電通、新型コロナウイルス日米定点生活者意識調査第18回目を実施

感染者数減少に伴い日本の心理ステージは過去最高、 メディア利用はオンライン動画およびゲームが40%増

電通

2021年11月5日

 株式会社電通(本社:東京都港区、社長:五十嵐 博)は、2021年10月上旬、全国20〜69歳の男女1,000名を対象に「COVID-19生活者意識ナビゲーター(第18回日米比較編)」を実施しました。

 本調査は、電通グループの海外事業を統括する電通インターナショナル社(旧:電通イージス・ネットワーク社)の米国拠点Dentsu U.S.が米国において、新型コロナウイルスによる生活者意識の変化を20年3月下旬から21年9月にかけて23回にわたり調査したものとほぼ同じ内容を日本国内でも調査したものです。前回の9月上旬に引き続き、日本での第18回目の調査を10月上旬(9月末に自民党総裁選が行われた後、感染者数が大幅に減少、緊急事態宣言が解除された時期)に行いました。比較対象である米国の第23回目は9月中旬に調査を行いました。

 

 第18回調査の主なファインディングスは以下の通りです。なお、一部の調査項目は情勢を鑑みながら追加・変更を行っているため、設問によっては比較可能な項目がある回との対比を行っております。

 

<主なファインディングス>

1.生活者の心理ステージは、日本でステージ3「順応・適応」からステージ5「収束後の生活へ」の合計が56%と過去最高となり、収束の兆しを感じる人々が増えた。一方米国では前回調査から若干ステージ後退がみられ、ステージ3~5の合計が55%と、調査開始以降初めて日米の心理ステージが逆転した。

2.コロナ禍の状況認識は、日本では「感染状況は次第に落ち着きを取り戻している」が5割強と過去最高になった。米国は前回と比較すると「次第に落ち着きを取り戻してきていて、対応できている」が増加したものの、今年の5月、6月と比べると「感染状況が悪化している」という認識を持つ人が依然多い。

3.日本におけるワクチンの効果や安全性に対する信用度は「完全に信用する」「ある程度は信用する」の合計が81%と、前回の71%から過去最多を更新。

4.外出時に感じる危険性は、日本では「危険を感じる」が71%と前回より11%減少。一方で米国では「危険を感じる」が前回よりも11%多い38%となった。

5.政府や専門家による安全宣言が出された場合、日本では「すぐには元の生活には戻らず、慎重に様子をみる」が47%と米国の21%を大きく上回る。日本人の慎重な姿勢が伺えた。

6.過去3か月間で利用が増えたメディアは、日本では「オンライン動画」が45%、「スマホゲーム、携帯ゲーム」が40%増加。米国では「SNS」が43%、「テレビ番組」が40%となった。

 

<詳細結果>

1.生活者の心理ステージは、日本でステージ3「順応・適応」からステージ5「収束後の生活へ」の合計が
56
%と過去最高となり、収束の兆しを感じる人々が増えた。一方米国では前回調査から若干ステージ後退がみられ、ステージ35の合計が55%と、調査開始以降初めて日米の心理ステージが逆転した。

・新型コロナウイルスの影響下における生活者の心理変容を5つのステージで捉えて傾向を把握。

・日本では、ステージ3、ステージ4が増加し、ステージ3~5の合計が56%と過去最高となった。

・米国は、前回と比べてステージが後退。

(図表1)生活者の心理ステージ

質問:新型コロナウイルスの感染拡大のような公衆衛生上の危機に面した時、人々の気持ちの変化にはいくつかの 「ステージ」があると言われています。今回の新型コロナウイルスの感染拡大があなたの日常生活にどのような影響を与えたかを考えていただき、現在のあなたの状況に最も当てはまるものを1つお選びください。

出典:社会心理学の「キューブラ=ロスモデル」から着想を得て、COVID-19での心理変容に置き換えて定義。ステージ文言などは電通オリジナルで作成。

 

 

2.コロナ禍の状況認識は、日本では「感染状況は次第に落ち着きを取り戻している」が5割強と過去最高になった。米国は前回と比較すると「次第に落ち着きを取り戻してきていて、対応できている」が増加したものの、今年の5月、6月と比べると「感染状況が悪化している」という認識を持つ人が依然多い。

・日本では「感染状況は次第に落ち着きを取り戻している」が前回の9%から53%と過去最高。「手に負えない状況」と感じる人も9%となった。

・米国では、前回の8月と比べると「次第に落ち着きを取り戻してきていて、対応できている」が増加。

 (図表2)コロナ禍の状況認識

質問: これまでの国内の新型コロナウイルスの感染状況の経過について、あなたはどう感じますか?以下のうち、最も当てはまるものをお選びください。

 

 

3日本におけるワクチンの効果や安全性に対する信用度は「完全に信用する」「ある程度は信用する」の合計が81%と、前回の71%から過去最多を更新。

「完全に信用する」「ある程度は信用する」がともに前回比+5%と大きく伸び、いずれも過去最高となった。

(図表3)コロナワクチンへの信用度合い


質問:新型コロナウイルスのワクチンについて、あなたはどの程度、効果や安全性を「信用」しますか?新型コロナウイルスワクチンについて知っていること・情報を踏まえ、ご回答ください。

 

 

4外出時に感じる危険性は、日本では「危険を感じる」が71%と前回より11%減少。一方で米国では「危険を感じる」が前回よりも11%多い38%となった。

・日本では今年6月時点の水準にまで回復。米国では「危険を感じる」人が5か月ぶりに30%台に増加した。

 (図表4)外出時に感じる危険性

質問:現在、外出することについてどのくらい心配していますか?

