特許長期濃度保持型二酸化塩素ガス溶存液 新型コロナ変異2株のスパイクたんぱく質とACE2受容体との結合阻害

新型コロナウイルス変異株アルファ、ベータに対する研究成果

大幸薬品

2021年7月6日

大幸薬品株式会社

大幸薬品株式会社(本社:大阪市西区、代表取締役社長:柴田高、以下、大幸薬品)は、特許長期濃度保持型 二酸化塩素ガス溶存液(*1)が、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の変異2株(アルファ, ベータ)のスパイクたんぱく質と宿主細胞表面に存在するACE2(*2)受容体との結合を阻害することが確認されたと発表しました。本研究成果は英文学術誌Annals of Pharmacology and Pharmaceutics「Inhibition of the Binding of Variants of SARS-CoV-2 Coronavirus Spike Protein to a Human Receptor by Chlorine Dioxide」(2021, Volume 6, Issue 1, Article 1199)に掲載(http://www.remedypublications.com/open-access/inhibition-of-the-binding-of-variants-of-sars-cov-2-coronavirus-spike-7364.pdf)されました。

 

新型コロナウイルスが、ヒトに感染するには、ウイルスの表面にあるスパイクたんぱく質が、ヒト上皮細胞表面(肺や呼吸器等)にある受容体であるACE2受容体に結合することが必要です。この結合時には、スパイクたんぱく質を構成する特定のアミノ酸残基(453番目チロシン)とACE2受容体の特定のアミノ酸残基(34番目ヒスチジン)が結合する(*3)ことが既に知られています。

 

本実験では、この特異的な結合を化学発光として定量的に評価できる測定法を用いて、二酸化塩素によるスパイクたんぱく質のACE2受容体の結合のIC50 (50%生物活性阻害濃度)が測定されました。試験薬には、特許長期濃度保持型 二酸化塩素ガス溶存液(*1)(製造後3年経過の溶存液で二酸化塩素濃度1.80 mmol/L(121ppm(重量比) (*4))及び、化学的に発生させた二酸化塩素ガスを蒸留水に溶解した水溶液(以下、二酸化塩素水溶液)が用いられました。これらを所定濃度に調整した二酸化塩素の溶存液を用い、新型コロナウイルス変異2株から抽出された試験用スパイクたんぱく質に5分間(温度25℃)接触させた後、二酸化塩素を中和し、各スパイクたんぱく質の結合活性を測定しました。

 

その結果、二酸化塩素水溶液でのIC50は、アルファ株で7.6μmol/L(0.51 ppm)、ベータ株で5.8μmol/L(0.39 ppm)、特許長期濃度保持型 二酸化塩素ガス溶存液ではアルファ株で15.3μmol/L(1.03 ppm)、ベータ株で4.7μmol/L(0.32 ppm)であり、さらに共にその濃度依存的に、変異2株(アルファ, ベータ)のスパイクたんぱく質の蛍光発光が低下することが確認されました(グラフ1,2)。

 


このことは二酸化塩素分子が新型コロナウイルス変異2株(アルファ, ベータ)のスパイクたんぱく質に作用して、ACE2の結合を阻害することを示しており、二酸化塩素が新型コロナウイルスの感染を阻止することが推察されます。

 

なお、既に別の研究で二酸化塩素が新型コロナウイルスの従来株, 変異2株(アルファ, ガンマ)を99.99%以上不活化することを確認(*5)しており、本試験により、新型コロナウイルスへの長期濃度保持型 二酸化塩素ガス溶存液の更なる有用性が実証されました。

 

(*1) 大幸薬品株式会社製 特許長期濃度保持型 二酸化塩素ガス溶存液 (特許第5757975号) (製造後3年経過の本溶存液)を使用。

(*2) ACE2とは:アンジオテンシン変換酵素2(Angiotensin-converting enzyme 2)のことで、血圧上昇に深く関与している酵素であり、ヒトコロナウイルスSARS-CoVおよびSARS-CoV-2の機能的受容体として知られている。

(*3) Yan R, Zhang Y, Li Y, et al. Structural basis for the recognition of SARS-CoV-2 by full-length human ACE2. Science 2020; 367(6485):1444-8.

(*4) ppmの単位について: ppm(parts per million)は100万分の1という割合を表します。液体では重量比(mg/L=ppm, 1L水=1kgと近似)、気体では体積比を用います。本試験のppmは水溶液での重量比を表します。

(*5) 2021年5月14日付 大幸薬品 News Release

https://www.seirogan.co.jp/internal/uploads/arrival/pdf_630.pdf

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プレスリリース添付画像

Graph_新型コロナウイルス変異株のスパイクたんぱく質のACE2受容体への結合の影響(実験環境)

Thumbnail_20210706_News_Release_二酸化塩素_新型コロナウイルス変異株Alpha_Beta_ACE2結合阻止

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