ギリアド、2022年第3四半期の業績を発表
がん領域の売上高は、前年同期比79%増の5億7800万ドル
2022年11月10日
ギリアド・サイエンシズ株式会社
ギリアド、2022年第3四半期の業績を発表
-ベクルリーを除く製品売上は、前年同期比11%増の61億ドル- -ビクタルビの売上高は、前年同期比22%増の28億ドル- -がん領域の売上高は、前年同期比79%増の5億7800万ドル-
ギリアド・サイエンシズ(本社:米カリフォルニア州フォスターシティ、ナスダック:GILD、以下ギリアド)は、2022年10月27日に2022年第3四半期の業績を発表しました。
ギリアドの会長兼最高経営責任者(CEO)ダニエル・オデイ(Daniel O’day)は、「今期の業績も全体的に非常に好調となりました。HIV領域では、治療薬におけるビクタルビのシェア拡大に伴い、治療・予防市場が引き続き拡大しており、当社の長時間作用型HIV治療薬のlenacapavirが初めて欧州で承認されました。オンコロジー領域では、細胞治療薬およびTrodelvyの需要が増加しています。YescartaとTecartusが欧州で承認を受け、TrodelvyはHR陽性/HER2陰性転移性乳がんについて、FDAの優先審査を付与されました。全体として、当社は商業的および臨床的観点から非常に大きく前進しており、この勢いをさらに増していくことを期待しています」と述べています。
2022年第3四半期の業績
• 2022年第3四半期の収益は70億ドル(前年同期比5%減)で、主にベクルリー(R)(レムデシビル)の売上減少によるものですが、HIVおよびがん領域製品の売上増により一部相殺されました。
• 希薄化後1株当たり利益(EPS)は、2021年同期の2.05ドルに対し、2022年第3四半期は1.42ドルに減少しました。この減少は主に、MiroBio社(以下「MiroBio」)買収に伴い取得したインプロセス研究開発(IPR&D)費用の増加(3億8900万ドル)、および収益・製品粗利益率減少が原因ですが、法人税の減少により一部相殺されました。
• 2022年第3四半期の非GAAPベースの希薄化後EPSは、2021年同期の2.65ドルと比較して、1.90ドルに減少しました。これは主に、MiroBio買収および収益・製品粗利益率の減少によるものです。
• 2022年9月30日現在、ギリアドの現金、現金同等物および有価証券は69億ドルで、2021年12月31日現在の78億ドルから減少しています。
• 2022年第3四半期の営業キャッシュフローは29億ドルでした。
• 2022年第3四半期中、ギリアドは10億ドルの債務を返済し、MiroBio買収のための4億1400万ドル、および9億2800万ドルの配当金を支払い、普通株式1億8000万ドルを買い戻しました。
製品売上
2022年第3四半期の製品総売上高は、2021年同期比5%減の70億ドルでした。2022年第3四半期のベクルリーを除く製品売上高は、2021年同期比11%増の61億ドルとなりました。これは主に、HIV、細胞治療薬、C型肝炎ウイルス(HCV)およびTrodelvy(R)(sacituzumab govitecan-hziy)の売上増によるものです。
2022年第3四半期のHIV製品の売上は、政府利用に関連した平均売価の上昇につながる有利なチャネルミックスおよび需要増加により、2021年同期比7%増の45億ドルとなりました。
• ビクタルビ(R)(ビクテグラビル50 mg/エムトリシタビン200 mg(FTC)/テノホビルアラフェナミド25 mg錠(TAF))の2022年第3四半期の売上高は、主に需要増加とチャネルミックスにより、前年比で22%増加しました。
• デシコビ(R)(FTC200mg/TAF25mg)の2022年第3四半期の売上は、前年比16%増となりましたが、これは主にチャネルミックスと需要の増加によるもので、在庫変動により一部相殺されました。
2022年第3四半期のHCV治療薬の売上高は、2021年同期比22%増の5億2400万ドルとなりました。これは主に、欧州で前年のリベート請求が有利に解決したこと、および米国で有利な価格設定の動きによるものですが、新規投与開始患者数が少なかったことにより一部相殺されました。
