ウパダシチニブについて、中等症から重症の活動性クローン病に対する治療薬として欧州委員会より承認を取得

アッヴィ

2023年5月12日

アッヴィ合同会社

アッヴィ、ウパダシチニブについて、中等症から重症の活動性クローン病に対する治療薬として欧州委員会より承認を取得

 

― 欧州連合(EU)におけるウパダシチニブの7番目の適応症であり、中等症から重症の活動性クローン病の成人患者さんの経口治療薬として承認された最初かつ唯一のヤヌスキナーゼ(JAK)阻害剤

― アッヴィの炎症性腸疾患のポートフォリオにおいて、1年未満で承認を取得した消化器疾患領域での3番目の適応症

― 12週時および52週時に、主要評価項目である内視鏡的改善および臨床的寛解、ならびに主な副次評価項目であるステロイド不使用での臨床的寛解を達成した患者さんの割合は、プラセボ群と比較してウパダシチニブ群で有意に高い結果1-4。クローン病における安全性の結果は、これまでに確認されているウパダシチニブの安全性プロファイルとおおむね一致1,5-9

― クローン病は、胃腸管(消化器)に炎症を引き起こす慢性全身性疾患であり、手術などの緊急処置を要する合併症をきたすこともある進行性の疾患10,11

 

イリノイ州ノースシカゴ、2023年4月17日(米国時間)—アッヴィ(NYSE:ABBV)は本日、ウパダシチニブ45 mg(寛解導入療法時の用量)、ならびに15 mgおよび30 mg(維持療法時の用量)について、既存治療または生物学的製剤のいずれかで効果不十分、効果減弱または不耐容であった中等症から重症の活動性クローン病の成人患者さんに対する最初の経口ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害剤として、欧州委員会(EC)より承認されたことを発表しました1-4

 

アッヴィのsenior vice president, research and development, chief scientific officerであるThomas Hudson, M.D.は次のように述べています。「ECによるクローン病を対象としたウパダシチニブの承認は、内視鏡的改善や症状緩和の持続を可能とする最初で唯一の1日1回投与の経口治療薬を提供し、患者さんの日常生活に大きな変化をもたらしうる、重要な節目となります。既存治療では治療目標を達成するのに十分な疾患コントロールを得られない患者さんのため、私たちは新たな治療選択肢によってIBD(炎症性腸疾患)ポートフォリオの拡大に挑戦を続けていきます」

 

ECによる今回の承認は、2つの寛解導入療法試験(U-EXCEEDおよびU-EXCEL試験)、ならびに維持療法試験(U-ENDURE試験)から得られたデータに基づいています1。寛解導入療法試験におけるウパダシチニブ45 mg、ならびに維持療法試験におけるウパダシチニブ15 mgおよび30 mgで、プラセボと比較して主要評価項目および主な副次評価項目について統計学的に有意差が認められました1-4

 

第III相プログラムの主要評価項目に関する結果は以下の通りです1-4

 

・内視鏡的改善*U-EXCEEDおよびU-EXCEL試験において、12週時に内視鏡的改善を達成した患者さんの割合は、ウパダシチニブ45 mg群でそれぞれ35%および46%であったのに対し、プラセボ群では4%および13%でした1。U-ENDURE試験において、52週時に内視鏡的改善を達成した患者さんの割合は、ウパダシチニブ15 mg群および30 mg群でそれぞれ28%および40%であったのに対し、プラセボ群では7%でした1

 

・臨床的寛解U-EXCEEDおよびU-EXCEL試験において、12週時に臨床的寛解を達成した患者さんの割合―、ウパダシチニブ45 mg群でそれぞれ40%および51%であったのに対し、プラセボ群では14%および22%でした1。さらに、U-ENDURE試験において、52週時に臨床的寛解を達成した患者さんの割合は、ウパダシチニブ15 mg群および30 mg群でそれぞれ36%および46%であったのに対し、プラセボ群では14%でした1

 

主な副次評価項目および追加された評価項目は以下の通りです。

 

・ステロイド不使用での臨床的寛解U-EXCEEDおよびU-EXCEL試験において、12週時にステロイド不使用での寛解を達成した患者さんの割合は、ウパダシチニブ45 mg群でそれぞれ37%および44%であったのに対し、プラセボ群では7%および13%でした。U-ENDURE試験において、52週時にステロイド不使用での寛解を達成した患者さんの割合は、ウパダシチニブ15 mg群および30 mg群でそれぞれ35%および45%であったのに対し、プラセボ群では14%でした1

 

・粘膜治癒§さらに、U-EXCEEDおよびU-EXCEL試験において、12週時にSES-CDの潰瘍面のサブスコアが0であった患者さんの割合は、ウパダシチニブ45 mg群でそれぞれ17%および25%であったのに対し、プラセボ群では0%および5%でした。U-ENDURE試験において、52週時にSES-CDの潰瘍面のサブスコアが0であった患者さんの割合は、ウパダシチニブ15 mg群および30 mg群でそれぞれ13%および24%であったのに対し、プラセボ群では4%でした(全ての名目上のp値<0.001)1