 

 

5政府や専門家による安全宣言が出された場合、日本では「すぐには元の生活には戻らず、慎重に様子をみる」が47%と米国の21%を大きく上回る。日本人の慎重な姿勢が伺えた。

・即座に元の生活に戻る人の割合も日本は10%、米国は41%と大きな差がみられる。

(図表5)政府・専門家による安全アナウンス後の生活

質問:政府や専門家が、コロナ以前の生活に戻っても大丈夫だと宣言した場合、あなたの生活の変化として当てはまりそうなものをお選びください。※元の生活、とはコロナ禍以前の生活を指します。

 

 

6過去3か月間で利用が増えたメディアは、日本では「オンライン動画」が45%、「スマホゲーム、携帯ゲーム」が40%増加。米国では「SNS」が43%、「テレビ番組」が40%となった。

・日米ともに、新聞・雑誌・ラジオの伸びは少ない。

(図表6)3か月前と比較したメディア利用状況

質問:メディアの視聴・利用についての質問です。3か月前と比べた際、あなたの各メディア利用の増減を教えてください。

 

 

 

<日本での調査概要>

タイトル: COVID-19生活者意識ナビゲーター

調査手法: インターネット調査

調査時期: 第1回:2020年4月23~24日、 第2回:2020年5月11~13日

第3回:2020年5月28~31日、      第4回:2020年6月 9~11日

第5回:2020年6月24~26日、      第6回:2020年7月 8~10日

第7回:2020年8月13~16日、      第8回:2020年9月16~18日

第9回:2020年10月21~23日、      第10回:2020年11月19~22日

第11回:2021年1月28~30日、      第12回:2021年3月19~20日

第13回:2021年4月28日~5月2日、    第14回:2021年5月19日~5月21日

第15回:2021年6月25日~5月26日、       第16回:2021年7月30日~7月31日

第17回:2021年9月3日~4日       第18回:2021年10月7日~10月8日

エリア : 全国

対象者 : 全国20~69歳の男女1,000名

調査内容: 新型コロナウイルス感染症に対する心理ステージ、生活行動、企業への期待など

調査実施: 株式会社電通

 

<米国での調査概要>

タイトル: COVID Crisis Navigator

調査手法: インターネット調査

調査時期: 第1回:2020年3月27~29日、 第2回:2020年4月3~4日

第3回:2020年4月9~12日、       第4回:2020年4月17~18日

第5回:2020年4月 24日、        第6回:2020年5月8日

第7回:2020年5月22日、         第8回:2020年6月5日

第9回:2020年6月19日、         第10回:2020年7月10日

第11回:2020年8月7日、         第12回:2020年9月11日

第13回:2020年10月6日、       第14回:2020年11月11日

第15回:2021年1月14日、       第16回:2021年2月10日

第17回:2021年3月12日、          第18回:2021年4月16日

第19回:2021年5月19日、          第20回:2021年6月10日

第21回:2021年7月15日、          第22回:2021年8月月12日

第23回:2021年9月13日

エリア : 全米

対象者 : 全米18~64歳の男女1,000名

調査内容:新型コロナウイルス感染症に対する心理ステージ、生活行動、企業への期待など

調査実施:Dentsu U.S.

 

 

