複雑化する社会における、 科学の役割と求められるリーダーシップ 〜第15回トポス会議における提言

FCAJ

2021年5月26日

一般社団法人Future Center Alliance Japan https://futurecenteralliance-japan.org/

一般社団法人FCAJ(Future Center Alliance Japan:代表理事 紺野登)は2021年5月20日17:00~19:30「創造的失敗思考〜複眼であたらしい世界を築く」と題し、欧州、日本の「未来を考える力」を持つ方々を集めたZoomセミナーを行い、以下のような提言をまとめました。尚当日のセミナー参加者は日欧含め230名でした。

 

<トポス会議とは?>

「トポス会議」は2012年、野中郁次郎教授と紺野登が発起人となって発足した国際会議(w3i)です。「トポス」とはギリシャ語で「場」を意味しますが、トピックの語源でもあります。国内外の賢者が日本に集まり、対話の場を設け、直近の問題ではなく、将来にわたって重要となるテーマを共に発見し、パースペクティブを得る会議として、2019年まで計13回行われました。

その後コロナウィルスの影響が世界に広がる中で、国家間の断絶や社会での疎外などが目にされるようになり、トポスのような場が今一度必要だと思い至りました。こうした場の重要性を認識した上で、近い将来に重要なトピックと思われるテーマそのものを議論する姿勢を変えずにオンラインで実験的に昨年より再開しています。

 


 

 

1)第15回トポス会議における提言

現在のパンデミックが収束したとしても世界は元には戻りません。予定調和的な世界からより複雑系の世界となったいま、失敗は寧ろ当たり前であり、そこから学び、共感しながら、イノベーションを起こす姿勢が重要です。創造的失敗とは、「よく準備された仮説だが期待されたことと異なる結果になってしまう」ことを言います。そこで私たちは失敗のパターンを理解し、未知の状況へ活かす失敗知性(Failure Intelligence)を備える必要があります。一方日本特有の課題は、この失敗に蓋をしてしまい無かったことにする、そして成功体験だけに固執してしまうことでした。そこでいまこそ科学的思考が重要です。その第一歩は「不確かなこと」を可視化していくことですが、科学者は全ての研究対象に対し「謙虚」でなければなりません。社会科学領域においても、今後は直接経験を通しながらアートと科学をタイムリーにバランスさせ、俊敏に(Agile)対応する必要があります。利己的に行動する時代は終わり、個々の関係性にもとづく共感の時代が始まっています。そこでは真摯な姿勢(Integrity)が新たな関係性を生み出し、利己と利他をも超えた共感(Empathy)を伝えていくことによって、人が動き、科学も変わる。帰納(Induction)、演繹(Deduction)的思考から仮説的推論(Abduction)へと転換することによって、素早い社会課題への対応が可能になるのではないでしょうか。

 

 

2)『創造的失敗思考』とそれを論じる主たる論客たち

私たちはできる限り「失敗」を避ける行動を促されてきましたが、新型コロナウィルスによるパンデミックをきっかけに顕在化したのは計画ありきの「予定調和」ではなく、失敗を恐れずそれを糧にしながら新たな挑戦をしていくこと、イノベーションを生み出していくことでした。

今回は、オランダのThe Institute of Brilliant Failure(輝かしい失敗研究所)からChief Failure Officerを招き、失敗からの知識創造や、失敗を資産にする社会について様々な分野の方を交え新たな社会のあり方を考えました。

 

【キーノートスピーカー】

 

Paul Iske ポール・イスケ

(「輝ける失敗研究所 最高失敗責任者」Chief Failure Officer, The Institute of Brilliant  Failure、マーストリヒト大学教授)

 日本語版『失敗の殿堂』が東洋経済新報社より近刊。

-マーストリヒト大学ビジネス・経済学部のオープンイノベーション&ベンチャービジネスの教授として、サービス・イノベーションとソーシャル・イノベーションを研究。イノベーションと起業家精神の研究を深めるためにInstitute for Brilliant Failuresを創設。創造性やイノベーション、知的資本、ナレッジマネジメント、起業家精神などの分野で講演やコンサルタントに従事。

 

 

【ビデオメッセージ】                     

 

Truls Berg トゥルース・ベルグ

(Founder of Open Innovation Lab of Norway)

-25年以上にわたりシリアルアントレプレナー、CEO、ビジネスデベロッパーとしての経験を持つICTエグゼクティブ。Open Innovation Lab of Norwayの創設者をはじめ、Digital Insight社の創立パートナーやノルウェーの代表的なイノベーション雑誌INNOMAGの編集長でもある。また、2001年から2003年までNorwegian Computer Assosiationの会長を務めた。

 

山口 周(独立研究者/パブリックスピーカー/著作家)

SHU YAMAGUCHI

-電通、ボストン・コンサルティング・グループ、コーン・フェリー等で企業戦略策定、文化政策立案、組織開発等に従事した後に独立。現在は「人文科学と経営科学の交差点で知的成果を生み出す」をテーマに独立研究者、著作家、パブリックスピーカーとして活動。現在、株式会社ライプニッツ代表、世界経済フォーラムGlobal Future Councilメンバ。著書に『ニュータイプの時代』『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』『武器になる哲学』など。