B型肝炎ウイルス(HBV)とD型肝炎ウイルス(HDV)治療薬の2022年第3四半期の売上高は、2021年同期比7%増の2億6400万ドルとなりました。これは主にベムリディ(R)(TAF25mg)によるものです。ベムリディの2022年第3四半期の売上は、有利な在庫変動などにより、2021年同期比10%増となりました。
細胞治療薬の2022年第3四半期の売上は、2021年同期比79%増の3億9800万ドルとなりました。
• Yescarta(R)(axicabtagene ciloleucel)の2022年第3四半期売上高は、81%増の3億1700万ドルとなりました。これは主に、米国と欧州における再発または難治性(R/R)の大細胞型B細胞リンパ腫(LBCL)に対する需要によるものです。
• Tecartus(R)(brexucabtagene autoleucel)の2022年第3四半期の売上は、72%増の8100万ドルでした。これは主に、米国と欧州における再発性または難治性マントル細胞リンパ腫(MCL)、米国における成人の再発性または難治性前駆B細胞急性リンパ性白血病(ALL)に対する需要によるものです。
2022年第3四半期のTrodelvyの売上は、2021年同期比78%増の1億8000万ドルでした。これは主に、転移性トリプルネガティブ乳がん(TNBC)の第二および第三選択治療薬として採用されたことによるものです。
ベクルリーの2022年第3四半期の売上高は、2021年同期比52%減の9億2500万ドルとなりました。これは主に、2021年同期と比べて、COVID-19関連の入院率低下によるものです。ベクルリーの売上は、一般的に新型コロナウイルス関連の数値、入院率と重症度、ワクチンと代替薬利用の可能性、採用、および有用性に影響を受けます。
2022年第3四半期の製品売上総利益率、営業費用、および実効税率
• 2022年第3四半期の製品売上総利益率は2021年同期の83.4%に対し、80.0%でした。2022年第3四半期の非GAAPベースの製品売上総利益率は、2021年同期の90.0%に対し、86.8%でした。この減少は主に、2021年第3四半期の有利な判決により戻入した同期間に事前計上されていた1億7500万ドルの訴訟準備金、ならびに2022年第1四半期に始まったビクタルビ関連ロイヤルティ費用およびプロダクトミックス変更によるものです。
• 2022年第3四半期の研究開発(R&D)費は、2021年同期比で横ばいの11億ドルでした。2022年第3四半期の非GAAPベースのR&D費は、2021年同期比からほとんど変わらず12億ドルでした(1)。
• 2022年第3四半期の買収によるIPR&D費用は、2021年同期の6500万ドル(1)に対し、4億4800万ドルでした。この増加は主に、MiroBio買収関連費(3億8900万ドル)によるものです。
• 2022年第3四半期の販売費、一般管理費(SG&A)は2021年同期とほぼ同じ12億ドルでした。2022年第3四半期の非GAAPベースのSG&A費は、2021年同期とほぼ変わらず12億ドルでした。
• 2022年第3四半期の実効税率(ETR)は、2021年同期の24.8%に対し、26.6%でした。2022年第3四半期の非GAAPベースのETRは、2021年同期は18.9%に対し、22.4%でした。この増加は主に、ギリアドによるMiroBio買収に伴うIPR&D費用の損金不算入によるものです。
ガイダンス、および今後の見通し
通期ガイダンス、および通期業績見通しを更新しました。
• 製品の総売上高は245億ドル~250億ドルから、259億ドル~262億ドルに変更。
• ベクルリーを除く製品の総売上高は、220億ドル~225億ドルから、225億ドル~228億ドルに変更。
• ベクルリーの総売上高は約25億ドルから約34億ドルに変更。
• 非GAAPベースの一株当たり利益は6.35ドル~6.75ドルから6.95ドル~7.15ドルに変更。
• 一株当たり利益は2.90ドル~3.30ドルから、3.35ドル~3.55ドルに変更。
