【注意喚起】早めの点検・試運転で、エアコンの有効活用を

熱中症「警戒アラート」「救急搬送」2年で2倍

 2022年に続き、2023年も全国的に記録的な暑さでした。世界及び日本国内の年平均気温は、統計が開始されて以降で最も高い値となりました(※1)。気象庁の予報では、今年の夏も平年より気温が高くなる見通しとなっています(5月21日発表時点)(※2)。 

 夏、特に気を付けなければいけないのが命にも関わる熱中症ですが、その対策のひとつとしてエアコンの有効活用があげられます。メンテナンス不足などで肝心な時にエアコンが使用できなくなることがないよう、独立行政法人製品評価技術基盤機構[NITE(ナイト)、理事長:長谷川 史彦、本所:東京都渋谷区西原]は、本格的な夏を迎える前の早めのエアコン点検・試運転をお勧めします。早めのエアコン点検・試運転は、事故の未然防止にも有効です。

 

 

 統計によれば、対象期間中の「熱中症警戒アラートの年間発表回数」、「熱中症で救急搬送された年間人数」ともに2年で約2倍に増加しています(詳細は後述の図1、図2を参照)。

 熱中症で救急搬送される半数以上が高齢者です。また、熱中症の4割が住居で発生しています(詳細は後述の図3、図4を参照)。熱中症でお亡くなりになった方の中には、エアコンを使用していなかったケースも多数確認されています(※3)。

 エアコンの点検・修理・工事依頼は夏場に集中します。お持ちのエアコンが正常に動作することを早めに確認し、比較的空いているこの時期に、必要に応じた修理などを済ませておきましょう。エアコンを有効に活用して熱中症のリスクを低減し、安全で快適な夏を迎えましょう。

 

 

 

エアコン点検・試運転時の5つのポイント(※4)

点検・試運転前の確認ポイント

①電源プラグや室内機のフィルターにほこりがたまっていないか。

②室外機の上や前後など周辺に物を置いていないか、汚れがないか、ドレンホースの排出口がふさがれていないか。

点検・試運転の際の確認ポイント

③(設定可能な)最低温度に設定し、冷房運転で冷風が出るかどうかを10分間試運転して確認。

④さらに30分ほど運転し、以下のような異常がないかを確認。

  ☑ 室内機から水漏れがないか。

  ☑ 異音・異臭がないか(室内機及び室外機)。

  ☑ エラー表示がないか、運転が意図せず停止しないか。

⑤異常が確認された場合には、販売店やメーカーに相談し、必要に応じて点検を受けましょう。

 

(※1)気象庁発表 気候変動監視レポート     https://www.data.jma.go.jp/cpdinfo/monitor/index.html

(※2)気象庁発表 3か月予報(6月~8月)

https://www.data.jma.go.jp/cpd/longfcst/kaisetsu/?region=010000&term=P3M

(※3)大阪府 健康医療部 監察医事務所

https://www.pref.osaka.lg.jp/kansatsui/nettyuusyo-kannkei/index.html

(※4)一般社団法人日本冷凍空調工業会                https://www.jraia.or.jp/file/A_air_conditioner_maintenance_01.pdf

 一般財団法人家電製品協会

https://www.aeha.or.jp/safety/pdf/air_conditioner_maintenance.pdf

 

 

 

 

 

熱中症警戒アラートの発表状況

 2021年から2023年までの3年間に発表された熱中症警戒アラート(※5)の「月別の発表回数」を図1に示します。また、表に「2023年の地域別の熱中症警戒アラート発表回数」を示します。

 4月から10月までの間に、2021年は613回、2022年は889回、2023年は1232回、アラートが発表されており、近年の猛暑の影響で増加傾向にあり注意が必要です。アラートは7月から急激に増え、8月にピークを迎えています。

 

図1 月別の熱中症警戒アラート発表回数

 (※5)2021年4月下旬から、環境省と気象庁が全国を対象に運用を開始したアラート情報です。熱中症の危険性が極めて高くなると予測された際に、危険な暑さへの注意を呼びかけ、熱中症予防行動を促すための情報です。全国を58に分けた府県予報区等の単位で発表されています。

 

 

表 2023年の地域別(※6)の熱中症警戒アラート発表回数

 

(※6)本資料における各地域の都道府県は下記のとおりです。


 

(図1、表:環境省HP「熱中症予防情報サイト 熱中症警戒アラートの発表履歴」よりNITEが作成)https://www.wbgt.env.go.jp/alert_record.php

 

 

 

熱中症による救急搬送人数

 2019年から2023年までの5年間(各年の対象月は6月から9月までの期間)の熱中症による救急搬送人数について、図2に「年別の救急搬送人数」、図3に「年代別の割合」、図4に「発生場所の割合」を示します。

 ここ数年、救急搬送人数が増加傾向にあり、2023年は2021年の約2倍に増加、過去5年間で最も多い人数になっています。また、熱中症警戒アラートの傾向と同様、7月、8月に救急搬送人数が多くなっています。

 熱中症は高齢者の方に多く起きており、また、熱中症の発生場所は4割が住居となっています。高齢者の方は加齢により、暑さに対する感覚機能や体の調節機能が低下してしまうため特に熱中症に注意が必要です(※7)。熱中症警戒アラートなどを参考に、できるだけ外出を控えるとともに、部屋の温度が高くならないようエアコンを上手に活用しましょう。こまめな水分補給も心がけるようにしてください。さらに、周りの家族がエアコンの使用を促してあげるなど積極的な声かけをすることも重要です。

 

(※7)環境省 熱中症予防情報サイト「高齢者のための熱中症対策」

https://www.wbgt.env.go.jp/pdf/pr/20230530_leaflet_for_elderly.pdf

 

 

 

図2 年別の熱中症による救急搬送人数

 

 

 

図3 年代別の熱中症 救急搬送人数割合

 

 

 


図4 熱中症の発生場所割合

 

 

(図2、図3、図4:総務省消防庁HP「熱中症情報」よりNITEが作成)

https://www.fdma.go.jp/disaster/heatstroke/post4.html

 

 

 

今回の注意喚起動画はこちら

>>「熱中症予防のためのエアコン試運転のポイント」

 

 

 

 

 

独立行政法人 製品評価技術基盤機構(NITE)製品安全センターの概要

 NITE 製品安全センターには、消費生活用製品安全法などの法律に基づき、一般消費者が購入する消費生活用製品(家庭用電気製品やガス・石油機器、身の回り品など)を対象に毎年1千件以上の事故情報が寄せられます。製品安全センターでは、こうして収集した事故情報を公平かつ中立な立場で調査・分析して原因究明やリスク評価を行っています。原因究明調査の結果を公表することで、製品事故の再発・未然防止に役立てています。

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