尼崎市指定文化財を指定しました ~今から約 660 年前の尼崎の戦乱の様子を伝える新発見の資料~

尼崎市

1 尼崎市指定文化財の指定

 尼崎市教育委員会は、尼崎市所蔵の「六瀬頼連軍忠状(むつせよりつらぐんちゅうじょう」を尼崎市指定文化財に指定しました。指定日は令和7年3月27日で、61件目の指定です。今回の指定により、尼崎市指定文化財の総数は、兵庫県指定文化財となったものを除き、57 件となりました。

 

2 新指定文化財の概要

 ⑴ 名   称     六瀬頼連軍忠状(むつせよりつらぐんちゅうじょう)

 ⑵ 種   別     有形文化財(古文書)

 ⑶ 数   量   1 通

 ⑷ 法   量   縦 31.3 ㎝ × 横 45.2 ㎝

 ⑸ 所在地     尼崎市南城内 10 番地の2

 ⑹ 所有者     尼崎市

 

3 新指定文化財の内容

 康安2年(1362、南朝年号正平17年)8月に、摂津国川辺郡北部の六瀬(むつせ) (現猪名川町)を本拠とする多田院御家人注 1の六瀬頼連(ろくせよりつら)が作成した軍忠状(ぐんちゅうじょう)注 2 です。令和6年(2024)4 月に尼崎市が歴 史博物館資料として取得しました。

 頼連はこの年8月15日に北朝方として常光寺(現尼崎市常光寺)に参陣し、翌16日夜に神崎 橋西詰で南朝勢と戦い、17日には迂回して椋橋(くらはし) (現尼崎市・豊中市)などの家々を焼き払い攻め 寄せた南朝勢と戦ったことを述べ、北朝勢を率いた京極高秀(きょうごくたかひで)の花押(かおう)と承認文言を得ています。

 この合戦は神崎合戦と呼ばれ、軍記物語『太平記』に叙述があり、江戸時代前期に描かれた 「紙本着色  浄光寺縁起図(しほんちゃくしょくじょうこうじえんぎず) 」(浄光寺所蔵・尼崎市指定文化財)にはこの合戦で建物が焼き討ちにされる情景が描かれていますが、戦闘の経過などを具体的に知ることができる軍忠状などの同時代に作成された文献資料はこれまで見つかっていませんでした。

 市内には本資料以外に尼崎に関わる南北朝内乱の合戦の軍忠状が現存しておらず、尼崎での南北朝内乱の戦乱の様相を具体的に示す稀少な資料であり歴史的価値が極めて高いことから、尼崎市指定文化財に指定されました。

 注 1 多田院御家人… 源満仲(みなもとのみつなか) 創建の多田院(現多田神社)に奉仕する武士団

 注 2 軍忠状…中世の武士が自身や家臣の戦功を上申した文書(もんじょ)で、所属する軍団の統率者に提出される

 

4 新指定文化財の公開

 尼崎市立歴史博物館では、令和7年5月10日(土)から6月29日(日)まで、新指定文化財「六瀬頼連軍忠状」を特別公開します。歴史博物館は毎週月曜日が休館、開館時間は午前9時から午後5時まで、入館は午後4時半までです。入館料は無料です。

 

 

資料

 

 

釈文

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尼崎市立歴史博物館

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