
(ウ)外出時に感じる危険性
・日本は「危険を感じる」が77%と、前回よりも10ポイント増。
・米国では、「危険を感じない」が71 %と前回よりも17ポイント高まった。
(図表8)外出時に感じる危険性
質問:現在、外出することについてどのくらい心配していますか?
(エ)外出自粛の主な理由 年代別上位5項目
・20代は、「身の回りの人の健康」や「周りからの目線(責任を問われる)」など、周囲の人ありきの外出自粛。一方、30~60代は「自身の健康」と「医療現場のひっ迫」が上位。
(図表9)外出自粛の主な理由年代別
質問: 以下の項目について、あなたが外出を自粛しようと思う理由としてあてはまるかどうか、お答えください。
以上
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- URL http://www.dentsu.co.jp/
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