 

 

【ゲストスピーカー】                     

 

小泉 英明(日立製作所 名誉フェロー、FCAJ特別アドバイザー)

HIDEAKI KOIZUMI

-1971日立製作所計測器事業部入社。1976年偏光ゼーマン原子吸光分析法を創出し東京大学理学博士。実用化した装置は、環境計測を中心に世界で1万台以上が稼働。通産省特許制度100周年にて日本の代表特許50件に選定、また初期装置は分析機器・科学機器遺産に選定。医療計測では、磁気共鳴血管描画法(MRA)や光トポグラフィ法を創出し実用化。編著に『環境計測の最先端』、分担執筆に『Encyclopedia of Analytical Chemistry』 他辞書類多数。

 

堀江 愛利(Womens' Startup Lab代表取締役)

ARI HORIE

-広島県生まれ。1997年にカリフォルニア州立大を卒業。2013年、米シリコンバレーでWomen’s Startup Labを創業し、女性起業家向けに合宿型の育成プログラムを開始する。CNN「10 Visionary Women(10人のビジョナリーウーマン)」、マリ・クレール誌「20 Women Who Are Changing the Ratio(男女比を変える20人の女性)」、またこのほど米国最大の起業家専門誌「Entrepreneur Magazine」の「100 Powerful Women in Business」に選出されている。

 

鬼武 みゆき(コンポーザー/アレンジャー/ピアニスト)

MIYUKI ONITAKE

-東京理科大学理学部数学科卒業後、キヤノン(株)にシステムエンジニアとして就職、27歳より本格的に音楽活動開始という異色の音楽家。これまでに最新作「FUKUSHIMA」を含む7枚のオリジナルアルバムを発表。加藤登紀子、宮沢和史、手嶌葵等、数多くのレコーディング、コンサートにアレンジャー、ピアニストとして参加。またコンポーザーとしても活躍している。福島県での地元に密着した作曲活動は2019年にはその地域貢献をNHK福島局から表彰された。

 

 

【主催スピーカー】 

 

野中 郁次郎(一橋大学名誉教授、トポス会議発起人、FCAJ特別アドバイザー)

IKUJIRO NONAKA 

-一橋大学名誉教授。2016年1月より日本学士院会員。知識創造理論を世界に広めたナレッジ・マネジメントの権威。2002年紫綬褒章、2010年瑞宝中綬章を受章。2017カリフォルニア大学バークレー校ハースビジネスクールより「LifetimeAchievement Award(生涯功労賞)」を受賞。著書に『失敗の本質』『知識創造企業』『知的機動力の本質』ほか多数。

 

紺野 登(ECOSYX LAB代表、トポス会議発起人、FCAJ代表理事)

NOBORU KONNO

-多摩大学大学院・ECOSYX LAB,INC. 組織・社会の知識生態学 (ナレッジ・エコロジー)の観点か ら、デザインの方法を基にした知識創造と「場」の創出と活用の方法論、イノベーション経営、そのための「目的工学」の研究と実践を推進。その一環で、日本へのフューチャーセンター導入にも関わり、2015年にフューチャーセンターアライアンスジャパンを立ち上げる。

 

中山 こずゑ(帝国ホテル 社外監査役、TDK及びいすゞ自動車 社外取締役、FCAJ理事)

KOZUE NAKAYAMA

-慶應大学大学院社会学研究科修士課程終了後、日産自動車(株)入社。グローバルブランドコーディネーションビューロー副本部長、その後横浜市に入庁、2012年から横浜市文化観光局長、2018年(株)横浜国際平和会議場CEO、一般社団法人Future Center Alliance Japan理事、多摩大学大学院社会人MBAコース客員教授、2019年より、(株)帝国ホテル社外監査役、2020年TDK(株)及び いすゞ自動車(株)社外取締役。

 

島 裕(中曽根康弘世界平和研究所 主任研究員、FCAJ理事)

HIROSHI SHIMA

-公益財団法人中曽根康弘世界平和研究所 主任研究員。日本政策投資銀行において地域振興、都市開発等の事業審査、企画調査業務を経て、 2004年に技術事業化支援センターを立ち上げ、技術経営とイノベーションのサポートに従事。2013年4月より価値創造に向けたオープン・イノベーション推進のための金融機関発のフューチャーセンター「大手町イノベーション・ハブ」の立ち上げ、運営に携わる。

 

3)取材素材につきまして 

報道関係の皆様におかれましては、より詳細な情報が必要な場合は、下記へのお問い合わせください。著作権者等の了解が得られない場合はお出しできないケースもあることを含み置き頂きたくお願い致します。

 

※一般社団法人Future Center Alliance Japan (FCAJ)は、産学官民が参加・連携する組織(プルーラルセクター)であり、経済と社会を繋ぐオープンイノベーション の「場」として、自社や自組織の枠を超えた社会課題や未来課題への対応、新たな産業を構想する活動を2016年より行っています。https://futurecenteralliance-japan.org/

 

本プレスリリースは発表元が入力した原稿をそのまま掲載しております。また、プレスリリースへのお問い合わせは発表元に直接お願いいたします。

プレスリリース添付画像

ポールイスケ

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野中先生

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