2024年３月７日

2023年度日本農芸化学会関西支部の技術賞を受賞。

新規バイオマーカーや食品の新しい機能性探索に活用できる新技術「腸内細菌由来の脂肪酸代謝産物のターゲットリピドミクス分析法」

　 Noster株式会社（本社：京都府向日市、代表取締役CEO：北尾浩平、以下「NOSTER」）は、慶應義塾大学 薬学部の有田誠 教授、京都大学大学院 農学研究科の小川 順教授、岸野重信准教授らとの共同研究により開発した腸内細菌由来の脂肪酸代謝産物のターゲットリピドミクス分析法について、2023年度日本農芸化学会関西支部の技術賞を受賞しました。

本技術は、腸内細菌が作る45種の脂質代謝産物を包括的に分析可能で、腸内細菌の代謝メカニズムの解析、新規バイオマーカーや治療標的の探索、食品の新たな機能性の発見などに活用いただけるものです。今回、腸内細菌由来の脂質代謝産物に特化した独自の分析法が評価され、2月10日（土）に京都大学百周年時計台記念館で開催された日本農芸化学会関西支部の講演会にて受賞記念講演を行いました。

左から京都大学大学院 農学研究科 小川 順教授、Noster株式会社　アライアンスグループ 辻 光倭、京都大学大学院 農学研究科 岸野重信准教授、2月10日は慶應義塾大学 薬学部　有田誠教授は欠席されています

〈 腸内細菌がつくる代謝産物とは 〉

代謝産物とは、体内でおこる化学反応の過程で生じる物質のことで、糖やアミノ酸、脂質、核酸、その他情報伝達物質など様々な種類があります。私たちの腸管内に生息する多種多様な腸内細菌も，食事で摂取した栄養素や腸内から分泌される成分などを元にさまざまな代謝産物を産生しています。これらの代謝産物は、腸管から吸収されて血液循環系を介して全身を巡るため、その働きがヒトにとって重要であることが近年の研究により明らかになってきています。そこで当社は、機能性脂肪酸「HYA™（エイチワイエー） [*1] 」を含む脂肪酸代謝産物に着目し、包括的に解析する技術の開発を進めました。

〈 腸内細菌由来の脂肪酸代謝産物のターゲットリピドミクス分析法 〉

リノール酸、α-リノレン酸、γ-リノレン酸を基質とする脂肪酸代謝物45種を独自に合成し、これらを標品にしてLCおよびMS条件の最適化を行い、検量線を用いた一斉定量を可能としました。当社では、この分析法とオリジナル脂質代謝物ライブラリーを用いた、独自のメタボローム解析サービスの提供をしています。

Caption: 液体クロマトグラフィー-タンデム質量分析法を用いた、腸内細菌により産生される多様な脂肪酸代謝物の包括的な分析

■受賞の概要

受賞者：Noster株式会社　辻 光倭

慶應義塾大学 薬学部　有田誠教授

京都大学大学院 農学研究科 小川 順教授

京都大学大学院 農学研究科 岸野重信准教授

受賞概要：腸内細菌由来の機能性脂肪酸類のターゲットリピドミクス分析法の開発

受賞対象業績：Kowa Tsuji 1.2, Wataru Shimada 2, Shigenobu Kishino 3, Jun Ogawa 3, Makoto Arita 1,4, Comprehensive analysis of fatty acid metabolites produced by gut microbiota using LC-MS/MS-based lipidomics, Medical Mass Spectrometry “Lipidomics”, Vol. 6 No. 2 p112~125, (2022).

https://doi.org/10.24508/mms.2022.11.003

■注釈・参考

[*1] HYA ： NOSTER（ノステル）が、世界で初めて微生物合成に成功した腸内細菌によるリノール酸代謝物。10-hydroxy-cis-12-octadecenoic acid

■会社概要

名称　　　　：Noster株式会社

代表者氏名　：代表取締役 CEO　北尾浩平

所在地　　　：京都府向日市上植野町南開35-3

事業内容　　：バイオ医薬品・機能性食品の研究開発および販売

関連URL　 ： https://www.noster.inc/jp/ , https://www.noster.inc/jp/services/

https://www.noster.inc/wp/wp-content/uploads/2024/02/1c4a6bff49d29dd6f90f0020bf340896.pdf

本件についてのお問い合わせ先
Noster株式会社　広報担当： 赤塚

TEL： 075-921-5303 ／ FAX： 075-924-2702
メールアドレス： n.akatsuka@noster.inc