<参考:米国と日本における新型コロナウイルス関連トピックと調査実施タイミング>

【米国】

第1回:アメリカにおける感染者数が世界最多を記録した直後に実施

第2回:失業保険申請数が増加するなど景気経済への影響が顕在化してきた中での実施

第3回:新規感染者数や死者数が継続して高く推移している中での実施

第4回:事態が長期化している中での実施

第5回:一部の州での経済活動の再開などが報じられ始めたタイミングで実施

第6回:多くの州で一部の経済活動を部分的に再開した中での調査

第7回:50の州全てで経済が再開。一方、失業率が高い水準のタイミングでの調査

第8回:人種差別への抗議運動が広がり、コロナでも多数がデモに集結していた中での調査

第9回:複数の州で新規感染者数の最多記録が更新され、第二波への懸念が高まる中での調査

第10回:累計感染者数が300万人を超え、依然として失業率が高止まりしている時期に調査

第11回: 7月中旬~後半にかけて新規感染者数が7万人を超えピークを迎えた後、落ち着きを見せ始めた中で調査

第12回: コロナ感染拡大から6カ月、感染拡大はまだ落ちつかず、大統領選挙の話題が増えてきている中で調査

第13回:大統領選挙まで1か月。中西部での感染が拡大。NYでは一部地域で再封鎖実施も報道される中で調査

第14回:大統領選挙が行われた。1日の感染者数が10万人を突破し、感染者数が急激に拡大している中で調査

第15回:ワクチン接種が開始されるも、新規感染者数が30万人突破。変異株の感染拡大も懸念される中で調査

第16回:バイデン政権によりワクチン接種が加速・本格化。1日あたり新規感染者数が10万人を下回る中で調査

第17回:ワクチン接種進むも、変異株などの影響から新規感染者数は減らない中での調査

第18回:ワクチン接種のペースが鈍化、変異株への感染も引き続き多い中での調査

第19回:国民の約3分の1がワクチン接種を完了し、1日当たり新規感染者数が3万人台まで減った中での調査

第20回:アメリカ成人約半数がワクチン接種を2回とも完了し、1日当たり感染者数が1万人前に減った中での調査

第21回:国内新規感染の約6割をデルタ変異株が占めるなど、デルタ変異株が急速に拡がりはじめる中での調査

第22回:アメリカ国民の半数がワクチン接種を2回とも完了するも、デルタ変異株により感染者の増加が止まらない中での調査

 第23回:感染者数が増加したまま高止まりし、なかなか減少しない中での調査

 

【日本】

第1回:緊急事態宣言が対象地域を全国に拡大(4/16)して1週間が経過した中での実施

第2回:ゴールデンウィーク / ステイホーム週間が明け、感染者数が3月末以降初めて100人を下回った中での実施

第3回:全国で緊急事態宣言が解除された数日後の調査

第4回:全国で緊急事態宣言が解除されてから2週間後。東京アラートが解除されるまでのタイミングで実施

第5回:都内ホストクラブでのクラスタ発生を中心に、感染者が再び増加してきた中での実施

第6回:東京都を中心に感染者数が大幅に増加し、都外への外出自粛が要請された中での実施

第7回:国内の感染者数が1,000人を超え、各地で感染が拡がる中迎えたお盆・夏季休暇中での実施

第8回:感染者数は減少傾向にあり、9月14日に自民党総裁選が行われた直後のタイミングでの実施。

第9回:感染者数が安定して推移、「GoToトラベル」キャンペーンの東京発着分追加、「GoToEat」キャンペーン開始など経済活性化政策が強化される中で実施

第10回:国内の1日あたり新規感染者数2,000人を超え、過去最高を更新する中で実施

第11回:年明け一気に感染者数が増え、2度目の緊急事態宣言が発令。変異株の感染も報告される中での実施

第12回: 4都県では引き続き緊急事態宣言下(調査終了翌日3/21に解除)の中で実施。

第13回:まん延防止等重点処置や緊急事態宣言が適応・発令される中で実施

第14回:新規感染者数が高止まりし、GWから延長している緊急事態宣言の再延長が検討される中での調査

第15回:国内の1日当たり新規感染者数が2,000人前後まで落ち着き、緊急事態宣言からまん延防止等重点措置へ移行した中での調査

第16回:東京オリンピックが開催される中、国内の1日当たりの新規感染者数が1万人を突破し、東京・沖縄で緊急事態宣言の延長が決定した中での調査

第17回:8月後半に、国内の1日当たり新規感染者数が20,000人を突破し、その後ピークを超え1万人台にまで落ち着いた中での調査。


18回:9月末に自民党総裁選が行われた後、感染者数は大幅に減少、緊急事態宣言が解除された中での調査。

 

 

<参考:その他の主なファインディングス>

(ア)変異株の懸念度 

・「デルタ変異株」「新たな変異株」の感染拡大を心配する人の割合は日米ともに減少。

・特に日本では「非常に心配している」人の割合が顕著に減少。

 (図表7)変異株への懸念度

質問:以下の項目について、あなたはどれくらい心配していますか?

 

(イ)変異株への予防策

・日米とも、変異株感染の予防策としては「マスク着用」がトップ。次いで「自宅で過ごす時間・活動を増やす」「会う人の数を減らす」が予防策として両国とも多い結果となった。

・マスク着用での予防意識は日本が93%、米国が76%と17%差が開いた。また、「子どもの通学や学校行事を控える」は米国が39%、日本が20%と米国が19%上回る結果となった。

(図表8)変異株への予防策

質問:新型コロナウイルスのデルタ変異株の感染が拡大し続けた場合、予防策として、どのような行動をすると思いますか?

 

(ウ)ワクチン接種普及後の緊急事態宣言についての賛否

・ワクチン接種が普及した後、再び感染が拡大した際には緊急事態宣言を出すべきという人が65%と多数を占める。

(図表9)ワクチン接種普及後の緊急事態宣言についての賛否

質問:今後、ほとんどの人に新型コロナウイルスのワクチン接種が完了したとしても、感染が拡大した場合には緊急事態宣言を出すべきだと思いますか?

 

以上

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