 

フランスのナンシー大学病院消化器内科教授であり消化器内科の炎症性腸疾患グループ長(professor of gastroenterology and head of the Inflammatory Bowel Disease group at the Gastroenterology Department, University Hospital of Nancy, France)であるLaurent Peyrin-Biroulet, M.D., Ph.D.は次のように述べています。「クローン病は、日常的にしばしば不快で困難な状況を患者さんに強いることもある、大きな負担となりうる疾患です。これらの試験結果から、ウパダシチニブによって内視鏡的転帰や症状緩和など、患者さんにとって重要で長期の治療に有益である主な治療目標を達成する可能性が示されました」

 

クローン病におけるウパダシチニブの安全性プロファイルは、これまでに確認されているウパダシチニブの安全性プロファイルとおおむね一致していました1-4。重篤な感染症を含む重篤な有害事象の発現率は、ウパダシチニブ群とプラセボ群で同様でした1-4。ウパダシチニブ群で最も多く認められた有害事象は、上咽頭炎、ざ瘡および新型コロナウイルス感染症でした1-4。悪性腫瘍、主要心血管イベント、静脈血栓塞栓性イベントおよび消化管穿孔の報告は低頻度でした(100患者年あたり1.0件未満)。

 

ウパダシチニブはEUにおいて、X線基準を満たす体軸性脊椎関節炎、X線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎、関節症性乾癬(乾癬性関節炎)、関節リウマチ、潰瘍性大腸炎の成人患者さん、アトピー性皮膚炎の成人および青少年患者さんの治療薬として承認されており、さらに今回クローン病の治療薬として承認されました1,5-9

 

クローン病について

クローン病は胃腸(消化管)に炎症が起きることにより、持続的な下痢や腹痛をきたす慢性全身性疾患です10,11。進行性の疾患であるため、多くの患者さんにおいて時間経過とともに悪化し、手術などの緊急処置を要する合併症をきたすこともあります10,11。クローン病の徴候・症状は予測できないため、患者さんにとって身体面だけでなく、精神面、経済面にも大きな負担となることがあります10,11

 

U-EXCEEDおよびU-EXCEL寛解導入療法試験、ならびにU-ENDURE維持療法試験について1-4

3つの第III相試験は、中等症から重症の活動性クローン病の患者さんを対象とした、多施設共同、無作為化、二重盲検、プラセボ対照試験です。45 mgを投与する寛解導入療法と、15 mgまたは30 mgを投与する維持療法において、ウパダシチニブの有効性および安全性を評価しています。U-EXCEEDおよびU-EXCEL寛解導入療法試験で得られた主要な結果は、それぞれ202112および20222に発表しています。U-ENDURE維持療法試験で得られた主要な結果は、20225に発表しています。詳細はwww.clinicaltrials.gov(U-EXCEED試験:NCT03345836、U-EXCEL試験:NCT03345849、U-ENDURE試験:NCT03345823)に掲載されています。

 

ウパダシチニブについて

アッヴィの科学者が発見し開発したウパダシチニブは、選択的かつ可逆的なヤヌスキナーゼ(JAK)阻害剤です1。ヒトの細胞アッセイにおいて、ウパダシチニブはJAK1又はJAK1/3によるシグナル伝達を優先的に阻害し、その機能選択性はJAK2 ペアを介してシグナル伝達を行うサイトカイン受容体よりも高いことが報告されています1

 

巨細胞性動脈炎および高安動脈炎を対象とするウパダシチニブの第III相試験が進行中です1,12-14

 

世界各国で処方情報は異なります。完全な情報は各国の製品表示をご参照ください。

 

消化器領域におけるアッヴィについて

潰瘍性大腸炎やクローン病といった炎症性腸疾患(IBD)の領域を大きく発展させるため、アッヴィは強固な臨床試験プログラムを実施し、最先端の研究に取り組んでいます。革新と学習、そして適応を通して、IBDによる患者さんの負担をなくし、患者さんの生活を長期にわたって改善していくことを目指しています。消化管領域におけるアッヴィについて、詳細はこちらをご覧ください。

 

アッヴィについて

アッヴィのミッションは現在の深刻な健康課題を解決する革新的な医薬品の創製と提供、そして未

来に向けて医療上の困難な課題に挑むことです。患者さん一人ひとりの人生を豊かなものにする

ため次の主要領域に取り組んでいます。免疫疾患、がん、神経疾患、アイケア、ウイルス、ウイメン

ズヘルス、消化器疾患、さらに私たちのアラガンエステティックスポートフォリオの製品・サービスです。アッヴィの詳細については、www.abbvie.comをご覧ください。Twitter アカウント@abbvieFacebookLinkedInInstagramでも情報を公開しています。

 

 

1.RINVOQ [Summary of Product Characteristics]. AbbVie Deutschland GmbH & Co. KG; March 2023. https://www.ema.europa.eu/en/documents/product-information/rinvoq-epar-product-information_en.pdf

