コロナ?風邪? もしかしたらそれ、『かくれ脱水』かも? 免疫低下シーズンの“感染症・脱水症”混同注意

「なんだか熱っぽい」、「なんとなく倦怠感」、「理由がわからず頭痛がする」、「身体が痛い」

… 免疫低下シーズンの“感染症?脱水症?”混同見分けるテクニックとは?

 

気温も下がり、体調の維持により一層努めなくてはならない秋冬。しかし急な気候や気温の変化に、“なんとなく具合の悪い”というコンディションに陥ってしまう人も少なくないのではないでしょうか。

「なんだか熱っぽい」「なんとなく倦怠感がある」「理由はわからないけれど頭痛がする」「身体が痛い」…。実はこういった愁訴の原因が、“単純に脱水を起こしているだけ”、というケースがまま見られるといいます。風邪や新型コロナ、インフルエンザなども気になるこの季節。脱水症なのか、感染症などの病気なのか、どのように判別すればいいのでしょうか? 「教えて!『かくれ脱水』委員会」副院長 谷口英喜医師より解説します。

 

 

【監修】「教えて!『かくれ脱水』委員会」副委員長 医師 谷口英喜

 済生会横浜市東部病院 患者支援センター長/周術期支援センター長/栄養部部長

 

専門は麻酔・集中治療、経口補水療法、体液管理、臨床栄養、周術期体液・栄養管理など。日本麻酔学会指導医、日本集中治療医学会専門医、日本救急医学会専門医、TNT-Dメディカルアドバイザー。1991年、福島県立医科大学医学部卒業。学位論文は「経口補水療法を応用した術前体液管理に関する研究」。著書「熱中症・脱水症に役立つ 経口補水療法ハンドブック 改訂版」『イラストでやさしく解説!「脱水症」と「経口補水液」のすべてがわかる本』

 

 

「風邪? 新型コロナ? それとも実は、脱水症!?」 紛らわしい症状は?

 

風邪でも新型コロナでも脱水症でも起こりうる混同しやすい症状としては、

・頭が痛い、重い / ・食欲不振、下痢、嘔吐、吐き気

・筋肉の違和感、関節痛、筋肉痛 / ・発熱

があります。

 

対し、脱水症だと咽頭痛やせき、たんは出ません。これらの上気道症状が出た場合はウイルス感染を疑ったほうがいいかもしれません。

ウイルス感染のときも、体内に入り込んだウイルスや細菌の増殖を抑えるための身体の防御反応で発熱します。ウイルスに対抗するために体温を高めているという側面もあります。

しかし、体温が上がりすぎてしまうと体温を下げるために汗をかき、脱水してしまいます。実際に感染症にかかったときも、速やかで効果的な水、塩分を補給することが非常に重要になります。

まずは、発熱による発汗を伴う脱水症の改善を試みた上で、次に解熱剤の使用を検討すると良いと思います。

 

 

脱水すると、なぜウイルス感染に似た症状が出るのか?

人間の身体では、各器官が正常に動くための酸素や栄養素を届ける役割、また、身体を温めたり、逆に暑い時は体温を下げるための汗を作るといった重要な役割を血液が担っています。

血液の約55%は水分でできていますが(約45%は血球等)、水分量が足りないと血流も減ってしまい、器官が酸素不足を起こして痛みが出たり、汗が出にくくなるために高体温になったりといった、ウイルス感染時に出るのと似た症状が現れるのです。

 

今年は多くの方が新型コロナワクチンを接種し、副反応による発熱や頭痛に悩まされたという方もいたと思いますが、その時に経口補水液を摂ると副反応の症状が小康することもあると話題になりました。実はこれも、脱水症が緩和されたことによって症状が和らいだというケースがあるのではないかと推定します。

 

 

「体温が何度以上だとウイルス感染」などの明確な体温の目安はありません

新型コロナ感染の拡大防止のために、建物や店舗、イベントなどへの入場規制は、体温37度を基準に判断することが多いようですが、ウイルス感染なのか脱水なのか、はたまた異なる病気なのかを明確に区別できる体温の目安というものは実はありません。平熱は個人差がありますので、「何度以上で症状が出る」とは言いにくいからです。平熱より体温が上昇すると、「熱っぽい」という自覚が出てきます。平熱が36度前後の人が多いので、一般的には37度を超えると若干熱っぽく感じる人が多いので、高熱が出てしまっている人を見分ける意味での目安としては適しているといえます。