ギリアドが当該金額を提示できない未実施の買収、または事業開発取引に関連する費用、有価証券の公正価値調整、および税金関連の法律やガイドライン変更に伴う個別の税金費用、または便益の影響は、本財務ガイダンスでは除外しています。2022年のガイダンスに関するGAAPベースの財務情報と非GAAPベースの財務情報の調整は、添付の表に記載されています。また、後述の「将来の見通しに関する記述」もご参照ください。財務ガイダンスは、新型コロナウイルス感染症パンデミックの期間や規模に関する不確実性など、多くのリスクや不確実性を伴います。パンデミックは、ギリアドの事業、および広範な市場力学に継続的に影響を与えることが予測されますが、これらの影響の速度や程度、およびこれに伴うパンデミックからの回復は、ギリアドの事業により異なる可能性があります。
前回の四半期報告書以降の主な更新情報
ウイルス性疾患
• 欧州委員会(EC)は、多剤耐性を有し、抗ウイルス薬による抑制レジメンを構築できない成人のHIV陽性者に対する、他の抗レトロウイルス薬との併用療法でのHIV感染症治療薬として、Sunlenca(R)(lenacapavir)を販売承認しました。
• Merck&Co社(以下、「Merck」)およびギリアドは、改訂された治験実施計画書に基づき、第II相試験を再開する計画であることを発表しました。本試験では、Merckの低用量islatravirとギリアドのlenacapavirを併用した週1回経口投与の治験薬レジメンを評価する予定です。
• 欧州医薬品庁(EMA)の欧州医薬品委員会(CHMP)から、年齢2歳以上、体重14kg以上の小児HIV患者さんを含めるビクタルビの適応拡大に対し、肯定的見解を得ました。
• EMAのCHMPから、12歳未満のCOVID-19小児患者さんに対するベクルリーの適応拡大に対し、肯定的見解を得ました。
• 世界保健機関(WHO)は生活ガイドラインを改訂し、ベクルリーを条件付きでCOVID-19重症患者さんの治療薬として推奨するとともに、入院リスクが非常に高い非重度のCOVID-19患者さんに対しても、引き続きベクルリーを条件付きで推奨することを発表しました。
• ベクルリーについては、in vitro解析で、現在主流となっているオミクロン変異株 BA.2.12.1、BA.4 および BA.5に対する抗ウイルス活性が実証されました。その結果、ベクルリーはこれまで解析されたすべてのオミクロン変異株に対し、抗ウイルス活性を保持していることが確認されています。
オンコロジー
• 治療歴のあるHR陽性/HER2陰性転移性乳がん患者さんを対象としたTROPiCS-02試験の2回目の中間解析結果を、欧州臨床腫瘍学会(ESMO)で発表しました。その結果、医師が選択した化学療法と比較して、統計的に有意かつ臨床的に意義のある全生存期間(OS)中央値の改善が認められました(OSの中央値:14.4カ月対11.2カ月;ハザード比=0.79;95%信頼区間:0.65-0.96;p=0.02)。さらに、TROPiCS-02試験の事後サブグループ解析のデータが発表され、HR陽性/HER2陰性転移性乳がん患者さんにおいて、HER2陰性のステータスにかかわらず無増悪生存期間(PFS)の延長が認められ、本試験のintention-to-treat(ITT)集団との一貫性が示されました。
• 治療歴のあるHR陽性/HER2陰性転移性乳がん患者さんの治療を対象としたTrodelvy(sacituzumab govitecan-hziy)の生物製剤承認事項一部変更申請の優先審査をFDAが受理したことを発表しました。Trodelvy(sacituzumab govitecan-hziy)は、HR陽性/HER2陰性転移性乳がんの治療薬として、いずれの規制当局からも承認されておらず、本適応症における安全性および有効性は確立されていません。
• 大中華圏、韓国、その他のアジア市場のEverest MedicinesからTrodelvy(sacituzumab govitecan-hziy)の全世界における残りの開発・販売権を取得する契約を締結したことを発表しました。
• 二次治療を受けたびまん性大細胞型B細胞性リンパ腫および高悪性度B細胞性リンパ腫の成人患者さんを対象としたYescartaの使用について、欧州での販売承認を取得しました。さらにECでは、成人R/R ALL患者さんの治療薬としてTecartusの販売承認を取得し、カナダでは、2つ以上の全身療法後のR/R濾胞性リンパ腫の治療薬としてYescartaの条件付き販売承認を取得しました。
• カリフォルニア州オーシャンサイドのウイルスベクター製造施設について、FDAの承認を取得しました。