2.Colombel JF, Panes J, Lacerda AP, Peyrin-Biroulet L. Efficacy and safety of upadacitinib induction therapy in patients with moderately to severely active Crohn's disease who failed prior biologics: results form a randomized phase 3 U-EXCEED study. Gastroenterology. 2022;162(7):S-1394. doi:10.1016/S0016-5085(22)64061-7

3.Loftus EV, Colombel LF, Lacerda AP, et al. Efficacy and safety of upadacitinib induction therapy in patients with moderately to severely active Crohn's disease: results from a randomized phase 3 U- EXCEL study. United European Gastroenterol J. 2022;10(8):103-104. doi: 10.1002/ueg2.12293.

4.Panes J, Loftus E, Lacerda AP, Peyrin-Biroulet L, D'Haens G, Panaccione R. Efficacy and safety of upadacitinib maintenance therapy in patients with moderately to severely active Crohn's disease: results from a randomized phase 3 U-ENDURE maintenance study. American College of Gastroenterology. 2022;1-14.

5.Guttman-Yassky E, Teixeira HD, Simpson EL, et al. Once-daily upadacitinib versus placebo in adolescents and adults with moderate-to-severe atopic dermatitis (Measure Up 1 and Measure Up 2): results from two replicate double-blind, randomised controlled phase 3 trials. Lancet. 2021;397(10290):2151-2168. doi:10.1016/S0140-6736(21)00588-2

6.Cohen SB, van Vollenhoven RF, Winthrop KL, et al. Safety profile of upadacitinib in rheumatoid arthritis: integrated analysis from the SELECT phase III clinical programme. [published correction appears in Ann Rheum Dis. 2021 May;80(5):e83]. Ann Rheum Dis. 2021;80(3):304-311. doi:10.1136/annrheumdis-2020- 218510

7.van der Heijde D, Song IH, Pangan AL, et al. Efficacy and safety of upadacitinib in patients with active ankylosing spondylitis (SELECT-AXIS 1): a multicentre, randomised, double-blind, placebo-controlled, phase 2/3 trial. Lancet. 2019;394(10214):2108-2117. doi:10.1016/S0140-6736(19)32534-6

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9.Danese, S, Vermeire, S, Zhou, W, et al. Upadacitinib as induction and maintenance therapy for moderately to severely active ulcerative colitis: results from three phase 3, multicentre, double-blind, randomised trials. Lancet. 2022;399(10341):2113-2128. doi: 10.1016/S0140-6736(22)00581-5.

10.Crohn's disease. Symptoms and causes. Mayo Clinic. Accessed March 8, 2023. https://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/crohns-disease/symptoms-causes/syc-20353304

11.The facts about inflammatory bowel diseases. Crohn's & Colitis Foundation of America. Accessed March 8, 2023. https://www.crohnscolitisfoundation.org/sites/default/files/2019-02/Updated%20IBD%20Factbook.pdf

12.Pipeline. AbbVie. Accessed March 3, 2023. https://www.abbvie.com/our-science/pipeline.html

13.A study to evaluate the safety and efficacy of upadacitinib in participants with giant cell arteritis (SELECT-GCA). ClinicalTrials.gov. 2022. Updated March 21, 2023. Accessed March 21, 2023. https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT03725202

14.A study to evaluate the efficacy and safety of upadacitinib in participants with Takayasu arteritis (TAK) (SELECT-TAK). ClinicalTrials.gov. Updated November 28, 2022. Accessed March 6, 2023. https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT04161898A Study of the Efficacy and Safety of Upadacitinib (ABT-494) in Participants With Moderately to Severely Active Crohn's Disease Who Have Inadequately Responded to or Are Intolerant to Conventional and/or Biologic Therapies. ClinicalTrials.gov. 2022. Available at: https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT03345849. Accessed on June 3, 2022.

 

*内視鏡的改善は、簡易版クローン病内視鏡スコア(SES-CD)が寛解導入療法試験のベースラインから50%超低下(ベースラインのスコアが4であった患者さんはベースラインから2ポイント以上低下)した場合と定義しました。

†臨床的寛解(SF/APに基づく)は、非常に軟らかい便または水様便の1日の平均回数が2.8回以下かつ腹痛スコアが1.0以下であり、かついずれにもベースラインからの悪化が認められない場合と定義しています。

‡ステロイド不使用での臨床的寛解は、寛解導入療法試験においてベースライン時にステロイドを使用していた患者さんがステロイドの使用を中止し臨床的寛解を達成した場合、および維持療法試験において患者さんが90日間ステロイドを使用せず臨床的寛解を達成した場合と定義しています。

§粘膜治癒は、ベースライン時にSES-CDの潰瘍面のサブスコアが1以上であった患者さんのSES-CDの潰瘍面のサブスコアが0となった場合と定義しています。粘膜治癒は事前に設定された評価項目で、多重性の調整はされていません。

 

 

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