 

 

ウイルス感染症か、脱水症か? 診断的治療には経口補水液

脱水症なのか、ウイルス感染などで体調が悪いのかが不明なときは、試しに経口補水液を飲んでみることをおすすめします。経口補水液は小腸からもっとも水分が吸収されやすい割合で水・塩分・糖分が配合されている飲料なので、摂った水・塩分が素早く身体に吸収され、脱水症を改善します。経口補水液を試してみてほどなくして症状が改善したら、脱水症による体調不良であった可能性が非常に高いといえます。このように、「病気の診断の検討をし、それに対する治療をしながら経過を観察し、その治療で効果がみられたら、その診断が適切であったとする診断・治療の方法」の診断的治療と言います。

一方、経口補水液を飲んでも咽頭痛や発熱が残るときは、新型コロナや風邪などの感染症にかかっている可能性があります。その場合は病院に行くようにしましょう。

 

発熱でも脱水症を起こすことはあるので、とりあえず初期症状を緩和させる意味でも経口補水液を飲むことはおすすめです。

気温が下がり免疫が低下しがちな秋冬はいざというときのために自宅に経口補水液を備えておきましょう。

 

 

もしも脱水症になってしまったら?

感染症などの症状が全くないのに体温が上昇してきたら、脱水症の可能性があります。安静にして、経口補水液を飲むのが良いと思います。からだを動かすと、そこでさらに熱が高くなるリスクもあるのでまずは安静にしましょう。また、脱水症により汗がかきにくくなることで体温が上昇することもあります。経口補水液を飲んで汗がかければ、薬に頼ることなく体温を下げることができる場合もあります。

食事をきちんと摂っている場合は、お水だけでもいいですが、食欲がなくきちんと食事を摂れていないときは水と一緒に塩分も補給できる経口補水液を飲みましょう。適量の塩分を摂らずに水だけを補給しても、かくれ脱水を解消することができません。脱水状態は水だけが不足しているのではなく、塩分も同時に失われた状態です。脱水時に水だけを飲むと一時的に血液が薄まります。体は水と塩分のバランスを調整しようとして水分の排泄が進み、かえって脱水状態を進行させることにもなりかねません。「脱水症」は、水+塩分も不足しているリスクがあることを意識しましょう。

 

 

脱水症が免疫低下を招くおそれも。

かくれ脱水状態を放置してしまうと、免疫力が低下して、風邪や新型コロナに感染しやすくなるというリスクも上昇させてしまうおそれがあります。脱水していることにより、唾液が少なくなり、鼻や喉などの粘膜か乾いてしまうことで粘膜に付着したウイルスを外へとかきだす粘膜表面の線毛がうまく機能しなくなってしまうからです。もちろん、体内で免疫細胞や血液を産生する骨髄へ流れる血流も減るので免疫細胞が十分に機能しなくなるのも間接的に原因となりえます。

 

 

こんな人は特に『かくれ脱水』に注意

大人なら食事を3食摂り、食事に含まれる水分以外で1日に1リットル以上の水分摂取をしていれば秋冬に極端な脱水症を起こすことは稀ですが、大量に汗をかいた運動後や、食事量が少なく、筋肉の少ない高齢者、アルコールの分解のために水分を要する二日酔時などは、通常摂取している水分量では足りない可能性もあるので経口補水液を摂取するように心がけましょう。

 

大量の汗をかかない人でも、人間は不感蒸泄といって生きているだけで水を体外に蒸発させていますし、こたつや暖房など、体温を上げ、乾燥させてしまう環境もあります。特にこの2年間は、自粛生活で運動量が減っているために、水分を多く貯蔵できる臓器である筋肉が少なくなっている方も多いと思われますので、例年にも増して、冬のかくれ脱水には要注意です。

 

常にかくれ脱水のリスクを意識し、免疫力を下げずに秋冬を乗り切りましょう。

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