• 急性骨髄性白血病の治療薬として、C型レクチン様分子-1(CLL-1)を標的とする開発中のCAR-T細胞療法であるKITE-222に対し、FDAから希少疾病用医薬品指定を受けました。
• さまざまながん治療のための二重特異性抗体開発に向けて、MacroGenics社(以下、「MacroGenics」)との戦略的提携を発表しました。本契約にはMacroGenicsへの6000万ドルの前払金のほか、MGD024、開発中のCD123およびCD3二重特異性抗体の独占オプションが含まれます。
炎症領域
• 現金4億1400万ドルでMiroBioの買収を完了しました。MiroBioは英国に拠点を置くバイオテクノロジー企業で、免疫抑制性受容体を標的とするアゴニストによる免疫バランスの回復に重点を置いています。
企業展開
• 当社取締役会は、2022年第4四半期の普通株一株当たりの四半期配当は0.73ドルとしたことを発表しました。配当金は、2022年12月15日の営業終了時に登録されている株主に対して2022年12月29日に支払われます。将来の配当は取締役会の承認を得るものとします。
本プレスリリースでは、一部の金額および割合が四捨五入されているため、係数の総和が一致していない、再計算で数字が合わない場合があります。
電話会議
ギリアドは、太平洋時間10月27日午後1:30に業績説明のための電話会議を開催します。
ウェブでの生配信はhttp://investors.gilead.comでご覧いただけます。また、アーカイブはwww.gilead.comで1年間ご覧いただけます。
非GAAPベースの財務情報
本資料に記載されている情報は、非GAAPと明記されていない限り、米国では一般に公正妥当と認められる会計原則(GAAP)に基づいて作成されています。経営陣は、非GAAP情報をギリアドのGAAP財務情報と併せて検討することにより、投資家に有益な情報を提供できると考えています。これは、経営陣がこのような情報を経営、予算管理、および財務計画を目的として社内で使用しているためです。非GAAP情報は、包括的な会計規則に基づいて作成されたものではなく、GAAPに基づいて報告されたギリアドの業績の理解を補完するためにのみ使用されるべきものです。一般的に、非GAAP財務情報には、買収無形資産償却費、棚卸資産のステップアップ費用、買収IPR&D費、その他通常では想定できない項目やギリアドの事業の基本的な事業状況を反映していない項目を含む取得関連費用、保有株式等の公正価値評価、税法やガイドラインの変更に伴う個別の税金費用や便益などは含まれていません。ギリアドは非GAAP財務情報から買収した無形資産の償却費を一貫して除外していますが、経営陣は、このような無形資産が買収の一部として計上され、継続的な収益創出に貢献していることを投資家に理解してもらうことが重要であると考えています。非GAAP評価指標は、同業他社では異なる定義や計算方法を採用している場合があります。非 GAAP ベースの財務指標と最も直接的に比較できるGAAP基準の財務指標との比較表は、下記の表をご参照ください。
米国証券取引委員会(SEC)からの最近の業界への通達に従い、ギリアドでは2022年第1四半期より、非GAAPベースの財務指標において、買収によるIPR&D費用を除外していません。前期の非GAAP財務指標は、新しい発表方法に合わせて改定されました。
ギリアド・サイエンシズについて
ギリアド・サイエンシズは、すべての人々にとってのより健康な世界の実現を目指し、30年以上にわたり医療の革新を追求し、飛躍的な進歩を遂げてきたバイオ医薬品企業です。当社は、HIV、ウイルス性肝炎、がんなどの生命を脅かす疾患の予防と治療のため、革新的な医薬品の開発に取り組んでいます。カリフォルニア州フォスターシティに本社を置き、世界 35 カ国以上で事業を行っています。
本プレスリリースは発表元が入力した原稿をそのまま掲載しております。また、プレスリリースへのお問い合わせは発表元に直接お願いいたします。
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このプレスリリースを配信した企業・団体
- 名称 ギリアド・サイエンシズ株式会社
- 所在地 東京都
- 業種 医薬品
- URL https://www.gilead.co.jp/
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